僕の名前は高町ヴァン。あの有名なエースオブエースと言われる、高町なのはとフェイト・T・ハラウオンの義理の息子です。
これはヤンデレブラコン聖王系美少女の妹とクーデレ天然覇王系美少女の親友、レズな母親達、その他諸々に囲まれたリリカルでヴィヴィッド、そしてハーフな日々である。
◇◇◇
朝、窓から差し込む光に意識を覚醒させる。そしていつも通りの慣れた感触を感じ、ため息をつく。
「はあ、ヴィヴィオ?もう4年生になるんだから1人で寝なよ」
「むにゃむにゃ、おにいちゃん~」
「起きていることは分かっているから、寝たふりをやめなさい」
「は~い、おはよう!お兄ちゃん!」
この子は僕の妹、ヴィヴィオです。僕と同じ金髪、赤と緑のオッドアイです。実は僕達、兄妹は聖王と呼ばれる人のクローンだそうです。まあ、それはいいとして、
「ほら、早くどいて。着替えるから」
「いやぁ、お兄ちゃん。手伝ってあげるよ。......グヘヘ」
「いいから、それと聞こえてるから」
見て分かるようにブラコンです。一体何処で教育を間違えたのか。小さい頃から「将来はお兄ちゃんのお嫁さんになる」をガチで実行してくるようになってしまいました。
しかも、何処で憶えたのか僕を自分のものにするために襲い掛かってくるようになってしまいました。......性的に。僕はロリコンという性癖は持っていない上に、妹なのでそういう対象に入らないといつも言っているのに、聞いてくれません。
「はあ、アインさんならもっとお淑やかなのに......」
あ、アインさんとはStヒルデ魔法学院に通う親友です。彼女も色々とあれなんですが、今はいいとして、
「.........お兄ちゃん?何であの女の名前が出てくるの?あんなのいらないでしょ?お兄ちゃんには私がいるんだから必要ないでしょ?何?あいつのことが好きなの?何で?私のほうがお兄ちゃんのことが好きだよ?ううん、愛してる。愛してる、愛してるの。誰よりもお兄ちゃんのことを考えているんだもん―――」
やってしまいました。ヴィヴィオは俗に言うヤンデレという奴らしいです。鈍感系主人公はブスリとやられてしまうらしいですが、僕は焦りません。こういうことには慣れていますから。......慣れたくはなかったですが。
「ブレイカー」
「あんな女より........ひっ!お兄ちゃん!」ガクガクブルブル
実は昔に色々ありまして、ヴィヴィオは砲撃、ブレイカーという言葉にトラウマを持ってしまったようで、今も僕に抱きついて涙目で震えています。こういう時は普通で可愛いと思うのですが、本当に何処で教育を間違ってしまったのでしょうか。
「はいはい、落ち着いて。大丈夫だから。......よし落ち着いたね。なら早く部屋に戻ってね、学校に遅れるからね」
「う、うん。......大丈夫、ぶれいかーは怖くない怖くない。ううぅ」
やっと、自分の部屋に戻ってくれました。普通なら僕の着替えを、目をギラギラしながら手伝うとか言ってくるのですが、余程ブレイカーが怖かったのか素直に自分の部屋に戻ってくれました。
まあ、すぐに忘れて僕にベッタリしてくるでしょう。妹に好かれるのは兄冥利に尽きるのですが、余りにもベッタリなので兄は妹の将来が心配です。
そんなことを考えていると、もう時間が迫ってきました。急いで着替えます。制服に着替え、何時もの授業の用意、そして何時もの‘あること‘に対する対策準備を整え、少し躊躇いがちに一階のリビングに行きます。何故躊躇うのかって?......それはすぐに分かります。ドアを開けた先にあるのは、
「はい、フェイトちゃんあ~ん。どう?おいしい?」
「あ~ん。...うん、おいしいよなのは。はい、なのはもあ~ん」
もしも、この世界がアニメだったら、きっと2人の周りにはピンクのオーラが存在してるでしょう。普通に見慣れた光景ですが、たまにブラックコーヒーが飲みたくなってきます。
