魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版   作:鏡圭一改め鏡正

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ようやく無印の1話に入りました。……と言ってもプロローグみたいなものですけど。

最近、友人に誘われて乖離性ミリオンアーサーに嵌っているのと、戦神館の四四八の中の人がジョジョのシーザーだったことに気づいた作者です。でも、金欠で戦神館とVITAを買えない(涙)




第八話

 高町なのはは夢を見ていた。その夢の内容はなのはと同じ位の男の子が黒い化け物と戦っており、そのお化けを逃がしてしまった後、男の子は倒れてしまった。

 

 『誰か……僕の声を聞いて。力を貸して……。魔法の……力を』

 

 それを聞いた瞬間、なのはは目が覚めた。

 

「なんだったんだろう今の夢? 今まで見た夢よりも現実みたいで怖かったなぁ。……でもこの夢を忘れちゃいけないような」

 

 「なのは! 朝ごはんよ~!」

 

 「は~い!!(いけない! 早くごはん食べないと!!)」

 

 なのはは慌てて制服に着替えると、急いで会談を降りてごはんを食べて歯磨きをした後に杏奈と共に学校に行った。……杏奈の表情が朝起きてから少し暗くなっていたことに気付かずに。

 

 

 

 アンナ・マリーア・シュヴェーゲリンと容姿が似ている少女は高町杏奈。アンナと違う点をあげると髪の色が茶色であることぐらいだろう。

 とある変態ことメルクリウスのせいで魔女になった事のある記憶を何故か持っている少女だ。杏奈はメルクリウスの言っていた輪廻転生によって転生したら記憶を失うと思っていたが、記憶が失っていなかったことに驚いていた。

 だが、杏奈にとってロートスのことを忘れていなかったことについて、この世に神がいるのならば感謝したいと思っていた。……最も、神といったら杏奈の近くに水銀の神はいるが。

 さらに、杏奈にとって嬉しいことがあった。

 それは、藤井蓮にロートスの魂が宿っているということだ。メルクリウスは判官贔屓だと知っている杏奈はロートスを何らかの理由で蘇らせるだろうことを予想していたが、想像を遥かに超えていた。

 

 「(そ・れ・で、蓮君の顔は可愛くて私の好みに超ストライク! だけど、顔がメルクリウスにかなり似ているから将来アイツみたいにならないか心配だけど……大丈夫よね。だってロートスの魂が宿っているんだから)」

 

 杏奈は蓮のことを考えている途中で、昨日はおかしな夢を見たことを思い出した。何時ものように朝を覚ますと、微弱ながら魔力を杏奈は感知していた。

 海鳴の何所かで魔法か魔術が使われたと推測していたが、杏奈よりも少し魔力が多い杏奈の妹のなのはがそのことに気付いていない所を見ると、気のせいかとも思ってしまう

 幸い『アンナ』の時に使えた影の魔術を使えるが、前世のような魔術がうまく使えず魔力を前世以上に消費することから、あまり魔術を使わない状況であって欲しいと杏奈は願った。

 

 「ん~。良し! 今日一日頑張りましょうかね(……嫌な予感がするわねぇ。気のせいじゃなければいいけど)」

 

 杏奈は朝食を食べてテレビを見てからなのはと一緒に家を出た。僅かな胸騒ぎと共に。

 

 

 

 「ようやく始まったか」

 

 メルクリウスはようやく筋書き通りに序曲(オーベルテューレ)が始まったことを感じた。

 メルクリウスは『ジュエルシード』がこの海鳴に落ちるように魔術でジュエルシードが地球の海鳴市に転移するように細工していた。魔法によって管理局の不意を突いてジュエルシードを奪おうとしたプレシア・テスタロッサをメルクリウスは評価している。

 だが、その計画はメルクリウスの掌に踊らされている時点で、プレシアの計画は破綻しているにも等しいことにプレシアはまだ気付いていなかった。

 

 「あいかわらず腹黒いことは得意なんだなお前は」

 

 突然後ろから聞こえてきた幼い声にメルクリウスは振り向くと、そこには蓮がいた。だが、蓮の雰囲気は何時もの蓮とは違っていた。

 

 「こんな早くに起きてどうしたのだ蓮……いいや、『刹那殿』?」

 

 「蓮が寝たから。一時的に俺が主導権を得ただけだよ。それにしてもお前の愛する女神が関わっている訳でもないのに今回のことに介入するんだよカール?」

 

 「息子の蓮が強くなってもらわないといけない。その為の練習相手だよ。ジュエルシードと呼ばれる物を奪い合う為の戦い。それなら仲間を守る為に蓮もこの事件に介入し、蓮の強くなると思って書いた筋書きだよ」

 

