魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版 作:鏡圭一改め鏡正
アニメはマリィルートらしいから、シュライバーの真の創造と司狼の自滅因子の説明はどうなるんだろうと思っている作者です。
*ちなみに、この作品は『座』と『自滅因子』は存在しないので注意してください!
蓮たちはバスに降りて数分歩いて学校に着くと、蓮・司狼・香純・櫻井は3年2組、なのは・アリサ・すずか・本城・杏奈は3年3組、テレジアは4年の教室にそれぞれ別れて向かうことになった。
蓮たちが教室に入ると、教室に生徒があまりいなかった。不思議に思った蓮たちは黒板を見ると、黒板には『転校生が転校してくる為8時40分のチャイムが鳴る前に体育館に集合すること』と書かれていた。
「5月の始まりなのにもう転校生かよ」
「そういうなよ司狼。転校生にだって事情があるんじゃないのか?」
「まぁ、そうだわな……けどよ、時期的に中途半端なんだよ」
「確かに遊佐君の言うことに一理あるわね」
「って。ちょっと皆! 早く体育館に行かないと遅れちゃうよ!」
転校生が来ることに興味を持った司狼たちだったが、香純の一言によって状況を判断した蓮たちは急いで体育館に向かった。
体育館の端の転校生用のパイプ椅子に1人の少女が座っていた。少女の名前はマルグリット・ブルイユ。
マルグリットはフランスのサン・マロという町に住んでいたが、突然彼女の父親の転勤が決まり、一家で日本の海鳴という町に引越しをすることになった。
マルグリットはフランスにいる友達と別れるのは悲しかったが、日本に友達になってくれる子がいるかもしれないしれない……とポジティブに考えるようしていた。
「(レンは元気かな? 早く会いたいなぁ)」
マルグリットには好きな男の子がいた。その男の子の名前は藤井蓮。マルグリットはレンと呼んでいる女の子のようにかわいい男の子だ。
かわいいって言うと蓮は怒るがマルグリットにとってはその怒った顔もかわいいと思っていた。
マルグリットがレンを好きになったのは彼女が迷子になって泣いている所に、
『どうしてないているの?』
そう言って現れた蓮が優しい声でマルグリットが泣いている理由を聞いてきた。彼女は泣いている理由を蓮に話すと、
『じつはぼくもパパがみつからなくてまいごなんだ。だからいっしょにさがそう?』
蓮がマルグリットに笑顔で手を握って彼女の両親を探したことがきっかけだった。
それ以降、マルグリットは蓮からマリィと呼ばれるようになった。
そして蓮が日本に帰る直前に、マルグリットが蓮の頬にキスをしたことは彼女にとって良い思い出である。
蓮が日本に帰った後、マルグリットは毎日、日本語を勉強するようになった。理由は蓮にまた逢った時に日本語が話せるようになって蓮を驚かせたいからだ。
ちなみに、マルグリットは日本語をある程度話せるようになっているが、漢字とひらがなを書くのが苦手である。
マルグリットは転校初日の緊張をなくすために蓮の写真(メルクリウスがマルグリットに送った2週間前に撮られた蓮の笑顔で写っている写真)を見ていると、
『これから転校生を紹介します。フランスから転校してきたマルグリット・ブルイユさんです。マルグリットさんお願いします』
マルグリットは椅子から立って体育館の教卓まで歩いて教卓の前で止まり、マイクの音声確認をした。
「はじめまして! わたしはマルグリット・ブルイユです。しゅみはお菓子を作ることです。よろしくお願いします!」
マルグリットは自己紹介を終えてお辞儀をすると、全校生徒が拍手をした。拍手をしている人の中で彼女が日本語を上手に話していることに驚いている人がいたが、全体的にマルグリットの自己紹介は成功だった。
蓮は教卓で自己紹介をしている金髪の少女のマルグリットをどこかで見た記憶があった。
蓮はフランス・マルグリット・マリィというキーワードを思い出していく内に1人の少女の名前に辿り着いた。
「(そうだ思い出した。マリィだ。俺と父さんが旅行でフランスに行った時に俺は迷子になってどうしたらいいんだって悩んでた時に出会った女の子だ)」
その当時、蓮はメルクリウスとはぐれてしまい、泣きそうになっていた所に、泣いている金髪のかわいい少女が目の前にいたことで、なんとか泣くのを我慢した蓮が勇気を出して少女に話しかけたことが蓮とマルグリットことマリィとの出会いだったことを思い出した。
