ナーベがんばる!   作:こりぶりん

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前回のあらすじ:
 ザック「ナザリック地下大墳墓?知ってますよ、へへへ」
 怪しさ大爆発だーッ!!



第二十一話:死を撒かれる剣団

 翌朝、朝食を済ませたナーベラルは手を振るネムとエンリに見送られ。ハムスケを連れて冒険者組合敷地内の広場に到着した。

 

「へへ、お早うござんす……うおっ」

 

 広場に二頭立ての馬車を停めて待っていたザックがナーベラルの姿に気づくと挨拶し、ハムスケを見て仰け反った。

 

「ちょいと、ガンマ様、話がちがいやせんか?」

 

 思わず眉を顰めてナーベラルに抗議すると、彼女は問題ないわと返す。

 

「ハムスケは外までは一緒に行くけど、門を出たら放すわ。私が居ない間、ずっと納屋に押し込めておくのは可哀想だから外で過ごさせるの。それは別に問題ないでしょう?」

 

「は、はあ……まあ、それなら、いいんですけどね」

 

 ザックが少し逡巡しながらも不承不承頷くと、ハムスケがその顔を覗き込んだ。思わずびびって一歩下がるザックに、ハムスケが朗らかに挨拶する。

 

「聞いての通り、それがしは別行動でお邪魔はしません故、姫のことをよろしく頼むでござるよザック殿!」

 

「へ、へえ。まあ、お任せください」

 

 ザックはそう言うと馬車の扉を開けようとしたが、ナーベラルはそれを止めた。どうせ門をくぐるときに降りることになるのだから、それまではハムスケと歩くと言うナーベラルに、ザックは鷹揚に頷くと御者台に乗って手綱をとった。その様子を見ていたイシュペンがナーベラルに囁く。

 

「ではガンマさん、くれぐれもお気をつけて。……あまり短慮なことはしないでくださいね?」

 

「ん、わかったわ」

 

 上の空で機械的に相槌を返すナーベラルに、イシュペンは嘆息した。こりゃ駄目だ、なるようにしかならんね。

 

 エ・ランテルの正門をくぐって外に出ると、宣言通りハムスケと別れたナーベラルは馬車に乗り込んだ。名残惜しそうに前肢を振るハムスケに片手を振って応じると、手元から金貨を百枚より分けておいた小袋を取り出してザックに渡す。

 

「……約束の前金よ。後はよろしく頼むわ」

 

「へへ、どうも。お任せくだせえ」

 

 目をぎらつかせて金貨を押し頂いたザック、後生大事に懐にしまい込んだ。ナーベラルが馬車に乗り込んで扉を閉めるのを確認すると、手綱を取って動き出す。

 石畳から伝わる僅かな振動に揺られながら、ナーベラルは脈打つ心臓の鼓動を鎮めようと、目を閉じて深呼吸した。

 

 

 街道をゆっくりと進んでいく馬車の前方、右手に広がる森の中からむさ苦しい男達が十人余り、わらわらと出てきて馬車を取り囲む。威嚇された馬が驚いて竿立ちになるのを鎮めてその場に馬車を停めると、ザックは手綱を切って素早く御者台から飛び降りた。

 粗末だがよく手入れされた武器防具に身を固めた、見るからに荒事を専門とする男達である。半包囲して獲物をどうするだの、順番はどうするだの口々に囃し立てて下卑た笑みを浮かべる男達の中、真剣な顔で様子を窺うリーダーと思しき男に目配せすると、ザックは男達の間を抜けてその背後に紛れ込んだ。

 

 男達は傭兵団「死を撒く剣団」の構成員である。傭兵団と言っても、言い換えれば武装したごろつきの集団であり、戦争が無ければたちまち野盗と化す、あるいは戦争があったところで本当に危険な帝国との合戦にはせ参じたりはしない、まあそういった連中である。ザックの立場を簡単に説明すると、彼は街に潜伏して衛兵による討伐の動きをそれとなく探って知らせる連絡役としての役目と、あるいは今回のように無知な獲物を言葉巧みに誘い込んで釣り出す工作員としての役目を持っていた。農夫上がりで腕のとろい小男にも務まる下っ端の作業である。

