鎮守府の超能力アサシン   作:メイン盾

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ドイツ演習は終了。主人公たちにとっては有意義でしたね。


ep.7 崇高

宗介は思考していた。しかし、彼の卓越した頭脳でも全く理解出来ない。

 

発端はドイツのキールに演習相手として呼ばれたこと。護衛として同行したのはいいが、そのくせ何も起こらなかった。彼の考えとして、ここの第一艦隊とキール軍港の艦娘を総動員して自分を殺すと考えた。食事に毒が混入される可能性も、後ろから撃ってくる可能性も視野に入れた。殺さない理由として、利用価値があるからとも考えた。しかし、それではドイツ側がなにもしてこないのがおかしい。それなのに、あっけなくここに帰れた。

 

「なぜだ?」

 

「一体何がよ?」

 

書類に目を通しながら、提督は宗介に問う。秘書艦が出撃している時に限り、彼は書類仕事をやらされるのが定着してしまっている。それも宗介が海外のストリートに産み落とされたという過去にそぐわず、事務仕事も出来ることが分かってしまったことが原因だろう。

 

「ちょ、バカ!それ本営に提出するやつ!」

 

「ん?ああ、すまん」

 

宗介の人生を皮肉るように煌々と輝く太陽を見ながら、宗介はカッターナイフで書類を切り絵にしていた。

 

「しかもレベル高いのが妙に腹立つわね....」

 

「宗介さんは万能なんだよ」

 

カッターナイフをペンのようにくるくる回しながら得意気に言い、来客用のソファーに座って足を組み、ドアの横に掛けられているダーツボードに投げつける。カッターナイフの切っ先はボードのダブルブルに刺さり、軽い音をたてて執務室のフローリングに落ちる。

 

「どうよ。50点だぜ」

 

「あんたほんとに多才ね....」

 

「まあね」

 

「妬けちゃうわね。この前文月が満面の笑みであんたのこと話してたわよ?優しいし何でも出来るからお兄さんみたいだって」

 

「嬉しいねぇ。もうちょっと出るとこ出てから貰ってやるよ」

 

「バカ、文月はあの抱きやすいサイズがいいんじゃないの」

 

「ボカァ年上派なんだよ」

 

ポケットからタバコの箱を取り出し、箱から一本取り出してライターで火をつける。彼自身五感問わず甘めなものが好きなので、懐には常にキャスターマイルドが入っている。

 

「ちょっと、ここ禁煙よ?いやそれ以前におかしいことあるけど」

 

「カタいこと言うなよ。そういう女はモテねえよ?不知火(ぬいぬい)にもそう言っとけ」

 

「そう、不知火で思い出した。あの不知火があんたのこと認めてるのよ。私も流石にビビったわ」

 

ここの提督から戦艦クラスの眼光と称される不知火は、駆逐艦の中でも大人びていてドライ。ヘラヘラして常にふざけたような態度を取る宗介とは一番遠い関係のように思えるが、彼の実力は評価しているとのこと。宗介がぬいぬいと呼んだ時は火葬か土葬かを本気で悩んだ提督だったが、不知火が満更でもなさそうな顔だったことに衝撃を受けた。

 

「マジ?クレイトン・ヘイルみたいだって?」

 

「そこまでは言ってないわよ」

 

「なんだよ、残念だね」

 

吸殻を空き缶の中に押し込み、宗介は書類に目を通さずにサインを書く。それもかなり達筆。

 

「そうだ宗介、今度―――」

 

提督が何かを言おうとした瞬間、執務室の外開きのドアが内側に開く。あまりの衝撃に蝶番が外れ吹っ飛び、ドアが提督に向かって一直線に飛んでくるが、宗介が椅子の後ろ側の脚を脚払いのように掬い上げる。提督は椅子ごと後ろに倒れ、先ほど提督がいたところドアが飛来、後ろの窓に当たって倒れた提督に落ちていくところだったが、宗介が蹴飛ばしたところで難を逃れた。

 

「ご無事で?司令官殿?」

 

「.....今度はSAT並みの慎重さで助けてちょうだいね?」

 

「善処するよ」

 

執務室のドアを破壊して入ってきたのは、妙高型重巡洋艦の2番艦、那智だった。相当焦っているのか、息を切らし、汗の雫が那智の頬を伝う。

 

「司令官、いるか!?」

 

「落ち着けよ那智。もう少しで提督の首が危機一髪みたいにブッ飛ぶとこだったぞ」

 

「後で謝罪する!今はそれどころではない!」

 

那智はただならぬ形相で提督に迫り、襟首を掴む。

 

「待って那智、絞まってる....何があったか説明して。比叡か磯風がやらかした?」

 

「それで済めばどれだけ良かったか」

 

「うそん、もう来ちゃったの?」

 

