「虫けらのおかげで少し寿命が延びた事!このまま」
ビルゲニアが刃を振り上げた時、爆撃に包まれる。
突然の事にビルゲニアとショッカーライダーの動きが鈍った。
「ロードセクター!」
BLACKは仲間の一つであるロードセクターを呼ぶ。
赤と白の超高速バイクに跨り、彼はその場を逃げる。
BLACKがいなくなったことでビルゲニアは苛立ち、いつの間にか、ショッカーライダーも姿を消していた。
「チッ…だが、貴様の行く先は予想がつく。その時こそ、貴様をこの“サタンサーベル”の餌食にしてくれよう」
ビルゲニアは創生王から与えられた魔剣サタンサーベルを眺めながら不敵に微笑む。
サタンサーベルで仮面ライダーBLACKを倒し、キングストーンを取り出す。
そうすることで自らが世紀王、後には創生王となることができるのだ。
自身の計画が、長年の夢が果たされることを想像しながらビルゲニアは去っていく。
それが間違いであることを知らぬまま。
南光太郎は拳を木にたたきつけた。
その顔は怒りと助けられなかった後悔で染まっている。
「光太郎さん!」
そんな彼へ艤装を纏った赤城がやってくる。
「赤城さん、もしかして、さっきの爆撃は」
「間に合ってよかったです…どう、されたの?」
「届かなかった」
光太郎は傷ついた水瀬隼人を、彼を助けることができなかった。
自分を守ってくれた彼の事を…届かなかった手。
顔を歪めつつ、光太郎は立ち上がる。
「行こう、赤城さん。ヤマトが待っている」
「…えぇ」
遠くからだがなんとなく察した赤城は頷く。
ロードセクターに跨って、光太郎は目的の島、鬼ヶ島へ走る。
その頃、立花ヤマトも時雨と共に目的地である鬼ヶ島へ一足先に到着していた。
鬼ヶ島。
日本の昔話などで語り継がれる鬼が住むとされる島。
この世界においては伝承に当てはめてそういう名前がつけられたらしい。
「鬼かぁ…」
「どうした?」
時雨が呟いた言葉にヤマトが返す。
「深海棲艦にも鬼がいるでしょう?それを考えていたんだ」
「あぁ」
近年、獣のように暴れまわる深海棲艦とは別の、上位種とも呼ばれる個体が確認されつつあった。
大本営はその存在を鬼と呼称しており海域解放が進むにつれて脅威になるだろうと予測を立てている。
「鬼か…遊撃部隊はまだ遭遇していないな?」
「うん。僕達も…噂だと横須賀が一度交戦したらしいよ。結果は…轟沈者がでかけたらしい」
「…なぁ、時雨」
「なんだい?」
「いや、何でもない」
ヤマトは思った言葉を飲み込む。
ここから先の言葉は確定しない限りいうべきではないだろう。
深海棲艦が何なのか。
どこから生まれたのか。
その疑問を一度でも彼女達が考えたことがあるのか。
聴くことにためらいを感じつつ、ヤマトが海岸へ降り立った時。
おそろしいくらいの殺気を感じた。
「時雨!」
「うん…これは今までの敵と比べ物にならないね」
冷や汗を流しつつ時雨は艤装を構える。
砂浜をゆっくりと近づいてくるものがあった。
「…あれは」
深い海の底、本来なら魚などの良きものしか生息しない場所。そこに一体の改造怪人がいた。
クジラ怪人は大好きな海を泳いでいる。
少し前に大きな傷を負ったところを艦娘に助けられ、彼女に会うことを楽しみにしていた彼は目を細める。
海の底に何かが漂っていた。
ソレをみて、クジラ怪人は目を見開く。
水瀬隼人は薄暗い闇の中にいた。
右も左もわからない。
自分の体すら認識できないほどの闇。
その中に彼はいた。
「ここは…」
『は、はじめまして!』
突如、隼人の前に映像が現れる。
「俺、なのか?」
目の前の映像は少し若い隼人だろう。緊張してガッチガチに固まっていた。
白い軍服を着て目の前の少女達へ挨拶をしている。
『僕は此処の提督となった水瀬隼人だ。い、色々と不慣れなところもあるけれどよろしく頼む』
その敬礼を見て彼女達は小さく笑いそうになりながらも敬礼を返していた。
しばらく時が流れて、彼は提督として奮闘していく。
轟沈者を一人も出さない。全員で平和を勝ち取るという子どもみたいな理想を描いて。それが実現することを願って足掻き続けた。
その幻想が砕け散ったのは一瞬の出来事だった。
