鎮守府の超能力アサシン   作:メイン盾

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ep.8 束の間

そこまで放蕩になるわけにはいかない、そう自分を律する。ライフル弾程度で喚くなよ、僕が生きてきたのはそんな甘い世界じゃないだろ?

 

「提督、アイスピックとか持ってない?」

 

「持ってるけど渡さない。いくら私でもあんたがそれで何するかくらい分かるわよ」

 

「別に傷口増やすワケじゃねえよ。火で消毒もするし」

 

「見てるこっちの身にもなってちょうだい」

 

「みなけりゃいいじゃんか」

 

「とにかくだめ!治療してもらうわよ!」

 

「誰がだ?」

 

いつの間にか、宗介の眼は提督を鬱陶しがるものから変わっていた。そのあまりの変化に、提督は竦み上がる。

 

「それは....」

 

「軍は敵だ。治療なんてしてもらえないだろうし、ヘタすりゃ医療事故ってことで殺されかねない。もしくは石井部隊みたいなことするかもしれん」

 

「じゃあ、私が....」

 

「あんた僕が撃たれた後、軽くテンパっただろ。ああいう状況に初遭遇だったか、手当なんてしたことないからどうすればいいか分からなかったか。どっちにしろできそうにない。つかNATO弾の傷が応急手当でどうにかなるとも考えられん」

 

「.....」

 

「そんな顔すんなよ。エリクサーで大体はなんとかなる。エリク、持ってるか?」

 

「さっき持ってきた。まったくライフルでその傷かよ。腕ごとブッ飛ぶかと思ったが、案外どうにかなってるな。お前ホントに人間か?」

 

「うるせぇ」

 

宗介はエリクサーのキャップを弾き飛ばし、中の赤い液体を喉を鳴らして飲み干す。するとピタリと出血が止まり、宗介が手を離すと服の一部が破れているだけで、傷が塞がっている。

 

「完璧だ。さすがソコロフ製」

 

弾丸が残っているのは変わらないが、出血を止めただけでもよしとしよう。

 

「エリク、戻るぞ。疲れた」

 

「オウ」

 

宗介はエリクを連れて戻る。それを、提督はなんとも言えない表情で見ていた。

 

「提督、無事か?」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

「提督、気持ちは分かるが奴は犯罪者で....」

 

「私達は正義の味方?」

 

「それは....」

 

長門は言葉を詰まらせる。

 

「あなたに言っても彼が変わらないことは分かってる。でもね、今の海軍(私達)に、彼を犯罪者って差別する権利があると思う?」

 

「しかし、奴は...」

 

「分かって長門。彼を悪人にするってことは、まるで私達は宗介くんと違っていいことしてますよって言ってるようなもんじゃない?こんな状態でそんなことできる?それに、今の職場にいるのは、自分の怨敵と艦娘。一般人からしたら恐ろしいことこの上ない、それに適応できる彼が特異なの」

 

「それがどうした?」

 

「呉鎮守府はそこにつけこみ、自分達の犯罪歴を棚にあげて彼を罵倒するの。外道、罪人って。こんなに笑えないジョーク、どんな人も話さないわよ」

 

「.....」

 

「私は忘れないわ。だからこそ宗介達を受け入れた。それくらいじゃ拭いきれないけどね」

 

「だが、あの男は思ったより抜け目ない。それも考慮した上で海軍に目をつけたのかもしれんぞ」

 

「それこそ自業自得よ。彼のような頭の切れる人間に弱味を見せたのはバカとしか言えないわ」

 

提督は自分を嘲笑する。懺悔も贖罪も出来ない、自分が愚かで価値を見いだせない。彼の方が私達軍人よりもずっと世界を見て、思考し、答えを探り当てることに長けているのだろう。

 

「彼はスゴいわよ....ホントに....」

 

―――人間同士が争ってる場合じゃないだぁ!?ほざくなクソが、そんなに国で一致団結したいなら、いい加減深海棲艦とかいうバケモノをアメリカ艦とイギリス艦にするのはやめやがれダボハゼ野郎。

 

―――そんな、私達はそんなこと....

