草木も眠る丑三つ時。駆逐艦娘が絶対に出歩きたくないと口を揃えて言うその時間に、宗介は呉鎮守府の正面玄関で夜風に当たっていた。何をするわけでもなく、腕を組んで、都会では珍しい星空を見上げていた。彼の艶やかな黒髪が風にたなびく。
「そういや、ココに来てからボーッとしてばっかだなぁ...」
インターネットは軍が管理しているし、話し相手はエリクぐらい、提督に楯突いてくるバカはいない。彼は暇を持て余していた。
「.....戻ろ。なんかアホらし」
溜め息を一つ吐いたあと、宗介は目を細め、拳銃を抜きつつ後ろを振り返る。ちょうど彼女の眉間に、宗介が抜いた拳銃の銃口が突きつけられる。
「ご、ごめんなさい!ちょっと驚かせようとしただけで、暗殺とかそんなんじゃありませんから!」
「....なにやってんだ三日月。風邪ひくぞ?」
駆逐艦三日月。その黒髪は宗介のように風に揺れる。
「えっと...理由を話したら許して下さいますか?」
「さぁな、お前ってば見た目は一級品だし、貰っちまうかもしれないぜ?」
「へ!?いえ、宗介さんみたいなカッコいい方に、私なんて釣り合いませんよう....」
「冗談だ。本気にすんなバカ」
「.....ひ、ヒドイです....」
涼しい顔で会話をする宗介と対照的に、三日月は顔を紅くしたり、むくれたりと様々な表情をする。
「で、なんでお前がこんなとこにいるんだよ。探し物か?」
「あ、そうだ。望月ちゃん、見ませんでした?」
「もっちーか?見てねぇな。いなくなっちまったのか?」
「はい。お手洗いから帰ってこないんですよ」
「ヤってんじゃねーの?」
「下品ですよ宗介さん....はい、一応ノックして確かめたのですが、応答なしでした。」
頬を紅潮させ、困ったような表情をしながらも三日月は宗介と会話を続ける。今から自分の姉や友人を叩き起こすわけにもいかない、幸運なのか不運なのかは分からないが、宗介に頼る他ない。
「へー....で?」
「分かってくださいよ.....」
「口に出して貰わねーと困るね。生憎、エスパーじゃないんだなこれが」
「捜すの、手伝っていただけませんか?」
申し訳なさそうに頭を下げる三日月を、宗介はにやけながら見下ろす。
「いーよ。正直暇だったし。つか、お前一人で探してんのか?」
「初霜さんが手伝ってくれていますが、見つかったとの報せはありません」
「へぇ、じゃ、テキトーに捜すわ。アデュー」
「あでゅー....?あ、ちょっと待って下さいよー!」
宗介は手をヒラヒラと振り、さっさと鎮守府に入っていく。それを三日月が慌てて追いかける。宗介が立っていた所には、誰のかも分からない血が零れていた。
「いねえなぁ....」
「いませんね.....」
あれから1時間程探し回ったが、影どころか手掛かり一つ見つからない。こんな夜中での作業のせいからか、二人は疲労していた。
「あー、なんで脱走しやがったんだよもっちー....」
「ペットが逃げたみたいに言わないで下さいよ....宗介さん、超能力でどうにかしてください.....」
「鮟鱇の捌き方でも教えてやろうか?」
「すみませんでした....」
木製の椅子に逆座りする宗介と、礼儀正しく座る三日月の元に、初霜が合流する。
「三日月...と、宗介さん?一体何故あなたが?」
「悪いかコノヤロー。折角ボランティアしてやってんのに」