 今回とびきりの姫君を誘い出すことに成功した、そのような報告を受けて男達の気勢は嫌が応にも高まっている。手に持った武器を振り回して威嚇すると、中から本物の美女が出てきて男達は息を呑んだ。美しく艶やかな長い黒髪、切れ長の瞳に桜色の唇。異国人めいた風貌と、寝不足なのか目に隈があるのは気になるが、否、そんなことはどうでも良いほどの絶世の美女である。興奮に鼻息を荒くした男達は、ナーベラルが貴族の姫君と言うには不自然な格好をしていることには意識が向かない。

 ナーベラルの美貌に圧倒されて固まった男達を不機嫌そうに睨み付けると、彼女は冷たい声で男達に告げた。

 

「なにあんたら。……私は忙しいんだけど、邪魔するなら容赦しないわよ」

 

 険のある声にも男達は怯まない。状況をよく理解できていないが故の傲慢か、あるいは内心の震えを押し隠すための強がりと見た男達が下品に笑う。

 

「へへっ、そう怯えるなよお嬢ちゃん。すぐにひぃひぃ言わせてやっからよ」

 

 そう言ってナーベラルに近づき腕を取ろうとした男の、その顔面にナーベラルの裏拳がめり込んだ。首が半回転程捻れて吹っ飛ぶ男の姿に驚愕する間もなく、他の男達の目を奪ったのは裏拳を放ったナーベラルが身を捻った際の回転でふわりと浮いた、首から提げたネックレス。その先に輝くオリハルコンのプレートであった。

 

「冒険者……!!それもあれは……何のプレートだ!?」

 

 男達もオリハルコンなどという希少金属は目にしたことがない。だがその輝きは銅鉄銀などであるはずもなく、黄金と見紛うその輝きが高位の冒険者であることを示しているのは明らかだった。

 

「おい、これはどういうことだ……居ない!?」

 

 貴族の姫君と聞いて来てみたら中からとんだ化け物が出てきた、となれば采配した男に事情を問いただしたくなるのは当然であるが、リーダーが振り返った先に、背後に隠れたはずのザックの姿はない。

 

<二重最強化(ツインマキシマイズマジック)()電撃球>(エレクトロ・スフィア)

 

 男がザックの行方を目で追う間にも、ただの一撃で仲間の荒くれ者達は壊滅の憂き目に遭っていた。ナーベラルがなるべく多数を巻き込むように放った魔法の範囲から逃れられた男達は僅かにリーダーともう一人のみ。もう一人の方が武器を放り出して背を向けて逃げ出し、背中から電撃を食らって引っ繰り返るのを呆然と見ながら、リーダーの胸に去来するのは一つの思い。

 

(あの野郎、まさか……俺たちをハメやがったのか!?)

 

 そんな思いが掠めるのも束の間、ナーベラルに命乞いをしようとして口を開いたリーダーは、「待ってくれ」のまの字も口にする間もなく<雷撃>(ライトニング)の直撃を食らって地面に転がった。

 

「……ふん、下等生物(ゲジゲジ)共が鬱陶しい。……ザック?ゴロツキは片付けたわよ、無事?ザック!?」

 

 ナーベラルは周囲を見回してザックの名を呼ぶが、待てど暮らせどそれに応える声はなかった。ふむ、と呟いて彼女は別の魔法を起動する。

 

 

(へへ……大成功、うまくいったぜこん畜生ざまあ見ろ!)