倒れた拍子に取れた帽子の埃を払いながら、提督は苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

「一体どうした?エリザベート・バートリでも乗り込んできたか?」

 

「そっちの方が幾分かマシよ。あのオッサンめ....まあいいわ、どさくさに紛れて撃っちゃってもいいし。宗介、一緒に来て」

 

「いいのか提督、こいつは信用ならないぞ」

 

「いや宗介に頼るかもしれないし」

 

「この外道がか?」

 

「てめえよりは役に立つっての、時代遅れの砲弾ヤロー」

 

那智を嘲笑し、宗介は中指を立てる。また砲撃が始まるのを避けるために、提督は間に入って仲裁する。

 

「ああもう、それは後でやってちょうだい。それでね宗介、今から来るやつのことなんだけど.....」

 

頭を抱えて提督は今から執務室に来る人物について話す。それを聞いて、宗介は顔をしかめる。

 

「あんたの同業者みたいなもんじゃない」

 

「ないわー、そんな低俗な野郎が僕と同類とかないわー」

 

軍人から嫌われているというのだから、どんな悪党かと思ったが期待外れだ。犯罪者の悪行ではない、ガキの非行自慢だ。

 

「あんたとあいつのどこが違うのよ?」

 

「見た目から違うだろ」

 

「.....うん、正直ごめん」

 

何かを察したのか、提督は目を逸らしながら苦笑した。その時、宗介の耳にのみ、何かを叩いたような乾いた音と、ヒステリックな女性の声を聞き取った。

 

「一階だ。行くぞ」

 

「それもう地獄耳ってレベルじゃないでしょ....」

 

三人で階段を駆け降りていると、突如銃声が響く。宗介は耳の奥でこだまする銃声と、忌々しい記憶を無理やり振り払い階段を降りる。

 

一階のエントランスホールには、艦娘が集まっていた。一歩引いたところから何かを見ている。そのなかでエリクも欠伸混じりに何かを見ていた。

 

「エリク、一体どうしたってんだ?ルイ・アームストロングが聖者の行進でも歌ってんのか?」

 

「ああ、俺も出来ればサッチモに来てほしかったかな」

 

エリクの指差す方向を見ると、葉巻をくわえている男が偉そうに立っていた。腹が肥えた大男で、宗介よりも巨体だ。目付きや仕草は、完全に悪者のそれである。

 

「アイツは?」

 

「海上幕僚長の右腕、将補サマだってよ。初霜曰く大日本帝国でのアメ公よろしく、ここでの嫌われものみたいだぜ」

 

「だろうな、あんな容姿(見てくれ)じゃあそうなるわ」

 

「それもだろうが、メインはそっちじゃないらしい。どうもアイツが推す艦隊運営方法はな、いわゆるブラック鎮守府なんだと。捨て艦バンザイ派さ」

 

「...あの階級章、将補のもんだったのか」

 

宗介は口を閉じ、視点を落とす。それを見て、エリクは驚いた声をあげる。

 

「意外だな。てっきりあのジジイの肩を持つとばっか思ってたが....」

 

「僕から言わせりゃ両方バカさ。自分から兵力を下げるあのクソジジイも、資材で造れる艦船兵器が兵器として扱われたくないって言うのもな」

 

「言えてる」

 

二人で声を殺して笑っていると、二人の前に将補が歩み寄り、その鋭い目で二人を睨み付ける。その凄みと体臭にエリクは顔をしかめ、宗介は密かに息を止める。

 

「こいつ、機密の犯罪者じゃねえか!おいどういうことだ琉奈!」

 

「私を下の名前で呼ばないで。分かるでしょ、彼の実力なら私をきっちり護ってくれるからよ。性格はともかくとして」

 

「だな」

 

「一言余計だ日本鬼子(リーベングイズ)が。三枚下ろしにすっぞ」

 

「こんな犯罪者がか?笑わせるな。これならヒヒ爺の方がよっぽど役に立つ」

 

「どっかの汚職将補よりかはよっぽど優秀よ。事務仕事も何故か手慣れてるしね。おたくの捨て艦の副産物よりかは戦力にはなるわ。深海棲艦も沈められることも既に判明してる」

 

「あぁ?」

 

将補は怒りを露にする。こめかみに青筋を浮かべ、今にも掴みかからんばかりに提督を凝視する。そんな将補が宗介から目を離した隙に艦娘の群衆に紛れ、偶々近くにいた不知火に問う。

 

「ぬいぬい、あのシュヴァイン()野郎は一体どんなヤツなんだ?今んとこアメコミヒーローが飛んで来そうな悪役の典型だが」

 

「その通りですよ。金とコネと脅しのネタで将補まで昇格した方です。今までは提督がなんとか説得してくれていましたが、そろそろ限界だと思われます」

 

不知火がそう言って顔を上げ、宗介を見る。宗介は不知火と目が合うと、それを逸らして頭を抱える。

 