『ゴルゴム、のメンバーになれだって!?』
彼は最初、ゴルゴムの誘いを断った。
次の瞬間、大神官と名乗る男がみせた力を見せられた。拒絶すればここにいる艦娘達を沈める、と。
脅迫に男は屈した。しかし、恐怖からではなかった。
彼女達を守る為に選んだことだった。
資材や弾薬、作戦の情報などをゴルゴムへ流していく。
彼女達は守られるという約束を交わしたのだ。
この約束もすぐに破られた。
ゴルゴムの実験で艦娘をよこせといわれたのだ。
抵抗していた彼だが怪人に半殺しにされて、建造したばかりの一人を連れていかれた。その子は泣きながら彼の名前を呼んだ。
力を欲した。
彼は力を欲して、情報という餌でショッカーと取引をして改造人間となった。力があればゴルゴムを払いのけて彼女達を守る盾となれる。そういう思惑があったのだ。
ショッカーも約束を守らなかった。彼の頭を改造して先兵に仕立て上げたのだ。
それから彼は人が変わり、無茶な進軍は当たり前、大本営という場所へ赴くために艦娘達を兵器として利用し始める。
誰が沈んでも心が痛まない。
海域を解放することが第一。
そのためだけに彼は生きることとなった。
何回か、古参の艦娘が訴えてきたが彼は応じなかった。それどころか無理な進軍で沈めさせようとすることまでした。運悪く沈む艦娘が増えただけということで上に伝え続ける。
そんな彼もある人物の暗殺に失敗した。
「これが俺の記憶」
ハハッと声を漏らす。
「何だよ、これ、信じて裏切られてばっかりじゃん」
額に手を当てて馬鹿みたいに笑いたい気分だった。
しかし、手の感覚すらなかったことから隼人は笑うことしかできない。
「こんな最低な人間が…守るとか、何言っているんだか」
「別にいいじゃないか」
突如、隼人以外の言葉が聞こえた。
「最低であろうとなかろうと可愛い女の為に本気だす悪い奴はいない。尤も、色々と不足はしていたけどなぁ」
「誰…だ」
「俺が誰かなんてそんな事は重要じゃない」
ぴしゃりといわれて隼人は黙り込む。
「問題なのはお前だ。もっと自信を持てよ。お前は改造人間なんだぜ?」
「だから、なんだよ」
声を震わせながら隼人は叫ぶ。
「俺がしてきたことは決して消えない。最低なことばかりじゃないか…こんな、こんな俺が彼女達を守れるわけが」
「お前さ」
声の主はあきれた様な感じで訊ねる。
「結局のところあの少女達を守りたいのか?守りたくないのか?どっちだよ」
「…俺は」
「過去がどうとか今までなんざ俺は知らない。知りたくもない。ただ」
――自分に正直でいろよ。
「正直…?」
「好きな女を、いや、大好きな者達を守りたいんだろ?それに正直でいろよ。建前とかそんなものはドブに捨てちまえ、やりたいことをやれ」
「アンタは…一体」
「男に名乗る気はねぇ…そうだなぁ、アイツも名乗り始めたわけじゃないがこう言おうか」
――仮面ライダー、だと。
「仮面ライダー…」
「俺達が名乗ったわけじゃないんだけどな。いつの間にかそういう呼び名がついちまった。ま、少し気にいってるけどな」
「……」
「おっと、別にお前へ何かしろとかそういうことはいうつもりはない。何より男へ借りなんかつくりたくねぇしな」
「だったら」
「同じ姿した奴があまりにうじうじしているからな。鬱陶しくて出てきちまった」
声に失笑が含まれた。
何故だろうか、うじうじしていた自分がバカに思えてきた。
言おうと隼人は口を動かす。
けれど、相手の方が早かった。
「お前、愛する女のために死ねるか?」
――愛する女。
それに浮かんだのは不覚にも朝潮や雷、警備府にいる艦娘達の事。
きっと、自分はまだ恨まれているだろう。
だとしても。
「当然だ」
守りたいという気持ちに背を向けたくない。
「俺は」
水瀬隼人が目を開けるとどこかの洞窟だった。
「夢、だったのか?」
否。
さっきまでの会話を隼人は夢だと思えなかった。
「……」
バイクのエンジン音に振り返る。
洞窟の中、そこに一台のバイクが停車していた。
赤と白のバイク。
シートの上に置かれている一つの仮面。
「…なんだろうな」
隼人は笑う。
不思議と気分が良い。