 

―――アイツらの話し方ってちょっと変だよな。例えるなら、そうさなぁ、日本語覚えたての外国人みたいな?少なからずあるだろ?軍人の怨がさ。

 

―――.......

 

―――実際例えるならなんだ?シーライオン?ホノルル?セントルイスか?

 

「ッ....」

 

何が言いたいのかはよくわかる。彼が言った三隻の軍艦は、かつて第二次世界大戦で大日本帝国の軍艦を沈没させたアメリカの船。本当に彼は、皮肉とジョークが大好きである。

 

(アメリカに例えてる....ね....)

 

真っ向から否定出来ない。白い肌、片言な日本語、欧米諸国で発見されないという事実。アメリカやイギリスを鬼畜米英という時代は終わったというのに、私達は深海棲艦をかつての敵国と認識し、喜々として砲を交える。宗介はひょっとして、軍人よりも戦いを知っているのではないだろうか?

 

「司令?どうしたの?そんなボーッとして」

 

「....陽炎、宗介って、どんなやつなの?」

 

「何よ突然、どうしたの?」

 

「いや、何でもないわ。忘れて」

 

劣等感と僅かな嫉妬を胸にしまい、執務室へ戻る。優秀だが、人格と精神面に問題程度に認識していた昔の自分がバカバカしい。

 

「あーあ....私も宗介みたいな才能が欲しいわ」

 

神様が与えてくれることを淡く期待しながら、提督は小さく笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

呉鎮守府のグラウンド。その400mトラックで、宗介とエリクはランニングしている駆逐艦娘の先頭で走っている。

 

「遅れんなよ電、ペースダウンするか?」

 

「大...丈夫....なので....す....」

 

「雷、どうだ?あれは大丈夫なのか?」

 

「無理なやつよ、あれは」

 

「ならペースダウンだな。島風、先に行った瞬間ハンマーロックキメるかんな」

 

「は、はいぃ....」

 

駆逐艦娘達の大半に懐かれた宗介は、提督からの命令でやっている。これをする意味に疑問を抱いているが、その辺は深入りしないことにしている。スパルタかと思ったら艦娘を気遣う理由として、こんなのでダウンしたら自分を守ってくれそうもないからと語っていた。

 

「宗介さん....これ....疲れないのですか....?」

 

「こんなん慣れだよ電。一回島風みたいにスピードジャンキーになってみたらどうだ?」

 

「ちょっと宗介?」

 

「冗談だからそんな目で見んなって雷。向上心を持てってことさ」

 

遅れが出た電に合わせてスピードを落とす。島風を牽制しつつ一時的に電に合わせ、余裕をつくる。

 

「宗介、これ、あとどんくらいやんだよ?」

 

「これでラストだ。正直やる意味は分からんが」

 

「艦娘ってどこまで生物学で通るんだろうな?」

 

「知るか。知りたくもない」

 

エリクを一瞥し、ランニングを終える。余裕がある者、ない者様々だが、宗介とエリクはこんなときでも談笑を欠かさない。

 

「そういやこの後って...」

 

「ああ、神通だ。ゾッとするね」

 

「頑張れよ、宗介センセ」

 

「マジチョベリバってカンジ」

 

「死語だろそれ。いや、もう化石か?」

 

鬼教官こと神通がこれからどんなムチを打つのかと思うと、宗介も駆逐艦娘に同情したくなる。宗介は盛大に溜め息を吐き、エリクは冷や汗を流しながら目を泳がせる。

 

「ああ、俺明石に相談してくる.....」

 

「逃げてぇ....」

 

二人は嘆く。特に宗介は神通に武術の腕的な意味で目を付けられているため、手加減してくれなさそうで怖い。

 

「皆さん、お待たせしてすみません」

 

神通がにこやかに微笑むと、二人の顔が引き攣る。神通は宗介と目が合うと、恐ろしいくらいの満面の笑みで笑いかけ、宗介は苦し紛れに手を振る。

 

