仮面ライダー龍騎 ~EPISODE Kanon~ 作:龍騎鯖威武
学校で生徒達を体育館に集め報告があった。
「休校の予定でしたが、現時点で生徒に何の被害も無いことを踏まえたうえで、本日からは午前中授業とします。なお、下校は必ず4人以上で下校すること」
教頭先生の言葉を聞いている生徒達。祐一の隣にいる名雪はうつらうつらと夢の国へ行きかけている。
「そしてもう一つ。この学校に警察の方が捜査すると共に、護衛について頂けるそうです」
教頭先生の言葉のあと、ステージに一人の若い刑事が上がってきた。
「このたび、皆さんの護衛につくこととなりました須藤マサキです。皆さんのことは私達、警察が全力でお守りします。よろしくお願いします」
放課後。
午前中の授業になったため、昼下がりを歩く祐一たち。
今日は、集団下校のとき人数が足りなかった舞と佐祐理、久瀬も一緒に帰ることとなった。
「なんだよぉ、一日だけの休校かよ~」
「よかったよ、北川くん。こうやって、みんなで学校に行けるんだよ?」
「あのね。あなたは赤点ギリギリなんだから、学校に出られることを幸せに思いなさいよ」
「お姉ちゃんの言うとおりですよ、北川さん。それに朝だけなんですよ?」
そう呟くのは潤。彼にとって、休みであったはずの学校(というよりも、面倒な授業)が再び続くと思うとかなり気が滅入るようだ。
そして、彼を応援する美坂姉妹と名雪。
「久瀬さん、本当にありがとうございます。舞のこと」
「かまいませんよ。僕は僕ができることをやっただけですから。それに、彼女もいろんなことを自分の意志で決めていた。僕はそれに非常に感銘を受けましたから」
「ありがとう。生徒会長さん」
久瀬に感謝の言葉を送る舞と佐祐理。彼は、学校に舞の処罰を取り消しにするように言った。彼の父親は学校にさまざまな支援をおこなっているので、さすがに多少は判断に時間がかかったが、舞の処分については「厳重注意」で済ませられた。
昨日の出来事のあと、久瀬は祐一たちに対して友好的に接するようになった。今では、彼もかけがえのない友達の一人だった。
それを遠くで見ていた少年。久瀬や舞たちと同じ3年生だ。
「あぁ~、何だよ最近のゲーム、クオリティ低いな。死ねばいいんじゃね?」
そうぼやき、手にしていた携帯ゲームを見つめる少年。そこには「達成率100%」の文字がある。
「ところでシザースさん、アイツらが金ピカさんの言っていた正義ぶってるライダーなわけ?」
そういって、ゲームをカバンに仕舞い、「芝浦シュン」は後ろに居た男に喋りかける。
須藤マサキだった。
彼こそ、仮面ライダーシザースの正体である。
「えぇ。今あそこに居るのは、ナイト、ファム、ライア、ゾルダの4人です。もう一つ、簡単にライダーとしての名前を呼ばないで下さい。ばれたらマズイのですよ」
「はいはい…」
須藤は警戒しているが、芝浦は
「一番、厄介な龍騎は貴方がたの学校の生徒ではないので、今ここには居ないようですね」
「ふぅん。あんまり強そうじゃないね。サイコーのゲームが出来るって聞いたけど、アイツらじゃ、もって3日くらいじゃん?」
嘲笑する芝浦に須藤は
「彼らは我々と同じ仮面ライダーです。数はすでに5人。あまり舐めないほうがいいですよ?」
「はいはい。負けたからって、そんなおっかなびっくりしなくてもいいのに。ま、気をつけますよ」
そういうと、2人はどこかへと去っていった。
時刻は少し前の9時ごろに戻る。
「すっかり、遅くなっちゃった・・・」
そういいながら起きてくる竜也。
あゆは家事全般を少しずつ覚えてきたが、料理を任せると、食材がとんでもないことになるので、料理は竜也の役割。彼は、もともと料理の技術があった城戸真司に教わったので、習った城戸真司や秋子などには遠く及ばずだが、そこらの主婦よりも料理の技術はある。
ちなみに餃子を作ることにおいては、秋子と同等かもしれない。
