魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版 作:鏡圭一改め鏡正
時は2007年、メルクリウスは今何をしているのかというと、
「蓮。忘れ物はないな? 体操着は持っているのか確認したのかね?」
「だからないって。父さんもう行っていいよな? もうバスが来るからさ」
主夫をしていた。メルクリウスは『メルクリウス』の頃にしたことがなかった子育てをして気付いたことは、やはり1人で子育てをするのは難しいということだった。
メルクリウスはダメ親の見本である『メルクリウス』・獣殿ことラインハルト・クリストフことヴァレリア・トリファを反面教師にして蓮を育てたが、蓮は9歳にして早めの反抗期になってしまっていた。
蓮はメルクリウスに対して、変態やらキモイ、さらにはウザイ、仕舞いにはニートなどと言っている。
理由については、メルクリウスが蓮のいる前では仕事をしていなかったからだ。
……実際にはメルクリウスはその頃カリオストロという名で映画監督兼脚本家として働いてはいた。
「父さんも学校の先生だろ? 早くした方がいいんじゃないか?」
「そうだったな。では一緒に行くか?」
「だれが父さんと一緒に学校に行くかよ。……行ってくる」
蓮はメルクリウスの誘いを断り、家を出た後、家の近くにあるバス停まで歩いて行った。
「(私には子育ての才能はないのだろうか。刹那殿曰く、『過保護過ぎだろカール』と言われてしまっている。私はそのようなつもりはないのだが)……まあいい、どうせすぐに蓮と会うことができるからな」
メルクリウスは学校に行く準備をした後、家から出て学校に向かった。
メルクリウスと容姿が瓜二つの少年は藤井蓮。自身は普通の小学3年生だと自称しているが、実際にはメルクリウスの英才教育のせいで語学に関してはフランス語・ドイツ語・英語などを話したり読んだりすることが出来る。
蓮はメルクリウスに日々自分を育ててくれることには感謝してるが、日々の行いを自重してほしいと思っている。
メルクリウスがしてきたことは、蓮の入学式の時、蓮の近くでカメラのシャッター音がし、蓮がうるさそうな顔をして後ろを向くと、メルクリウスが蓮のことを激写している。
喫茶翠屋に行く途中で、視線を感じた蓮が後ろを向くとメルクリウスがストーカーしている。
ある日突然、学校に行ったらメルクリウスが蓮のクラスの担任になっていたりと、正直過保護過ぎる行動をしている。
……などと、様々な方法で蓮に近づいてくるメルクリウスに早く息子離れして欲しいというのが蓮の本音だ。
聖祥大学付属小学校のスクールバスが来ると、蓮はバスに乗って座席に座ると、
「よぉ蓮。今日は何時も以上に疲れた顔してんじゃねぇか。またお前の親父さんが暴走したのかよ?」
「司狼か。ああ。今日はまだ暴走してないけど、これから暴走するんじゃないかと思うと頭が痛くなる」
「ああ……まぁ、何時ものことだけどよ、どんまいとだけ言わせてもらうわ」
蓮に話しかけてきた少年は蓮の幼馴染で親友の遊佐司狼だ。
司狼は時々観測者とか自滅因子やら俺が不能になったら座が興亡期になっちまうなどの厨二発言をしている。
蓮や司狼の知人たちは一体お前は何と戦おうとしているんだと思っているが、普段はそんなことはなく、蓮たちをからかうのとゲームをするのが好きな頭のいい少年だ。
「おはよう藤井君。今日もいい天気だね」
「おはようございますテレジア先輩」
蓮の後ろの座席から声をかけて来たのは蓮よりも1つ年上の先輩であるテレジア・トリファだった。テレジアは『メルクリウス』の世界では『氷室玲愛』と名乗っていた。
テレジアの両親は俳優のヴァレリアン・トリファと女優のリザ・ブレンナーの娘いう世間ではセレブと呼べる家庭だ。
テレジアはミステリアスな雰囲気で運動が苦手で少しネガティブな部分もある。
だが、聖祥の男子の中には先輩のその雰囲気がいいと言っていることから人気があり、ミスコンの小学生の部ではベスト7に入っている。
