魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版   作:鏡圭一改め鏡正

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どうも最近バイトを始めて投稿するのが遅くなってしまい申し訳ありませんでした!

イカベイはまだ買えてませんが、OPがマジでカッコ良かったです。


第十八話

 時はラインハルトとアルフが戦っている頃に戻る。

 蓮たちは道路の真ん中に出現している巨大な木が現れていることに驚いていたが、瞬時に気持ちを戦闘態勢に切り替えた。

 

 「おいユーノ。ここは魔法の結界の中なのか?」

 

 「……うん。これは間違いなく結界の中だよ。でも、誰が結界を張ったんだろう? なのはは結界魔法を覚えてない筈だけど」

 

 蓮の問いにユーノは何かに疑問を感じながら答える。そして、蓮たちの存在に気づいたのか、空中にいるなのはが蓮たちの元に向かって降りてきた。

 

 「みんな大丈夫!?」

 

 「ああ。今の所はな。それよりも、どうしてジュエルシードの暴走が起こったか説明できるか?」

 

 蓮はなのはに理由を聞くと、なのははジュエルシードが暴走した理由を話し始めた。

 曰く、なのははゴールキーパーの少年がジュエルシードを持っていることに気づき、ジュエルシードを渡してもらおうと思い後を追いかけたが、追いついた時にはもう既に遅く、少年が意中の女の子にジュエルシードを渡した瞬間に大きな木が生えて今に至るということだった。

 

 「ごめんなさい! わたしが早く気づいていればこんなことには……」

 

 「それは違うよなのは。本当だったら、一番早く気づいていないといけないのは僕の方だ。なのはのせいじゃない」

 

 なのはとユーノがお互いに自分の責任だと言い合っている内にも、大きな木は更に暴走を始め、なのはたちの方に木の根で叩こうとしていた。

 それに気づいたなのはとユーノはとっさのことで反応できず、プロテクションでガードしようとした瞬間だった。突然、大きな木の動きが止まった。

 

 「な、何が起こってんだ? 急にあの木の動きが止まりやがった!」

 

 司狼は突然大きな木が動きを止めたことに疑問を感じ、木の根を注意深く見ると、そこには影が木の根と枝の動きを止めているのを発見した。

 

 「気をつけろ蓮! 俺たちの他にも魔導師がいるぞ!」

 

 「本当か司狼!?」

 

 すでに形成位階になった蓮は司狼たち以外の魔力の残滓があるか感じようとした時だった。

 蓮たちの前に影の様な物が現れると同時に、ピンク色の髪の少女が現れた。その少女はドイツ軍の軍服のような服装で、辞書みたいに分厚い魔導書を持っていることから、蓮たちはジュエルシードを狙う魔導師だと思い、警戒していた。

 

 「アンタもジュエルシードを狙ってるのか?」

 

 蓮が少女に対して質問すると、少女は蓮の顔を見た瞬間、慌てた表情をする。

 

 「って! ちょっと待ったぁ!! 蓮君! 私よ。杏奈よ! だから攻撃しないで!!」

 

 「え? 杏奈? どうしてお前がここにいるんだよ? しかも、小学生なのに髪にカラー入れるなんて、士郎さんがその姿を見たら気絶するぞ」

 

 杏奈がいることに驚いた蓮だが、髪の色のことに指摘することで、なんとか落ち着きを取り戻した。

 

 「え? お、お姉ちゃんなの!?」

 

 「なによー? なのはもお姉ちゃんのことが分からなかったの? お姉ちゃん悲しいなぁー」

 

 杏奈はなのはに対して嘘泣きをして軽くからかっていたが、すぐに真面目な表情に戻り、ジュエルシードによってできた木を見る。

 

 「さてと、それじゃあどうすればいいのかしら?」

 

 「……ちょっと待て。杏奈。ここに結界を張ったのはお前か?」

 

 「え? 違うけど。それがどうしたの?」

 

 司狼はここに着いてからずっと疑問に思っていたことがあった。それは、今発動されている結界の完成度だ。

 最初は杏奈が結界を張ったと思っていたが、すぐに司狼はありえないと思った。何故なら、杏奈は別の世界で『ルサルカ・シュヴェーゲリン』と呼ばれた存在で、聖遺物は拷問導具を出す日記だ。

 それに、たった1日で結界魔法を完成させることは不可能に近い。ならば、カール・クラフト・藤井(親バカの変態)が張ったのかと司狼は思ったが、今まで司狼と杏奈にデバイスを渡すこと意外は基本傍観しかしていない。

 そこで司狼が行き着いた答え。――それは……

 

 司狼が蓮たちに結界を張った存在がこの場にいると言おうとした瞬間、ジュエルシードによってできた木の根と枝が全て切られ、その根と枝が落ちた衝撃音が響いたことにより、司狼の思考が一時止まった。

