魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版   作:鏡圭一改め鏡正

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今回は3人目の主人公である、好青年ラインハルト君が登場します!
ラインハルトの性格はドラマCDを参考にしています。

フレイヤの容姿については、戦神館のメスゴリラことクリームヒルトをイメージしてくれるとありがたいです。(成長すると、原作のクリームヒルトよりも胸囲の装甲は厚くなる)

感想やアドバイスがあったら、気軽に書いて貰えると嬉しいです!


第十話

 蓮は昨日、家に帰った後、フェレット……ユーノ・スクライアからなのはが封印した宝石の様な石『ジュエルシード』について説明を受けた。

 ジュエルシードとは、簡単に説明すると持ち主の願いを叶える『ロストロギア』と呼ばれる物だ。

 しかし、その願ったことが歪な形で叶うこと、また、最悪な場合にはジュエルシード自体が『次元震』と呼ばれる世界を消滅させる災害を起こす程の魔力が宿っていることだった。

 ジュエルシードの危険性を最初に気づいたのはジュエルシード発掘したユーノだ。

 危険な代物であるジュエルシードを『時空管理局』と呼ばれる組織に保護して貰おうとした所、魔力の雷撃による攻撃によって海鳴市にジュエルシードが落ちてしまった。

 ジュエルシードが奪われたことに責任を感じたユーノは管理局員やスクライア一族の制止を聞かず、単身で海鳴市に転移して、ジュエルシードを封印しに来た。

 しかし、封印に失敗してしまい、傷を癒す為にフェレットになって現在に至る。

 蓮はジュエルシードと呼ばれる物がこの海鳴に落ちてきたのがユーノの責任だと思っておらず、時空管理局と呼ばれる組織の対応が甘かったからじゃないかと思っていた。

 さらに、ジュエルシードを封印する方法については、封印の魔法を覚えている『デバイス』と呼ばれる物とデバイスを使いこなせる才能を持っている魔力が多い人が必要らしい。

 

 『ねえ蓮。君に聞きたいことがあるんだけど。君の着けているペンダントはデバイスなんだ。それを何処で手に入れたんだい?』

 

 『このペンダントは父さんから貰った物だ。デザインもイイから俺も気に入っているんだけどな』

 

 ちなみに現在、蓮は屋上にいて、念話と呼ばれるリンカーコアを持っている人間同士で話す方法を使用してユーノと話している。

 ユーノの正体は人間だが、今は魔力を回復させる為に魔力の消費が少なくていいフェレットに変化している。蓮は昨日聞こえた声も蓮がリンカーコアを持っていたから聞こえた声なんだと納得した。

 

 「ここにいたのか蓮君」

 

 突然蓮の後ろから抱きついてきたのは、聖祥学園中等部の1年生、フレイヤ・ハイドリヒだった。

 フレイヤは蓮のことを気に入っているからか、蓮が1人でいる時には必ず蓮に対して積極的なアプローチを仕掛けている。

 主なアプローチ方法は、蓮に抱きついたり、膝枕をして蓮を寝かせたり、一緒にご飯を食べたり……など、フレイヤと親しい人ならば明らかにフレイヤが蓮に対して好意を抱いていることに気づくぐらいのアプローチ方法だった。

 

 「どうしたんですかハイドリヒ先輩? ここ少等部の屋上ですよ」

 

 蓮はフレイヤと話しながら多重思考を使ってユーノにまた後で話し合おうと念話を送った。

 

 「むぅ……蓮君。私の事はフレイヤで良いって言った筈だよね? そんな悪い子にはお仕置きだぁ!」

 

 フレイヤは蓮の顔を正面に向けると、意地の悪い笑みを浮かべている事に気づいた蓮はフレイヤから離れようとしたが、時既に遅く、蓮はフレイヤによって強く抱き締められた。

 フレイヤの歳不相応なDよりのCカップの発育した胸に挟まれている蓮は気持ちいいと思うと同時に息がしずらいとも思っていた。

 