「分かった、分かったよ。解決すればいいんだろ?」

 

「不知火は何も言っていませんが」

 

「目が訴えかけてたぞ」

 

「そうですか、それは失礼」

 

愚痴を溢しながら提督の側につき、不足の事態に対応出来るよう備える。こういうタイプのクソ野郎は自分を中心に地球が回っていると妄想するタイプだ。提督が反抗してアイツの怒りを買ったらどうなるか分かったもんじゃない。

 

(それにしても無用心だな。自分が嫌われてる自覚がないのか、自分なら艦娘くらい余裕とでも思ってんのか知らんが、まさか一人で来るとは。ここじゃいつ撃たれてもおかしくないのに)

 

将補の周りには護衛らしき人間や艦娘が見当たらない。ここに首を喜んで掻っ切る男がいるというのに、何とも無用心である。

 

「で、今日は何?言っとくけど、宗介とエリク含めて私の部下はお前には渡さないわよ」

 

「毎日言ってるだろ。俺は鎮守府だけありゃいい」

 

(毎日言ってるんだ....)

 

呆れながら肩を落とす。本当にやってることが悪いお偉いさんの典型すぎて何のジョークにもならない。

 

「帰ってくれないかしら?怯えてる娘だっているし、どっかの誰かさんが暴れだすとここにいる生物が全部死ぬわよ」

 

「悪かったな」

 

「ナメるな。そんな若造ごときに(将補)が殺られてたまるか。そんな都合のいい下剋上は無いんだよ」

 

鎮守府が欲しい。つまり、拠点となる施設を増やして勢力を拡大したいということだろう。しかし、それではここで提督が説得というのもおかしな話である。

 

(権力だけじゃどうにもならない?そんなものが海軍にあるのか?)

 

今まで国民の目を避けて不正ができていた海軍で、そんな凡ミスを海軍将補がやらかすかといえば変である。

 

「分かるだろ?ここを渡せばお前は軍民保護法でハッピー、言わずもがな俺もハッピーだ。悪い話じゃないだろう?」

 

「イヤよ。私がいいですよ何て言うはず無いでしょ。それとも何か?おたくとウチで全面戦争でもやってみる?」

 

「言わせておけば....」

 

二人の軍人の間で火花が散る。余裕綽々な提督は腕を組んでふんぞり返り、怒りが爆発しそうな将補はポケットの拳銃に手をかける。ここで罵言雑言を吐かなかった自分を褒めてやりたいとも思った。一昔前の宗介なら、このシチュエーションで間違いなく得物を手に目の前の脂肪をローストしていたに違いない。

 

成長したものだ。宗介自身も、幼少期から宗介を近くで見てきたエリクもそう考えただろう。

 

護衛はクライアントを護るのが仕事。軍人同士の取っ組み合いなんてノータッチだし介入したくもない。ここは口を挟むべきではない。その案に従い口を閉ざしたが、どうもそれが間違いだったらしい。

 

「おい貴様ぁ、なんだその眼は?何か文句でもあんのか?」

 

不良かお前は。そう言いたいが、そういう場合でもない。ここは提督に任せ、自分は無駄な努力はしないのに限る。

 

「ちょっと、速やかに出てって。私だってお前の眉間を撃ち抜きたくてうずうずしてるの。分かる?」

 

「やってみやがれ。鎮守府のトップになったからってあまり調子には乗るなよ?」

 

言い合いを続ける提督の後ろ襟を掴み、宗介はそこに耳打ちをする。

 

「提督、マークスマンだ」

 

「数は?」

 

「同じ方角に2、3人」

 

「距離は?」

 

「750m」

 

「得物は?」

 

「M24のスナイパーウェポンシステム、7.62mm弾だろうな」

 

矢継ぎ早に飛んでくる問いに、宗介は的確かつ素早く答えていく。同じ方角というと、ここから提督や宗介、エリクや一部の艦娘も狙える位置にあるということ。

 

(いや、宗介なら回避ぐらいは簡単に出来る。でも問題がありすぎるし、私だって死にたくないしなあ....)

 

このセッティングをした将補を憎みながら、軍人らしくこの危機的状況を打開する方法を考える。こちらに飛んでくる弾の数は、一挺五発でそれが二、三挺分。そこからリロードのタイムラグがあって....

 

(....無理だ。普通の人間じゃ五発どころか一発で死ぬのに....)