今なら。
「今の俺ならやれる気がするよ…」
置かれている仮面を手に取り隼人はバイクにまたがる。
「待っていろ」
光太郎と合流したヤマトは森の中を進む。
「この奥に艦娘たちが?」
「あぁ、さっきカメレオン怪人が入っていくのを確認した」
「よし」
「おい、光太郎…アイツは」
ヤマトは水瀬隼人がいないことを尋ねる。
すると光太郎は顔をそらす。
何かあったのだろうか?それともこなかったか。
「まぁいい」
ここで追及しても意味がない。
まずは彼女達を助け出そう。
ヤマトの言葉に光太郎は頷く。
二人が歩き出し途端、周りからぞろぞろと六人のショッカーライダーが現れる。
「こいつら…」
「ヤマトと同じ?」
初めて見るショッカーライダーにヤマトと時雨は驚き、光太郎は顔を顰めた。
ショッカーライダーの一人が喉元をかき切る動作をとる。
ヤマトが前へ立つ。
「光太郎、ここは俺に任せろ」
「ヤマト!こいつらは強い!僕も」
「艦娘達を遠くへ連れていかれたらマズイ。俺がここで派手に暴れるからその間に頼む。なぁに、すぐに追いつくって」
ヤマトが言った直後、ショッカーライダーが拳を振るう。
それらを躱して叫ぶ。
「行け!!」
「…わかった!」
光太郎は山道を走る。
「させないよ!」
背後から光太郎を追いかけようとしたショッカーライダーへ時雨が主砲を撃つ。
「南さんの邪魔はさせないよ」
にこりと微笑みながら時雨が襲い来るショッカーライダーと対峙する。
ショッカーライダーの連携にヤマトは苦戦した。
戦闘員とは別次元の連携のうまさに舌を巻きつつ、上空で変身する。
降り立つと同時に近くのショッカーライダーを殴り飛ばす。
足元にレーザーがさく裂する。
「くそっ、飛び道具持ち…時雨、気を付けろ」
「うん!」
返事をした時雨に注意を向けながら襲い掛かるショッカーライダーと戦う。
「グォォォ!」
時雨と仮面ライダー。
優勢になりかけたところで、木に擬態していたカメレオン怪人が襲い来る。
「しまっ」
背後からの動きに気付かなかった時雨の体にカメレオン怪人の舌が絡みつく。
「時雨!」
助けに行こうとした仮面ライダーだが、ショッカーライダーの一人が彼女へ銃口を向けたことで動きを止める。
「ヤマト…」
拘束から逃れようともがく時雨の頬へ銃口を突きつけた。
「やめろ!」
仮面ライダーが近づこうとすると四方八方からショッカーライダーに抑え込まれてしまう。
一人のショッカーライダーがゆっくりとトリガーへ指を伸ばす。
足掻くも拘束がきつく抜け出せない。
レーザーが放たれようとした瞬間、バイクの爆音とともに一台のサイクロンがレーザー銃を構えていたショッカーライダーを引きつぶす。
ショッカーライダーは奇声を上げて地面に崩れ落ちる。
通り過ぎる際にカメレオン怪人の舌を手刀で引きちぎった。
時雨は衝撃で地面へ転がる。
「あれは…」
仮面ライダーは息を飲む。
現れたのはサイクロン2号、そして、それに乗っていたのは。
「くそっ、なんてモンスターバイクだよ」
水瀬隼人だった。
隙をついて仮面ライダーは拘束を抜け出して時雨のもとへ駆け寄る。
「大丈夫か?」
「ごめん、僕が足を引っ張って」
「気にするな」
時雨の無事を確認して仮面ライダーは振り返る。
水瀬隼人はサイクロンから降りて横に立つ。
「どうして、来た?」
「自分の魂に嘘をつきたくない」
隼人はそういうと笑う。
さっきまでの薄暗い雰囲気が嘘のようだ。
「俺は過去にどうしょうもないことをした最低の人間だ。最低の人間だけれども!守りたいんだよ。彼女達を救いたい。この気持ちに、自分の魂(こころ)まで欺くことはしない!この力で俺は守る…だから、俺は受け継ぐ。これを!」
出現するタイフーンと共に纏う特殊戦闘服。
サイクロン号に置いていた薄緑色の仮面を装着する。
赤い複眼が輝く。
「お前の相棒みたいに戦えるとは言わない…けれど、俺も戦う。ショッカーと」
「……わかった」
空を見上げつつ、仮面ライダーは言う。
「お前も、仮面ライダーだ」
二人は構える。
1号は右手を前へ伸ばして。2号は両手を横にしてから拳を構えるようなポーズを。
