東方空闘犬 〜 黒歴史版   作:メビウスノカケラ

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うーむ、あまり上手い文が書けない上に、長ったらしくなってしまう。
まあ、会話が書きたいっていうのもこの小説書いている理由だからいいか。

というわけで、第5話です。


第5話「変化」

第5話「変化」

 

 洞窟を大きくくり抜いて作られたような空間のど真ん中に戦闘機が置かれている。天井には何やら切れ目が入っている。

河童A(ヒソヒソ・・・にとりってホント肝が座ってるよね~)

河童B(ヒソヒソ・・・射命丸文って言ったら、烏天狗でしょ?私にはあんなに軽い態度で話すことなんてできないなぁ・・・)

河童A(にとりだからできることだよね、ほんと。私達があんな態度とったらどうなるか・・・ブルブル)

河童B(・・・ほんと、憧れちゃうなぁ。)

 にとりではない河童のひそひそ話が聞こえる。ここは河童の「ハンガー」なのだという。ちょっと前に、巨大ロボットを作ろうとしたが断念した、という名残らしい。そういえば、それらしき腕が端に転がっているな・・・

(コツコツコツ・・・)

 私は梯子でF-16のコクピットを降り、アリスとケーネ先生のいるところでアヤとにとりのやりとりを見守る。

文「こんな所にこんな物を隠してらしたんですねぇ」

にとり「あんたらだっていろんなことを隠しているだろう?文々。新聞さん」

文「あやや?私の新聞の名前覚えてらしてるなんて、誠にありがたいですねぇ!」

にとり「・・・カッ、これだから天狗は。気に食わないねぇ」

文「何言ってるんですか~私とにとりさんの仲でしょう?」

 余裕なアヤに対し、にとりは面倒くさいという感じの様子。

ドーラ「なんか、にとりはさっきまでと違って余裕がなさそう」

慧音「苦手なタイプなのだろうな」

アリス「ええ。あの子、あの天狗さんと会ってる時はいっつもあんな調子」

 にとりみたいなタイプにも、苦手な相手っていうのはいるのか。

にとり「・・・で、要件はなんだい?」

文「いやぁ、要件ってほどでもないのですが、あなたとそこのアリスさんと慧音さんが人間であろう女性一人を『攫っている』のを見かけましてね~」

 そう言うと、アヤは私の方を見る。赤い瞳に私は少し気圧される。

ドーラ「ど、どうも」

 とりあえず、私は少し会釈をする。

文「あの方ですよね?攫ったのは」

にとり「攫ったなんて人聞きの悪い。寺子屋の先生も保護者としてついてきているじゃあないか」

 にとりは私達の方向に指をさす。

文「ふーん、まあそれは別にいいんですけどね。でも、見つけたのが私でよかったですねぇ。他の天狗にこんな部外者を山の中に入れているのを見つかっていたら、何を言われたものかわかりませんよ。椛とか」

にとり「しょっちゅう侵入者を許すあんたには言われたくないね」

文「あや?何の話ですかね?」

 アヤはわざとらしく首を傾げる。

にとり「・・・それよりも、あんたの目的はわかっているよ。ここの存在を黙っておく代わりに、あの機体と外来人を取材させろってことだろう?」

文「その通りです!わかっているなら話が早い!では早速・・・」

 アヤは私の方向に振り返り、手帳と筆を取り出そうとする。だけど、にとりがそれを制止するように強めの口調で言う。

にとり「条件があるよ」

文「ん?条件ですって?」

にとり「言ってしまうが、この飛行機という機械、動くらしい」

文「え!?動かせるのですか!?」

 アヤは目を輝かせてにとりに詰め寄る。

文「みたいです!見せてくださいよ!!くぅ~、このネタでついに私も新聞大会の上位に・・・」

にとり「だが、今の状況じゃ動かない」

文「なんだ、それじゃあ面白くな・・・」

にとり「だけど、『風』があれば飛ぶことができるかも知れない」

文「・・・なるほど、それが条件ですね」

ドーラ「・・・ん?」

 今、にとりはなんて言った?飛ぶことができるかもしれない?

ドーラ「ねぇ、にとり?今、「飛べるかも」って言わなかった?」

にとり「うん。言った」

ドーラ「本当に!?」

にとり「本当だよ。長い距離で加速し、空気を強く翼に当てて空を飛ぶと言ってたよね?なら、逆転の発想だ。加速せずとも、直接この機体に強い風を当てて、宙に浮かせるのさ。この・・・」

 にとりはアヤの方を見る。

文「どうもはじめまして!清く正しい射命丸文です!」

にとり「このパパラッチはさっきも話したように天狗なんだけど、天狗は風を操ることができるんだ」

ドーラ「風を操るだって!?そんなことできるのか!?」

文「軽いもんです!それが天狗の本業ですしね!突風からそよ風、旋風だって自由自在ですよ~」

 風なんて目に見えないものを操ることができるとは。私の予想だが、かなりたちの悪い妖怪なんじゃないのか?天狗っていうのは。パパラッチに風害、心理的にも物理的にも怖い相手だな・・・

