メタルマックス ありふれたサイドストーリー   作:KR410

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悪いおばさんは去って行く。

鎖につながれた少女を抱きかかえて。

少女を救えなかった、レイト少年は砂漠に突っ伏したままだった。
砂の吹きすさぶ音に交じって、心なしか、全滅のテーマが聞こえている。
同じく、助けに来たのだろうハンターも、すぐそばで燃えていた。
だが、遠目に目撃しただけのレイトには、このハンターの目的と、あのかわいそうな少女は、まだつながっていなかった。


旅立ちの砂漠にて 第1話 「おわらねー」だとか「これからだー」だとか

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

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レイト 「・・・・・・・・・・」

 

あたりは静まり返っている。

 

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・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

レイト 「・・・・・・・・・・」

 

動くものといえば、風に揺らめく炎と、残骸の弾ける音ぐらいだった。

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

レイト 「・・・・・、行ったか?」

 

 !?

 

以外にもレイトはしぶとかった、心も体も死んでいない。

腹ばいのまま首だけをキョロキョロと、思ったよりもピンピンしている♪

相手は犬を操る魔女、慎重の上にも慎重に、匍匐前進をしながら周囲を警戒する少年。

 

・・・・・・・・・・

 

どうやら、敵の気配は無いようだった。

起き上るレイトのポケットから、何か小さい物が滑り落ちた。

 

  カラン♪ コロロ~ン♪

 

レイト 「ツツッ! いてててて! くうぅ、反撃できねー事をいい事に、ボコスカ殴りやがって」

レイト 「クソババーが、見てろよ!」

 

何か、そこに転がっている物を拾い上げると、戦場に放棄された装備品のチェックをはじめた。

ひき肉になったワンワンの背負っている重機関銃は、12、7mm。

1丁はまだ使えそうだった。

とりあえず引きずってきた。

だが、少年が使うにはでかすぎで重すぎだった。

20mm火龍。

燃えていた、何とかできる火の勢いではない。

ミサイル。

ランチャーは壊れ、そのうえ、誘導装置も弾もない。

 

レイト 「くそー! やっぱ、だめかー!」

 

ワンワンの肉を装甲車の残骸で、こんがり料理しながら、何か使えそうな物はないか、食べられそうな、飲めそうな、何か無いか漁る勇者。

命をつなぐための本気のサバイバル。

サバイバルは、あさましい。

こげたゴムのような匂いがする。

残骸の匂いだろうか?

  レイト 「すんすん、おげえぇぇぇぇぇ!!! な、なんだよ、これが肉の匂いかよ!!!」

こげこげの骨付き肉に、ためらわず、ワイルドにかぶりつくレイト少年。

  レイト 「(がぶり) ・・・・・、 おえぇぇぇぇぇ!!!」

3日の断食スパイスですらたりない、パンチの利いた味だった。

一口目を思わずリバースしたが、食べておかなければ、少女を助けるどころの話ではない。

少年は、我慢して、ジャックをたいらげるのだった。

 

  レイト 「うぐ、むぐむぐ、・・・・・ぬぐ、むぐぐ、うぐぐぐぐ! み、みず・・・・・」

 

レイトの青い顔が、ますます青くなっていく。

 

  レイト 「むぐぐぐぐ (く、苦しい) ・・・・・、みず、み、み・・・・・、おえぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

もう一度、リバースした。

まずい肉、ゴムの焦げた匂い、それらの混ざったゲ○の香ばしい香り。

ただでさえ限界サバイバル中の少年。

もう、ほんとに限界だった。

めまいがする。

体がリバースしろと言ってくる。

 

レイト 「お、おぷ・・・・・」

 

少年の世界が歪んでいく。

頭の重さが重力に逆らえない。

思わず一度目の爆心地を凝視するレイト。

ゲ○まみれの地面、何かが埋まっているのが見えた。

だが、今はそれどころではない!

 

レイト 「お、お、お、 ・・・・・」

 

埋まっているのは、ヘルメットだろうか?