 ロートスはメルクリウスの計画を全て知っている。初めはロートスの魂を蓮の中に入れたことで彼に嫌われているのではないかとメルクリウスは思っていた。

 それは当然の考えだろう。何故ならメルクリウスはロートスの魂を蓮の中に宿し、いずれはロートスと蓮の魂が融合されてしまうのだ。嫌われるに違いないとメルクリウスは思っていた。だが、

 

 『別にそんなくだらないことでお前を嫌わねぇよ。これは蘇りじゃないし、俺と蓮が融合しても俺と蓮の考え方が一緒になるだけだ。俺は俺のままだよカール。それに、俺達親友だろ? 俺もお前の計画に乗るよ』

 

 ロートスはそんなメルクリウスのことを親友と言った。そのことで彼は自分に勿体無い友人であると同時に素晴らしい友人を得たと感動した。

 それ以後、メルクリウスとロートスは一緒に計画を進めることになった。

 

 「それに、この町には膨大な魔力を持つ者が多いのだよ。この場所は魔境かと思える位にね。だが、忌々しいことにその中には操り人形も含まれるがね」

 

 メルクリウスはこの序曲の間に転生者たちがこの世界から消滅して欲しいと思っている。

 

 「ああ~。あの金髪オッドアイと自己中な勘違い系オレ様な感じの2人だろ? アンナ達も嫌うほどの存在ってある意味カールよりもひどいな」

 

 「私をあのような塵芥と一緒にしないでもらいたいな刹那殿」

 

 「息子を盗撮したり、ストーカするような過保護な親バカのお前にそんなことが言えることに俺は疑問を覚えるよ」

 

 「口を慎みたまえロートス。私は蓮のことが心配でこのような事をしているのだよ。他意などはない。(しばらく見ない内に刹那殿の態度が変わったな。これは蓮の影響を受けているからなのか?)」

 

 ロートスに痛い所を突かれたメルクリウスは、軽く流すが、内心ではロートスが蓮の影響を受けるのが早すぎると思っていた。

 

 「それに、蓮のことが好きな女の子に盗撮した蓮の写真を送るのはどうなんだよ。お前の女神様がお前のその姿を見たらドン引きするんじゃないのか?」

 

 「ふむ。女神に罵倒されるのも一興。新たな未知を感じることができるやもしれん。だがな刹那殿。私は不安なのだよ。大切な者は二度と失いたくなくてな。あのような出来事は1回で十分だ」

 

 「……悪い。そこまであの事がトラウマになっているのか?」

 

 「(刹那殿の言っているトラウマは恐らく刹那殿とアンナが死んだことを言っているのだろう。事実その通りだ。■■■■の時は親しい者を亡くしたことがなかったからこうなったのだろう。我ながら女々しいな)刹那殿の気にすることではないよ。……そろそろ蓮が起きる時間だ。ベッドに戻ったほうがいい」

 

 「そうだな。じゃあまたなカール」

 

 ロートスはそう言って蓮の部屋に戻った。メルクリウスは机に置いてあるデバイスを眺めていた。デバイスの構成は既に完成したが、未だに待機モードの形態についてのアイディアが浮かばなくて悩んでいた。

 

 「(……そういえば、原作の蓮は綾瀬香純から水星をイメージにしたペンダントを貰っていた筈だ。それをイメージして……ふむ、完成だ。これを少し遅れた誕生日プレゼントにすれば完璧だ)」

 

 こうして完成したのは『罪姫・正義の柱』(マルグリット・ボワ・ジュスティス)

 2人の『ラインハルト』の因子を受け継いだ『エイヴィヒカイト式デバイス』に唯一抵抗できるデバイスで、蓮専用に作られたデバイスだ。

 だが、蓮はそれだけでなく『聖約・運命の神槍』と『聖約・戦神の神槍』を除く全てのデバイスが使える。いわば、状況に応じて戦闘スタイルが変えることができるオールマイティーな戦い方をする事ができる。

 

 「だが、このデバイスは1つの欠点がある。まさか、このデバイスがマルグリットの意思とリンクしているとはな」

 

 罪姫・正義の柱はマルグリットの意思とリンクしていることで、もしマルグリットに影響がでてしまったら、蓮は間違いなくメルクリウスを責めるだろう。

 だが、メルクリウスはわざと欠点を修復しなかった。蓮とマルグリットの2人がたとえ離れていても一緒に成長してほしいという理由と、夜天の書の管制人格を助けるのは、彼女の血を受け継いでいる息子である蓮だと思ったからだ。

 そして、メルクリウスは昨夜から始まっている歌劇に主役である蓮が出て来ることで、歌劇がおもしろくなりそうだと笑いながらダージリンを飲んだ。

 因みに朝起きた蓮にメルクリウスはペンダントをあげると嬉しそうな笑みを浮かべていた。

 久しぶりに見た息子の満面な笑みにメルクリウスは今までに感じたことのない蓮の愛しさに我慢することができず、頭を撫で始めていた

 

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