 

結局駄目だった。というか、自分のような丸腰の人間にマークスマンなんて勝算が無い。宗介に分かっても、自分は位置も分からない。その時点で詰みだ。

 

(いや....一つあるわね。単純で効果的なやり方が)

 

意気消沈ムードから一転、提督は誰にも悟られずにほくそ笑む。

 

「宗介、今からやってほしいことがあるんだけど....」

 

宗介に自分の考えを全て話す。それを聞いて、さすがの宗介も苦笑する。普通の人間に言ったらどう思われる?ヤク中か、悟りの境地かだろうな。

 

「...嘘だろ?」

 

「今日、何月だか知ってる?」

 

「これほど四月バカになりたいと思ったのも初めてかな」

 

「つまりはそう言うことよ。できる?」

 

「知らん。やったこともないわ。だがやんないと地獄で一生胸くそ悪くなっちまうからな」

 

「よろしい」

 

「あんた結構キチガイの才能あるぜ....」

 

笑いすら浮かべなくなった宗介は提督の前、将補の少し斜めでありマークスマンの射程に入る。

 

「貴様、何のつもりだ?まさか俺とステゴロでも―――」

 

将補が言い終わる前に、宗介は剣を抜き、提督に向かって全力疾走する。当然、撃ってくるわけなのだが、大体の位置が分かっている宗介は弾道を予測、横に跳んで回避、再度将補に迫る。

 

(さっき二発しか来なかったな...?)

 

剣を逆手持ちにして飛び上がり、将補の首筋に突き立てようとする。しかし、先ほどの宗介の疑問は案外早く解消された。

 

右肩に激痛が走る。それは鋭く体を貫くような痛みから、重くズキズキした痛みに変わる。顔を歪め、咄嗟の回避手段としてブリンクで瞬間的に後退するが、いつもやるブリンクには通常付かなかった痛みというオマケが付属していることがあり、綺麗に着地出来ずに派手に転倒する。しかし、素早く立ち上がり体勢を整える。

 

「....撃ってこない?」

 

油断したら視界が暗転しそうになるのを必死に堪え、意識を集中する。

 

「何言ってるの宗介!集中治療....いえ、まずは手当ね」

 

「待ってくれ、狙撃が止んだ。まさかそんなコッキングしてるわけあるまいし、ここまで時間がかかると撃ってこないんじゃないのか?」

 

喋り方こそしっかりしているが、銃創を押さえていて息も荒い。足も若干震えている。しかし、眼は鋭く、激情と憤怒が混ざっているのが見てとれる。獣が威嚇するように外をずっとにらみつける。

 

「そ、宗介?どうしたの?」

 

宗介は反応を示さない。右肩からは血が流れ、それを押さえつけている左手は赤く染まっている。

 

「宗介?どうしたの?大丈夫?」

 

「宗介さん?一体どうしたのですか?」

 

さっきから反応が無い宗介に、提督と不知火が歩み寄る。すると宗介は糸が切れたマリオネットのように崩れ落ちるが、なんとか膝で踏みとどまる。

 

「宗介!?」

 

「あァ....肩が取れそうだぜ...」

 

息も絶え絶えな宗介に提督と不知火が寄り添う。それを後ろの方で見ていたエリクは、隣の綾波型駆逐艦8番艦、曙に話しかけられる。

 

「アイツって、一応体は普通の人間なのよね?」

 

「ああ、ついでに真っ当に生きてたら高校生の年齢だぜ」

 

「アイツだけで制海権奪還出来るんじゃないかしら?」

 

「じゃあまずは宗介とお友達にならないとな」

 

「....潮か朧辺りなら大丈夫かしら?」

 

漣は長門派のため、対立する未来が眼に見えている。しかし、未成年の少年が肩に7.62mm弾をくらったというのに、ショックで気絶するどころか喋ることができるとは、人間も可能性が出てきたなと呆ける。近くでパートナーがあんな状態になっているというのに、暢気なものである。

 

「....心配しないの?宗介のこと」

 

「アイツならライフル程度じゃ死なない気がするんだよな」

 

「納得してしまったあたしはどうなのかしら?」

 

「充分宗介に毒されてきたな」

 

「嬉しくないわね....」

 

「だろうね、俺だって嫌だわ。アイツみたいにイカれちまうのは」

 

強くなれるなら話は別だがな、と言い残してエリクは去っていった。曙が再度宗介達の方を見ると、宗介が立ち上がり将補の元へ歩いていた。

 

「.....」

 

「ゆ、許してくれないか?なァ、頼むよ、この通りだ」

 

将補は命の危機を本能で感じ取り、頭を床に擦り付ける。それをみて、宗介は銃をホルスターにしまう。

 

「いいぜ、ここまでくると逆に可哀想になってくる」

 

そう言って宗介は無防備に背を向け、提督の方に向かって歩く。

 

甘いと思ってしまった、生ぬるいと思ってしまった将補は、それが唯一にして最大の誤算であった。宗介は突然歩みを止め、振り向きざまに銃を抜き、エイミングする。

 

「へ?」

 

呆然とした将補に、宗介は目を細めて口を吊り上げる悪どい笑みでこう言った。

 

「四月バカ」

 

銃弾は、無慈悲に脳を貫通した。

 

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