打ち寄せる大波の波間に、一瞬、そんな考えが脳裏をよぎる。

 

レイト 「お、おぉ、お、うぷ、・・・・・、 おぉぉぉえぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」

 

少年の世界がひっくり返っていくようだった。

大量のアレを逆流させながら、なんだか、少し気持ちがいい♪

なんだか、またも、スローモーション。

そして、意識が遠のいていく。

 

レイト 「(あれ、あらら、あれれれれれ、オレ、もしかして・・・・・)」

 

少年の周囲が光にあふれていく♪♪♪

口からは・・・・・を撒き散らしながら、その輝くしぶきを舞い散らせながら、スローモーションの世界を至福の表情で優雅に舞う勇者♪♪♪

レイト 「姉ちゃん、兄弟達、お世話になった村のみんな。 みんなみんな、ありがとう♪♪♪」

頭の中で10年の人生がリフレインしていた。

高級なラッパの音も聞こえている。

 

 

アホでおっちょこちょいな勇者「レイト」の物語

 

 

 

     完!

 

 

 

 ・・・・・・・・・・

 

 

 

旅立って三日、何もできないまま死ぬのか・・・・・

しかも、まずいワンワンの肉の食あたりで事故死・・・・・

 

・・・・・・・・・・

 

いくらなんでもアホ過ぎる! 超かっこ悪い!

 

レイト 「ぬおぉぉぉぉぉ!!!」

レイト 「ううおぉぉぉりゃああぁぁぁぁぁ! おわらねーぞ! オレの旅はこれからだぁぁぁぁぁぁ!!! ・・・・・、 おえぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

気合を入れなおす勇者、彼の周囲が灰色の地獄に戻っていく。

何とか、正気を保っているが、まだ、スローモーション(ゲ○)の最中だった。

その、スローモーションのさなか、我に返った少年は思うのだった。

 

レイト 「 (あー、それ、メットじゃなかったんだな・・・・・) 」

レイト 「おえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

 

地面に半分埋まるそれは、男の子達の憧れの装備❤ 戦車帽だった。

当然、無言で転がる戦車帽はゲ○まみれ。

 

ゲゲまみれ戦車帽 「・・・・・」

 

そのゲゲゲは、装甲車に乗っていた人の遺品だろうか?

レイトには、そのハンターが何者だったのか? なぜここにいたのか? そもそも、ハンターだったのかすらわからないのだが、何となくそのゲゲゲに向かって誓うのだった。

それは、自分の決意を確かめるように、自分の退路を断つように。

 

レイト 「必ず、絶対にあの子を助け出すよ、オレ。 ついでにあんたの無念も一矢報いてあげる、だから少しだけ力を貸してよね」

ゲゲゲ 「・・・・・」

 

そう言って、少年はゲゲゲの戦車帽を手にしようとした。

少しでも装備を整えなければならなかった。

汚いだのなんだの、言っている場合ではない。

 

だけど、そうは言っても、少しだけ、ちょっとだけためらいがある。

 

レイト 「・・・・・」

ゲゲゲ 「・・・・・」

レイト 「・・・・・」

 

 「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

だから、汚いぐらいで悲鳴をあげている場合ではない!

 

 「うげ、 くっせえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」

 

だから、そんな場合ではないだろ!

 

レイト 「うわぁぁぁぁぁ!!! おわぁぁぁぁぁ!!!!!」

ゲゲゲ 「げげげー! ゲ〇まみれかよ・・・・・」

レイト 「おわぁぁぁ! あわわわわ!!!!!」

 

砂のお化けがゲゲゲまみれの戦車帽をかぶって立ち上がった。

モンスターだ! 

レイトはその場を飛びのき、転がる12、7mmに飛びついた。

ゲゲゲ魔人に対峙する、超体調の悪い、背水の陣を決め込んだはずの勇者。

銃器の扱いなんて、実戦経験はほぼ無いのだが、重たい引き金を引き、トリガーに手をかけた。

ちょっとバックしたが、とっさにとったその行動は、とても、さまになっていた!

 

 

ゲゲゲ 「うわぁ、待て待て! オレは敵じゃねー!!!」

 

 




-
  あとがき

ポチの背負ってる重火器いついて。

戦闘用に強化されたバイオニックワンワン達。
重機関銃の反動にも耐える強靭な筋肉。
パワーアシストつきのマウント付きベスト。
そのマウントに据え付けられた大反動・大口径機関銃。

だけど、高価な電子機器や電動のアシスト装置は、量産型には使えない。
だから、機関銃も、車載機銃の流用品。
特殊なチェーンガンとか以外は、外せば手動で撃てるし、逆にユニバーサルデザインのマウントは、一般的な「副砲」の穴と共通規格❤
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