 

 「な、なにが起こったんだ?」

 

 『気をつけろ! 他にも魔導師の反応を感知したぞ』

 

 なのはたちが警戒する中、ロートスが魔導師がいると蓮に言ったことで、蓮は更に警戒をすることになった。

 

 「出てきたらどうなんだ? 魔導師さん? [聞こえてるんだろ。転生者さんよぉ?]」

 

 司狼は蓮たちに聞こえないよう設定した念話を転生者に送ると、瞬間、司狼の首に剣を突きつける黒髪の少女が現れた。

 なのはとユーノは突然のことに言葉が出ず、蓮と杏奈は少女に攻撃しようとしたが、司狼がニヒルな笑みをしていたことで動きを止めた。

 

 「……何故私の正体を知っている? あなたは何者なの? [答え次第ではあなたを殺す]」

 

 「おいおい。そんな殺気と怖い顔してると、かわいい顔が台無しだぜ? お嬢さん」

 

 少女の質問に対し、司狼は余裕そうな笑みで挑発する。そして、司狼は自分が殺されないと確信していた。

 何故なら、目の前の少女がこの世界のことについて知っていたら、態々司狼に質問をしないし、転生者だということがバレてしまっても後で人目に付かない場所で司狼を殺せばいいだけだ。

 それをしないということは少女がこの世界のことについて知らないのではないかと司狼は考えた。

 

 「何時までも俺を睨んでいても何も解決しねぇよ。そこで提案なんだけどよ。目の前の異変を解決したらアンタの質問に答えてやるよ」

 

 「……分かった。確かに今の状況から見るとわたしが不利ね。いいわ、その条件でいいわよ」

 

 「OK! そんじゃあこの異変の解決方法だが……なのは!」

 

 「は、はい!」

 

 なのはは突然司狼に呼ばれたことで驚いたが、司狼の真剣な表情を見てすぐに落ち着きを取り戻した。

 

 「今だったらあのじんめんじゅ擬きを簡単に封印できるだろ?」

 

 「うん! やってみる」

 

 司狼の言葉になのはは頷くと、魔法で空を飛んで、レイジングハートを枝と根を修復中の大きな木に向けた。

 

 「行くよ! 全力全開! ディバイィィィン・バスタァァァァァ!!」

 

 なのはは『ディバイン・バスター』をジュエルシードのある場所に放ち、大きな木に当たった瞬間、中に捕らわれていて気絶しているゴールキーパーの少年と少女が開放され、地面に落ちてきた。

 少年と少女を杏奈の影の魔術で捕まえ、近くにあったベンチに座らせた。

 

 「ジュエルシード封印!」

 

 なのはが無事にジュエルシードを封印すると、大きな木は消滅し、結界の中とはいえ道路が滅茶苦茶な状態だった。

 

 「よし! お前ら全員バリアジャケットを解除しろ」

 

 司狼の言った通りに全員がバリアジャケットを解除すると、結界が解けて何時も通りの海鳴に戻った。

 

 「これから俺はなのはと杏奈を翠屋まで送って行くけど、司狼とユーノはどうするつもりだ?」

 

 「ボクは蓮について行くよ」

 

 「悪いけどよ、俺は先約がいるんだわ。んじゃ行くかお嬢サマ?」

 

 「……」

 

 司狼と少女がそのまま歩いて蓮たちの前から去ると、蓮はなのはと杏奈に両手を抱き寄せられて頬を赤くしながら歩いて行き、ユーノは蓮たちの様子に苦笑いしながら翠屋に戻って行った。

 

 

 

 「ほう、まさかラインハルトが創造位階に達するとは予想外だ。さすがは獣殿の因子を宿す存在だと褒める他あるまい。我が息子はあと少しで創造位階に達するかもしれんが、何かが足りないようだ」

 

 メルクリウスは蓮の歌劇がラインハルトに比べてあまり良くなかったことに対し、これも未知だと感じ面白そうに笑っていた。

 

 「そして、ラインハルトが人形と共にジュエルシードを集めることになり、息子と戦うことが決定的となった。恐らく蓮はラインハルトと戦うことでマルグリットと共に創造位階に達するやもしれん」

 

 「しかし驚いたことに、『ゲオルギウス』の元に異分子が現れたか。どうやら塵芥共(転生者)とは少し違うようだな」

 

 メルクリウスは蓮の行動を観察している時に現れた異分子である少女に対し、排除するべきか考えていた。

 「まあいい。この件は『ゲオルギウス』に任せるとしよう」

 

 メルクリウスはそう言った後、蓮の観察は続けながら司狼の行動を見ることにした。

 

 

 