にとり「射命丸の風を翼に当て、この戦闘機を宙に浮かせ飛ばす。本当はコイツにだけは頼みたくなかったんだけどね~変な記事にされても困るし。だけど、見られてしまったからには仕方がない。手伝ってもらうことにしたよ」

文「ネタのためなら何でもしますよ!『ただの人間が空を飛ぶ!この技術は一体・・・?』人間の方だけでなく、外の世界に興味のある妖怪の方々にも受けが良いはず!悪いはずがない!」

 アヤが一人で小さくガッツポーズを取る。よほど気合が入ってしまっているようだ。

ドーラ「・・・なるほど。だけど、問題がある。宙に浮かせるだけじゃ、風がなくなった時に失速して墜落してしまう」

 宙に浮かせたところでその場から動いていないのでは、速度が無いから、飛び続けることができない。飛行機が飛ぶためには速さが必要なのだ。

にとり「なんだって!?計画は頓挫か!?」

文「何か方法はないんです?私もせっかく掴んだ大ネタ、手放したくないですし」

ドーラ「方法はないことはない」

にとり「どうするんだ?」

ドーラ「上に飛ぶのよ。浮くのではなくて、飛ぶ」

にとり「同じじゃあ無いのか?」

ドーラ「ぜんぜん違うわ。宙に浮く際に機首を上に向けるの。進行方向を上に向けることでジェット噴射が下に向き、風を止めても宙に浮く力は失われずに前に進み続けることができる。擬似垂直離陸だな」

にとり「じゃあそれで・・・」

ドーラ「だけど、問題もいっぱいある」

にとり「問題?」

ドーラ「様々あるが、一番の問題は操縦技術」

にとり「操縦技術?空を飛ぶだけでそんなにややこしいことがあるのか?」

 にとりは首を傾げる。手帳片手に聞いているアヤも。普段から空を飛んでいるから、いまいちピンとこないのだろう。

ドーラ「大いにありよ。飛行機の操縦はそんなに簡単じゃないの。テレビゲームのようにスティックを倒すだけでは飛べないからね。その場で上向きにホバリング飛行するなんて言うのはとても難しいこと」

 機器のチェック、計器の読み取り、各種レーダーの正しい使い方・・・覚えなきゃいけないことだらけなのだ。空を飛ぶためには長い時間の訓練が必要になる。それに、こんな特殊な飛行、相当長く戦場を飛んでいたエースパイロットでもできるかどうか・・・

にとり「うむむ・・・」

ドーラ「・・・そして、パイロットと風を起こすアヤとの連携ね」

文「私ですか?」

ドーラ「ええ。飛行機のバランスは風が特に重要。離陸するときに風が乱れたり、強弱が狂ったりするとバランスが崩れて、即墜落・・・なんてことになるわね。怪我どころじゃ済まないわ」

文「ふむふむ。お互い、息を合わせることと、綿密な打ち合わせが必要なのですね」

ドーラ「そうよ。空を飛ぶってことは、他のチームとの連携が不可欠なの。・・・そう、必要なのよ」

 連携が必要。その言葉で思い出す。かつての仲間だ。私の部隊、スワロー隊のチームだったジャーン、ロスコー、トマス、ヘインズ、管制塔のネイミー・・・そしてモーリス中佐・・・

にとり「ドーラ?」

文「ドーラさん?」

ドーラ「いや、大丈夫だ。なんでもない」

文「いや、別に心配はしていませんが・・・」

にとり「それで、ドーラ。かーなーり難しいみたいだけど・・・操縦者お前がやるのか?」

ドーラ「・・・ええ。私以外にこの機体は操縦できないでしょうし、操縦させないわ」

 ブランクはあるものの、必ずもう一度、この翼で私は空を飛んでやる。そういう決意の混じった言葉だった。

にとり「わかった。だが、念の為に飛ぶ前にこの機体のことを洗いざらい話してもらいたい」

文「あ、それは私からもお願いします!」

ドーラ「どうして?」

にとり「失敗して死んでしまっては、この技術のことを知れないままに終わってしまうからね」

文「墜落死してネタを聞き逃してしまっては失敗したという記事もまともに書けませんからね」

ドーラ「・・・・・・」

 今まで人間とおんなじように接してきたが、妖怪というのは人間とは感性が異なるようだ。この2人の言葉で実感した。基本的に人間の命などどうでもいいようだ。

ドーラ「・・・失敗はしないわよ。する訳にはいかない」

にとり「威勢はいいけど、難しいといったのはあんただろうが。尻子玉引っこ抜いてでも聞き出しすつもりだかんね」

文「ですが、今日は時間もないですしまた後日時間を組みましょう」

 そう言うと、アヤは今持っている手帳とは別の手帳を取り出し、予定を確認する。私の気持ちなどやはりお構い無しなようだ。そして、私の保護観察人であるアリスとケーネ先生が「勝手に話をすすめるな」と話に参加し、お互いに予定を確認しながら、話をする日程を決めた。