 

 その頃、胸中で喝采を上げながら森の中を疾走する男の姿があった。品性のない貧相な赤ら鼻の小男、つまりザックである。いつの間にか背負われた背負い袋の中には、携帯用の保存食と水袋、そして毛布代わりのマントが詰められている。荷物の重さに汗をかきながら、それでもできるだけ急いで、かつ慎重に森の深くへと分け入っていく。

 

 ナーベラルが組合に出した依頼とそれに群がった馬鹿共の末路について噂を耳にしたとき、ザックの頭に一つの天啓が訪れた。この閃きこそは神が俺にもたらした唯一のチャンスかもしれん、ここは一世一代の大勝負をかける時だ、そのように思ったザックは、おのが思いつきによって周りの全てを罠にかけるべく思案を巡らせた。

 このように書くと大層なことのように聞こえるだろうが、ザックの思いつきとは至極単純。同行して案内するという名目でナーベラルを油断させて前金をせしめ、一方では「死を撒く剣団」の方に獲物が釣れたと連絡して襲わせる。ナーベラルが傭兵団を蹴散らしている隙に前金を持って姿をくらます。たったそれだけであった。

 家族を捨てて逃げ出してきたザックにエ・ランテルへの未練はなく、小銭で使い倒されるだけの「死を撒く剣団」にも帰属意識はない。ザックにとって金貨百枚とはそれだけで人生を買える(・・・・・・)金額であった。故にザックは躊躇わない。たかが(・・・)金貨百枚で、これまで世話になってきた傭兵団を容易く捨て値で売りに出した。

 ザックの頭には残っていない。この先森に潜んで遠くの都市に辿り着くまでモンスターに襲われるかもしれない危険も、あるいはそれこそ別の野盗に遭遇するかもしれない危険も。流れ着いた先の都市で、貧相なチンピラが金貨を出したらそれだけで衛兵に目をつけられるであろうことも、たかが金貨百枚で、流れの浮浪者が安定した生活基盤を築くことができるのかも。ただただ懐を暖める金貨の輝きに目を輝かせ、荒い息で森の中を駆けていく。

 

「おーい、待つでござるよザック殿ー」

 

「ひぃっ!!?」

 

 だから。森を掻き分けて走る自分の前に、横から突然現れて併走して来た白い魔獣――ハムスケが声をかけたとき、ザックは心底仰天した。

 

「あ、だいじょうぶでござるよザック殿。それがしでござる、ハムスケでござる。絡んできたチンピラは退治したそうでござるから、もう安心でござるよ。姫が心配しているでござるから、すぐに戻るでござる」

 

 自分をただのモンスターと思って驚いたのだろうか、そのように思ったハムスケが安心させるように声をかける。

 ナーベラルの指示に従い、街道を大きく外れた森の中を馬の索敵範囲外からこっそり付いてきていたのだ。ザックの説明を真に受けて、馬を怯えさせなければいいんでしょうと考えての指示である。そんなことは知らないザックが意気揚々と一目散に逃げ込んだ森の中、ナーベラルから<伝言>(メッセージ)による連絡を受けて、「盗賊にびびって一人で逃げ出した案内人」の保護(・・)に来たのであった。

 

「ザック殿のような人間が一人でこのような森に踏み込むのは危険でござるよ。なに、ザック殿は姫にとっても大事な案内人、姫の側にいれば万一のこともないでござる」

 

 まさにそこが致命的な問題なのだが、当然ハムスケにそのことを知る由はない。腰を抜かしていやいやをするかのように首を振るザックを見て、ハムスケは困ったなあという顔をした。

 

「それではちょっと失礼するでござるよザック殿。なに、すぐに着く故我慢して欲しいでござる」

 

 そう言うやハムスケはザックの襟首をひょいとくわえ込むと、そのまま四足歩行で森の中を駆け出した。障害物しかない木々の中を高速で疾駆するハムスケの眼前は、さながらジェットコースター、スリル満点の光景をもたらす。ザックの口から漏れ出る悲鳴を後方に垂れ流しながら、ハムスケは森を抜けてナーベラルの下に帰還した。

 

「ああ、よかった、無事だったのね」

 

 ハムスケが口に加えたザックを目にするや、ナーベラルはにっこりと微笑んだ。普段の仏頂面に比べて十倍は魅力的なその笑顔にも目を奪われる余裕すらなく、先程までの恐怖とこれからの恐怖に目を剥き荒い息をつくザックに、彼女はにこやかに語りかける。