「そうでしたか、ありがとうございます。それなんですけど、やはりこちらにもいませんでした」
「マジかよ....めんどくせえなぁ.....」
椅子の背もたれに額を付け、あからさまに気分を落とす。そして顔を上げて溜め息を吐くと、二人を見て言う。
「しゃーねえ。捜索は一時中断だ。朝になったら他の奴にも聞こう」
「そうですね、その方が確実だと思います」
「じゃ、また明日な。お休み」
「はい、お休みなさい」
「お休みなさい」
宗介が手を振ると、二人はきちんとお辞儀をして去っていく。暫くは作り笑顔を浮かべていたが、会話していた時と別人のように冷淡な表情になる。
「よっと」
宗介は左に不安定な姿勢で跳び、脚で椅子を右に蹴飛ばし、後方宙返りで着地して剣を抜く。
「まったく、ここ軍の施設だろ。ここまでガバガバだと、何か笑えてくるね」
「........」
月明かりに不気味に照らされた"ソレ"は、言葉を発することもなく宗介をひたすら見ている。宗介よりもよっぽど人間味がある二つの瞳で宗介から視線を移さない。コートのような服、リュックサックのようなもの、首に巻かれているのはストールだろうか?そして、一際目を引くのは、尻尾のように伸びている蛇のような器官の先端には、深海棲艦特有の意匠が施されている。
「油断しすぎだと思わねえか?やっぱ科学にばっか頼るもんじゃねーよな。タレット?赤外線センサー?PDシステム?ダメダメだろ?」
「........」
「お前、名前は何てーの?もしかして、テメーに教える名前なんて無いよってことかい?じゃあこう呼ぼう.....レ級」
宗介がその深海棲艦の名前を呼ぶと、ソレは満足そうな笑みに表情を変える。それに釣られて宗介も苦笑する。
「困るんだよ。ここ軽巡寮の近くだから、騒ぐと神通にシバかれる」
その言葉を一蹴するように白い歯を見せ笑うと、気味の悪い尻尾を宗介に向かわせる。先端の口のような部分が開き、鋭い歯で迫ってくる。
「温い」
宗介は屈んでそれを回避、尻尾のような器官の下部に剣を突き刺す。そしてそのままレ級に肉薄し、剣を勢いよく抜いてレ級の右足のふくらはぎを深々と切りつける。そして返し刀で左足の足首を切り、後ろに跳んで立ち上がった後再び肉薄、綺麗なフォームの上段蹴りを当て、喉に剣を突き刺す。ダメ出しに腹に剣を刺す。
「ほらね。油断しすぎだとは思わんかい?」
ドシャッ、と鈍い音が響く。宗介は先程まで生物だった"モノ"を見下し、顔の左頬と左手、剣にべっとりと付着した液体を拭く。縦に裂かれた尻尾は弱々しく呼吸をするが、宗介がなんの躊躇もなく踏みつける。
「.....これどうしよ。提督に相談すりゃいっか。恩も売れるし一石二鳥だね」
あっけなく死んだレ級を一瞥すると、なに食わぬ顔でその場を後にし、執務室に向かった。
「これは.....」
「すげぇべ?」
あの後、宗介はだらしない寝間着で自室で就寝していた提督を、ノックもせず自室に入り叩き起こした。
「わかっちゃいたけど、やっぱ強いわねあんた」
「こんな木偶、拳銃使うまでもなかったな」
「うーん....こいつ一体だけだったとはいえ、相変わらずあんたがいると艦娘の存在意義が段々疑問に思えてくるわね」
「でも残念。僕は水に浮けんからね。あいつらには頑張っていただきますよ」
「.....うーん、それにしても....」
「ああ、それにしても.....」
((どうやって片付けようコレ.....))