 「(あ…あのフレイヤ先輩? 年不相当な胸を押し付けないで欲しいんですけど……」

 

 「ふふ、安心して。私がこうするのは君だけだよ蓮君」

 

 「(いや…そんなこと聞いていないし、っていうかもう昼休みが終わるから離してほしいのとそろそろ息がし難くなって……)」

 

 蓮が意識を手放そうとしたその瞬間、屋上のドアが開き、1人の少年入って来た。

 

 「姉さん探したよ。蓮君に過剰な愛情表現をするのは一向に構わないけど、時間を考えてくれないかな?」

 

 フレイヤと同じ金色の髪の少年は、フレイヤの双子の弟のラインハルト・ハイドリヒだった。

 ラインハルト・ハイドリヒ。かなりのイケメンであり、成績優秀でスポーツも万能。誰に対しても対等に接するリーダー的存在だ。

 ラインハルトの性格は非常に謙虚な普通の好青年なのだが、決断力があり、ライトノベル特有の優柔不断な主人公とは違う為、男女共にラインハルトに対する人気が高い。まさに少年マンガの主人公の様な存在だった。

 

 「ラインハルトか。私の至福の時間を邪魔するとは……覚悟はできているのだろうな?」

 

 フレイヤは不機嫌そうな表情でラインハルトに殺気を送る。ラインハルトはフレイヤの殺気に動じることがなかったが、蓮は1つの疑問を抱く。“何故自分は殺気(・・)を感じることが出来のか?”……と。

 

 「姉さん。次の時間は体育だろ? 着替える時間になったら僕に知らせに来てくれって言っていたじゃないか」

 

 ラインハルトは溜息を尽きたそうな表情でフレイヤに授業の準備をするよう言うと、フレイヤはしばらくしてからラインハルトの言ったことに納得したのか、殺気を抑えた。

 

 「確かにそうだったな。知らせてくれてありがとうラインハルト。……そういうことだから蓮君また会おう」

 

 フレイヤは誰もが振り向くような笑顔で蓮の頭を優しく撫でた後、屋上から出て教室に戻って行った。

 

 「(……はぁ、危なかった。ラインハルト先輩の来るタイミングが少し遅れていたら窒息死するところだった)」

 

 「大丈夫かい蓮君? 何時もは完璧な姉さんなんだけど、君のことになると何時もああなってしまうんだ。」

 

 「いいえ。大丈夫ですよ。父さんのストーカー振りに比べれば幾らかマシですよ。それよりも助けてくれてありがとうございます。ラインハルト先輩」

 

 ラインハルトはメルクリウスの蓮に対するストーカー行為について理解したからか、苦笑いをして時間を確認する。

 

 「いやいや。困っている後輩を助けるのは先輩として当然だからね。困ったことがあって僕が何か役に立ちそうだったら遠慮なく相談してくれ」

 

 「分かりました」

 

 「ここにいたんすか? ラインハルトさん。次は体育の時間っすから急いだほうがいいっすよ?」

 ラインハルトの後ろから現れたアルビノ体質の少年は、ヴィルヘルム・エーレンブルグ。

 元不良でラインハルトの第一の部下。喧嘩の時に必ず返り血を浴びて喧嘩相手に対して睨みつける様子が吸血鬼のように見えることから『カズィクル・ベイ』と呼ばれている。

 そんなチンピラのようなヴィルヘルムが不良から更生した切っ掛けはラインハルトに1対1の喧嘩で敗れ、ラインハルトの人柄と覇気に尊敬を抱いたことが切っ掛けで現在に至る。

 

 「ヴィルヘルム君か。教えてくれてありがとう。それじゃ蓮君また会おう」

 

 ラインハルトは笑顔でヴィルヘルムと共に屋上から出た。蓮は時計をみてそろそろ行かないと授業に遅れそうだと思い、急いで教室に戻った。

 

 

 

