一時期には、大きな勢力を誇っていたのだと言う。
だが、今では出会うことも珍しい、希少な変わり者達らしい。
彼らについての噂は様々あるが、実際には出会う機会すら無いため確認のしようは無かった。
そんな魔犬士達については、この街ではこんな事がささやかれている。
悪魔でも、無責任で一般的な噂として。
「魔犬士たちのところにポチを持って行けば、思わぬ高値で買ってくれることがあるらしいぜ」
「あらわれたんだってな、砂漠に。 見たって奴を見たって噂で持ちきりだぜ」
「おらー、お金さえ払えば、(タンク)バスタークラスのポチでも貸してくれるってよ、聞いたんだけどもよ?」
「そいつはありがてーよ♪ それならオレっちでもハンターになれっかなー♪」
「バカな事考えるんじゃねーよ、あいつら、それ以上の化け物を飼ってるらしいじゃねーか! クワバラクワバラ」
「ははは♪ それは、「魔剣士伝説」だろーよ、そんな迷信、信じてるのかよ♪ 無い無い、ありえねーっての♪ はははははー♪」
「だ、だけどさー、この間も聞いたんだぜ」
「おまえ、ほんっとビビリだな♪ んで、何を聞いたってんだよ」
「・・・・・。トレーダーの人買いの噂」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「そ、そういやよ、魔犬士を見たって奴らはどこに行ったんだ?」
-
フェネック 「ぐるるるるるるるるるるるるるるる!!!!!」
大きな斧を両腕にぶら下げ、少女が唸っている。
その少女が、戦車を真っ二つに切り裂く姿を目撃したレイト!
びっくりした。
とてもびっくりした!
だが、恐怖よりも、善悪よりも、それよりも、不思議な感動を感じていた。
レイト 「に、人間って、凄い力を秘めてるんだ・・・・・♪」
まだ、経験値「1」のレイトは、アンドロイド、サイボーグ、クローンのような、フェイクヒューマンを知らない。
その少女の事を無条件に「ニンゲン」だと感じていた。
おばさん 「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは♪♪♪」
ジャック 「ぐるるるるるるる!」
起き上がったサーベラは、燃え上がるクルマを見下しながら高笑いをしていた。
ジャック(ポチ)は、ご主人様(おばさん)の前に立ちはだかり、唸っていた。
その少女、フェネックの視界にサーベラが入っている。
フェネック 「がるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる!!!!!」
おばさん 「ははははは♪ くっくっくっ♪ ガキ一匹、あたしにかなうはずが、ねーだろ♪」
レイト 「・・・・・(カチン!)」
様子を伺っているレイトは、おばさんが何を言ったか知らないが、なんだかカチンときた!
フェネック 「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
少女が飛びかかった。
物凄い跳躍力でおばさんに迫る少女。
レイトの位置からでも、とんでもない瞬発力と移動速度に感じるほどだった。
ジャック 「グルルルルゥゥゥゥゥ!!! ガウガウ!!!」
とんでもないステップを踏みながら近づいてくる少女めがけて、ジャックも迎撃に飛び上がった。
だが、いつの間にだか、すでに少女は斧を頭上に持ち上げている!
ジャックは、飛び掛るタイミングで、真っ二つにかち割られてしまった!!!
フェネック 「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
おばさん 「さすがだねー、狼もどき❤」
大きな斧を振り下ろし、空中で体制を崩した少女に向かって、おばさんが何やら注射器を投げつけた!
フェネック 「がぁぁぁぁぁ!!!!! あああああああ! ぐぐぐぐぐ、ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
レイト 「・・・・・・・・・・」
少女が、何だか悔しそうな唸り声を上げながら倒れこんだ。
レイトはその光景を、全集中力を目に注いで追いかけていた。
フェネック 「ううううううううう、・・ち・くしょ・・・・・・・・・・・(涙)」
レイト 「 !? 」
少女の涙が見えた・・・・・。
いや、その距離と砂塵で見えるわけは無いのだが・・・・・。
だが、レイトは飛び出していた!
自分でも勝算が無い事はわかっていた・・・・・、いや、少年には、そんな打算すら眼中に無かった!
