「しかしキャスター。良かったので?貴女は僕と同じで、この戦争に積極的に参加する意思はないはずだ。なのに、キャスターを……面倒ですね、今後はBと言いますか。Bを倒しに行くなんて」
「あら?この私に口答えするのかしら?貴方は私を召喚したマスターでも何でもない。運が良いだけの小童ですのに」
「ええ、重々承知してますよ。
----貴女は過去にいた存在や架空の存在というわけではなく、こことは違う世界に現存している人物だということは。
いえ、しかし驚きましたね。メルヘンやファンタジーじゃあるまいし、そのようなことが現実に起こり得ようとは」
僕、レオナルド・B・ハーウェイは、3話前くらいで宣言したように聖杯戦争に積極的に参加する気はない。
参戦理由も箔付けであるし、聖杯はどんな願いでも叶えるよ!とか謳われても一切魅力を感じない。
僕は西欧財閥の盟主であるハーウェイ家の御曹司だから、望めばよほど無理な願い以外は簡単に実現できた。それも原因の一つかもしれない。
だがこの聖杯戦争はおかしい。
まず参加者の数が多い。それに伴ってサーヴァントもドン!だ。
次にキャスターの存在。
最初召喚した時は異世界の住人だと言うのを信じられなかった。と言うのも、サーヴァントは条件さえ整えば架空の存在でも召喚する事ができるからだ。今回はその例だろうと思っていた。
だが条件は整っていなかった。
知名度は圧倒的に足りてないし、幻想を現実と捉えている者もいない。とすると、少なくとも彼女はそういった存在じゃないと考えるのが妥当となる。
それに彼女に異世界というものをまざまざと見せつけられてしまった以上、彼女は異世界より現れた人物とする他ない。
「私もそれなりに驚きましたわ。ちょっと世界間を移動していた際に謎の魔力に捕まって、結果サーヴァントとかいう非常に屈辱的なものに嵌められるなんて。私ともあろう者がしくじりましたわ」
「そうですねー。それで、貴女は聖杯には興味ないので?僕はありませんが」
「私もそんな物に興味はありませんわ。いえ、研究対象としてなら興味を持つやもしれませんわね。ですが、それだけ。
願いを叶える?ハッ、願いとは、未来とは自分の力で掴み取るものですわ。誰かに叶えてもらったものが果たして本当に願い足り得るのかしら?」
「いやー、耳に痛いセリフをどうも。そう言えば何故さっさと終わらせないのですか?貴女の力量なら、他のサーヴァント全てを瞬殺することは決して不可能ではないはずだ。そしたら、このような貴女にとっての些事はすぐに終わりますのに」
僕は気になっていることをキャスターに問う。
キャスターのステータス、スキルを鑑みれば、他の並み居るサーヴァントなぞ風に吹かれて巻き上げられる砂も同然だ。
なのに彼女は戦う意思を見せない。非常に不思議だと僕は思った。
本当にやれるのにやらない。さて、いったいどんな理由があるのでしょうか。僕、気になります!
「私、人の尻を拭ってやるほど優しくはありませんの。起こしてしまった問題は、問題を起こした本人がケリをつけるのが道理ですわ」
「はあ、人の問題ですか。で、その人は一体誰なんです?」
「そこまで教えてやる義理は持ち合わせておりませんの。他を当たってくださらない?」
「ちぇー」
これ以上聞き出すのは不可能でしょうね。知りたかったなー。
ま、そんなことよりもとっととこんなこと終わらせて日本の文化を満喫したいとこですね。それではいざ、鎌倉!
「御機嫌ようござんす。死ぬ準備はできたかしら?まだなら待ってあげてもよろしくてよ」
「貴女、何故ここに……!」
「貴女にマーキングをつけておくことなど造作もありませんわ。それに、奇特な侍が通してくれたんですの」
「チッ、使えない門番ね……!」
キャスター、嘘はついてませんし本当のことしか言ってませんね。確かにここに来るのに奇特な侍が通してくれましたけどね。門番とは別人ですけど。
Bよりもうちのキャスターの方が強いのは明白ですけど、相手のマスターがどれほどのものかわからないですね。多分、兄さんと同じようなタイプだと思うんですけどね。
「まあいいわ。貴女みたいなおチビちゃんなら私の魔術でどうとでもなる。キャスターなのに神殿を作って待ち構えないというのも、バカの所業としか思えないわね」
「あら、何を勘違いしていますのかしら?」
「何ですって……?」
「そのような小細工を弄さずとも、貴女のような羽虫は斃せる。それが解らないのかしら?ああ、いえ、解らないからそのような態度をとれるのね。可哀想、本当に惨めで、憐れで、可哀想ですわ〜!オーホッホッホッホ!」
キャスターがBを貶した後に高笑いをする。うーん、この構図はどう考えでも僕らの方が悪役ですね。だったら僕も悪役ムーブをした方がいいのでしょうか?