 「とりあえず、ここで話そうぜ。一応阻害認識の魔法を使って話している内容は聞こえないようにしてるからよ」

 

 公園に着いた司狼は少女にそう言うと、少女は頷いてベンチに座った。

 

 「俺は遊佐司狼ってんだ。アンタは?」

 

 「わたしは一之瀬天音。悪いけど早速本題に入らせて貰うわ。あなたはわたしのことを転生者って言ったわよね? それってどういうことなの?」

 

 天音は司狼に問うと、司狼はニヒルな笑みを浮かべた。

 

 「簡単なことさ。アンタが使っていた剣。あれって神話とかに出てくるやつだろ?」

 

 瞬間、天音の表情が一変し、焦りの表情を浮かべた。なぜなら天音は司狼という存在が自分の秘密の一部を答えたことによって利用されるのではないかと思ったからだ。

 

 「何が狙いなの?」

 

 「別に? ただアンタのことが知りたいだけさ。この世界に来て何が目的で俺たちの前に現れたのかってことをよ」

 

 司狼の言ったことに天音はしばらくの間黙ったままだったが、俯いていた顔が上がったことで話す決心をした。

 

 「実は私、記憶喪失なの」

 

 「……はぁ?」

 

 天音の記憶喪失だと言うことを聞いた司狼は“何言ってんだこいつ?”と言いたそうな表情を浮かべた。

 

 「あなたの思っていることは最もだと思うけど、事実なのよ。私には一之瀬天音という名前と私の使える能力と一般常識以外のことは何1つ覚えていない……いいえ、正確には消されているかもしれない」

 

 「へぇ。つまりアンタは何も知らずにこの町に来たってことか?」

 

 「違うわ。私が目を覚めた時には、道路が滅茶苦茶になっていたのよ」

 

 天音の真剣な表情に司狼は嘘をついているようには見えず、かといって信用し過ぎてはいけないと思っていた。

 

 「なるほどね。じゃあ、次にアンタの能力について……」

 

 「待ちなさい! 今度は私が質問するわ。あなたに質問しちゃいけないっていう不公平なことはないわよね?」

 

 司狼は天音の言ったことに溜息を吐きながら頷いた。

 

 「じゃあ聞くけど、あなたは転生者なの?」

 

 「転生者じゃねえよ。なんでか知らねぇが、俺の頭の中に異世界についての知識が流れ込んでくるのさ」

 

 天音は司狼の言ったことの意味が分からないのか頭を傾げるが、司狼はあえて説明を止めることなく話し続けた。

 

 「最初は『観測者』って野郎から与えられた知識なのかと考えたんだが、そうだったとしたら俺はインポになるから『観測者』の野郎の仕業じゃねぇ。ってことは、俺たちの人生を狂わせた野郎が誰なのかアンタも分かってきただろ?」

 

 「神……なの?」

 

 天音の答えを聞いた司狼は笑みを浮かべながら口笛を吹いた。司狼は言動こそはふざけているが、目が笑っていないことに天音は気づき、今の答えが正解だと察した。

 

 「正解だ。それで提案がある。俺と一緒に行動してくれ」

 

 「断りたいけど、今の私には家も金も無いから受け入れるしかない。けど、条件があるわ。私の衣食住を保障してくれたら、あなたと一緒に行動しても良いわよ」

 

 司狼は一瞬、条件のことについて子供らしい条件じゃないと考えたが、自分が了承すれば蓮の助けになると考えると容易い条件だと思っていた。

 

 「(それ位なら親父に頼めば問題ねぇかも。)交渉成立だな。じゃあ、よろしく頼むぜ天音」

 

 「ええ。よろしく司狼」

 

 こうして司狼と天音は一時的とはいえ、協力関係を結んだ。

 

 

 

 「どうやらあの異分子……一之瀬天音は『ゲオルギウス』と行動を共にするようだ。幸いなのはあの異分子を転生させた神はあの塵芥と違い良心的だということだけだ」

 

 メルクリウスは司狼たちの様子を見てつまらなそうな表情をしていた。自分の脚本通りに物語が進まないことに『メルクリウス』がどれほど脚本家として才能があったのかを改めて思い知った。

 

 「脚本というものはすぐに訂正が効くが、このまま訂正せず物語を進めるのもまた一興。ゆえに異分子よ歓喜に打ち震えるがいい。君もこの喜劇に参加する資格を得たのだから」

 

 新たな未知を予感したメルクリウスは先程の表情から一変し、不気味な笑みを浮かべながら料理の準備を始めた。

 




新たに出てきた新キャラクターである一之瀬天音は司狼の戦闘を象徴するヒロインです。
イメージキャラはまだ決まっていませんが、頑張ってこの作品を投稿していきたいと思っています!
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