死体の損壊はそこまで酷くないが、深海棲艦の血液と思われる粘性の液体は床、壁、天井の全方向を濡らしていた。
「こんなの見せられないわよ。精神が弱い娘が見たらひっくり返っちゃうわ」
「スプリンクラーで落とした後、乾かそうぜ。そういう機械とか無いのか?」
「あるっちゃあるわね。じゃ、パパッとやっちゃいましょ。宗介が舜殺してくれたおかげで夜が明けないうちに後始末ができるわ」
「死体は本営に送っちまうか。その方が楽だ」
宗介と提督はその場を去った。宗介と提督は、その後眠れなかったという。
「おはようございます、宗介さん」
「おはよーさん。早いなお前ら」
「はい。そういえば宗介さん、ちょっとやつれました?」
「ああ、ちょっと夜遅くにワルツを踊っててな.....」
食堂で待ち合わせをした三人は、仲良く朝食を食べる。宗介は意外と甘党なため、間宮と伊良湖は健康状態に問題ないレベルで甘いものを出している。
「そういや、あの後もっちーは戻ってきたか?」
「いえ。ベッドには戻っていませんでした」
「私も初春姉さん達に聞きましたが、朝は見ていないそうです」
宗介が食堂を見回すと、客が宗介達三人しかいない。どうやら望月を捜索しているようだ。空母組は艦載機を飛ばし、戦艦組は屋内を捜索しているとのこと。
「どこいったんだろーな。これで出てこなかったらMissingリスト入りだろ」
「縁起でもない....でも、鎮守府の皆さん総出で捜してくださっているのだったら、時間の問題ですね」
「ま、そうだよな。あんまし深く考えないでいこう」
「そう....ですね」
三人がそう結論付け、料理に舌鼓を打っていると、食堂の扉が勢いよく開く。
「おーっす....ってあれ?三人だけー?」
明るい茶髪に、アンダーリムのメガネ。どこからどう見ても、睦月型駆逐艦11番艦の望月だった。その姿を見て、望月と初霜はむせかえり、宗介はミルクティーを激しく吹き出し、咳き込む。
「宗介さん、大丈夫ですか!?」
「大丈夫だ初霜。大丈夫だから首キメるのやめてくれ.....死ぬ......」
「ああ、ごめんなさい!」
「なーにコントやってんのさ二人ともー」
望月が訝しげにこちらを見て歩み寄ってくる。二人は安堵の表情で望月を迎えているが、宗介は目を鋭くしたままだ。
「.....なあもっちー。一つ、質問があんだけどさ」
「なにさ。答えてしんぜよう」
宗介は口角を吊り上げて望月を見て、こう切り出す。
「今日....と言ってもまだ真っ暗な時間、"ここに深海棲艦が攻めてきた"って、知ってるかい?」
「え?」
「呉鎮守府に深海棲艦が攻めこんできたのさ。知らないかい?」
「え?初耳だよそれ?そんなの誰も教えてくれなかったよ」
「そうだろうな。これ言っちゃダメだもん。ホントは」
「え!?」
望月が驚いたように口元を手で覆う。
「おっとそうだ。お二人、提督が呼んでたぜ。行こうか。じゃあなもっちー、お前も気を付けろよ」
「あいあい。宗介もね」
宗介は二人を引き連れ食堂を出る。その途中の廊下で、陸奥と偶然出会う。
「あら?宗介じゃない。駆逐艦二人引き連れてなにやってるの?駆逐艦は寮で大人しくしてるんじゃないの?」
「捜索さ。この二人は困ったことにこういうやつだからな。不足の事態に備えてってことだ」
「そう....見つけたら、教えてちょうだいね」
「いや、さっき食堂にいたぞ。戦艦何隻かで保護しといてくれな」
「分かったわ」
宗介は陸奥と別れた後、廊下を歩き二人と目をあわせずに言う。
「アイツは黒だ。用心しとけよ」
「ど、どういうことです?」
三日月は不安な面持ちで宗介を見上げる。
「わからないか?ここまでやってみつかんなかった、それなのに何で僕らのトコにひょっこり現れやがった?」
「偶然ではありませんか?それこそ、ここに三日月がいるからでは?」
「偶然で片付けられちゃそこまでだが、僕はどうもそうじゃない気がする」
宗介はそう溢しながら、紫色の液体が入った瓶を三つジャグリングする。
「これ、なんだと思う?」
「薬....ですよね?」
「もっちーが一番近くの初霜の皿にこいつを盛りやがった」
「!?」
初霜は驚きで叫びそうになるが、宗介は初霜の口を押さえる。冷静になってよく見ると、一本の瓶は空だ。