「白ご飯は炊いてるから、味噌汁と鮭の塩焼きを作るか。・・・あ、今日は気分を変えて、ムニエルとかいいかも。朝には胃がもたれるかもしれないけど、たまにはいいね。えっと、バターと小麦粉どこだっけ・・・」
そういって、料理に取り掛かる竜也。城戸真司から習った技術は中々のもので、テキパキとこなす。
味噌汁が完成し、鮭のムニエルももうすぐ出来る頃
「ふあぁ・・・おはよ~ございます・・・」
パジャマ姿のあゆが欠伸をしながら起きてきた。
「お、あゆ、おはよ。朝ごはん、もうすぐ出来るからね」
竜也はあゆにそういって、料理に再び集中する。
「あ、ボクやるよ!家政婦だもん!」
「え、でも・・・うわ、危ないって!」
あゆはそういって、竜也からフライパンを取り上げようとする。
竜也は余裕がある時、彼女に料理を教えていたが、まだまだちゃんとした料理が出来るほど上達していなかった。
なので、竜也は食材が駄目になることを恐れ、彼女に抵抗するが
ガチャン!
「きゃあっ!」
「うあっち!あちちち!」
勢いあまって、フライパンが弾けとんだ。あゆに被害は及ばなかったが、竜也はフライ返しを持っていた手を軽く火傷する。
結局、今日の朝ごはんは白ご飯に味噌汁という、竜也の想定よりも質素な朝食になった。
「うぐぅ、ごめんなさい・・・」
「別に大丈夫だって。それに、鮭のムニエルなんて、朝から胃にもたれるかなって思ってたしね。でも、おれがちゃんと教えるから、今のところ料理はおれに任せて。あゆに料理を振舞うの、結構楽しみにしてるから!」
「うん。ありがと、竜也くん」
うまく、あゆをフォローする竜也。あゆは、少し落ち込んだ顔から笑みがこぼれた。
(・・・かわいいな)
その笑顔に、竜也は少し胸の鼓動を早くする。あゆが住みはじめてから、このようなことが頻繁に起こるようになった。至近距離でのあゆの笑顔に竜也は弱いようだ。
「そういえば、竜也くん今日の予定は?」
「え?あぁ・・・おれは、何も無いよ。街に行ってぶらつくつもりだったけど?」
「ボクも今日、学校ないんだ~」
あゆは竜也の家に住みはじめてからも、学校には通っている。
あゆ曰く、好きなときに行って、好きなときに帰っていいらしい。制服は無く私服で、宿題は無しと、潤が聞いたら転校を必死に望みそうな学校である(香里が居るかぎり、本当に転校はしないだろうが)。
「そっか。じゃあ、どうしようか?」
「一緒に遊ぼうよ!」
あゆは楽しそうに、竜也へ2枚のチケットを渡す。
「映画?」
「うん、このまえ名雪さんの家に行ったとき、秋子さんから貰ってたんだ~」
「へぇ、映画かぁ・・・ずっとご無沙汰だったし、見に行きたいね!」
「きまり!じゃあ今日、見にいこ!」
竜也とあゆは、早々に後片付けと身支度を済ませ、映画館を目指して出かけることにした。
。
祐一たちが下校中、竜也とあゆは映画館へと向かう。
「ところで、今の映画って何があるの?」
「う~ん・・・ボクもよく分からないや。昔は、よくお母さんと一緒に行ってたけど・・・」
「そっか・・・」
あゆの母親の話が出てきたので、竜也はすぐに会話を中断した。彼女の心の傷に再び触れてしまうことを恐れたからである。
映画館に着く。
あゆは上映一覧に目を通す。竜也は横でチケットを見ながら、ぶつぶつと呟いている。
「えっと・・・チケットには、今日までの映画にしか使えないって書いてる。ちょっとケチだな・・・」
「仕方ないよ。えっと公開してるのは・・・こ、これだけ?」
そこには暗い雰囲気の背景に、包帯姿の女が大きく写ったポスターがあった。
他のポスターを探すが、今日までの映画はこれだけのようだ。
「ふぅん・・・ホラー系かな?」
「う、うぐぅ・・・」
一人の男が、自宅でとあるアイドルのPVを視聴している。なんとも美しい歌声だ。
突如、画面にノイズが走る。
不思議に思った男はテレビを叩くなどして改善を図るが、全く効果は得られない。
「ウウゥ・・・アアァ・・・」
女性のうめき声が画面から聞こえる。男は恐怖を感じるが、その場から身体が動かなかった。
次の瞬間
ザシュッ!
