もしもSAOがデスゲームじゃなかったら   作:Remick

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爆ぜろリア充

「PKって言えばよ。ラフコフってのがあるじゃねぇか、正式にはなんていうか知らねぇけどよ」

「ラフィン・コフィンな、通称ラフコフ」

「そう、そのラフィン・コフィンが、今すごい勢いで伸びてるらしいぜ。ギルマスが超イケイケで、今一番アツいんだってよ。たしか、PoHとか言ったか」

「あー、強いよな、あいつ。プレイスタイルはあんまし好きじゃないけど」

「ロールプレイなんだし別にいいんじゃねぇの。で、そのラフコフなんだけどよ、意外と面倒見が良いって評判なんだと。それも割と真っ当な方面で」

「マジかよ……まあ、PKギルドなんて入ったことないから知らないけどさ。てっきりバグ利用とか裏技ばっか考えてるのかと」

「なんでもジョニーなんとか先生とやらが、麻痺テクや投擲のコツなんかを手取り足取り教えてくれるらしいぞ」

「へー、それはちょっと興味あるかも」

「あとはザザって野郎が接近戦の指導をしてくれるんだが、見た目が異様に怖ぇーから大人しそうな弟の方が新入りには人気なんだとか」

「あ、そいつは知ってる。というか戦ったことあるわ、変な喋り方してたから憶えてる。あいつ、弟がいたのか。ふーん……って、なんでそんなに色々詳しいんだお前? まさか、ラフコフに知り合いでもいるの?」

「単なる噂だよ、噂。万年ソロのキリト君は、そういう話にはてんで疎いからいけねぇよなァ?」

「くっ……! 否定できない自分が悔しい……」

「ンなことより、前から思ってたんだけどよ。いくらなんでもプーはねぇだろ、プーは。太郎付いたら無職じゃねーか!」

「古いぞそれ……それよりは、蜂蜜好きのクマの方じゃないか?」

「いや、俺が聞いた話では、なんかの頭文字を取って……」

 

 

 

 

 

 

「PKギルドがあるなら、それに対抗するようなギルドもあるんだろ? そっちは興味ねぇのか?」

「PKKギルド? ディアベルのとこみたいなのか?」

「ああ。別に対PKを掲げてるわけじゃないにしても、ああいう自警団的な役割のギルドはまだ他に存在しないからな。必然的にあそこになるんじゃねぇの」

「こんな俺でも一応、騎士団長様直々に誘われてるんだぜ? 火力隊の隊長をやってくれないか、なんて言われてさ」

「ほォ~、あんな巨大ギルドでいきなり幹部待遇とはまた、随分と腕を買われてるじゃねぇか。なんか理由でもあるのか?」

「ベータテストの時にLA取りまくってたから、そのせいで目を付けられてるみたいなんだ。こっちは向こうのこと知らないから、そんなに有名でもなかったと思うんだけど。もしくは、ベータの時とは違う名前にしてるか……まあ今のとこそんなに面識も無いし、丁重にお断りしてるよ」

「へぇー、なるほどなぁ……で、建て前はその辺にして、本音は?」

「あいつ、リア充っぽくて苦手なんだよ……。お前なんでネトゲなんかやってるんだってぐらい、爽やかイケメンだし……」

「おめぇがそれ言うのかよ……。あれだけかわいい女の子に囲まれてて、いったい何が不満なんだ?」

「みんなその気が無いからに決まってるだろ? それとこの際だから言っとくけど、この顔で得したことなんて、生まれてこの方一度も無いからな? なんなら取り替えてやってもいいぞ?」

「お、おう……わかったから、そんなマジになんなよ……」

「しかし自称ナイトで、実際にそういうロールプレイしてる奴なんて、今までのネットゲームならイタいキャラ扱いされてたんだけどな」

「ディアベルがやると、腹が立つくらいサマになってるんだよなぁ……」

「……ファンクラブが密かに結成されたって噂を聞いたことがあるぞ。アルゴ経由で」

「鼠の情報か……なるほど、それはつまり、全男性プレイヤーの敵ってわけだな……?」

「おいおい、目が据わってるぞクライン……」

「キャー! ディアベル様ー!ってか? けっ! ただでさえネトゲの男女比なんて、ひっでぇもんだってのによォ……」

「それ以上言うな、悲しくなる……」

「ところでキリトは、あいつがなんで勇者様って呼ばれてるか知ってるか?」

「第1層ボス戦の時に、ラストアタック狙いで1人で突っ込んだ挙句玉砕したからだろ? みんな!あとは俺に任せろ!うおおおォォォッ!!とか叫んでさ。 あれは傑作だったな。ディアベルのパーティーメンバーが一番爆笑してたよ」