「この……!言わせておけば……!」
「私が知るナイトは口よりも先に手が出てしまうこともあるのだけれど、貴女はそれすらも出来ない愚か者のようね。ほら、とっとと行動しなさいな」
「ならお望み通りにしてあげるわよ!」
Bがついにキレて地面から大量の何かを出してくる。きっとBはカルシウムをそこまで摂取できていないんでしょうね。だからこんなにもキレやすい。
「さあ、竜牙兵!そこの小生意気なガキとそのマスターを殺してしまいなさい」
ここでは殺したところで意味がないってルーラーが言っていた気がしますが、ま、いいでしょう。
僕は懐から液体が入った小瓶を取り出して、竜牙兵とか呼ばれていたものに投げつける。竜牙兵の一体に当たり、小瓶が砕けた瞬間液体を撒き散らしながら爆発する。その爆発は周りにいた数体を巻き込んだ。
「威力は十分、近づけさせなければいいだけの話ですね。では振りかぶって次の一瓶、投げました!」
僕は先程と同様に小瓶を投げつけて敵を倒していく。僕の方はこれらに対しては問題無さそうですね。キャスターは……。
「炎よ!」
キャスターが手に持つ杖から炎を放ち、竜牙兵とやらを燃やしていく。
その後は地面を隆起させたり、風を巻き起こしたり、水を出したりとまあ多彩な方法で敵を倒していった。
僕らに竜牙兵が通用しないとわかるやいなや、Bは戦法を切り替える。
Bは浮かび上がり、背後に多数の魔法陣を展開し始める。
僕はこれは多分防げないなと思い、キャスターに頼み込む。
「キャスター!この攻撃は僕には防げそうにないので助けてくださいお願いします!」
「命令だったのなら無視してましたのに」
「キャスターさーん⁉︎いえ、キャスター様、どうかこの私めを助けてください!」
僕はキャスターに日本式最上級謝罪且つ懇願方法であるDOGEZAをする。僕は死にたくありましぇーん!例え死なないにしても!
「まったく、今回だけですわよ。貴方も魔術師と言うならどうにかしてみせなさいな」
「ちょっとキャスターの世界の一般的な魔術師を連れてきてくださいよ。多分、出来ないって言いますよ」
いえ、でももしかしたら出来るのかもしれませんね。だとしたら恐ろしいってレベルじゃないですが。
Bが魔法陣から大量の魔力で構成された弾を撃ち出す。それをキャスターは竜巻を起こして全て消し去ってしまう。……竜巻起こせるっておかしくないですかね?自然災害を個人が引き起こせるんですかアチラでは。
いやそりゃあそれ相応の準備があれば、こちらでも竜巻は起こせるかもしれませんが、あんな無造作に杖をひょいってやるだけで起きると、なんていうか、こう、もにょりますね。
「やるわね、アレを防ぐなんて」
「あら?今の攻撃に相当自信があったみたいですわね。ごめんなさいね、豆鉄砲かと思いましたわ」
「こ、の……!どこまで人をおちょくれば気が済むのかしら!」
「貴方が先に始めたことをそっくりそのまま仕返してあげているだけですわ。ですが、そうね。もう終わりにしてさしあげますわ」
キャスターがそう言い放ち、無造作に火を放つ。
それは真っ直ぐBのもとへ飛んでいき、Bは魔力の障壁で防ごうとする。だが、火は障壁を貫通し、Bに当たる。
「きゃあっ!……嘘でしょ⁉︎ヘラクレスの肉体並みに頑強な造りなのに⁉︎」
「ヘラクレスとやらが何者かは生憎と私は知りませんが、その程度で頑強とは片腹大激痛ですわ〜!」
Bの話が本当なら、あのギリシャ神話の大英雄であるヘラクレスと同等の強度ってことですよね?で、それを貫けるうちのキャスター……。
悪夢ってレベルじゃないですね。攻撃能力が他と比べて頭一つどころじゃないくらい抜きん出てますね。いやまあわかってましたけど、実際見てみるともうビックリします。
「……それでも私は私の願いのために退くわけにはいかない!」
「その意気や良しと点をあげたいところですが、残念だけど貴女はここで終わり」
「その言葉そっくりそのまま返すわ!」
Bの言葉と同時に今まで動いていなかった相手のマスターが動き出す。その動きは魔術一辺倒な魔術師とは到底違う。もしかしたら魔術師ではなく、たまたま魔術回路が開いた元一般人なのかもしれないが、今は彼が僕のもとへ走ってきているのが問題だ。超怖い。
で、ですが僕はユリウス兄さんにそれなりに手ほどきを受けた身。護身術はそれなりに長けています!