「次は負けませんよ?」

 

「またやるんすか神通さん....」

 

宗介が戦々恐々しているのを横目に、陽炎が不知火に問いかける。

 

「不知火、神通さんと宗介に何があったの?」

 

「恐らく、10秒勝負の件でしょう」

 

「なにそれ?」

 

10秒勝負。今では鎮守府で語り草となっている話で、宗介は駆逐艦達から憧憬の眼差しを集め、長門派からは恐怖の視線を集めた。

 

「じゃあ、神通さんは....」

 

「舜殺されました」

 

「だからあんなにやる気に満ち溢れているのね....」

 

「笑えません。私達まで駆り出されてしまうなんて」

 

改めて宗介の凄さを知った不知火と、感嘆する陽炎。前では神通が闘志を燃やしていた。無論、今の宗介は将補の件で右肩にライフル弾が残っているため本調子ではない。肩を動かすと痛みが走る。

 

「僕、今めっちゃ調子悪いんだけど。ちょーっと今は神通を満足させられんなぁ」

 

「あら、それでしたら都合が良い。私なんかでも勝てる可能性がありますね」

 

「.....マジで?」

 

「......」

 

神通は笑みを絶やさない。心なしか目は笑っていないようにも見える。

 

「神通さんが修羅みたいになってる.....」

 

「暁、それは口に出すべきではないよ」

 

「ああ....遂に神通が悪鬼羅刹になりやがった...」

 

いつの間にか暁の隣に移動していた宗介が頭を悩ませる。

 

「どうするんだい宗介。今の神通さんは正直ヤバいよ」

 

「そりゃゲッタウェイ一択だぜ。頑張れよ、ちびっこ諸君」

 

「暁はレディーなんだから!」

 

宗介はブリンクでグラウンドを後にし、二階の開いた窓から鎮守府に入っていった。

 

「逃げられましたか....仕方ありません、彼は後で提督に報告するとして、始めてしまいましょう」

 

その後、グラウンドは死屍累々だったと青葉は語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宗介は部屋に戻る途中でエリクに背後から呼び止められ、工厰へ同行させられた。何でも、相談があるらしい。ドアをノックすることもなく、工厰へ入る。

 

「提督、宗介連れてきた」

 

「忙しい中わざわざ来てやったぜ。で、何の用かね?」

 

「ああ宗介、よく来てくれたわ」

 

中では提督と明石、夕張が一つの実験テーブルを囲んでいる。

 

「何やってんだ?人体解剖か?」

 

「違うわよ。遠征から帰ってきた第二艦隊が、変な手土産を持ってきてくれたのよ」

 

「土産だぁ?カラシニコフか?」

 

「惜しいわ」

 

(惜しいのかよ....)

 

実験テーブルに置かれているのは、一挺の回転拳銃だった。真っ黒にペイントされているシンプルなもので、一見普通の拳銃だ。

 

「これ、なんだと思う?」

 

「拳銃だろ」

 

「違うわよ。名前は?」

 

「エリク、分かるか?」

 

エリクは銃を凝視し、顎に手を添えて考える。

 

「このサイズで日本に普及してんのだと、やっぱニューナンブだよなぁ」

 

「日本警察のあの銃か?」

 

「Ja.だけど黒く塗ったくる意味なんてあんのか?」

 

「さあな。これのどこが疑問なんだよ?」

 

「うーん....これ、オリョール海の海底に沈んでたやつなんですよ。ゴーヤちゃん達が見つけたんですけど、ここに回されました」

 

夕張が苦笑い気味に言う。どうにも怪しく、触る気が起きないらしい。

 

「宗介、お前これ持ってみろよ。超能力者なら大丈夫かもしれん」

 

「ヤだよ恐ろしい。提督かエリクなら何かあっても対処しやすいだろ?普通に人間なんだからさ」

 

「嫌よ私だって。艦娘なら実害は無いんじゃないの?」

 