「そんな....もしかして、それから気を逸らすために?」
「盛大にミルクティーぶちまけてやった」
「あ、ありがとうございます.....」
「まあ、それが依頼だからな。っと、着いた着いた」
「ここ、執務室じゃないですか」
「ああ、ここに今提督はいないからな」
提督は今、艦娘と一緒に望月の身を第一に考えているため、執務室には戻ってこない。宗介が提督の隣にいるべきだが、艦娘がいる以上向こうも手出ししてこないだろう。
「鍵は、やっぱかかってるよな。だが、この程度じゃ鍵とは呼べんな」
宗介は針金二つを曲げて鍵穴に差し込み、カチャカチャと音を立てる。数十秒後、鍵が開いた。
「すごいですね宗介さん.....」
「ここならまあまあ安全だろ。さてと、もっちーのどこがどう黒かだっけ?」
「はい。私も気になるんです」
「ああ、それね....」
宗介は神妙な顔つきになり、それもあり二人も真剣になる。
「言えんな」
「.....へ?」
「......え?」
「言えねーんだよこれが」
「な、何故ですか!?」
「納得いきません!」
二人が宗介に詰め寄る。その時に芳しい香りが漂うが、宗介はそれを気にすることもなく手でたしなめる。
「落ち着けって。もし僕の言ってることが全部嘘ならどうする?こうやって疑心暗鬼にさせて、内部からの壊滅を目論んでたら?僕は世間から見たら完全に悪者だからな」
「それはそうですが....」
「三日月、分かってくれよ。これはお互いのためなんだぜ」
「.....分かりました。ですが、一つ、私の我が儘を聞いてください」
頬を膨らませ、不機嫌に宗介を見つめる三日月に、宗介は笑う。
「何かね。三日月が我が儘とは珍しい。聞いて差し上げよう」
「あの望月ちゃんを殺さないでください。宗介さんなら楽に無力化できるはずです」
「.....アッハッハ!なーんだ、そんなことかい。楽勝だよ楽勝、そんな―――」
一頻り笑った後、宗介は目尻に浮かんだ涙を拭う。その時、宗介がもたれかかっている扉がノックされる。宗介は素早く剣を抜き、二人に静かにするよう合図を送る。
宗介は相手が入ってこないことを確認すると、部屋の奥に移動して縮こまっている二人に駆け寄り、小声で話し掛ける。
「誰だと思う、初霜?」
「誰って....望月でしょう?ノックだけで入ってこないなんて、部屋のなかに誰かいるのを確かめてるんじゃないですか?」
「それもそうか....」
宗介は開いた窓から身をのりだし、下の地面を確認する。宗介ならブリンクで上手いこと着地できるだろうが、艤装を装着していない艦娘では打ち所が悪ければ死ぬかもしれない。それでは金が入ってこない。艦娘はまだまだ謎だ、あんなのを身に纏うだけで人間としての能力から遥かに逸脱する。
「鍵開いてんのに入ってこねーな。用心深いのか?」
「宗介さん、三日月も私もは戦えませんよ?足手まといに....」
「ああ、一人で二人を守るってのはマジで厳しい。しかもこんな狭いしな。かすり傷程度でワメくなよ?」
「ええ.....宗介さん、手当できるでしょう?」
「知るか。ツバつけとけ」
「もう.....」
「.....ん?足手まとい?」
「え?」
宗介は二人を見てしばらく顎に手を添えて何かを考える。
「いいこと考えたぁ.....」
「へ?宗介さん、一体なにを....」
宗介はクローゼットから革製のベルトを取りだし、二人の手首に巻き付けて拘束する。
「そ、宗介さん、これは―――」
「静かに。ちょっとばかし付き合ってくれや」
宗介は反論しようとする三日月の口に自分の人差し指を当てる。
「それじゃ、VIP一名様ご案内」
何の躊躇いもなくドアを開けると、そこには宗介が予見した通り望月が立っていた。
「おーっす。宗介、なにしてんの?」
(どうにかして僕から注意を逸らさないとな)
「いやー、さっきの深海棲艦の件、あっただろ?素振りからしてあの二人が怪しいなーって」
「!?」
「ちょっと....」
三日月は叫びそうになるが、宗介の言葉を思い出し、出かかった言葉を飲み込む。
(宗介さんに何か考えが?そうでもないと私達を危険にさらすようなことはしないだろうし....)