 

「絡んできた盗賊共は蹴散らしたけど、なんだか馬車を壊されちゃったようね」

 

 地面に下ろされたザックの目に、十体の黒焦げた襤褸の塊と、首があり得ない角度までねじ曲がった死体が映る。その姿を己の末路と重ね合わせて身震いしたザックにナーベラルが声をかけた。

 

「怖がらなくてももう大丈夫よ、でもごめんなさいね心配かけて。それで、この先の案内なんだけど。どうせ森の中に入るって話だったわよね。ここで馬車は捨てましょう」

 

 もりのなか、とオウム返しに呟くザックに、ナーベラルは続けて語る。

 

「そう、森の中よ。変な邪魔も入ったし、悪いけどもう我慢できないわ。この先どういう段取りをしてたかは知らないけど、馬車も壊れたしここからは私に合わせて貰いましょう」

 

 そう言うや、ナーベラルはザックの襟首をひっつかむと<飛行>(フライ)の魔法を唱えて空中に飛び上がった。ハムスケが地表で前肢を振って見送る中、ぐんぐんと高度を上げて滞空した先はおよそ高度百メートル。眼下に遙か森を見下ろして、ザックが息を呑んで喘ぎ、掠れた悲鳴が喉から漏れる。

 

「教えて頂戴、森を抜けた先ってどっちに行けばいいのかしら?」

 

 ナーベラルがザックの耳元に唇を寄せて囁いた。これがベッドの上であれば、鼻をくすぐる甘い香りと耳にしみ入る心地よい声にさぞ酔いしれたであろうが、生憎寒風吹きすさぶ高空での出来事であり、ザックは息をすることも忘れて硬直する。

 ところでザックにナザリック地下大墳墓の架空の位置を一から創作するような想像力はない。詳細をぼかしてとはいえ、ナーベラルにその位置を説明した時に頭にあったのは、傭兵団「死を撒く剣団」のアジトの場所であった。

 焦れたようにもう一度催促したナーベラルに、半ば思考を停止したザックが震える声でその場所を説明する。その説明を受けたナーベラルが森を飛び越し、抜けた先に広がる剥き出しの石が突き立つカルスト地形の上空から地表を睥睨した。

 

「説明された場所が見えてきたわ。……この先は?」

 

 ザックが緊張に息を飲み込む。この先はもう先延ばしも誤魔化しも利かず、ナーベラルの片手につり下げられたこの状態で首尾良く逃げ出す奇跡など望むべくも無かった。

 

「……あそこのすり鉢状になった窪地の斜面に、ぽっかりと穴が空いてるのが見えますかい?」

 

「ええ、見えるわ。それがどうかしたのかしら」

 

 不思議そうなナーベラルの声に、緊張に震える声を絞り出してザックは続ける。

 

「あの中が俺たちのアジトになってます」

 

「……?」

 

 意味を図りかねてか、完全に沈黙して応えないナーベラル。ザックはがたがたと全身を震わせながら叫んだ。

 

「ごめんなさい、嘘なんです!!金は返します!謝ります!許してくだせえ!!どうか命ばかりは!!」

 

 その言葉を耳にし、その意味が染みこんでくるに至り、ナーベラルの顔から表情が抜け落ちる。黙して語らぬナーベラルの様子に恐怖を覚えたザックが惑乱しながら命乞いを叫ぶのもどこか遠くの出来事のように感じる。そして、錯乱してじたばたと暴れるザックの襟首が、衝撃に脱力したナーベラルの、力が抜けた指からすっぽ抜けた。

 

「「あっ」」

 

 奇しくも同じ台詞を口にするナーベラルとザック。ザックが悲鳴を上げながら地面に落下していくのを、ナーベラルは口を開けて見送った。

 

 