「それも今思えば、体を張ったギャグだったのかもなぁ……。あれ以来、入団希望者が殺到してるって聞いたしな」

「俺もあれでヤられて、一度真剣に入団を考えてみたことがあったんだけど……。取り巻きのトゲトゲ頭の奴が、なぜかことある毎に突っかかってくるんだよ。俺はそいつのことなんてどうでもいいってのに。それさえなければ、今でも考えないこともないんだけどなぁ……」

「おめぇがそこまではっきり言うなんて珍しいなぁ。ひょっとしたら、前世でよっぽど相性が悪かったとかじゃねぇの?」

「案外そうかもな……割と本気でそう思う……」

 

 

 

 

 

 

「キリト。おめぇ、口は堅い方か?」

「なんだ、藪から棒に……まあ人並みには」

「人並みじゃ駄目なんだよ。他の誰にも絶対に言わないって約束してくんねぇと」

「やけにもったいぶるな……わかった、約束するよ。それで? いったい何の話だ?」

「知ってっか? ……倫理コードの解除方法が存在するっていう噂」

「そりゃもちろん。でもそれって確か、開始から一週間目くらいに修正されたはずだろ?」

「ああ。18禁どころか小学生までやってるゲームで、これは流石にマズイってんで祭りになったからな。そこまで作りこんでるんだから、本来は仕様だったんだろうけどよ」

「それで運営も懲りて、女性プレイヤーのハラスメント防止機能まで徹底的に強化されたんだから、もう終わった話だろ? なんで今更蒸し返すんだ?」

「それがな……別の解除方法を見つけた奴がいるらしいんだよ。しかも、ツールとか一切使わないやり方でな。なんせバグ発見専門のチータースレスレ集団が、数週間掛けてようやく発見したってんだから、相当なモンだと思うぜ」

「んなアホな……それじゃ、一度は削除されたはずの機能が、故意に残されていたとしか考えられないだろ? そんな馬鹿なことが本当にあり得るのか?」

「オレも最初は眉唾モンだと思って、アルゴに確認まで頼んだんだけどよ。どうやらマジで本当に存在するらしいんだよ」

「まいったな……そこまで言われたら、流石に信じるしかないか。しかし、ただでさえ出合い系ゲームと勘違いしてる連中までいるってのに、そんなものが広まってしまったら……」

「ああ。今度こそこのゲーム、ひいてはジャンルそのものが規制されかねないだろうな。いろんな意味で注目されてるからな、このゲームとフルダイブ技術はよ」

「ベータの時なんて、自衛隊の幹部が見学に来てたって噂まであったからなぁ……」

「それでも敢えてそんな機能を残した開発者殿に、オリャあ敬意を表するぜ? それと付け加えるなら、プレイヤーカップルの間じゃ解除の方法は公然の秘密らしいぞ。ってよりも、カップルにしか解除出来ないと言った方が正しいか。どんな原理かは知らねぇけどよ」

「じゃあ、黄○林○のオシドリ夫婦も?」

「まあ、そうだろうな」

「M○Dの管理人と秘書のお姉さんも?」

「あァ……そうだな……」

「じゃ、じゃあエ○ルと奥さんも!?」

「あ"あ"……って、どんだけ食い付くんだよ! 流石のオレでも引くわ!」

「だってしょうがないだろっ!? これでも健全な男子中学生なんだから! ……どうしよう。もうこの世界が、さっきまでと全然違う場所に見えてきたよ。明日からアスナやリズにどんな顔をして会えばいいんだ……痛ってぇ! いきなり何するんだよ!?」

「いや、手近なところに壁が無かったんで、つい……」

 

 

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