魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版 作:鏡圭一改め鏡正
この小説を楽しみにしている読者の皆様に、迷惑をかけてしまいますが、よろしくお願いします!
話しは変わりますが、今回で正月のガキ使が終わってしまうことに驚いてしましました。正直、もう少し続いて欲しかったです(涙)
海鳴市のとある家で朝食を作っている少年はラインハルト・ハイドリヒ。ゲシュタボの長官ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒの子孫だ。
ラインハルトはスクランブルエッグを作っていると、ラインハルトの姉のフレイヤ・ハイドリヒが起きてリビングに来た。
「おはよう姉さん」
「ああ、おはようラインハルト。今日はすまなかったわね、本来なら私が朝食を作る予定だったのに」
「大丈夫だよ姉さん。昨日は忙しかったんだろ? だったら仕方ないよ」
現在ラインハルトたちは2人で暮らしており、ラインハルトの両親はドイツで働いている。
ラインハルトは日本が好きだからという理由で海鳴市の学校に通っているがフレイヤは同じ学校に通っている下級生の藤井蓮に一目惚れして以来、ずっと蓮から離れたくないという理由で両親のいるドイツについて行かなかった。
時折フレイヤは“愛するなら壊せ”やら、“いや壊すのではなく抱きしめねばならない”、“早めに既成事実を作らねば”……などと普通の人が聞いたらショタコンに目覚めたと勘違いするほどの危ない発言が目立つようになった。
ラインハルトは姉が恋に目覚めたことに対し、“愛するのは素晴らしいけど、そのことで後悔をして欲しくないかな”とフレイヤの恋を応援している。
「所でラインハルト。貴方は誰か好きな子でもいるのかしら?」
「ん? 好きな人かい? そうだな……。今の所いないよ。その前に僕達は中学生だよ。恋も良いと思うけど、今は学園の行事に全力で取り組みたいんだ」
「そう。頑張りなさいラインハルト。(エレオノーレ。ラインハルトは鈍感だから、貴女の恋は長くて険しそうよ)それじゃあ、早くご飯を食べましょう? 冷めちゃうと美味しくなくなるわ」
「そうだね。じゃあ、いただきます」
そしてハイドリヒ家の朝食の時間が始まり、1日が始まる。
ラインハルトは7時50分に家を出て何時ものように登校していると、目の前に赤い髪の少女が電柱の傍に立っていた。
少女の名前はエレオノーレ・ヴィッテンブルグ。フェンシング部の期待の新人で、ラインハルトの幼馴染だ。
成績はハイドリヒ姉弟に比べるとやや劣るが、優秀なエレオノーレは完璧な優等生であろうとするが故に、ハイドリヒ姉弟やエレオノーレの事を良く知っている人意外はエレオノーレのことを近寄り難くて厳しい人だと思われている。
だが、実際のエレオノーレは部活内での後輩の練習に付き合ったり、とある後輩の影響を受けて髪型をポニーテイルにしたり、ラインハルトへの片思いゆえに料理を始めたりと、面倒見が良くて少し生真面目な部分がある普通の少女だ。
「おはようラインハルト。き、今日はクッキーを作ってみた。昼休みに食べて貰えると嬉しい」
「おはようエレオノーレちゃん。何時もありがとう。エレオノーレちゃんのお菓子は美味しいから、最近の楽しみの1つになっているんだよ」
「と……当然だ。私が作っているのだからな」
ラインハルトに褒められたエレオノーレは褒められたことで顔を赤くする。ラインハルトは何時ものことだからか、顔が赤いのはエレオノーレが怒っているのではなく照れているからだと理解していた。
「せ~んぱ~い!! おはようございます! ってあれ? 先輩……もしかしてラインハルト先輩に告白を? 痛っ!!」
「だ……黙れ! キルヒアイゼン!! こ、これはクッキーを作り過ぎたからラインハルトにあげただけだ!」
「へ? いやだって今の先輩の顔は恋するお……」
「ほう。どうやらまた私に扱かれたいらしいな貴様は。ありがたく思えよ、普段の2倍の練習量だぞキルヒアイゼン?」
「申し訳ありませんでした先輩! これ以上先輩をからかわないから許してください!!」
エレオノーレに対して物怖じせずに話しかけて自爆したポニーテイルの少女はベアトリス・キルヒアイゼン。
ラインハルトの一つ年下の小学6年生の少女で、フェンシング部のキャプテンをしている。エレオノーレの後輩でフェンシングの実力は全国大会に出場出来るレベルだ。
ベアトリスに対して厳しいエレオノーレだが、それはベアトリスに対する照れ隠しも含まれている。
「またベアトリスがエレオノーレ先輩にちょっかいを出したんですか? ラインハルト先輩」
「おはよう戒君。君もかなり苦労しているみたいだね?」
ラインハルトの隣りで溜息を吐いている少年は櫻井螢の兄である櫻井戒。
戒はベアトリスとは恋仲で、剣道部の主将だ。戒の剣筋は優男のような見た目とは異なり、かなり鋭く尚且つ力強い剣筋だ。
