世界に点在する街や村ではハンターが活躍しモンスターの侵攻を防ぎ生活の糧としていた
......バランスが崩れたのは一瞬の出来事であった
これは恐怖に陥った世界で成長する一人の青年の物語
うだる様な暑さの中、部屋で落ち着きを隠せずウロウロする青年ー『リキ』
リキ「...また、遅刻か」
リキはそう呟くと机に置いてある一枚の紙を手に部屋を後にした
リキは部屋から出ると村一番の大きな建物に入っていった
建物の中では屈強な男性から細身の女性まで様々な人で溢れかえっていた
リキ「相変わらずハンターズギルドはうるさいな...」
漏れ出た言葉とはうらはらにリキの口元には笑みがこぼれる
「おぉ〜い、リキ〜!」
前方で手を振っている男がいる
30m先から大声で近づいてくるが周りの人達は自分達の話に夢中でそんな事は気にも留めない様だ
「どうだ、ビックリしただろ」
リキ「約束が違うだろ、ハルト。2時間後にオレの家に集合って言っただろ」
『ハルト』と呼ばれた男はあっけらかんと答える
ハルト「たまにはこうやってビックリさせないとな」
いたずらな笑みを浮かべる
リキ「...まぁ、いい。...登録はまだなんだろうな?」
ハルト「もちろんだ、そこを抜け駆けしたらこの先一緒にハンター出来なくなっちまう」
リキ「じゃあ、さっさと済ませるか」
ハルト「あぁ」
リキとハルトは入口に近いカウンターへと向かう
「あら、リキとハルトじゃない。もう卒業したの?」
リキ「当たり前だろ、アカネさん」
『アカネ』と呼ばれた女性は嬉しそうにニコニコしている
アカネ「そっか〜、卒業おめでとう!訓練期間半年位よね?歴代トップクラスじゃない!期待のルーキーね!」
ーーーそう、リキとハルトはほんの数時間前までハンター訓練生であった
本来なら1年程度で訓練を終えるところを半年で終えてしまったというのは2人が決して優秀であったからでは無い
2人がストイック過ぎて訓練用のモンスターを全て狩るわ、武器を1日で駄目にするわ、挙句の果てには3日間通しの訓練を行い2人共動けなくなるわで教官達が強制的に修了としたのであった
無論そのストイックが2人を急激に伸ばしたのは間違いないのだが...
そして訓練の修了証が出たのは今朝の事であった為、浮き足だってギルドに正規のハンターとして登録にきたのであった
その様な背景を知らない2人は本気で照れる
リキ「いや〜そんなことないですよ〜」
ハルト「アカネさんみたいな美人に言われたらその気になっちゃいますよ〜」
実際アカネは美人であり、狩り目的以外にも男達から話しかけられる事が多かった
アカネ「あら、お世辞じゃないのよ、本当に思ってるんだから」
美人に言われ更に照れが激しくなり収集がつかないと判断したアカネは切り出した
アカネ「じゃあ、仕事に戻るわね。さて、お二人は晴れて訓練生を卒業しました。しかし、この先ハンターとして生きていくも別の道を選択するも自由です。どうしますか?」
リキ・ハルト「もちろん、ハンターとして生きていく!」
アカネの雰囲気が変わりハンターの目に戻ったリキとハルトを見て安心したアカネは続ける
アカネ「では、訓練卒業証の提示とギルド登録用紙に必要事項の記入をお願いします」
リキは家から持ってきた卒業証をアカネに見せ、登録用紙に名前・年齢・主力武器etc記入した
リキ「出来たよ、アカネさん」
ハルト「オレも出来たぞ」
2人の登録用紙に目を通したアカネはいつもの顔に戻る
アカネ「登録完了よ、おめでとう。そして、ハンターとして改めてよろしくね」
リキとハルトは喜びを隠せずにワクワクしてきた
2人共、どのクエストに行こうか興味深々である
アカネ「あ、でもすぐにクエストに行けるわけじゃないからね。少なくとも今日は規則の説明なんかで1日潰れちゃうから明日以降になるかな。まぁゆっくり準備してからでも大丈夫だし」
リキとハルトは肩の力が抜けた様にガッカリして説明
を受け、当初の話通り家に帰ったのは周囲が真っ暗になってからであった