魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版   作:鏡圭一改め鏡正

2 / 23
第二話

 メルクリウスが夜天の書の管制人格と邂逅してから約1世紀近くが過ぎ、時は1939年。時代は日本で言う昭和時代。そして第2次世界大戦が行われる年だ。

 メルクリウスは女性と何度も逢っているが、女性に未だに名前が無い。メルクリウス自身は女性を傷つける原因を作った女性の主を無能な塵芥でしかないのかと思っているが、そのことは女性の前では言っていない。

 何故なら、メルクリウスは女性の悲しむ姿は美しいと思っているが、同時に女性の涙を思い出してしまい、胸に針がささったような痛みを感じるからだ。

 そして、メルクリウスは獣殿ことラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒには接触した。

 しかし、メルクリウスはラインハルトの姿を見た瞬間、彼に対して失望と憤りを覚えた。

 なぜなら、姿はラインハルトだが、ラインハルトの魂は転生者と呼ばれる存在が宿ってしまい、本来のラインハルトの魂の色が黄金から色々な色が混ざり合い、濁った色になったからだ。

 正史のラインハルトは大英帝国とチェコスロバキア亡命政府の送りこんだチェコ人部隊に暗殺されている。

 この時、メルクリウスはラインハルトを殺そうと考えていた。

 自らは動かず他力本願な筈のメルクリウスが怒り、女神のこと意外で自ら動くというのは本来ありえないことだ。

 それほどまでに『黄金の獣』であるラインハルトのことをメルクリウスは大切に思っていたということだ。

 

 「私を怒らせたことを後悔するがいい。この世界に自滅因子(アポトーシス)は存在しない。ゆえに惨めに私に殺されるがいい塵芥よ。因子など残しはしない」

 

 そして、メルクリウスはとある存在について気付いていた。

 その存在はこの世界を我が物であると勘違いしているのか、転生者という存在を送り退屈しのぎとして物語を傍観している。

 メルクリウスは先にこの世界を傍観している存在……神を殺そうと考えていた。

 今排除しなければこの世界が神と転生者によって汚染され、メルクリウスの女神が被害にあう可能性があるからだ。

 

 「塵芥を転生させた愚かな神よ。お前のような老害には終焉を与えよう。もはやこの世界で女神以外の存在は塵芥でしかない。ゆえに老害よお前の茶番はここまでだ。お前は私の歌劇の役者ですらない。ゆえに傍観者には退場願おうか」

 

 メルクリウスは表情は笑いながら、しかし内心は神がラインハルトの魂を侮辱した怒りとこの世界に黄金の獣であるラインハルトがいない悲しみを宿しながら、老害である神の元に転移した。

 

 

 

 「アハハハハハ!! いいねぇ! 笑わせてくれるよあの転生者は! 『リリカルなのは』の世界でラインハルト・ハイドリヒになるなんて。しかも、リリカルなのはの原作が始まる前に死んでしまうのにどうやって原作に介入するんだろうね?」

 

 神殿のような所に神々しい服を着ている一人の銀髪の青年がいた。青年は狂った様に笑いながら黄金の髪の男を映像で見ていた。

 男を転生させたのは青年だ。元々青年が娯楽を味わう為に男を殺したのだが、殺した男は歪んでいた。

 男の歪みとは、強姦や殺人などの大罪を平気で行いそれを快楽としていることだ。

 男の中に宿る歪みを面白く感じた青年は男を転生させた。転生先が何所かを決めずに。

 

 「さて、彼がどんな面白いことをしてくれるのか楽しみにさせてもらうよ」

 

 「否。お前の役目はここまでだよ老害。傍観者にはこの舞台から退場願おうか」

 

 青年は後ろから聞こえる声の方を向くと、そこにいたのはドイツ軍の軍服を纏った長い蒼髪の男、メルクリウスだった。

 

 「ん? 君は誰だい? 君のような存在は初めて見るけど」

 

「お前のような塵芥に名乗る名前などない。ゆえにお前の存在を塵一つ残さず消滅しよう。何故ならお前は我が女神の舞台には邪魔なのでな」

 

 「何を言っているんだい? 神であるこの僕を消滅させる? 寝言にしては面白すぎるよ君」

 

 メルクリウスは青年の言葉を無視して目の前にいる神を殺す為に意識を集中させると、

 

 『Ira furor brevis est.(怒りは短い狂気である)

 

 『Sequere naturam.(自然に従え)

 

 メルクリウスが詠唱したのは占星術だ。

 そしてまず起こったのは無数の星々が掌大まで凝縮され、そしてメルクリウスが両腕を広げた瞬間、無数の星々が爆発を起こし、宇宙規模の爆発と共に大熱波が青年を襲い、青年は何も抵抗することが出来ず、神殿諸共塵一つ残さず消滅した。

 メルクリウスが行ったのは超新星爆発。

 この占星術はかつて第三天・ネロス・サタナイルを消滅した術である。なお、この術はメルクリウスの術の中でもまともな部類の術だ。

 

 「この程度で滅びるか。所詮塵芥は塵芥でしかないようだ」

 

 メルクリウスは表情を一つ変えずに神を因子諸共消滅させた。

 メルクリウスに憑依する前の■■■■だった頃に比べると、性格が殆どメルクリウスと同化していた。

 だが、メルクリウスとは違い、夜天の書の管制人格のストーカーをしておらず。思考もメルクリウスよりは遥かにマシになっていた。

 

 「さて、次はお前だ転生者。ハイドリヒの……我が友の体を利用している愚かな操り人形(マリオネット)よ」

 

 メルクリウスはそう言って、宇宙空間になってしまった空間から地球に転移した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。