第一話
・・・ピン、ポーン・・・
チャイムの音で目が覚める。
横を見てみるとキンジもチャイム音で起きた。
だがその顔には何かを察したような嫌な表情が出ている。
キンジはワイシャツとズボンを着て、玄関へと向かって行った。
そして玄関のドアの覗き窓から外をみて、ちいさく
「・・・・・・ゔ」
と声をもらした。
(なんだ?誰か嫌な人なのか?)
そう思い俺は制服に着替えてリビングの出入り口からそっとみてみる。
ーーガチャ。
「白雪」
ああ、白雪か。
てゆうかなんで白雪でいやそうにしたんだ。
「キンちゃん!」
白雪が昔と変わらず白雪がつけたキンジのあだ名で呼んだ。
白雪も俺の幼なじみで、俺は母さんの親友だった白雪の母さんの実家の星伽神社で魔力の制御と一緒に武術も教えてもらって、かなりお世話になった。
そしてその星伽神社にいたときにキンジと知り合った。
そして俺は白雪がキンジのことが好きなのを知っている。
まあキンジといる時の様子を見ていれば普通にわかる。わかってないのはキンジだけだろう。
ん?白雪がなんか和布の包みを持っている。
(もしかしてキンジの朝飯かな?だとしたら俺は出てったほうがいいかな。ついでにどっかで時間潰すか)
そう思い、寝室の窓から出ようとしたが、M93Rなどをリビングの机に置いてあるのを思い出した。
しかし、リビングにとりにいったら白雪に気付かれるので、俺はやむおえず
(・・・使うか)
俺は自分の中にある制御がしやすい少しの魔力を
集中させて、机の上のM93Rなどを思い浮かべて
(・・・来い!!!)
集中した魔力を使った瞬間、それぞれをホルスターや背中、ポケットなどに直接転移をさせる。
(今日は調子がいいな)
俺はこれくらいの魔力ならだいたいうまく制御できる。
しかしこれは調子が悪い時は自分の近くのどこからか飛んでくる時がある。
このあいだなんかM93Rがグリップから頭にぶつかった。
そしている間に玄関にいる白雪が
「お・・・・・・おじゃましますっ」
と言って入ってきたので、俺は寝室の窓から外を見渡し
(だれもいないな)
周囲に誰もいないことを確認してから窓から飛び降りた。
俺は落下中、全身に軽く魔力を瞬時的に集中させ、着地の衝撃を無くした。
(本当に今日は調子がいいな)
今日は珍しく連続できれいにきまった。
と、ここでもうひとつ忘れていたことに気付く。
(・・・靴忘れた)
俺は靴下の状態で地面に立っていた。
(この調子でもう一発転移させるか)
俺はそう思い魔力を集中させた。
(・・・来い!!)
魔力を使った瞬間、足に靴が
(・・来ない)
そう思って上を見上げると
「・・え?」
と思った瞬間、靴の踵が顔面に直撃。俺は後ろに大の字で倒れた。
「~~痛ッテ~~~~~~!!」
これはキツイ。
なにせ俺が飛び降りたとこの高さから落ちて来たからだ。
だが、靴は片っぽしかこなかった。
(もう片っぽは・・・)
と思ったらまた靴が落ちてくるのが目に入った。
そしてその靴が俺の溝うちにワザとかと思うくらいにきれいにつま先で落ちてきた。
「グフッッ!!!」
これはかなりキツイ。
一回目もキツかったのに、二回目はもっとキツイ。
(朝からついてねえなあ・・・)
俺は朝から大ダメージを受けた体を起こし、自転車置き場にある自分のチャリでまだ食っていなかった朝食を食べに学園島にある唯一のファミレスに向かうことにした。
俺はここ『ロキシー』の窓側の席でモーニングセットを食べ終え、ブラックコーヒーを飲んでいる。
(一人でファミレスっていうのも悪くないな)
俺はそんな事を思いながらコーヒーをすすった。
(しかしキンジはどんな朝食を食ったんだろう)
白雪は料理がうまいし、キンジのために作ったのだからきっと豪華なんだろう。
俺はすすったコーヒーを味わう。
(でもやっぱり朝はこう落ち着いた感じがいいな)
などと小さな安らぎを感じていた
「はは、なにお前そんなマヌケ面してんだよ」
「!!」
気が付くとテーブルの向かいに昨日俺を怒らせた、
漆黒のロングコートを着て、おまけにサングラスなんかかけた俺の従兄、ゼンがいた。
「おいゼン、お前昨日俺をあんな怒らせてよく平気な顔で俺の前に出れるな」
と俺はトーンを低くしていった。
