機動戦士ガンダムSEED~三人が行く転生物語~ 作:武御雷参型
因みに、今日は自分の誕生日です。23歳になってしまった………orz
「なぁ、一平。お前、将来何するつもりだ?」
「ん? 俺か……そうだな高校に行かずにそのまま就職かな?」
「そうか……だけどお前それしたら親が煩いんじゃないのか?」
「まぁな。でも、俺ってさ学力無いじゃん? だったら無駄な金を払うよりは就職して金を稼いだ方が得策だろ?」
「それもそうだな」
とある中学の廊下で二人の生徒が歩きながら将来の話をしていた。天然パーマの少年近藤一平とストレートヘアーの桜井俊輔。この二人は幼稚園の時からずっと一緒に過ごしてきた仲である。
「でもよ、一平。お前、彼女とどうするんだ?」
「智香の事か・ まぁ、あいつが俺と一緒にいてくれるなら嬉しいけど、あいつの親が煩いのかもな。『中卒の奴にうちの娘はやらん』ってな」
「それはあり得るな」
「何の話かにゃ?」
「「うおぉっ⁉」」
一平と俊輔の話の間に一人の少女が割り込む。
「オイ、智香‼ 急に現れるんじゃねよ、驚くじゃねぇか‼」
「ごめんね~」
一平に智香と呼ばれた少女は笑いながら謝る。
「それで? さっきの話はなに?」
「良いだろう、なんでも……帰るぞ」
一平はそう言うと足を速める。
「待ってよ~」
「やれやれだな」
智香と俊輔も一平の後に続いて行く。
「それでさぁ~」
「なんだよ」
「一平君は卒業後どうするのかなって」
「「ッ⁉」」
智香の言葉に一平と俊輔は息をのむ。それは、智香がいない間に話をしていた内容であったからだ。もし、一平が卒業後、就職をするなど言った場合、智香は一平と別れる可能性がある。一平としてもそれはしたくはなかった。だが、今の学力では高校に行けるまでにはいかず、親からは何としてでも高校は行ってほしいと懇願されているが、それでも一平としては就職して親孝行をしたいと思っている。
「俺は………」
「………どうせ、学力が無いからって就職するつもりでしょ?」
「ッ⁉ どうしてそれを……」
「何年、付き合っていると思ってるの? 私はこれでも一平君の事に関しては鋭い方だと思っているよ。それに実は、私からお母さんやお父さんに話したの」
「学力が無い事をか?」
「うん……そうしたら『智香が決めた事だ。それを親がどうこう言っても仕方がない。だから智香が幸せになれる様に私達は手伝う』って言ってくれたの」」
智香の言葉に一平は驚きを隠せなかった。なぜなら、智香の両親は大手企業のご令嬢である。だが、智香の両親はご令嬢と言って甘やかした暮らしはさせなかった。一般家庭と同じ小遣いを与え、学校も一般家庭が通う学校に通わせていた。その結果、一平と出会う事が出来たのだ。
だが、一平としては申し訳無さでしかなかった。学力が無い自分と結婚してもまともな生活はおろか、もしかして智香も共働きをする羽目になってしまうのではないかと。だが、智香はそれでも良いと思っていた。一平と一緒の生活が出来るのであればそれで良いと。
「そうか………なんだ俺が考えすぎなんだな……はぁ、さっきの悩みは何だったんだ? 俊輔」
「知るか‼ だけど良かったじゃないか。これで晴れてお前と智香の付き合いが認められたような感じだぞ」
「そうだな……さぁもう少しで分かれ道だぞ。俊輔はここでだな」
「ああ、じゃあな‼」
「おう‼」
「俊輔君。また明日ね」
そう言って三人は分かれた。だが、三人は知らない。明日が来ない事を。
「一平君。明日こそ一緒に登校しようね」
「そうだな。まぁ、俺が先にお前の家に行くからな」
「じゃぁ、待ってるね」
そう言って一平と智香は分かれた。
「良かったじゃねぇか、一平の奴。まぁ、明日は二人ならんで登校するんだろうな。うらやましいで‼」
俊輔はそう言って地団駄を踏む。
「まぁ、そういっても仕方が無いか。早く俺も出会いが欲しいぜ……って、オイ‼ 危ねぇぞ‼」
俊輔は交差点で一人の少女がダンプカーに引かれそうになっているのを見つけると走り出した。
「間に合えぇぇぇぇぇぇ‼」
俊輔は何とか少女を交差点から押し出した。しかし、その反動で俊輔だけが交差点に取り残された。
「はぁ、俺はここでおさらばか……元気でな一平、智香。幸せにな」
そう言って俊輔はダンプカーに引かれたのだった。
「はぁ、なんでかなこう締まらない気持ちはさ……さて、ここは交通量が少ないからって暴走車がいるからな。気を付けよう……オイオイ、まさか本当に暴走車がいるのかよ。まぁ、通り過ぎるのを待つか………さて行ったな。行くか」
一平はそう言うと先を進んだ。しかし、ここで最悪な事が起きた。パトカーが暴走車を追いかけていたのだ。しかも暴走車と同じ速度でだ。
「は?」
一平が気付く頃には既にパトカーが目近であった。
「智香、スマン」
一平はパトカーに引かれるのであった。
智香は家に着く。だが、家の灯りが付いていなかった。
「あれ? お父さんもお母さんもまだ帰ってないのかな? 良いや。ただいま」
智香は鍵をかけ家に入った。だが、いつもの家では無かった。玄関には至る所に血が飛び散っていた。
「えっ?」
智香は目を疑った。だが、それは一瞬の事だ。すぐに血が付くのも忘れリビングに駆け寄った。そして、リビングの扉を開けるとそこには何も言わぬ父と母の姿があった。