ショッカーライダーが襲い来る。
飛来する拳を二人はいなしながらぶつかり合う。
後ろに下がったショッカーライダーがレーザー銃を構える。
しかし、レーザー銃を撃つ瞬間、後方から時雨の装備していた連装砲が火を噴く。
「邪魔はさせないよ!」
のけ反ったショッカーライダーへ仮面ライダー1号が拳を放つ。
レーザー銃を叩き潰しながらショッカーライダーと拳をぶつけ合う。
二人の仮面ライダーの攻撃を受けて六人のショッカーライダーはのけ反る。
「畳みかけるぞ!」
「おう!」
1号の言葉に2号は頷き、同時に走る。
ショッカーライダー達へライダーキックを叩きこむ。
攻撃から逃れたショッカーライダーもいたが姿を消す。分が悪いと判断したのだろう。
その時、2号の耳が朝潮と雷の悲鳴を捉える。
「朝潮!雷!」
「あ、おい!…時雨行くぞ」
「うん」
走り出した相手を見て仮面ライダー1号は溜息を零しつつ後を追う。続いて時雨も行く。
その頃、仮面ライダーBLACKはビルゲニアとカメレオン怪人に苦戦していた。
ビルゲニアはサタンサーベルの力を存分に発揮しており、カメレオン怪人は創生王によって体を強化されており複数の分身体を生み出して翻弄してくる。
ビルゲニアの攻撃を躱せばカメレオン怪人の攻撃が、カメレオン怪人を投げ飛ばせば、ビルゲニアのサタンサーベルが振るわれた。
躱すことができずBLACKは苦悶の声を漏らす。
「仮面ライダー、今日が貴様の命日だ。そして私の下僕達が生まれる日でもある」
「何だと!?」
「あれをみろ」
ビルゲニアが不気味な人面像を指す。
「ゴルゴム神の目に光が灯った。これより怪人の手術を始める!これから生まれる改造怪人は今までの中で優秀な素材たちばかりだ。こいつらを使って俺は創生王となり、世界を掌握する。あのうるさい三神官達も俺を認めるだろう」
壁のゴルゴム神が不気味な輝きを放つと同時に怪しい光と改造道具が台に拘束されている朝潮へ降りようとしていた。
「あいつらは中々の適性を持っている。よい改造怪人になるだろう」
「やめろ!!」
BLACKが止めようとするがカメレオン怪人のタックルを受けた。
朝潮は悲鳴を上げて台から逃れようともがくが拘束の力が強くて逃げれない。
「あぁ、嫌だ…嫌だ…嫌だ…嫌だ!」
近くの牢屋で雷が助けようとするが特殊な檻で艤装が展開できない。
さらに艦娘の力で壊すことができない素材らしく無力だった。
回転するドリルがゆっくり降りてくる。
恐怖で気を失いそうになりながら、朝潮は叫んだ。
「司令官、助けて!」
ドリルが腹部へ触れようとした瞬間、変な音を立てて止まる。
「もう、大丈夫だぞ」
「………え?」
聴こえた声と同時に朝潮は暖かいものに包まれる。
「…司令、官?」
飛蝗の仮面に隠れて素顔は見えないが朝潮は間違えない。
間違えるわけがなかった。
この温もりは司令官のモノだと朝潮は知っている。
「悪いな、遅くなった…色々と」
朝潮をやさしく抱きしめながら水瀬隼人は言う。
「いえ、大丈夫です。やっと…」
嬉しくて朝潮は涙を流す。
目の前にいるのは彼女が知っている司令官だ。
おかしくなった彼でも、記憶を失った彼でもない。
朝潮が初めて出会って優しく頼りなかった司令官だ。
「朝潮、ここで待っていてくれ」
そっと、彼女を座らせて水瀬隼人は、仮面ライダー2号は立ち上がる。
「すぐに終わらせて、連れて帰る…大丈夫」
――お前は、お前達は俺が守るから。
朝潮は彼の背中を見る。
何度か彼の背中を見てきたけれど、今の彼の背中はとても大きく。
頼りになるものだった。
2号は拳を鳴らしながらビルゲニアの前に立つ。
「何だ、貴様」
「仮面ライダー、だよ」
そういいながら拳を鳴らす。
「ふん、俺の相手は仮面ライダーBLACKだ。貴様では」
ビルゲニアの眼前に2号が立つ。
「てめぇになくても」
驚いているビルゲニアの顔へ。
「こっちにはあるんだよ!」
連続して拳を放つ。
ビルゲニアはあまりの速度に対応ができずされるがままだ。
一発、二発、三発、四発。
