超次元ゲイムネプテューヌmk2++ LastGoddess 作:神奈月 椎菜
投稿スピードは(ただの書き直しのくせに)遅めですが頑張っていきたいと思うのでよろしくお願いします。
尚、Re;Birth2要素がないのは作者がやってないからです。持ってます。起動してません。
0-1 リピートリゾート偵察
私は傭兵である。名前はフロム。いつから傭兵などということをしているかは全く覚えていない。ただ十になる頃には既に銃を持ち何かを殺し続けていると記憶している。
私はこの時女神というものを見た。まぁ、遠目ではあるが。
その時に私がいたのは黒の国ラステイションの本都の近く、閉鎖されたリゾート地域だ。昔は結構な人気のあるリゾートだったようだが今となっては荒れ果て、
私がここに来た目的はその化物の討伐。傭兵らしい、至極ありふれた内容だ。
私がリゾートに足を踏み入れた時、何とも言えぬ異臭が私を襲った。咄嗟に鼻と口を覆って辺りを見渡すと、通路のあちらこちらに人間の残骸のようなものが散らばっていた。細かくちぎられ、食い荒らされたように腕、足が棄てられている。
私が残骸の1つを手に取ろうと触れた瞬間、その残骸は跡形も無く崩れ去った。その時、私は合点がついた。こんなにも大量の残骸が散らばっていること、私のような傭兵に依頼が来たことにだ。
三年前ほど前、この世界ゲイムギョウ界にあるツールが広まった。
【マジェコン】と呼ばれるそれは、スキャンしたものの寸分違わぬコピーを作り出すことができた。ただし、その代わりに【マジェコンヌ】という怪しげなものを崇拝しなければならない、というものだ。
これに食いついたものが大勢いた。それもそうだ、スキャンしたものと寸分違わないコピー。それは食料品、生活雑貨、娯楽品の上にそもそも金、紙幣すらコピーできてしまい、マジェコンヌの信者が爆発的に増加すると同時に世界の経済は崩壊した。
各国に存在する二大政務機関【教会】と【政府】のうち教会は直ちに取締を開始し政府へも協力を要請するも四国全ての政府はこれを無視、それどころか教会に対して圧力をかけたという。事実上マジェコンを認める形となった。
これにより経済の理念は崩壊し、世界は混迷の時代へと両足を突っ込むことになったが、教会は諦めていなかった。各国に1人存在する事実上の統治者にして最高戦力【女神】を投入。マジェコンの一斉摘発、根絶を狙った。
だが、ある時を境にぱたりと女神の話を聞かなくなった。一説では女神は自分のコピーと相討ちとなり全滅した、とも言われていた。
最高戦力であり最高権力者を一瞬で失った教会は失墜。だが政府も女神を失ったことには思うことがあったのか、女神に代わる戦力補充法を見出した。マジェコンによる人間のコピーだ。
本物に比べればいくらかスペックダウンするものの、使い捨ての戦力としてこれ以上の適任はなかった。
ノーコストで生まれる戦力に政府、それどころか民衆も教会以外は諸手を挙げて喜んだという。
今現在、そのコピーだったものが私の目の前に残骸としてばら蒔かれていた。
少なくとも、その残骸の残り方から人間同士の争いではない。数の暴力を薙いで食い荒らすことができるモノの仕業であるということ。私は愛用の銃を握り、走り出した。
走るにつれ残骸が人間だったものの残骸が大きくなっている。食いながら移動しているのか、それとも逃げる途中なのか。バリケードらしき残骸も見え、少しずつ足の踏み場がなくなっていく。肉の道というのは感触から何から悪いことしかないが、諦めて走り続ける。
1分ほどした時だろうか、銃声が聞こえた。どうせコピー兵隊連中の生存率なんざ誰も気にしやしないだろう。屈んでそのへんの残骸に身を隠しながら音に近づく。
そっと顔を出し音の方向を見ると、目的のものと思われるイルカの姿をしたドルフィン種モンスターと、数人の人間、女が戦っていた。よく動き回っているところを見るに、コピーではないようだ。
一人は紫色の軽装に片手剣、戦いに来たとはとても思えない。
一人は黒色の軽装に体躯より大きな銃。アンバランスすぎる。
どちらも一見モンスターと戦いに来たようには見えないが、コピー兵隊が何十人いようと一蹴するドルフィン種相手に善戦している辺り只者ではないことがわかる。さてどうしたものか。
そもそもあのモンスターの撃破が目的であり、あれの撃破が証明されれば私が止めを刺したものでなくても構わないわけだ。とすれば私が手を貸す理由はない。残骸のバリケードに隠れながら様子を見続ける。死臭が鼻につく、マスクでも持って来ればよかったと今更後悔した。
様子を見ていると、紫の方の女が突然発光し始めた。
一瞬目が眩み、身を隠す。発光する武器自体は多いが人間そのものが発光するとはどういうことだと混乱しながら、光が収まったのを見計らって再度覗き込むと、紫色の女の姿が変わっていた。
薄紫の翅を広げ、腰周りに何か盾状のようなものが浮いており、それどころか女本人が浮いている。個人携行できる無重力装置なんて存在しない以上、考えられるのは1つしかない。【女神】だ。
一説では三年ほど前に絶滅したと言われていたが現存していたとは思わなかった。
これは、ある意味大発見だろうな。そう思い銃をバリケードに立て掛けてカメラを取り出す。偵察依頼用だったのだが功を奏した。
飛び上がって上空から手に持つ銃剣らしき武器からレーザー弾が放たれ、着弾し砂煙が起こる。馬鹿げているとしか思えない。単体飛行は人類の夢と言われているが実物を目の前にすると心なしか興奮を覚える。
数秒枚に写真を撮り続け、モンスターが倒れたのを見てワンテンポおいてモンスターの死体を撮る。これで任務も終わり、偶然とは言えボロい商売だ。そう思った時、油断からかカメラをしまおうとした時肘に銃が当たり、壁をすり落ちて肉の道の間にあった本来の道に落下し音を立てた。
「っ誰!?」
まずい、最後の最後でやらかした。と銃を拾いながら私の脳内は混乱していた。
ここで出て行くのも怪しい、隠れ続けるのも厳しい。そもそも飛ばれたらこんなバリケード何の意味もない。どうにかしてここを離脱する方法を考えようとしている間にも気配が徐々に近づいてくる。警戒しているのか足取りは遅いが幸いにして最悪。方法が思いつかない。何か挽回の一手がないかとアイテムの入ったポーチを漁っていると、1つのボタンがこぼれ落ち、私の目に入った。これだと、私は確信した。
落ちたアイテムはイジェクトボタン。押すことで押した者を瞬時に離脱させる不思議アイテム。
片手でボタンを押し込むと同時に反対側、あいつらが来る方向に銃を構える。私の視線の先には黒い軽装の女がその巨大な銃を私に突きつけており、その瞬間だった。
だが私も、奴も言葉を発する暇なく視界がブラックアウトした。
次の瞬間、私はリゾートの入口にいた。離脱はできたようだ。
ふうと息を吐き、背を向けて走り出す。アレに捕捉されないうちにさっさと帰ることにしよう、見つかったらがことだ。街中では流石に見つからないだろうと、願いながら。