 なのはは今日一日の授業が終わった後、家に帰ってからベットに寝転びながら蓮に言われたことについて考えていた。

 蓮にこれは遊びじゃない……と怒られたなのはは魔法少女になって少し浮かれていたのかなと少し悲しくなった。

 実際に蓮に言われた通り、昨日の出来事は化け物に襲われて攻撃を受けた時は痛かったこともあり、自分のやっていることの危険性について悩んでいた。

 

 「なに落ち込んでいるのよなのは? アンタらしくないわね。明るくならないと幸運が逃げて行くわよ?」

 

 「……お姉ちゃん」

 

 なのはの部屋に入って来たのはなのはの双子の姉であるの杏奈だった。

 なのはの家族は皆優しく、笑顔が絶えないが、杏奈はなのはと歳が同じだからか、悩み事についてはもう1人の姉である美由紀よりも相談しやすい存在だった。

 

 「なのは。どうして悩んでいるかについては今は聞かない。でも、アンタはどんなことに対しても全力全開なんでしょ?」

 

 なのはは杏奈の一言で自分が全力全開で頑張ってきたことを思い出した。

 勉強も翠屋のお手伝いもそして恋についても人一倍頑張っていたことを思い出したなのはは顔を上げるともう悩んでいた表情では無くなった。

 

 「どうやら決意は固まったみたいね。皆にはなのはが出かけたことは何とか言い訳をするから頑張って来なさい」

 

 「ありがとうお姉ちゃん! 私行ってくる!」

 

 なのはは机の中からルビーの宝石のような物。『レイジングハート』を首にかけて家から出た。

 

 

 

 「は~。やっと行ったわね。同じ人に恋をするライバルに塩を送っちゃったけど。何時ものなのはに戻って良かった良かった」

 

 杏奈はなのはが蓮君の所に行ったことに安堵を覚え、ベットに寝転んで一息をついていると、

 

 「本当にそれで良かったのかね?」

 

 杏奈の後ろにできる筈のない影が出来ており、そこから蓮の父親であるメルクリウスの声が聞こえてきた。

 メルクリウスが現れたことに杏奈は対して驚いておらず、ベットに寝転んだままでいた。

 

 「別に良いのよ。あの子にはアタシの様に悲しい目にあって欲しくないもの」

 

 杏奈は前世にはいなかった妹が出来て、そしてその妹が自分に甘えてくれることに対して嬉しく思っていた。

 前世のロートスに出会う前の全てを失った魔女の頃の経験から、なのはには尚更幸せになって欲しいと杏奈は思っていた。

 

 「確かに君の言っていることに理解はできる。だが、君はもうすでに気付いているのだろう? 前世以上に魔術が使い難いということに」

 

 メルクリウスの指摘に杏奈は顔を悔しそうに歪める。

 実際、杏奈は影の魔術を使ってみた所、前世以上の魔力を消費していたことに気づいた。

 解決法が分からない杏奈は昨日、なのはが魔法を使っているのを魔術で見て、一つの仮定を思いついた。

 それは、魔術を使う時に何かが杏奈のサポートをすれば、前世の様に魔術が使えるのではないかということだった。

 だが、実際に造ろうとした所、何を材料にして『デバイス』造ればいいのかが分からなかったことから、杏奈は挫折した。

 

 「……それがどうしたってのよ?」

 

 「君にそのデバイスを与える…と言ったらどうするかね?」

 

 「っ! (アイツ!? まさかデバイスを完成させたっていうの? アタシが作り方すら分からずに諦めたあのデバイスを!)」

 

 「勿論、今すぐに決めろと言うわけではない。存分に考えたまえ。……その選択が後悔を生まないようにしたまえ」

 

 メルクリウスは杏奈に選択肢を与えた後、再び影になって消えた。……杏奈はメルクリウスによって与えられた甘美な毒にどうしたらいいのか悩んでいてふと気付いたらもう夕食の時間になっていた。

 

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