「(そうか、もうあれから4年も経つんだ。だけど、マリィはあの頃よりも笑顔が綺麗になったなぁ。……俺は父さんのせいで嫌でも変わらなければならなかったけど)」
蓮が色々とマリィのことについて思い出している内に彼女の挨拶は終わっていた。蓮はマリィが日本語話せたことに驚いていた。
「何やってんだよ蓮。もう全校集会終わったぞ」
「ん? ……あっ。悪い司狼」
どうやら全校集会は終わったらしく、段々と生徒の数が減っていることに蓮はようやく気づいた。
「何があったのかについては聞かねぇが、あんま頭で考えんなよ。ただでさえお前は考えるだけ考えて行動したらおかしな事になるのは自覚してんだろ?」
「悪かったな。とりあえず教室に戻るぞ司狼」
「あいよ。(蓮の表情からしてあのマルグリットちゃんは蓮の知り合いか。しかも蓮を見つけた時のあの表情は……恐らくマルグリットちゃんも蓮に惚れてやがるな。ったく、アイツも罪作りな奴だなぁおい)」
蓮たちはお互いにふざけ合いながらだが、司狼は内心で蓮のフラグ建築能力に呆れて教室に戻って行った。
「(どうやら転校して来たのはマルグリットか。彼女は我が息子の妻に相応しい。勿論息子の事を好いている彼女達も良いとは思っているが。この事に関しては息子が決めることだ。しかし、全世界の政府を脅して一夫多妻制を承認させるのもいいかもしれんな。表向きの理由は少子高齢化対策にして導入させるというのも悪くない)」
メルクリウスは蓮が聞いたら恐らく怒るか呆れる計画を真面目に考えていた。彼は蓮が誕生してから子煩悩になっている状態だった。『ラインハルト』が今のメルクリウスを見たら恐らく笑うかメルクリウスの変化に驚く位には変わっていた。
「(しかし、フレイヤ。彼女の蓮に対する眼差しは恋する乙女の様だ。中学1年生が小学3年生に恋をするとは、年があと2~3年離れていたらフレイヤの性癖を私は間違い無く疑っただろう)」
フレイヤが蓮に恋をしていることに気付いているメルクリウスは蓮の恋愛フラグの建築っぷりに呆れていたが、彼女の愛が『ラインハルト』とは異なっていることに驚いていた。
『ラインハルト』の渇望は総てを愛することだ。それだけを聞けばただの聖人のように聞こえるだろうが、『彼』の場合は愛した者が総て壊れてしまうからか、自らの愛から遠ざかっていたが、『メルクリウス』の一言によって壊してでも愛するという歪んだ渇望だ。
一方、フレイヤの場合は蓮を愛するという『ラインハルト』の因子を受け継いでいるが渇望については受け継いでいないようだった。
だが、その場合だとフレイヤは求道の渇望だからグングニールはフレイヤを受け入れない筈なのだが、何故かグングニールはフレイヤを保持者と認めている。
「(フレイヤの渇望については取り合えず置いておこう。今はマルグリットだ。マルグリットは私の担当の教室である3年2組の生徒になったのは私と蓮にとってはプラスだ。しかし、問題は私が滅ぼした老害の操り人形の2人がマルグリットに悪影響を与えないか不安になる。
まぁ、あの2人にも私の歌劇で踊ってもらうとしよう。喜びたまえ。本来ならばあの2人は歌劇にすら出演できない操り人形だが、私の歌劇に出演できることに歓喜して欲しいものだ。だが、2人の内1人にはとある術式を組み込んでいるから序章で死ぬのは確定しているがね)」
メルクリウスはマルグリットと2人の転生者のことについてまとめていると、ふと1つのことを思い出した。
「(そういえば、最近になって『ロストロギア』と呼ばれる私が作った聖遺物に遥かに劣った願いを歪に叶える『ジュエルシード』だったか? あれを利用すれば『プロジェクトF・A・T・E』のある意味では失敗作をプレシア・テスタロッサは間違いなく送るだろう)」
『ジュエルシード』。それは正しい使い方をすれば願いを叶えることができる石だが、それに比例して願いの大きさにより失う物が多くなり、また急いで願いを叶えようとした場合でも石が暴走し、姿が歪な物に変わってしまう。簡単に言えば、穢れた聖杯の欠陥品のような物だ。
メルクリウスからすると、聖遺物の劣化品以下でしかない。恐らくそれを聞けばプレシアはそれを全力で欲しがるはずの代物だ。後はメルクリウスがジュエルシードの情報をプレシアに流れるように細工するだけだ。
「(いよいよ私の歌劇の序章が始まる。さあプレシア・テスタロッサと愚かな操り人形よ。私の歌劇の前で盛大に踊るがいい!)」
メルクリウスは授業の準備を終え、蓮の姿を撮る為の小型カメラをネクタイに付けたことを確認すると、蓮たちが待っている3年2組の教室に入って行った。