「わ、私だって嫌ですよう!」

 

全員がお互いの顔を見て、この銃を押し付け合う。工厰内に気まずい空気が漂うが、それを破ったのは宗介だった。

 

「....よし、僕が持とう。全員なるべく僕から離れろ、危険だ」

 

「いくら宗介さんでも、それは危険ですよ...」

 

「好奇心だよ好奇心」

 

宗介は全員が離れたことを確認すると、実験テーブルから右手でニューナンブのような銃を持つ。全員に緊張が走り、無意識の内に冷や汗を流し額に皺を寄せる。それから十数秒の沈黙の後、何も様子が変わらないことを三人は目で確認する。しかし宗介は警戒を解かない。

 

「宗介?」

 

宗介は自分の腕が勝手にエイミングするように持ち上がると、素早く左手で剣を抜き、回転式弾倉を破壊する。壁に自らの右手の甲を強く当て、落ちるリボルバーのバレル、ハンマー、グリップを切断し、空中分解する。

 

「あっぶね....」

 

「ああ....一瞬でバラバラに....」

 

「宗介、詳しくは聞かんが、注意しとけよ?」

 

宗介は実感してしまった。この拳銃を持った途端、右手の感覚が全て失われてしまった。人形師と操り人形のように、宗介の右腕は何者かに操られたように銃を向けてしまった。

 

「まぁ、ケガ無いしいっか」

 

「オウオウ、限りある命を大切にしようってスターリンも言ってたぜ」

 

「止めろよ、ソ連兵がナガン担いで殴り込んでくるぜ?」

 

「で、俺らは殺して艦娘共は拉致?」

 

「そいつは面白い。日本で敦化事件をやらかす気か!?」

 

「笑えるぜ!」

 

何があったのかは知らないが、先程殺人未遂が起きたというのに二人は笑い合う。

 

「楽しそうで何よりね....」

 

「あんなことがあったのによくあんな余裕でいられますね....」

 

「まあ、彼ららしいといえばらしいけど....」

 

謎のハイタッチを交わす二人の少年を、三人は困惑の表情で見やる。

 

「にしても、気味悪いな。一体何なんだ?コレ」

 

「深海にあったんだし、あの人のなり損ない共の私物じゃねえのか?」

 

「バカ言うなよ宗介。何で砲弾と艦載機と魚雷しか使ってこなかった野郎がこんなチャチな銃なんざ持ってるんだ?」

 

「確かにそれっぽいけど、材質は普通のニューナンブなんですよね。銃身内部にクロムメッキ処理が施されてますし」

 

「そういえばこれ、77mm銃身型ですね。一般用モデルだから流通量も多いと思います」

 

「でもどうしてニューナンブなのかしら?今の警察って自動拳銃よね?」

 

「最近は人間用の麻酔が開発されるとか噂だし、ますます時代遅れのリボルバーを深海棲艦が使う理由がねぇな」

 

全員が思い思いの意見を言い合う。答えになりそうなものなど何一つないが、矛盾の解決が深海棲艦へ近づけるかもしれないし、根絶の第一歩となるかもしれないと艦娘達は思う。

 

「あーもうやめやめ!めんどくせぇったらねーぜ。これならミレニアム懸賞問題でも解く方がマシだっつの」

 

「まぁ、ここで深海棲艦の何かが分かったら宗介が殲滅してくれるだろうしね」

 

「それは随分と恐ろ....いえ、頼もしいですね....」

 

「叩き斬るぞ夕張。それより、コイツはもうちっと精密に検査するべきだ。レントゲンか、銃本体の材質検査あたりにでもかけようぜ」

 

「本営じゃアウトだな。証拠物件押収とか言って二度と戻ってこねぇか、さっきの精神作用を悪用されるかもしれん。本営に渡って復元されたが最後、今度こそアフリカが終わる」

 

(本当、偏見かと思ったら全部簡単に予想出来すぎて辛いわぁ....)