さあ、来い!貴方の攻撃を回し受けしてやりバカな⁉︎拳の軌道が変わっただと⁉︎
そのまま彼の拳……というか短剣握ってますね、ハハッ(CV:朴璐美)これは死にましたね。
改めて、彼が持っている短剣が僕の胸元に吸い込まれる。もうサクッと刺さって血液プシャー‼︎って飛び出て下手人と辺りに撒き散らしてしまう。これ本当に死にませんよね?くっそ痛いんですけど。
「その短剣『破戒すべき全ての符』は心臓に突き刺せば殺傷能力こそ無くなるものの、あらゆる魔術を初期化することが出来る!それは令呪による契約でも同じこと……なんで血が出ているのかしら?」
「あら、言ってなかったかしら?私、既にサーヴァントがどうのこうのとかはとっくの昔に解除しましたの。あのようなチャチなものに宝具を使うなんてやはり二流、いいえ、三流の魔術師のようね。
まあそれはそれとして、今まで散々私のことをバカにしましたわね?これまで抑えてきましたが、もう我慢の限界ですわ。私、『魔力の泉(ブチ切れましたわ)』〜‼︎」
「ぐっ……⁉︎なんて魔力の奔流……⁉︎まさか今まで抑えていたと言うの⁉︎そ、宗一郎さま!」
僕を刺したBのマスターがキャスター目掛けて走り出そうとする。が、足を一歩踏み込んだ途端に地面に勢いよく倒れ込んでしまう。
「宗一郎さま⁉︎」
「あー……残念でしたねぇ。彼の動きは僕が封じました。ピースピース」
僕は痛みを堪えながら立ち上がり、Bに指を突きつけてそう言った。
僕の家に伝わる魔術。それは血液を操るもの。自分の血液なら視認範囲なら容易に操れ、他人の血なら直接触れば操れるとまあなんでこんな魔術受け継いでいるんでしょうね。失血死の心配は無くなりますけど。
因みにさっき投げてた小瓶に入っていた液体。アレは僕の血液です。毎日少量だけ採っては小瓶にって作業を繰り返すのは中々骨が折れました。
彼は血の鎖によって地面に繋がれた。よほど理不尽なパワーをしていない限り解くことは不可能!
「へえ……。こちらの魔術師はユニークな魔術を持っているのね。俄然興味が湧いてきましたわ。
さて、お逝き!」
キャスターが足元で魔力を爆発させて推進力とし、Bにすっごいスピードで飛び込む。
Bは宙に浮かんでいるとは言え、やはり魔術師だからだろう。キャスターが自ら突っ込んでくるという状況が想定出来ずに、キャスターの杖で殴られ、そこからの正拳突きで吹き飛ばされる。
「オーホッホッホッホッホ‼︎」
キャスターが高笑いをしながら火、水、雷、土、風、氷と次々に魔術をぶち当てていく。そしてトドメの魔力による爆発。どう見てもオーバーキルです本当にありがとうございました。
「貴女の敗因はたった一つ。たった一つのシンプルな答え。貴女は私を怒らせた」
「キメているところ非常に申し訳ないのですが、僕を治療してくれませんかね?失血死は防げてもその他諸々は防げないんですよ」
「私、白魔道士じゃありませんからそういうのはちょっと他をあたってくださらない?」
「うわあ、なんか聞いたことあるぞーそのセリフ。いやマジでお願いしますって。貴女の知り合いに治療が出来る方はいませんかね?」
「……しょうがありませんわね。あのナイトにコンタクトを取ってみますか。それまで貴方の身体が保てば」
キャスターはツンデレというやつですねわかりまちょっとキャスター?なんか今貴女が杖降った瞬間に僕の身体がジリジリと熱に蝕まれているんですけど?ねえ、キャスター⁉︎
(私としてもあのナイトが現状を認識しているか、確かめないといけませんわね)
私が抱えている懸念。
それはこの世界が破滅するかもしれないということ。正確にはこの世界だけではなく、私の世界も。
この世界と言っても、今聖杯戦争がどうのこうのの世界じゃなくて、私をたまたま喚び出したこの子の世界、そして私の世界ヴァナ・ディール。
今この二つの世界が交わりつつある。
その証左とでも言うべきか、忍者や紫プラモなどがサーヴァントとして召喚されている。だけど強さ的には恐らくlv75程度。まあそれは良いとして。
二つの世界が完全に混じったら、運が良ければ両方とも存在できるでしょう。まあ、そうなったらそうなったで本当に運が良いと言えるかどうかは疑問ですが。普通なら片方が消滅、運が悪ければ両方とも消滅してしまう。
そして、この問題を引き起こしかけている張本人。全ての中心と言うべきか、特異点と言うべきか。
わかっているんでしょうね?謙虚なナイト。
シリアルがシリアスになってしまった感。どうしてくれるわけ?(逆ギレ)
そういやキャスター(根暗)の方の宝具である『破戒すべき全ての符』だけど真名解放するやつなのかしなくてもいいのかびみょんにわからなかったからよ。この作品では真名解放なし、心臓に突き刺せば殺傷能力はなくなるが効果が発動するってことにした。だから宗一郎サマでも扱える。
えー、このお話をもって暫く投稿はやめるんだが?
まあ何度も言っているが俺は受験生だからよ。流石にそろそろやめたほうがいいと思ったらしいぞ?
次投稿できるようになるとすれば早くて1月末、遅くて3月になるだろうな。まあ試験的にね?
書溜めは一応しておくがそれもどれくらい進むかはわかんね。
それじゃあ闇系のセンター試験がありそうだからこれで。