初霜はポーカーフェイスを装い、心で苦悩する。宗介は頭が切れる反面、なにを考えているのかがさっぱり分からない。そしてその才能を現在進行形でワルいことに使っている。
「んあー、そうなの?」
(否定しない....やっぱもっちーは黒か?)
いくらめんどくさがりでも、自分の仲間を疑われるというのは抵抗があるはずだ。片方が自分の姉で、疑っているのは常識から外れた犯罪者であれば尚更のこと。
「そんでさぁ、今から"提督呼んでくる"から、ちょっと様子見といてくんない?」
「!?」
三日月は二度目の驚愕。初霜は何とか彼の言いたいことを理解した。宗介は初霜と三日月に言ったのだろう、今から提督を呼ぶから、望月が変な動きをしないよう見ていろと。
「くれぐれも変な動きはしてくれるなよ」
宗介はドアを乱暴に閉める。途端に、二人は恐怖する。宗介がいることが唯一の支えだったのだろうが、いなくなってしまったことで急に恐怖するようになった。心臓の鼓動が煩い、冷や汗が出てくる、手足が震え、自然と過呼吸気味になってしまう。
「そっかあ。頭が良い人でも、全知全能ってワケじゃないもんね」
「え.....」
「何てね、冗談だよ冗談」
望月は怪しく笑った。
「で、駆逐艦を拘束して放置プレイしてきたと?」
「ああ、恐怖を露にしてる頃かな?」
「そこまで分かってて放置したのかよ.....」
一方その頃宗介は、不測の事態に備えて執務室の近くで待機しているわけでも、二人に危害が加えられないような仕掛けがあるわけでもなく、本当に何もせずに望月の前に拘束された二人を配置していた。
「災難だなあの二人も.....」
「ならお前が変わるか?」
「いいや、俺だって腸詰めされて市場には出たくねえ」
一階の廊下で、宗介とエリクは腕を組んで壁に寄りかかって話をしていた。こうして並んでいると、エリクの方が宗介より頭一つ分大柄だ。
「僕だって嫌だぜ。ハウカットルとシュールストレミングを食べ比べするくらい嫌だ」
「すげえ例えだな....で、どうすんの?このままだとあの二人が細切れになって魚のエサにされるぞ」
「まったく、13年一緒なのに鈍いなお前も。いいか?まずはな....」
宗介はエリクに耳打ちする。
「マジで災難だなあの二人.....」
「騙される方が悪い」
宗介は目を閉じ、白い歯を見せて微笑する。宗介の指示通りに動いたら、大体の人間は死ぬか死にかけるの二択となってしまう。
「さーて....いい加減働かないと鳳翔さんが修羅になる」
「あの人と神通は通ずるものがあるよな。てか、なにする気だよ?」
「作業。こんなこと僕じゃなくても考え付く。何でここのアホ共は考えることをしないかね....そうすりゃ一発なのに」
「またよからぬことを考えてるな?」
「さあな、当ててみろよ」
宗介らしくもないな。動機はともかく、お前が自分の策に乗った奴を無傷のままにしておくなんてさ。
昔と今の彼を頭のなかで比べながら、走っていく宗介の背中をエリクは頼もしそうに見ていた。