 

提督は頭を抱える。2400年末までは、今の姿が想像できないほどマトモで真面目だったのに、一体いつからこうなってしまったのか。人間が科学という力を得た代償か、人の潜在的な愚かさなのか。

 

「戦中の日本みたいね。多分法組織辺りにも根が回されてるでしょうし、他の海軍基地の提督と連携を取りましょう」

 

「マジで?あんたみたいなのがまだいるとかゾッとするぜ。正義のヒーローからご高説いただけるのかぁ?」

 

「宗介、あんた海軍を慈善団体か何かと勘違いしてないかしら?」

 

「違うのか?」

 

おどけたような口調でそう言うと、宗介は肩を竦める。

 

「いやうん....そういう熱血漢もいるけどさ....」

 

「ほーれ見ろ。このご時世そんなヤツは早死にするって警告しとけ。どうせこの世は劣悪と非道で出来てんのさ」

 

工厰に置いてあるネイルガンを弄り、安全装置を改造してそのまま釘を発射する。釘はベニヤ板に突き刺さり、宗介は二発目、三発目と釘を撃ち込んでいき、星の形を描いた。隙間は全くと言っていいほどに無く、彼の精密さが伺える。銃床のような安定させるものも無く、それなりの重さがあるネイルガンを片手で使いこなすのは難易度が高い。

 

「武器ってのは殺人道具でもあり芸術さ。画家にとっての筆みたいにね。被写体はターゲット、キャンバスは現場そのもの、絵の具は血だけ。それで殺人をどう彩るか?そこが大事なのさね」

 

エリクはさほど驚かない。彼にとっての宗介は、冷徹で、無慈悲で、どこまでも無関心で、信じているのは自分の技術と金と武器だけ。提督も似たような反応だった。彼の仕事を理解し、肯定し、たまに冒涜する。裏社会の仕事を知るために彼を受け入れ、また宗介を知るための第一歩として彼の担う仕事を知る。それを信条にしていた提督も驚きは少なかった。しかし、問題は.....

 

「狂ってる.....」

 

「.......」

 

明石と夕張。彼女たちはどうしても宗介に苦手意識を抱いている。それが普通の反応だろうが、艦娘の過去は帝国軍の艦艇。その頃の名残という正義が、宗介という悪を拒んでいるのかもしれない。

 

「いやぁ、こいつは正直もう触りたくねぇや。スクラップにして再利用したほうがお国のためか?」

 

「なに言ってんの。ほら、ここは私達に任せてって」

 

提督が二人の背中を押し、無理やり工厰から追い出す。バカ二人が出ていったのを確認すると、提督は項垂れて頭を掻く。

 

「ごめんねー、アイツはああいうヤツなのよ。変なとこでイカれてるっていうか、肝心なとこで普通っていうか」

 

「やっぱり、彼はそういう精神状態にあるんですか?」

 

「分からないわ。今の精神医学じゃ彼が病気かさえ分からない。最も近いのは、DSMによる分類中のB群とのことよ」

 

「でぃー....何ですって?」

 

明石が訝しげにそう言おうとする。

 

「精神障害の診断と統計マニュアル。あなたたちに分かりやすい例を挙げるなら、そうね、反社会性パーソナリティ障害?」

 

「まあ、行動はそれっぽいですよね」

 

「将補に喧嘩売りに行きましたもんね」

 

「国に楯突くのは異常者の特権でしょ。あいつもそう言ってた」

 

「自分で言ってたんですか....?」

 

「そういうヤツよ、ウチの護衛は。なんで私のとこは変な部下がいるのかしらね」

 

夜戦狂やスピード狂がいる中で、宗介はある意味まともかもしれない。少なくとも、常識人としての宗介を演じる能力は抜きん出ている。

 

「アイツに比べたら、私達ったらダメダメじゃない」

 

自虐的な言葉とは裏腹に、提督は工厰の窓から、グラウンドを駆逐艦達と元気に駆け回る宗介を見て微笑んだ。

 

 

 

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