後、たまに毒電波を受信することがあり、小学生だとは思えないような暴言を言ったりすることがあり人の心を抉ることがある。
「蓮! アタシを無視しないでほしいんだけど」
「別に無視してねぇよバカスミ」
「バカスミっていうなぁ!!」
玲愛の隣りに座っていて後ろから蓮に声をかけたのは蓮と幼稚園の頃から仲が良かった綾瀬香純だ。
香純は蓮のもう一人の幼馴染で、剣道部に所属している。
香純は明るい性格で太陽のように笑うからか、『清祥の太陽』と呼ばれており、ミスコンでベスト7に入っている。
ただ、勉強が苦手で、蓮にいつも宿題を写させてくれと頼んでくる。
「綾瀬さん。藤井君にムカつくのは分かるけど落ち着きなさい」
「そのまま香純を抑えといてくれよ櫻井」
「ちょっと! あなたのせいでしょ藤井君!? 他人任せにしないでよ!!」
「うるさいよ櫻井さん。あなたが粘着体質だから藤井君に嫌われるんじゃないかって私は思うの」
「トリファさんは黙ってて!」
蓮とテレジアに文句を言っている少女は櫻井螢だ。
見た目は大和撫子のような容姿だが、粘着物みたいに蓮に付きまとって風紀委員の様に文句を言っている。
そんな性格からか、男子にはツンデレみたいだと言われ『清祥の2大ツンデレ』の一角で人気があり、勉強もまあまあできるらしい。
蓮は櫻井が嫌いなわけではなく、司狼やテレジアと一緒に弄ると面白いからからかっているだけだ。
「おっはよう蓮くん! 今日も一緒に学校で頑張ろうね!」
「おはよう杏奈。……いい加減そういう甘ったるい態度は止めろ。マジで似合わないから」
「なによ~。全く顔は可愛いのに口の利き方は悪いわね蓮くんは(今更だけど、顔はメルクリウスそっくりなのに性格はロートスって……メルクリウスは本っ当に碌なことしないわね)」
「悪かったな。それと男に向かって可愛いなんて言うなよ」
蓮の前の座席から話しかけてきた少女は高町杏奈。
蓮を時々イジっている少女で、両親は喫茶店『翠屋』を営んでいる。
翠屋のケーキの味は普段蓮や夜天の書のこと意外には関心があまりないメルクリウスでさえ頻繁に翠屋に通うほどだ。
杏奈は小悪魔的な性格で、ドMな男子からは人気がある。杏奈は理数系が得意で時々、蓮に数学(何故か算数じゃない)と科学(これも理科じゃない)を教えている。
「そうだよお姉ちゃん! 蓮君はかわいいんじゃなくて、かっこいいんだよ!!」
「なのは……アンタ男を見るセンスないわ!司狼の方がかっこいいに決まってんじゃない!!」
「アリサちゃん……決め付けるのは良くないと思うよ」
「アタシはどっちもどっちだと思うけどね~。付き合いの長さで司狼にするけど」
蓮たちの反対の席から話しに割り込んできたのは、話した順番で、高町なのは・アリサ・バニングス・月村すずか・本城絵梨衣だ。
なのはは蓮が幼い頃に公園で銀髪オッドアイの男子と俺様系の男子に絡まれていて、男子たちが仲違いをしている最中に突然なのはが蓮の所に来てなのはの話を蓮が聞いてあげて以来、何故かなのはに懐かれている状態だ。
なのはは杏奈の双子の妹で、テレジアよりも運動音痴で転ぶ回数が多い。だが、そのドジっ子属性がいい! と言う意見が多く、男女問わず人気がある。
アリサは見た目からして体育会系な女子かと思われがちだが、実はテストで好成績を取る秀才。櫻井と並ぶ『清祥の2大ツンデレ』の一角でもある。
ちなみに、アリサは司狼に惚れている。理由は一目惚れで、少女マンガじゃないのにそんなことあるのかよと蓮は思っていたが、意外と司狼と相性がいいのか、司狼の時のみツンよりもデレが多い。
優等生が不良に片思いするのはマンガだけでなく本当なんだと蓮が自覚した瞬間でもあった。そしてアリサは投資系会社の社長令嬢でもある。
すずかは趣味が読書と機械いじりで見た目からして文学少女なのだが、アリサと同様で勉強よりもスポーツをしている男子顔負けの体育が得意な少女だ。