「母さん達、おはよう」
「あ、おはようヴァン。ご飯出来てるよ」
「おはよう、ヴァン」
「おっはよー!ってまたなのママ達?」
「あ、ヴィヴィオもおはよう」
「おはよう。ほら早くご飯食べなきゃ遅刻しちゃうよ」
「はーい。お兄ちゃん、あーんしてあげるね。あ~ん」
百合百合な雰囲気を出していますが、血の繋がっていない自分達のことを愛してくれているのが、分かっているのでヴィヴィオも僕もそこはスルーしています。そして、再確認しました。ヴィヴィオはこの2人に影響を受けたんだなと。
隣であ~んをしてくるヴィヴィオをあしらいながら、フェイト母さんが作ってくれたご飯を食べます。相変らず、おいしいご飯です。そこらへん女子力高いなあ、とか思ったりするんですが、向ける相手が身内しかおらず、しかも男が極端に少ないという、悲しい事実があったりします。まあ、フェイト母さんはなのは母さんにしか興味はないそうですが。そこらへん勿体無いのにと思いますが、まあ、何時ものことだと自己完結します。
ちなみに、2人が同棲するにあたって、それぞれの家族と緊急家族会議が開かれ、色々と揉めたそうです。
「ごちそうさま。それじゃあ行って来ます」
「あ~待ってお兄ちゃん!...モグモグ...ごちそうさま!ママ、行って来ます!あ、カバン!」
後ろでドタバタしているヴィヴィオをほっといて玄関で靴を履きます。靴も履き終え、ドアを開けるとそこには綺麗な碧銀の髪に蒼と紫のオッドアイをした女の子―――アインハルトさんが居ます。
「おはようございます、ヴァンさん。今日も凛々しいですね、惚れ直してしまいます」
「おはよう、アインさん。今日も相変らずだね」
「そんな、相変らず綺麗だ何て」
「うん、綺麗だなんて僕、一言も言ってないよね」
「大丈夫です。貴方の言いたいことは分かります。......ふむ、通い妻みたい、ですか」
「うん、それも一言も思ってないね」
頬に手を置き、照れた様子を見せるアインさん。相変らずキャラなのか、天然なのか不思議に思います。僕的には天然だと思っています。しかも、これでも最初の頃はもっと固かったのですが、ヴィヴィオのように何時の間にかこうなっていました。
「さあ、行きましょう。遅れてしまいます」
「ああ、うん。あのさ、腕組むのやめない?」
「はて、何故ですか?」
胸が当たってるんです。察してください。本当に分かって無いような表情をしているせいで、簡単に振り払えません。
何故ですか。いやいや、それはちょっと......。ならいいですね。とやり取りをしていると後ろから敵意やらがいっぱいの魔力を感じます。一応僕達は古代ベルカと呼ばれている時代の王様のクローンだったり、子孫だったりしますので、魔力が一般の人より多かったりします。その魔力を抑えることなく、敵意、殺意などを合わせ、無差別に振りまいているのが遅れて出て来たヴィヴィオです。
この2人は犬猿の仲というか、ヴィヴィオが一方的に嫌ってるだけなんですが、そこにアインさんが天然を発動させ、ヴィヴィオを更に怒らせているのです。
「お兄ちゃん。何でその女と腕を組んでるの?早く振り払ってよ、穢れちゃうよ?」
「おはようございます、ヴィヴィオさん。それと私のことはお義姉さんでいいと、言っているじゃないですか」
「ああ?何ふざけたこと言ってんの?頭おかしいんじゃないの?」
「どうしてですか?私とヴァンさんはゆくゆくは結婚するのですから、妹であるヴィヴィオさんは私の義妹になるのですから。何も間違ってはないですか」
はあ、これはもう遅刻ですね。こうなると止まらないのがこの2人です。ご近所の方も、ああ、またか。みたいな目で此方を見ています。隣のおばあさんなんて何時ものように水を撒いて......はっ!