男の顔が凄まじい勢いで切り刻まれた。
・・・といった内容で展開する映画を見ている竜也とあゆ。
平日であったため、人は少なく、ほぼ貸しきり状態であった。
「うぐぅ・・・怖いよぉ・・・」
「確かに、これは結構怖いな・・・あ、あゆ、さっきから全然スクリーン見てないね」
「だって、怖いもん・・・」
おばけの類が大嫌いなあゆは、先程から目を力いっぱい閉じ、ダッフルコートをかぶっている。
一方、竜也は唐突に現れる幽霊や大きな音に時折、驚いたりはするが、一般的な驚き方である。
「そんなに怖かったら、入らなくても良かったのに・・・」
「で、でもぉ・・・」
あゆは竜也と映画を見に行くことを、とても楽しみにしていた。映画の内容よりも、竜也と一緒に見に行くことがあゆには重要だった。だから、たとえ苦手なホラー映画でも、あゆは勇気を振り絞って鑑賞に臨んだのだが、残念ながら、竜也はそこに気づいていない。
あゆの笑顔にドギマギしておきながら、乙女心に鈍感な少年である。
「・・・モンスターには、ここまで怯えてないよな。あっちのほうが危ないのに・・・」
竜也の独り言は、あゆの悲鳴でかき消された。
上映終了後・・・。
「ボク、もうヘロヘロ・・・」
「あ、あゆ、しっかりして」
その場にへたり込もうとするあゆを竜也が何とか支える。
あゆが、あまりにも疲れていたので、帰り道で百花屋に寄ることにした。
頼んだ、ホットココアを少し飲み、あゆはようやく落ち着きを取り戻す。
「ふぅ・・・ちょっと落ち着いたよ」
「よっぽど怖かったんだね。これから嫌なことは、ちゃんと嫌って言いなよ?」
「う、うん・・・」
竜也の言葉にあゆは頷く。竜也と一緒に見ることが重要だったのに結局、雰囲気を全く楽しめなかったあゆは「無理はするものじゃない」と心の中に教訓として覚えておくことにした。
話はもとの時間に戻る。
キイィィン・・・キイィィン・・・
祐一たちはモンスターの反応を聞きとる。
「グウウウウウウ!」
「えっ!?なんなんですか!?」
シアゴーストの群れが突如現れる。ドラグレッダーを除いて、モンスターを実際に見たことの無い佐祐理は突然の出来事に驚く。
「はあっ!」「せやぁ!」
ガッ!ドカッ!
しかし、戦いに慣れ始めた祐一と舞はすぐさま、生身で攻撃する。
「佐祐理、みんな!早く逃げて!」
「ま、舞?」
「北川、久瀬先輩!頼む!」
「おう!」「任せろ!」
祐一と舞は佐祐理の前で正体を明かすわけには行かなかったので、みんなと一緒に隠れる。
すでに、佐祐理についての事情を知っている潤と久瀬は、すぐさまデッキをかざす。
「「変身!」」
現れた白銀のベルトにそれぞれのデッキを装填し、ライアとゾルダに変身する。
「北川さんと久瀬さんも・・・あの竜也さんの仲間なんですか?」
「そんな所っす!いっくぜぇ!」「ふっ!」
<SWING VENT><SHOOT VENT>
バチィン!ドガァン!
