アウトローの吹き溜まり、法外都市「エル」。
それはとても大きな街だった。
大通り沿いの歓楽街は賑わい、路地の歓楽街は賑わい、地下の歓楽街は賑わい・・・・・、あらら?
その街のほとんどは歓楽街。
朝も晩もなく輝くネオン。
街に働くものは無く、ただただネオンに群がり喧騒を繰り返す人々。
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かなた 「連日繰り広げられるパレード? 冗談でしょ」
少年が、広大な砂漠を四駆のクロカン車で渡って行く。
辺りは暗く厳しい寒さに快適とはいえないが、その地方の大型怪獣のほとんどは昼行性だった。
アドラ 「ナハハハハ♪ みんな陽気なんだ♪ まあ、信じられ無いよね、アレは♪」
助手席には、相当胡散臭い、黒ずくめの少年が相乗りしている。
手足を伸ばし、拳はしっかりと窓と天井のグリップを握りしめ、フットレストを力いっぱい蹴っ飛ばしながら、軽妙な笑い声を上げていた。
かなた 「・・・・・」
アドラ 「ハハ、ナハハハハ♪ だ、だからー、黙っちゃダメなんだって♪ 何か話をね、しようじゃないの、ねー、少年♪」
かなた 「・・・・・、キミがほんとにアドラ」
アドラ 「おー! おおおーーー!!! 何を言ってるんだい! どこからどう見てもー!」
二人の前方に、砂のわだちが迫っている。
小型クロカン車「スージー」を操るかなた少年の左足が、フットペダル(ブレーキ)をわずかに押した。
すると、スージーはほんのわずかに減速、加速して小さなわだちを越えて行く。
それはとても、ほんのわずかに。
アドラ 「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! うわ! うわぁぁぁぁぁ!!!」
かなた 「ほんとーかよ・・・・・」
魔っ暗闇の砂漠に浮かぶ、ひどく歪(いびつ)に禍々しくカラフルな光が揺らめいている。
夜の砂漠の蜃気楼。
その蜃気楼は、とても鮮明に、だがとても怪しく虚ろに点滅する光を放っている。
かなた 「アレなんだ、アレ・・・・・」
アドラ 「ナハハハハハ♪ アレさ♪ ね、イカレてるだろ♪」
夜の砂漠が、サーチライトに揺らめいている事は間間ある事ではある。
比較的安全な砂漠の夜とはいえ、夜行性の怪獣がいないわけではない。
渡りの習性を持つモンスターなども時折り現れる。
それになにより、旅人を偽装する人ならざる怪物たち。
ある事ではあるのだが、眼前のアホな光はどう見ても、その類のライトではなさそうだった。
かなた 「・・・・・、う、うっそだー!」
アドラ 「イヤイヤ、ほんとにほんと♪」
かなた 「じゃあ、何かの罠だよ!」
アドラ 「だからー、アレが「夜の蜃気楼」なんだって♪」
かなた 「アレ、街だって!?」
アドラ 「そだよー♪ 毎日陽気にカーニバル、命をサイコロにのせて燃やす街、ここが噂の「エル・二ニョ」さー♪」
七色に輝くサーチライト。
ぼんやりと黄金に浮かび上がる街。
ネオンに誘(いざ)なわれ、集まり来る怪物と怪獣たち。
噂のエル・二ニョは、無数のモンスターに襲われていた。
アドラ 「ナハハハハ♪ ほらね、やってるやってる♪」