時々、僕は屑だと言っていることから親しい人からは『屑兄さん』と呼ばれている。
ちなみに、エレオノーレは戒の実力に関しては認めてはいるものの、ベアトリスと付き合っている事については、年齢的にまだ早すぎると言って認めていない。
「何時もベアトリスがすいません。ベアトリスは思ったことをすぐに言ってしまうから、ラインハルト先輩に迷惑をかけてませんか?」
「いやいや、問題ないよ。エレオノーレちゃんも彼女といる時は生き生きしているから大丈夫だよ」
「そうですか」
「ちーす。ラインハルトさんおはようございやす」
ラインハルトの後ろから声をかけてきたのはラインハルトの友人の一人であるヴィルヘルム・エーレンブルグだった。
「ああ。おはようヴィルヘルム君。そういえば、ヘルガ先輩とアンナちゃんはどうしたんだい?」
ヴィルヘルムはヘルガとアンナという少女の名前を聞いて一瞬、顔を青くして肩をビクッとさせる。余程2人の少女に対してはトラウマを持っているようだ。
「……姉貴とアンナっすか? 姉貴たちなら今頃誰かの童貞を奪うかを巡っての血みどろの争いをしている最中っすよ」
「……心から貴方のことを尊敬しますよヴィルヘルム先輩。あの2人と一緒に暮らせと言われたら僕はすぐに逃げますよ」
ヘルガ・エーレンブルグ。彼女は普段の学校生活ではお淑やかな女性だが、ヴィルヘルムのことになるとフレイヤよりもヤバイ方向に暴走することで有名なヤンデレである。
どれくらいヤバイのかと言うと、ヴィルヘルムに対し、本当の姉弟ありながら男女の関係に発展しようとするほどだ。
アンナ・シュライバーも普段は明るく元気な少女だが、ヴィルヘルムのことを愛しているがゆえに、ヘルガと同じようになってしまう。
普段のヘルガとアンナは水と油の関係で意見がまったく合わないが、ヴィルヘルムのことに関することは意見が一致する。
何時も身体と貞操の喪失の危険性を常に持っているヴィルヘルムは2人に正面から向き合っていることからラインハルトたちの間では尊敬されている。
ただ、その度にヴィルヘルムは理性が無くなりそうなのを必死に我慢している。
「戒だったか? 俺には分かる。テメェも女に関して相当苦労しているようだなぁ。テメェの顔を一目見りゃ分かるぜ」
ヴィルヘルムは戒に対して親近感が湧き、お互いに涙を流しながら肩を抱き合った。
「おうなんやなんや? 男の熱い友情の握手をしていたら俺も入りたくなったやないか!」
「おはようミハエル君。今日もマッキー☆スマイルは輝いているね」
「ラインハルトかおはようさん! そうか? なんか笑顔で褒められるんはちょっと照れるで」
目の前にいる中学生にしては顔が渋く、関西弁を話しているのはミハエル・ヴィットマン。彼はノリが良く、ユーモアのあるラインハルトの友人の一人である。
渋い顔で見せる笑顔は彼氏がいない女性や耐性のない女性が見ると心がキュンっとなるらしい。
さらに喧嘩も強く、殴られた相手は一撃で気絶するほど蹴りと殴る威力が高いことから『
ミハエルのあだ名はデウス・エクス・マキナから取ってマッキーあるいはマキナと呼ばれている。
「そんなことより、はよ学校行かんと遅刻になってまうで?」
「ん? これはマズイ! 皆! 急いで学校に行くぞ!!」
ミハエルが気付いてくれたおかげでラインハルトたちはなんとか遅刻をしなくて済んだが、ヘルガとアンナはお互いに血まみれになりながら学校に遅刻したのはいうまでもない。
「今日もカール先生の話は興味深かったな。しかし、夜まで話しをしてしまったのは蓮君を大事にしているカール先生に迷惑をかけてしまったな」
元映画監督だった蓮の父親である数学教師のカール・クラフト・藤井先生の映画・オペラ・歌劇・オーケストラの話は、映画俳優になりたいラインハルトにとってはとても興味深く、将来の夢に繋がる話だった。
「……ん? 何だこの宝石は」
ラインハルトは家に帰る途中の商店街でとても綺麗な宝石を見つけた。
しかし、宝石にしてはどこか禍々しい雰囲気をラインハルトは感じた。不安を覚えたラインハルトは宝石を交番に届けようと交番に向かおうとしている最中に違和感を感じた。
その違和感は商店街なのに誰一人として人間が存在していなかったことと同じ道を通っている感覚だった。
「どういうことだ? どうして商店街の人が誰もいないんだ?」
ラインハルトは誰もいない商店街の原因を探しに歩こうとしたその瞬間だった。背後から首に刃物が触れた感触を感じ、動きを止めた。
「貴方が持っているジュエルシードをこっちに渡してください」
ラインハルトは少女らしき声のする方向に顔を向けると、そこには鎌を持った黒いマントを羽織った藤井蓮と同じ位の年の少女がいた。
そしてこの日を境にラインハルト・ハイドリヒにとっての日常が終了を告げ、非日常を告げる運命と邂逅した瞬間だった。