レイト 「は、はれ? ・・・・・はれれれれ?」
謎の人 「目が覚めたかよ(怒)、ったく」
レイト 「・・・・・、どこ? ここ? どうなってんの???」
(※ 「クフィーヤ」 シュマグより、もうちょっと高級な、装飾もしっかりした感じ)
レイト 「はり? あんた、だれ? ・・・・・博士?」
気がついてみれば、椅子に腰掛ける知らない人に、対面で密着していた。
二人の距離は、赤面するほど近かった❤
謎の人 「はり? じゃねーよ! まったっくもー・・・・・」
そう言って、謎の人は、左手のレバーを力強く引いた。
ガコン☆
♪ふぉおおおあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
♪わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!!!
レイト 「おおおおお!!!!!」
物凄い爆音と、激しい縦Gが襲い掛かってくる。
その大音量のノイズは、あの躍動的な感動的な戦慄と同じで、なんだか胸を熱くする。
だがしかし、決定的に違っていた。
とてもノイジーなのだが、不思議と心地が良い♪
謎の人 「いつまで抱きついてんだよ、俺は博士じゃねーんだよ。 目が覚めたんならそっちに移ってろよな」
レイト 「・・・・・・・・・・はひ」
レイトは素直に、隣の椅子に移った。
状況が理解できないようで、ポカーンとしている。
レイト 「・・・・・・・・・・博士は?」
謎の人 「さっきから、誰だよ、博士って?」
おとなしく移動した隣の椅子、とても座り心地が良かった。
ボロボロの体、空腹、乾き。
限界をとうに越えているレイト少年の心を、心地良い鼓動が癒していく。
レイト 「・・・・・・・・・・すっげー」
経験した事の無い、非日常的スピードで流れて行く砂漠の景色。
ギャップを越えるたびに突きあがる、激しい衝撃。
アホほどきつい横Gを伴うコーナリング。
わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!
わぁぁぁん わぁぁぁぁぁぁぁんんん!!!
ズザザザザザーーー♪
♪♪♪ ふぉおぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ ♪♪♪
心地良い快音を撒き散らしながら、カスタムサンドバギーがぶっ飛んでいた!
謎の人 「シートベルトしとけ」
レイト 「・・・・・なんで?」
謎の人 「なんでって、死にたくねーだろ? また暴れられても困るってのもあるけどね」
レイト 「・・・・・オレ、また死んだ?」
謎の人 「・・・・・また?」
なんだか、話がかみ合わない二人だった。
案外、似たもの同士なのかも。
謎の人 「おまえ、フィエの仲間なのか?」
レイト 「・・・・・フィエ?」
謎の人 「えっ? 助けようとしてくれてたんだろ、フィエのこと」
レイト 「・・・・・ちょ、ちょっとまって、フィエって誰? 博士はどこ行った? オレ、何でクルマに乗ってるんだ???」
勇者の疑問は尽きない。
レイト 「オレ、何してたんだっけ・・・・・」
レイト 「・・・・・、そうだ! 父ちゃんに殴られて、それから・・・・・」
謎の人 「フィエの仲間じゃねーのか? じゃー、あそこで何してたんだよ」
レイト 「あそこ・・・・・」
うつろな表情のまま、暗い影を宿して、ぶつぶつと独り言をつぶやき続けるレイト少年。
かなり、やられている、病んでいる感じだった。
謎の人 「・・・・・・・・・・」
謎の人は、かわいいそうな人を見るように、哀れんだ表情を浮かべた。
いやいや、グルグル巻きのストールのせいで表情は見えないが、「熱でか、渇きでか精神が崩壊したんだな、きっと!」と思っているに違いない。
その時、ぶつぶつとぶつぶつ言うレイトの耳に、魂にまで染み入る幻聴が・・・・・
チャポン♪
レイト 「 !? 」
うつろに開きっぱの瞳孔が、猫のように収縮していく。
レイト 「がーぶ がぼがぼがぼがぼ♪」
水筒がぶらさがっていた。
勇者は、水筒を手に入れた。
と、同時にもう空っぽだった。
きれいに、最後の滴まで飲み干した。
レイト 「ぷっはーーー!!!」
謎の人 「あーーー! てめーーーーーー!!!!!」
ゴチィィィィィンンン!!!
レイトは、ゴチンとどつかれた。
レイト 「あー♪ いーき返ったー♪」
まーったく、効いちゃいなかった。
謎の人 「なんだと! ビクともしないだと!?」