「ふわぁ…眠い」
時刻は11時。とうに登校時間が過ぎた通学路に、欠伸をかみ殺して歩く白髪の少年。
少年の名は遠坂恭介。
「…ぁあ、めんどいな」
校門が見えると更に気怠くなる。だが、唯一の俺の存在意義があのクラスにはある。
私立椚ヶ丘中学3年Eクラス、通称エンドのE
他のクラスから差別の対象となり、裏山の校舎など様々な差別が見受けられる。
「――まあ、もうそんなことどうでもいいか」
道とは言えないような険しい山道を、何事も無いように恭介は歩く。
「せんせー、今日新しい生徒が来るはずですよね?もう昼なんですけど…」
「そのはずですが…特に何の連絡も受けていませんので来るはずですよ?」
学級委員の磯貝は、昼飯を食べ終わると教卓にいるタコのような超生物に尋ねる。さりげなく対先生用エアガンを発砲しながら。
「ねぇねぇ凛香ちゃん、どんな人が来るのかなぁ?」
「さあ…停学明けって言ってたから赤羽みたいな奴じゃないの?」
ゆるふわな女子、倉橋は茶髪を二つ縛りにしている速水に問うが、首を少しかしげて答える。
そして昼休み終了時、
「ん、このチャイムは?」
「昼休みが終わったんだ」
職員室で防衛省の烏丸先生と、白髪でつり目の遠坂恭介は立ち上がる。するとタイミングよく殺せんせーが職員室に来た。
「ヌルフフフフ。烏丸せんせー、来ていたんなら教えてくださいよ」
「すまんな、授業前に紹介した方がいいと思って待ってもらっていたんだ」
見た目タコの超生物は笑いながらこちらに近づいてくる。
「殺せんせー、だったっけ?」
恭介の眼光がギラリと光る。
「ヌルフフフフ、そうですよ遠坂君」
「そうか…じゃあ死ね」
恭介は殺せんせーの目の前まで一瞬で踏み込んで、先日渡された対せんせー用ナイフを振るう。
ズパンと音を立てて、殺せんせーの触手が二本落ちた。
「ッチ、半歩下がったか……だがこの程度なら殺すのにそこまでかからんか」
「驚きました…私の触手を二本も落とすなんて…」
だがこの場で一番驚いていたのは、二人の動きを見ていた烏丸だった。
(俺でも落とせなかった触手を……だがこれで遠坂の速さは覚えられてしまったな)
「まあ生きてられたらの話だが…一年間よろしくな、殺せんせー」
「と言う訳で、今日からこのクラスの一員となる遠坂恭介くんです。みなさん、仲良くしてあげてください」
「よろしく」
淡々と話す恭介に、E組の皆は一声かける。
「俺は磯貝だ、これからよろしくな!」
「前原ってんだ、一年間よろしく!」
「…速水、よろしく」
近くに座っている三人は、恭介にそれぞれ声をかける。
「ああ、よろしく」