だが、出て行ったはいいのだが・・・・・。
レイト 「どうすんだ、オレ、あの子をほっとけないがどうやって助けるんだ、オレ・・・・・」
レイトはヨロヨロとした足取りで、ゆっくりおばさんに近づいていく。
レイト 「・・・・・・・・・・」
レイト 「うう~~~」
おばさん 「ん? おや? なんだい、お前は?」
レイトの服装。
ぼろぼろのシャツに裾の破れた七部丈のハーフパンツ、つぎはぎだらけの靴に杖、そして顔はボコボコ。
レイト 「ううううう~、腹減った、腹減ったよ~~~・・・・・」
おばさん 「遭難者かい?」
レイト 「そうなんです」
おばさん 「・・・・・」
レイト 「・・・・・」
おばさま 「・・・・・、ま、まー、なんてかわいそうに!」
サーベラの表情は、うって変わって、いいおばさんになった。
レイト 「め、飯を、水をめぐんでもらえませんか・・・、も、もう1週間も何も・・・ないんだ・・・・・」
おばさん 「そーかいそうかい、それは災難だったねー」
レイト 「う、うう~」
おばさん 「それで、いくら持ってるんだい?」
レイト 「・・・・・、金取るの?」
おばさん 「あー、もしかしてというか、やっぱりというか・・・・・」
おばさん 「あんた、お金持ってないんだろ。 一応聞くが親は金持ちかい?」
レイト 「親は、、、いない・・・・・」
サーベラ表情は、また悪女の顔になった、わかりやすい人だった。
おばさん 「金も無いのに、食料を頂こうなんて、なんてずうずうしい野良犬だ」
レイト 「なにか、なにかおくれ・・・・・」
おばさん 「じゃあ、ほら、コレあげるからあっちに行きなよ、ほら、しっし!」
おばさんは、ワンワングルメチューブタイプのゴミをくれた。
さっきの様子を見ていたレイトは、その何かのミンチが相当やばいものだとわかっていたが、そもそもチューブの中身は見事に空っぽだった。
レイトは、がっかりうつむいた。
だが、その表情はニヤリと笑っていた。
レイト 「っのヤロー!!! がるるるるぅ!!! なんかくれぇぇぇぇぇ!!!!!」
レイトはおばさんに突貫した!
突貫しながら、横目で倒れている少女を確認する。
空腹からか、水絶ちのせいか、そのときの行動はスローモーションだった。
その少女は少年よりは少し年上のようだった。
少女は目と口を開きっぱなしで、体中から、口から、鼻から、そして目から涙を流していた。
そして、小さな胸を激しく動かして呼吸とも痙攣ともつかない呼吸をしている。
その姿はむごいものだった。
少し姉に似た印象の少女、かわいそうにまだ意識はあるようだ。
レイト 「くぅのぉやぁらぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
おばさん 「だから、あたしは おねえさま だって言ってんだろーが!!!」
スローモーションは、まだ持続している。
おばさんの動きが手に取るようだ!
おばさんは、完全にレイトをなめきっていた!
レイトを素手でいなす、というか、ボコボコにしはじめた。
だが、明らかに手を抜いたその動きは、何とかレイトの力量で見切れるスピードだった!
ステップを踏みながらの、おばさんの右フックが飛んでくる。
レイト 「 (よし! 見切った) 」
レイト 「ぐふぅ!」
まともに脇に突き刺さる。
おばさんの左が。
レイト 「 (いける) 」
レイト 「ぐはぁ!」
ボディーに刺さる。
そして、おばさんが、大降りで左をためていた。
レイト 「 (よーし、仕上げと行くかー♪) 」
おばさん 「せぇぇぇぇぇのぉぉぉぉぉぉーーー!」
がごぉぉぉぉぉんんん!!!
レイト 「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」
正面から顔面に食い込んだ!
その、つきたてられた腕から滑り落ちるように、レイトは地べたにへたり込んだ。
おばさん 「ゾクゾク~♪ あー、 か ・ い ・ か ・ ん ❤」
きれいに左ストレートが決まったおばさんは、愛犬を7匹も殺されたのに上機嫌だった。
鼻歌交じりに、少女を抱えあげると、砂塵の向こうに去っていった。
燃え上がる残骸
ポチたちの死体
くすぶる硝煙の匂い
レイトの倒れるそこは、紛れも無く地獄だった。
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あんどろガキ
たいち 「きひひひひ♪ きゃはははははは~♪」
たいち 「きゃ~っははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは♪♪♪♪♪」
ティク 「たいちくん、そんなにおかしいかな?」
たいち 「きーききききききききききき♪ おっかしいよ~♪」
たいち 「だって、だってー!!!」
「遭難者ですか? そうなんです。 だよー♪」
たいち 「あはははは♪ あーはっはははははははははははははは♪」
ティク 「・・・・・ (この子も、やっぱり変わってる・・・・・) 」