「あれはゼロが今どれだけ怒った時に魔力を開放できるか確かめてみたんだよ」
ゼロとは、俺のあっちの世界での名前である。
「ならなにも大切な写真を破くことはないだろ」
「うーん。他に怒らす方法が思いつかなくて、面倒くさくなってそうしたんだ。」
「なんだそれ、ふざけんなよ」
「でもまあ、どうせ他の事やって怒らせたって結局写真も部屋もろとも吹っ飛んで跡形もなくなっていたろ」
うぐっ、確かにそうだ。
「・・・」
俺は反論できないのをごまかすようにコーヒーをすする。
「そういえばゼロは今日始業式なんだよな?」
などと今度は別の話題をふってきた。
「ああ」
「ほー、そうなのか。まあ、俺はもう学校は卒業したけどな」
「もう学校卒業していたのか。初めて知った」
「まあな。お前学校楽しみ?ていうか楽しいか?」
「どっちかつったら楽しいな」
俺はテキトーに答えた。
まあ実際に、武偵高は楽しい。俺の嫌いな一般の授業を四時限で終わらせ、あとは訓練か依頼をするかだ。
俺にとってはじつに楽しい。
「ふうん。そうか・・・」
ゼンは珍しくなにか考えながら言った。
ゼンは魔力を使わなくても強く、悪魔のエリートなのだが、実はいつもは頭を使わなくバカなのだ。
しかしテストなんかがあると直前に一気に覚え、そして高得点を取るのだ。ある意味天才なのだ。
「う~~~ん・・・」
ゼンがなにやらずっと考え事をしている。
(なにをそんなに考えているんだ?)
そしてゼンは顔を上げて、
「よし!俺もゼロの行っている高校にいく!」
と言った。
ゼンが急に予想だしなかったことを言ってきたので頭が一瞬真っ白になる。
・・・・・・へ?
「なあゼロ、どうやったらお前の行っている高校にはいけれるんだ?」
「え?あ・・えっと・・・と、とりあえず教務課の所に行けば何とかなると思う」
と反射的に答えてしまう。
まあぶっちゃけ簡単に通ると思う。なにせ武偵高の先生は部屋が消えたと言っても驚かないのだから。
・・・って!まてまて!いかんいかん!!ここは否定しなければ!!!
「で、どうやったらそこまで行けるんだ?」
ゼンはサングラスを外しながら聞いてきた。
と同時に魔力をオーラを発するように発してきた。
(教えなきゃ拷問されるな。仕方ない)
「あー・・とりあえず寮の前に止まるバスに乗って行けば教務課の前で停まるからそれに乗っていけ」
俺がテキトーに教えると
「わかった、ありがとうな。それじゃ!」
と言い、転移しようとしたので俺は
「あ、あと名前は名字をつけるんだぞ!」
とつけたし、ゼンは「わかった」と言い、転移した。
・・・あー、あそこは『こんなところで魔力使うな』っていうべきだったな。
(まあ誰も見てなかったからよかったが)
「しかしまあ大変な事になっちまったな・・・」
俺は少し冷めたコーヒーを飲み干し、呟いた。
ゼンは普段はバカで扱いやすいのだが、戦闘になると相手を殺すことしか考えていない。
ようは殺人鬼なのだ。
そんなやつにその事を知らないやつが喧嘩をふっかけたら確実にそいつが殺される。
武偵高じゃ喧嘩なんぞ日常茶飯事のことだから避けようがない。
そんなやつが武偵になっていいわけがない。
でもまあ、これを機会に武偵高で殺さず倒す方法を訓練すればいいか
それには俺も全力で手伝おう。世界平和のためだ。
ここであれからけっこう時間が経ったと思ったので時計を見るとそろそろ出た方が良さそうな時間だった。
(そろそろいくか)
俺はレジで会計を済ませ、自転車に乗った。
ちなみに俺はゼンみたいにどこでも自由に転移できるわけではなく、だいたい目に入るとこまでしか転移できない。
そもそも自分自身を転移させようとすると結構難しいのだ。
なので俺はやらないのではなく、うまくできない。
これをやってみようと川の向こう岸に行くようやったら、川の真ん中で落ちた。
それ以来、もうずっとやっていない。
今やれと言われたら多分変なところに転移するだろう。一回間を置いてやった時、知らないところに転移したことがある。
(さて、時間はどうかな?)
俺は時計を見ると、時間はまあまあギリギリだった。
(始業式から遅刻はしたくないな)
そう思い俺はチャリを立ち漕ぎでスピードを上げた。
第一話は前よりも文字数を増やせれました。