 

 日が落ちかける頃、私たちはアヤの手引でまた人里に戻ってきた。今後、山に行く際は信頼できる相手に最低一人は付き添いに、アヤに連れて行ってもらうことになった。

アリス「それじゃあ、私は帰るわ。ドーラ、慧音先生に失礼のないようにね。それと、明日は博麗神社に行くことを忘れないでね」

ドーラ「ええ、分かったわ」

 本当は博麗神社という所にはもっと後に行くつもりだったようだが、話が変わったらしい。山に行くのが今日だけだったならもう少し後だったようだが、付添人候補は多いほうがいいと、ケーネ先生の提案で幻想郷の管理人に会いに行くことになった。

 ・・・博麗神社に行かないことになっていたら、私はコウマカンというところでテーブルマナーをみっちり教えられていただろう。

アリス「それじゃあ、また明日。ドーラをよろしく頼みます、慧音先生」

慧音「わかった。任されたぞ」

 今日は時間もないから、テラコヤで一夜を過ごすことになった。泊めてくれるなんて、本当に親切な人だ。

慧音「・・・さて、ドーラ。今日は一つ断っておくことがある」

 ケーネ先生が改まった様子で私に話しかける。

ドーラ「何かしら、せんせ・・・!?」

 なんと、先生の腰の付け根辺りに尻尾が生えているのを見つけてしまった。ふさふさである。

慧音「ああ、もう始まってきたか。私は満月の夜になると『ハクタク』になるんだ」

ドーラ「は、ハクタク?」

慧音「そうだ。私の能力は『歴史を食べる』能力なんだが、満月の夜はハクタク化の影響で『歴史をつくる』能力を得ることができるのだ。今日がちょうど満月だからな」

 人間ではないと聞いていたが、先生はワーウルフのような種族だったのか。やっと、妖怪らしい見た目の妖怪を見れた。

慧音「この満月の夜にしかできない仕事というものがあるのだが、本当に忙しいのでな。一晩中机につきっきりになるし、ハクタク化の影響で気も少し荒くなる。食事、風呂、寝床はちゃんと用意するけれども、それ以上の事はできんから分かっておいてくれ」

ドーラ「わかったわ」

慧音「それとだ。『入るな!!』と張り紙した部屋には絶対に入るなよ。私がイライラしながら仕事をしている部屋だ。多分、誰であろうと容赦なく頭突きが入る」

ドーラ「りょ、了解」

慧音「それじゃあ、時間もないし、食事を用意しよう」

 私たちはテラコヤに入っていく。

 

 今日の晩ごはんはライスに川魚の丸焼き、山菜のおひたし、そしてミソスープ。どれもこれもライスに合う美味しいおかずだった。ごちそうさま!!

 そして、風呂にはいる。風呂・・・アリスに無理やり入れられた時は人形たちが全部世話してくれていたから余裕がなかったな・・・。

 そういや、軍ではシャワーしか無かったな。たまの休みに体を休めるために同僚と行くことはあったが。軍は女性が少なくて狙われることもたまにあったけど、後ろから襲ってこようとした男に肘を入れたこともあったっけ・・・

 そんなことを思いながら、私はゆっくりと風呂を堪能した。少し熱めだったが、それもまた心地よかった。

 風呂から上がった私は新しい下着と用意された寝間着・・・はまだ着なかった。アリスからもらった私の服を着直し、浴場を後にする。昼間、アリスと人里を歩いていたら気になるところを見つけたのだ。そこに今夜行こうと思っているからである。思い立ったが吉日。明日まで待っていられない。

 「これから人里で買い物をすることがあるでしょうし、少ないけど持って行きなさい」と言われてアリスからもらった財布を持ち、私は夜の人里へと赴く。

 

ドーラ「・・・昼間とは打って変わってね」

 昼の人の流れはどこへやら。人の声は里の中心部にある居酒屋からしか聞こえやしない。探していた喫茶店も閉まっていたし。

 そうやって歩いていると、日中アリスに連れられて来た道に出る。

ドーラ「もう入り口か・・・夜は何もないみたいで残念」

 だけど、夜空は綺麗・・・電気がないせいかしら?月がより一層明るく見えるし、星もたくさん見える。夜間飛行の訓練や任務は夜空を見るのが好きだったなぁ。

《・・・を・・・・・・・・ね》(国を負けに追いやった宿敵め、死ね)

ドーラ「・・・??」

 月を見ていると、突然無線から聞こえるようなノイズの入った声が聞こえた。ノイズだらけで聞き取れなかったが。

ドーラ「・・・誰かいるの?」

 正体のつかめぬ声に不安を感じ、あたりを見回す。回りには誰もいない・・・

ドーラ「気のせいかしら・・・」

 そう思い、顔を正面に向けた直後であった。

ドーラ「うっ、うわああああああ!?!?」

 私の目の前は真っ暗になった。

 

第5話・完




ドーラになにやら不穏な感じが少し見えてきた感じです。

下図は解説。


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