今の所浮いた噂がなく誰とも付き合っていない。すずかもアリサと同じくお嬢様である。
エリーは女版の司狼で、俺や香純たちをからかってくる。エリーは海鳴総合病院の院長の娘で、お嬢様でもあるが、エリー自身はあまりお嬢様らしい言語じゃない。
エリー曰く、『司狼たちの前ではお嬢様でいたくないのよね~。疲れるし』とか言っている。薬に詳しくてパソコンの技術は先生をも上回っており、『ファルコン』と呼ばれる天才ハッカーレベルだ。
「(司狼を始めとした皆は俺が守りたいと思う存在で、俺の失いたくない刹那だ。誰にも奪わせなんかはしない!)」
蓮はそう決意しながら司狼たちと楽しく話していた。
メルクリウスはジャガー社の試作段階で作られたジャガー・X351(色は黒)を聖祥大学付属学校の駐車場に止めて車から降りた。
メルクリウスは息子から教師になるまでずっとニートと呼ばれていた。
だが実は蓮が完成する前に全世界の大企業や政府の情報を掌握しており、メルクリウスのことを影の政府の支配者と政府関係者は呼んでいる。
その結果、大企業の株などを操り、マフィアなどに関わっている企業は買収し、マフィアの情報を警察に流すことでマフィアが激減した
。そのせいなのか、企業や政府はメルクリウスに協力的だがメルクリウスの行動に警戒している状態だ。
メルクリウスが車を貰った理由については、メルクリウスが映画監督兼脚本家をして有名になったからだ。
代表作は『PARADISE LOST』。メルクリウスが PARADISE LOSTを手懸けてからメルクリウスは世界で有名になり、イギリスのジャガーと契約をしたからだ。
PARADISE LOSTでメルクリウスは1人の青年を思い出す。青年の名前はジューダス・ストライフ。ジューダスはPARADISE LOSTで出世をし、ハリウッドスターになったのだが、今は俳優を引退して日本人の嫁と息子の3人でんびりと過ごしている。
ジューダス曰く、俳優業界には普通の人には見えない弱肉強食の世界があり、そんな生活が嫌になったらしい。
メルクリウスは教務室に入ろうとすると、教務室の前に1人の生徒がいた。その生徒は黄金色の美しい髪のロングヘアーの女子生徒だった。
「フレイヤ・ハイドリヒ。また放課後にチェスでもしようというのかね?」
「ええ。貴方とのチェスは心躍るものがあるわ。だから放課後教室でラインハルトと一緒に待ってるわ」
女子生徒の名前はフレイヤ・ハイドリヒ。
メルクリウスが因子ごと消滅させたラインハルトの子孫だが、彼女とその弟のラインハルトはどこか獣殿を思わせる容姿だった。
フレイヤは容姿端麗で文武両道。恐らくカリスマは獣殿……『ラインハルト』に少し劣る程度だが、普通の生徒よりも才気溢れる生徒だ。
ラインハルトは容姿や身体能力は間違いなくゲシュタボ時代の『ラインハルト』だが、性格が好青年になっている。カリスマ性は姉のフレイヤを凌いでいるからか、次期生徒会長候補に名が挙がるほど優秀な生徒だ。
「ああ。楽しみにしているよ」
メルクリウスはフレイヤと別れ、1つのことを思い出していた。
それはメルクリウスが夜天の書の管制人格の呪いを絶つ為にミッドチルダ式やベルカ式の魔法を使う為の『デバイス』の中に本来なら人間の魂を使わなければならなかった『エイヴィヒカイト』の術式として改良した。
メルクリウスが作った新しいエイヴィヒカイトは魔力が多ければ多いほど身体能力や防御力を上昇させるようにして殺人衝動が起きないように改良した。
こうして出来たのが『エイヴィヒカイト式デバイス』だ。
ただ、欠点は不死では無くなって身体蘇生が出来なくなり、ミッドチルダ式とベルカ式の魔法が使えない。
だが、メルクリウスがその制限を解除すれば聖遺物と変わらない性能になる。
そして、出来た
「(そういえば、今日は転校生が来る筈だったが……蓮にどのような影響を与えるのか楽しみだ)」
メルクリウスは教務室に入り、今日の予定を話す教頭の話を聞きながら今日という日を楽しみにしていた。