「お、お兄ちゃん!大丈夫!?」
「ヴァ、ヴァンさん、大丈夫ですか!?」
「え、ええ。咄嗟に傘を差しましたので」
咄嗟のことですから、本当に危なかったです。スッペクの高い聖王の身体能力をフルに使い、その上、魔力による強化を行い、カバンから傘を取り出して何とか防ぎました。僕は昔から何故か、水に濡れやすい体質でして、先程のようにまるで漫画のような展開が毎回起こるのです。しかも、近くにいた2人には全く掛からないという理不尽。
それに僕には濡れたくない理由があるのです。何故かは内緒ですが、それを狙ってある人達が僕を濡らそうとしてくるのです。そのために様々な道具、策略、魔法を使って何とかやり過ごしています。まあ、今はそれよりも学校に行かなくては。
「さて、行きましょう。遅れてますから」
「あ、待ってお兄ちゃん!」
「さあ、行きましょうヴァンさん」
「お兄ちゃんにくっつくな!」
◇◇◇
「来たな、高町ヴァン!今日こそ討ち取ってくれる!準備はいいか、お前等!」
「「おうっ!!」」
「くっ、毎回毎回しつこいですね!」
目の前に居る集団はいつも僕を濡らそうと狙ってくる人たちです。目視できる限り100人以上、男子、女子に加え教師の方まで居ます。しかも、何気にガチで狙ってきます。ちなみにヴィヴィオはもう、初等部の校舎に行き、アインさんは先に行きました。
此方の装備は傘にレインコート、向こうは水鉄砲に水風船等々。しかも今回は魔法が使える人まで居ます。
く、これが貴方達のやり方ですか!
「いいでしょう、僕はこの程度の修羅場何度も乗り越えて来たんです!行きます!」
「行け!濡らせぇ!」
僕達の戦いはこれからだ!
「で、此処まで何とか濡れずに来たと」
「う、うん。そうなんだアインさん」
あの修羅場を潜り抜け、教室の前で僕を待っていたのは先に行った筈のアインさんです。此処まで来れば、もう誰も水を掛けてきません。水鉄砲のレーザーも、投石器から飛んできた水風船もありません。
「やっと、安全地帯まで来たました。.....その、何で両手隠しているんですか、アインさん。何ですかその笑みは」
「さあ、何故でしょうか?」
「え、その、本当にやめよう?アインさん」
「だが断るです」
あ、もうダメです。アインさんが隠し持っていたバケツの中に入った水が僕に降りかかります。先ほどの戦いで道具を消耗し、体力も消耗した僕に防ぐすべもなく、頭から掛かってしまいます。
髪から滴り落ちる水滴が廊下を湿らせます。こういうときの為の制服は持っていますが、あまり着たくないのです。何故なら、
「ふふふ、綺麗ですよ。ヴァンさん、いえ、パンさんでしたね」
パン、それが今の『私』の名前です。髪は長く伸び、顔は少し小さくなり、体は丸みを帯び、胸が膨らみ、まるで女性のように......いえ、今の私は女性そのものになったのです。見た目、ヴィヴィオが成長したような見た目をしています。
私は水を被ると何故か女性になるという、謎の体質を持っています。これはレアスキルという特殊技能らしく、名前を『女体変質』と言います。これが、皆さんが狙ってくる理由であり、私が隠したかった事実です。
ちなみにお湯をかけると戻ります。
「はあ、今日はこれで過ごさないといけないのですか」
「可愛いですよ、パンさん」
「そう言われても嬉しくないです」
これが、毎日続く慌しくも楽しい、リリカルでヴィヴィッドでハーフな私達の日常です。
「あ、写真撮るんでポーズしてください」
「綺麗に終わらせようとしたのに、自重してください」
「お姉ちゃ~ん!うへへへ!」
「ヴィヴィオも!というか、何処から!?」
多分続かない。ネタが思いついたら書くかも。