数え切れないほどの拳をビルゲニアへ振るう。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「き、さまぁあああああああああ!」
殴られ続けたことで激怒したビルゲニアがビルセイバーを繰り出す。
ギリギリの所で躱したが続いて迫るサタンサーベルの一撃をいなした。
ビルゲニアが目を見開いていると肘が顔にたたきつけられる。
それをみたカメレオン怪人がビルゲニアの援護へ入ろうとするが。
「お前の相手は」
「こっちだぁ!」
1号とBLACKの拳がカメレオン怪人の顔と腹部へ直撃、建物の外へ放り出す。
二人が後を追うと赤、青、黄色と様々なカメレオン怪人の舌が飛びだした。
1号とBLACKは左右に躱すながら互いに目を合わせる。
BLACKは両手をベルトの前で合わせた。
「キングストーンフラッシュ!」
ベルトから放たれる眩い光がカメレオン怪人たちを包み込む。
奇跡の光を受けた途端、カメレオン怪人の分身は苦しそうなこえをあげて姿を消す。
残ったのは本体のみ。
同時に1号が駆け出す。
キングストーンフラッシュを受けてふらついているカメレオン怪人は動きが鈍い。
気づいた時には1号のライダーキックが放たれている。
カメレオン怪人の体を引き裂く。
派手な音を立ててカメレオン怪人は大爆発を起こす。
敵を倒したと二人が思った途端、空に赤い光が走った。
「…あれは?」
二人は空を見上げる。
赤い光は一線を描いてどこかに向かう。
その頃、仮面ライダー2号とビルゲニアの戦いは佳境に入っていた。
サタンサーベルとビルセイバーの乱舞を2号は華麗な手さばきでいなす。
「俺の邪魔をするなぁああああああああああ!」
怒りに任せた一撃だが当たれば致命傷になる。
2号は冷静に拳で受け流す。
隙をついてパンチを振るう。
「ぐっ!?」
のけ反ったビルゲニアの顔は怒りで染まる。
「この一撃で貴様を!」
サタンサーベルが怪しく輝く。
2号が身構えた途端、異変が起きる。
赤い輝きを放ったサタンサーベルが突如、ビルゲニアの手から離れた。
「なっ!?」
突然の事にビルゲニアは目を見開き、動きを止める。
その隙をついて2号が地面を蹴った。
「くっ!」
ビルゲニアは咄嗟にビルセイバーを盾にする。
拳が剣に当たる。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
仮面ライダー2号の視界に雷と朝潮の姿が映る。
「(今度こそ)」
――今度こそ、俺は守るんだ!
叫びと共に拳を前へ伸ばす。
派手な音を立ててビルセイバーが折れる。
「なにぃ!?」
「らぁああああ!」
上から下へビルゲニアに拳が直撃する。
躱しきれずふらつく。
地面に着地したと同時にアッパーを繰り出す。
放たれた一撃でビルゲニアは地面に倒れる。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
肩で息を2号がしているとカッとビルゲニアが目を見開いて光る玉となってどこかに姿を消す。
「……逃げたか」
戻ってきた1号とBLACKをみて、小さく頷く。
1号とBLACKが檻を壊す。
2号は朝潮へ駆け寄る。
「司令官…?」
「すまないな、遅くなった」
「いえ、大丈夫です。朝潮はいつまでもま、待ちますから」
ぽろぽろと涙を零しつつ、朝潮は隼人へ抱き付く。
「司令官~~~!」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら雷が飛び込む。
二人を抱えて水瀬隼人は立ち上がる。
「わっ」
「きゃっ!」
「帰ろう、警備府へ…キミ達の家へ」
「違いますよ」
「そうよ!司令官」
隼人の言葉に朝潮と雷が否定する。
「私達の家ですよ」
「そうよ!司令官も一員なんだから」
「……そう、だな」
仮面の中で隼人はある決定をしていつつも、今だけ二人の言葉に心の底から微笑んだ。
この話、鬼ヶ島へ急行せよという話をベースにしています。
尚、本来は三神官が暗躍していてビルゲニアは謹慎中でした。そこを改変してビルゲニアが企んでいるという事にしています。
ショッカーライダーに関してのイメージは今の所漫画版のショッカーライダーです。