「お……父さん………お母さん? ねぇ、ただいま……ドッキリでしょ? いつもの私を驚かす為の。ねぇ、何か言ってよ‼」
「お嬢ちゃん、そいつらに何を言っても意味が無いぜ?」
智香の後ろから聞こえる声に驚き、振り向くと見覚えがある顔であった。
「えっ? 漣さん?」
「おう。久しぶりだな智香。元気だったか?」
漣と呼ばれた男は、全身に返り血を浴びたのか真っ赤であった。
「その血って……もしかして………」
「そうだ。俺がそいつらを殺した」
漣は普通に智香の両親を殺したことを自白する。
「どうして‼ ねぇどうしてお父さんやお母さんを殺したの‼」
「決まってるじゃないか。俺の結婚相手は智香だけだ。それが何だ? 智香は貧乏人の家の人間と恋人ごっこか? それに、本来の結婚相手は俺だぞ? それを白紙にしやがって‼ だから殺した。さぁ、智香。俺と一緒に行こうぜ?」
「嫌よ‼」
「ッ⁉」
漣は血の付いた手を智香に差し出すが、智香はそれを叩き拒んだ。
「そうか……なら仕方がないな。俺を見たんだ。死ね」
漣はそう言うと後ろで隠していた包丁を智香に向ける。
「アンタなんて私は認めないわ。親の七光りで私に近付いた男なんてね。それにアンタより一平君の方がもっと素敵よ‼」
「黙れ‼ 誰があんな貧乏人と一緒にされるか‼ さぁ、最後だ。一緒に俺と来い‼」
「嫌よ‼ 絶対に嫌よ‼」
智香はそう言うと父と母を一度見ると走り出す。智香が向かう先は誰も知られていない通路があった。あそこにたどり着けば、外に出れる構造になっていた。
「おっと、そっち行っても無駄だぞ? なんせ俺が通路を壊したからな‼」
漣が言う通り、通路は斧で壊された形跡があり、扉自体が開かなくなっていた。
「と言う事で、俺を見たんだ。誰かにしゃべられては俺の人生が丸つぶれだ。だからここで死ね‼」
漣がそう言うと包丁を智香に投げる。智香はそれを避けようとした。だが、運が無かった。足元にあった木材に足を取られ包丁は智香の左胸に刺さった。
「ああ、一平君。さようなら」
智香はそう言うと、意識を手放すのであった。
「これは酷い……そうだ。あの世界に送るか。だが、先に此処に呼ばなくてわな」
一人の青年が呟いた。青年の手には三枚の用紙が握られていた。
「おい、誰かいるか?」
「はい、此処に」
「この者達を此処に呼べ」
「畏まりました」
青年の声に一人の従者が現れる。そして、青年の指示を受けると影の様に消える。
「さて、ここのレイアウトを変えるかの」
そう言うと青年は指を鳴らす。すると、真っ白な空間が某女優の部屋に変わる。
「お待たせしました」
すると従者が三人を連れてくる。
「下がってくれ」
「畏まりました」
青年に言われ従者は下がる。
「目を覚ませ」
「「「ハッ⁉」」」
青年の声に三人は目を覚ました。
「俺は確か……少女を押し出してダンプに引かれた」
「俺はパトカーに引かれた」
「私は、知り合いに殺された」
「「「って、なんでいんの⁉」」」
三人はお互いの顔をみて驚いた。
「話をしても良いかな?」
「「「誰?」」」
青年の声に三人はハモって答える。
「それも今から説明する。さて、まず初めに謝らなければならない。すまなかった」
「どういう事ですか?」
「君は……俊輔君だね」
「ええ、そうですけど。その前にあなたが誰なのか、なぜ謝るのかを説明してください」
俊輔の言葉に青年は頷く。
「そうだな。私の名前は天照だ。こう見えても日本神話の神の一人だ。そして、謝る理由としては、君達は本来は死ぬ筈では無かった」
「えっ? つまり、俺達は死ぬ筈では無かったと言う事ですね」
「ああ、一平君はパトカーに引かれたが、本来はパトカーは君の目の前で止まり君は腕の骨折だけで良かった。智香さんは漣とか言う奴の投げた包丁を避けた瞬間に警備員が駆け込み、漣を捕まえる筈だった。そして俊輔君は少女を助けるとダンプは道を逸れて壁に衝突するはずだった。だが、何かの拍子に君達の運命が変わってしまった。そして、君たちは死ぬ筈では無かったのに死んでしまった。説明はこれ位しか出来ない」
「「「………」」」
三人は天照の説明を聞くと泣き崩れた。智香はある意味で一人身になってしまうが、一平と一緒に生活する筈だった。俊輔は、もっと親に反抗せずに従っていれば良かったと。一平は、親不孝になってしまった事を悔やんだ。
「そこでだ。君たちは輪廻の輪に入る事が出来ない。だから、君達にはある世界に行ってもらう」
「………拒否権は無いんだろ?」
「……………すまない」
俊輔の言葉に天照は謝る。
「頼みがある」
「可能な限りなら叶えられる」
「最後に親に合わせてくれ。挨拶しておきたい」
「……良いだろう。智香さんはどうする?」
一平の言葉に頷くと天照は智香に質問する。
「私は……お父さんとお母さんがもう一度出会ってほしいです。それに、私は一平君のご両親に挨拶したい」
「良いだろう」
天照はそう言うと二つの扉を用意した。
「ここを潜ればそれぞれの親に会える。時間は一時間しかないからな。忘れるな」
「「「判った」」」
そう言って三人は扉を潜り、それぞれの親に最後の挨拶をし、死んだ理由も話した。そして、三人が帰って来る頃には笑顔になっていたのであった。
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