ライアはエビルウィップでシアゴーストに電撃を食らわせ、ゾルダは「ギガキャノン」を装備し、シアゴーストを遠距離から追撃する。
<FINAL VENT>
ゾルダはマグナバイザーにベントインすると、巨大な水牛をモチーフとしたモンスター「マグナギガ」を呼び出し、腰部にあるスロットにマグナバイザーをセットする。
「こういうゴチャゴチャした戦いは好きじゃない。終わらせてもらう」
ゾルダはそう言い放つと、引き金を引く。
ズガガガガガガガガ!
マグナギガの脚部、頭部、両腕、胸部から凄まじい量の弾丸やビームが放たれた。ゾルダの必殺技「エンドオブワールド」である。
「うおぉい、生徒会長!あぶねぇって!」
ライアは必死に逃げ惑う。
数はそこまで多くなかったのであっという間に一掃できたが・・・
「オラァ!」「フンッ!」
ガキッ!ガスッ!
「ぐあっ!」「うっ!」
突如、背後から奇襲を受ける2人。そこには
「邪魔しないでよ。世界一楽しいゲームなんだからさ」
「今度は確実に抹殺します」
「げっ!シザース!?」「新しい・・・仮面ライダー?」
シザースと、鈍銀色のいかにも重厚そうな鎧を身に纏った仮面ライダーがいた。
「そ。オレは仮面ライダーガイ。金ピカさんからゲームの参加資格、貰っちゃったんで」
「ゲームの参加資格?」
「こ~れ」
「仮面ライダーガイ」はVバックルに装填されたデッキをポンポンと叩く。
「そういうわけで、ゲームの内容はお宅らの抹殺。さっきまで、お宅ら弱そうだと思ってたけど、意外と強そうだし楽しめそうだね!」
そのとき隠れていた祐一が突然、ガイとシザースの前に躍り出た
「ガイ!おれ達はゲームをしているつもりは微塵も無い!おれ達は人を守るために戦ってるんだ!」
「へぇ~人を守るねぇ・・・。確かにそれもゲームとしたら面白そうだけど、オレには向かないね。達成率100%なんて絶対無理だし?」
「きさまっ!」
ゾルダは怒り、ギガキャノンをガイに向ける。
「あぁ、それ無駄」
<CONFINE VENT>
ガイは左肩に装備された召還機「メタルバイザー」にアドベントカードをベントインする。
「なに!?」
すると、ギガキャノンが一瞬にして消え去る。
「いいでしょ、このカード。やっぱゲームの攻略は快適に進むためのアイテムがないと。あ、お宅らが詰まらなさ過ぎたらアウトだけどね」
<STRIKE VENT><STRIKE VENT>
「ウラァ!」
ガッ!
「うあっ!」
ガイは「メタルホーン」を、シザースは「シザースピンチ」を呼び出すと、祐一を突き飛ばし、ライアとゾルダに駆け出した。
次回!
おまえがシザースだったのか!?
では貴方は、この私に手を組んでほしいというわけですね?
ライダーの敵はライダーってことを忘れんな!
あいつは!?
これで本当のゲームオーバーだ
第11話「呼び合う戦士」
いかがだったでしょうか?
少し、早足になっているような気がするんですが、とにかく急いでライダーたちを出さなきゃいけないのでお許しください。
ちなみに今回、竜也たちが見に行った映画のワンシーン、何のシーンだか分かります(ポスターは実際のものと全く違いますが)?
ホラー系ってことで、ちょっぴりアレンジ(?)して使ってみました。
次回はまたしても新たなライダーが現れます。あと、ガイやシザースの正体もバラそうと思っています。あと、学校での話題が多いので、竜也とあゆの出番は少ないです(今回もですが)。
ではまた・・・。
キャスト
龍崎竜也=仮面ライダー龍騎
月宮あゆ
相沢祐一=仮面ライダーナイト
川澄舞=仮面ライダーファム
北川潤=仮面ライダーライア
美坂香里
美坂栞
久瀬シュウイチ=仮面ライダーゾルダ
倉田佐祐理
水瀬名雪
須藤マサキ=仮面ライダーシザース
芝浦シュン
???=仮面ライダーガイ