スバル初めてのおつかい   作:猫山知紀

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私がユーノ好きなので補正かかって階級高めです。




その2(はやて、ティアナ)

「バカスバル、ユーノさんがどこの部署の人かも聞かないで……」

 

スバルへの届かぬ叱咤を抱え、スバルが出て行ったドアを見ていたティアナははやてに向き直った。

 

「まぁええんとちゃうか? ユーノ君探すついでに本局見学したったらええよ。 私もそのほうが面白そうやと思ってわざと部署名言わんかったし」

「はぁ……、ってわざと言わなかったんですか?」

「そうやよ。まぁ、スバルが聞いてきたら答えようとは思っとったけど」

「まさか、レールウェイの時間を持ちだしてスバルを慌てさせたのも」

「あはっ、気づかれてもうたか」

「意地が悪いですね、部隊長」

「まぁ、そういう性格やからやな。それに私はちゃんと急ぎではないと言っとったよ。

 にも関わらず何にも聞かんと急いで行ってもうたんはスバルや」

「それは、そうなんですけど……」

「適切な状況判断と、冷静な対応はスバルの今後の課題やね。 特救目指すならその辺重要になってくるからな」

 

はやてがスバルの進路についても考えてくれていることに少し驚くと同時に、

前から思っていたがやはりこの部隊長は結構ないたずら好きだ、とティアナは思った。

 

そして、この意地悪な部隊長がスバルに書類を届けるよう頼んだユーノさんというのは、

一体どこの誰なのだろうと好奇心が沸き、はやてに聞いてみることにした。

 

「ところで、スバルの代わりに聞きますけどユーノさんってどこの部署の人なんですか?」

「あぁ、無限書庫やよ」

「無限書庫?・・・って管理局のデータベースですよね。欲しい情報がなんでも揃うって言う」

 

ティアナが以前耳にした、無限書庫という部署に関する知識を確かめるようにはやてに問う。

 

「まぁ、その書庫のどっかにあるであろう欲しい情報を『探す』のが大変なんやけどな」

「え? 検索システムに入力すればすぐに探せるんじゃないんですか?

 私も以前利用したことがありますけど欲しい資料はすぐ手にできましたよ?」

 

ティアナは以前所属していた部署で無限書庫から情報を引き出した際のことを思い出した。

このときは災害担当部に所属していたので、人命救助の方法について調べていたのだ。

 

「すでに誰かが参照した情報はそうやね。 そういうのは管理局の情報システムにどんどん登録されとるから、キーワード入れるだけですぐに答えが返ってくるんよ。 でもな、今までに参照されたことのない情報の場合そうはいかん。 今、追ってるレリックに関する資料も誰も使ったことのない資料やから無限書庫の人たちが探してくれてるんよ」

 

確かに自分が探した情報は人命救助という管理局に属する幅広い人間が必要とする情報だった。

自分以外にもたくさんの人が検索していただろう。

しかし、新しく発見されたロストロギアに関する資料などではそうはいかない。

今まで誰も参照したことがない資料は、情報システムに登録もされていないのだ。

 

「探すって具体的にどうやっているんですか?」

「読むんよ、本を」

「本を読む?」

「そう、無限書庫というその名の通り、無限と思われるほど無数に存在する本の中から、欲しい情報が見つかるまでひたすら本を読むんよ」

「んー? あんまりイメージが沸かないんですけど、それって大変なんですか?」

「ティアナ、検索魔法や読書魔法を使ったことはあるか?」

「いえ、ないです」

「せやろな、私も無限書庫でユーノ君手伝うまでいまいちピンとこんかったし。 一回一回使う分には検索魔法も読書魔法もたいしたことあらへんのやけどな。 連続複数使用になると結構大変やねんで、って言葉で言っても伝わらんのがもどかしいな。 やっぱりティアナも機会を見つけて本局に行ったほうがええかな?」

「はぁ、またの機会に是非お願いします?」

 

途中で微妙に唸りだしたはやての問いに対して、ティアナはあいまいな返答をした。

 

「じゃあ、スバルが会いに行ったユーノさんっていうのは無限書庫の職員さんなんですね」

「そう、無限書庫司書長ユーノ君や」

「えっ司書長?」

「無限書庫司書長ユーノ・スクライア」

 

司書長と聞いて驚くティアナにニコニコ顔ではやてが繰り返した。

ティアナが驚いたのはスバルが「お使い」にいった人物の位が自分が想像していたよりも高かったためである。

 

(普通の職員じゃなく司書長なんだ。司書長の待遇がわからないけど結構偉い人なのかしら)

 

「ちなみに無限書庫司書長は情報部のトップとほぼ同位やからな」

「えっ?」

 

部隊長の言葉に2度驚いたティアナの目にはニコニコから、ニヤニヤに変わっている部隊長の顔が映っていた。

 

「情報部のトップというと……」

「将官クラス。 俗にいう提督って呼ばれとる人たちと同位っていうことや。 まぁ各部署が欲しがる情報を全部握っとるわけやからな、当然といえば当然の待遇なんやけど。 さっきティアナが無限書庫の大変さがわからんかったみたいに、上の方にも無限書庫の大変さがわかっとらん人たちもいるみたいでな。 結構風当たりも強いみたいなんよ。 だからまぁ『ほぼ同位』」

 

後半少し悔しそうな顔をしながらはやては答えた。

 

「そんな偉い人なんですか。 その、怖い人だったりは……」

「ユーノ君自身は肩書に似合わん人当たりいいやさ男って感じやし、全然大丈夫やよ」

「となると問題は、スバルがその無限書庫にたどり着けるかどうかですね。 迷子にならないかしら」

「まぁ、陸士の制服で本局ウロチョロしとったら目立つし。 困っとったら誰か助けてくれるやろ」

「その目立つスバルを見つけるのがやさしい人なら良いですけど、怖い人に見つかったら……。 あの子結構小心者ですし」

「心配しすぎやって。 意外と小心者やけど、意外と度胸もあるやろ」

 

はやての言葉に「そう、ですけど」と返事をしたものの、ティアナ表情は冴えなかった。

 

 

 

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