~バー兼はぐれ狩りギルド~
ガチャ
ガヤガヤガヤ・・・
店内に入ると、一般客は二人くらいの入りようであったが、慣れた足取りで、さらに店の奥にある、銀でできた扉を開け中に入っていく。
中に入ると、そこははぐれ狩りギルドのたまり場であった。
そこには男性だけではなく、女性も鎧や魔術的な防具を身にまとい、酒や食事など摂っていたり、情報交換や、達成した依頼内容を誇張して話していたりと様々だった。
すると、一つのグループが声をかけてきた。
「よう、“死神”の兄ちゃん。今日も元気ですかい?」
一人が声をかけ、持っているグラスを掲げると、同じテーブルにいる仲間と、周りの小グループが同様にこちらに向かってグラスで挨拶をした。
「なんだよ、“死神”というのは。俺の名は“名無し”だよ」
「兄ちゃんが噂になってんだよ。あるはぐれ狩りは、決して素顔は見せないが、討伐依頼を出せば、成功率は一〇〇%。目を付けられた相手は生きては帰れないことから“死神”に気をつけろ。なんて、噂が表や裏の社会にも広まってる」
「はた迷惑な噂だなぁ。あんまり尾ヒレがついても困るんだよ」
ため息をつきながら噂話を聞き、店奥のカウンターに向かって歩き出す。
「こんにちは、マスター」
「よく来たな、名無し。今日はどうする?」
昨夜遅くに会ったばかりのマスターに挨拶をしてカウンター席に座ると今日の予定を聞かれた。
「その前に、昨日の討伐報酬の件についてなんだけど・・・」
「わかっている。いつも通りに、報酬の五〇%は依頼人に対しての見舞金、残りの内二五%ずつを店とアンタに振り分けたよ」
「いつも手間をかけてすみません」
「いいってことよ。しかし、アンタも珍しい人だな。報酬の半分を依頼人に返しちまうなんて、今まであったはぐれ狩りの奴らからは想像がつかないぜ」
「世の中にはこんな物珍しいはぐれ狩りがいるもんなんですよ。それより、またカウンターの隅を借りたいんですが」
そう言うと、店の目立たないカウンター席の奥を指さして許可を得ようとした。
「構わねぇよ、あの場所を使うのはアンタぐらいだ。他に何か注文はあるか?」
「では、紅茶をポットでください。ミルクなし、角砂糖を二つで」
「わかった、後で持っていく。向こうで待ってろ」
そう言うと、奥の厨房へ行ってしまい、準備に入っていった。
颯はそれを見届けてから、カウンターの奥へ移動し、懐から持参してきた本を取り出し、読み始めた。
しばらくして、厨房からポットとティーカップを持ったマスターが出てきて、名無しの目の前のカウンターテーブルに置いて、すぐに他のはぐれ狩りのグループから声がかかり、その対応に向かっていった。
本にしおりを挟み、紅茶をカップに注ぎながら、香りを楽しんでいると、ギルドのたまり場の入り口のドアが突然≪バーン≫と勢いよく開いた。
中途半端な終わり方ですいません。