 上空から聞こえてきた悲鳴に、「死を撒く剣団」のアジトで見張り番を務めていた二人の男が自然と上方を見上げるや否や、落下してきたそれがアジトの入り口前に着弾し、べしゃりと潰れて熟したトマトを投げつけたかのような光景が広がった。

 

「……!?」

 

 見張りの二人が緊張を孕んだ顔を見合わせる。もはや赤いペンキをぶちまけたとしか見えないそれも、よく見れば服らしき赤く染まった布地が見える。そしてむせかえるように濃厚な広がりゆく血の匂い。

 

「……空から、人が落ちてきた……?」

 

 とりあえず異常事態である。見張りの一人がもう一人にバリケードに隠れて警戒するよう促すと、自分は右手に剣を抜き左手に肩から外した警報用の鈴を提げて、そろりそろりと周囲を警戒しながらにじり寄っていく。

 すると、上空から人が降りてきた。<飛行>(フライ)の魔法で高度を完全に制御されたその人影は、先の落下物とは違って十分に速度を緩めた上で、ふわりと地面に降り立った。

 

「……」

 

 表情の抜け落ちた顔で落下した死体を眺めるナーベラルの美貌に、見張りの二人が反応を忘れてしばし呆ける。ナーベラルが無感動に足先で潰れた死体をひっくり返すと、見張りの方は我に返って咄嗟に鈴を鳴らした。

 

魔法詠唱者(マジック・キャスター)……!!」

 

 それも<飛行>(フライ)を使える手練れである。状況は微妙だが、いきなり襲いかかられればそのまま殺されることもあり得る。見張りが振り回した鈴がガランガランと大きな音を立てて響き、その音にナーベラルは目線を見張りの方に向けた。

 

「ああ、ごめんなさい騒がせて……すぐ去るから勘弁して」

 

 その口から出た意外な言葉に見張りの二人は驚きに動きを止める。てっきり自分たちのアジトを捜索に来たと思ったナーベラルの目的が分からなくなったからだ。が、すぐに、一人で(?)来た今回は位置だけ確認して、後で襲撃するつもりかと合点する。

 

「おっとそういうわけには行かねえな姉ちゃん」

 

「ここの場所を見られたからには生かして帰せねえぜ」

 

 内心の緊張を押し殺し、増援が早く来ることを願いながら武器を構えてナーベラルを左右から挟撃できるように挟み込む。万一の場合は、片方が倒されている間にもう片方が斬りかかることができる。そんな事態に陥って欲しくはないが、そういう状況を警戒して相手が躊躇してくれることを狙っての位置取りだ。

 

「別に私はあなた達に用はないのだけれど……」

 

 そういうナーベラルの眼光に、怒りの炎が揺らめくのを男達は見た。

 

「今、虫の居所が悪いのよ。憂さ晴らしに付き合ってくれるというのなら、相手するわ」

 

 その時地響きを上げて、森の向こうから白銀の巨獣が突進して来る音を耳にし、見張りの意識が瞬間そちらに奪われる。次の瞬間、抜刀して切り込んだナーベラルの剣に、見張りの片方が一太刀で切り倒された。

 

「なっ……!!」

 

 今度はナーベラルの方に気を取られたもう一人の眼前に、突進してきたハムスケが迫る。はっとした男が体勢を整える間もなく、ハムスケはそのまま男に体当たりをぶちかまして男は水平に吹っ飛んでいき、洞窟の入り口に作られた丸太のバリケードに突っ込んでそれを盛大にへし折った。

 

「お待たせでござる姫!お帰りでござるか?」

 

 そう言って敬礼するハムスケをちらりと見ると、ナーベラルは洞窟の奥からがちゃがちゃと音を鳴らして走り出てくる男達の方に視線を戻した。

 

「そのつもりだったけど……なんかあちらさんが用があるみたいね」

 

 

 




 タイトルが既にネタバレ。
 ちなみにナーベちゃんは落っことす瞬間まで素でやってます。全部分かった上で追い詰めてるようにも見えるけど天然です( ´∀`)

1/5 文章表現の微修正。
1/23 誤字修正。

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