仮面ライダー龍騎 ~EPISODE Kanon~ 作:龍騎鯖威武
「そんなことがあったのか・・・」
近くのベンチで、美汐と話を終えた竜也。彼女はミツルの過去、真琴との関係などを伝えた。
「すべて、真琴から聞いた話です。そして、真琴はミツルさんから聞いたと言っていました」
「真琴ちゃんは今・・・」
竜也が真琴の消息を聞こうとしたそのとき
「真琴・・・」
「この娘が?」
竜也たちの前に真琴が歩み寄ってきた。
「あうぅ・・・」
必死に喋りかけようとする真琴だが、言葉が出ない。
「真琴は一度、記憶を無くしましたが、しばらくして戻りました。そのときに、ミツルさんの話を聞きました。しかし、それから程無くして、記憶を残して、再びこういう状態に・・・」
「そんな・・・」
真琴は竜也の前にやってくる。そしてしゃがみこみ、地面を指でなぞる。
すこし、字が歪んでいたが、こう書いてあった。
‘’みつるたすけて’’
「真琴ちゃん・・・」
「たぶん、真琴には分かっているんです。ミツルさんが、今、どんな状態なのかを・・・」
ミツルに対する想いはまだ消えてなかった。言葉が出せず、人との交流も困難になっていても、その気持ちだけを強く残していた。
「竜也さん、お願いします。真琴を、ミツルさんを・・・救っては頂けないでしょうか?2人がこのままなんて・・・そんな酷なことは無いでしょう?」
「絶対にやってみせるよ。真琴ちゃんの気持ちだって、ミツルに伝えなきゃいけない。それにミツルは、おれの大切な友達だから」
竜也は大きく頷く。今は恨まれているとしても、きっと伝わる。
斉藤ミツルという人間が、根本から変わってしまわない限り。
「真琴ちゃん、一緒に来てくれないかな?ミツルのところへ」
竜也に向かって、少しだけ微笑んで頷く真琴。肯定の意だろう。
「えっと・・・」
「申し遅れました。わたしは天野美汐といいます」
「じゃあ、美汐ちゃん。真琴ちゃんをちょっと借りるね。話を聞かせてくれてありがとう!」
竜也は美汐に礼を言い、真琴と共に、ミツルのもとへと向かった。
彼を救うために。
「頑張ってください・・・」
美汐はそう心から願って、帰路に着いた。
ミツルのもとに向かう竜也たちの前に、一人の男が現れる。
見た目は紳士というものを体現したかのような、壮年の男性だった
「おい、ガキ。その小娘をこっちに渡せ」
しかし、口から出る言葉は対照的であった。
竜也は真琴を庇うようにして、立つ。そして、真琴は怯えながら、竜也の後ろに隠れる。
「おまえは誰だ!」
「斉藤ミツルと、その小娘が会ってしまえば、面倒なことになる。奴がオマエ達を狙うことを、やめる危険性があるからな」
そういって、男は懐からあるものを取り出す。
それは・・・
「そのデッキは・・・おまえがベルデだったのか!?」
そう、この男は高見沢イツキ。
幾度となく竜也たちの妨害をしてきた、仮面ライダーベルデの正体だ。
「変身!」
高見沢は、ベルデに姿を変える。
そのころ鎌田は、ついに行動を開始した。
「いい加減、あの女の下で働くことは、我慢ならん。今日で終わらせる!」
彼が指示すると、アビスラッシャーとアビスハンマーが現れる。
「シャアアアアアァ!」
「水瀬秋子を殺せ。もう、記事になるようなことをしても構わん!」
アビスラッシャーたちは鎌田の指示通り、標的の抹殺のために駆け出す。
サトルは呆然と、その場に立ち尽くしていた。
「僕は・・・英雄にならなくてもいいの?」
英雄・・・。
自分が非力である故に、孤独だと思っていた故に、力を持ち、人々から名声を得られる存在に憧れていた。
だが、今の自分は非力ではない。今は仮面ライダーという、使い方によっては悪にも正義にも力を発揮できる存在。
そして・・・孤独でもなくなったのか?
「英雄を捨てたら・・・僕は・・・」
英雄に憧れ続けた自分が、英雄への願望を捨ててしまったら、どうなるのか。
キィィン・・・キィィン・・・
「!?」
サトルは自然と、モンスターの反応をするほうへ向かう。
長い間、仮面ライダーであったが故の性なのか。
いや…。
ベルデ対龍騎。
いつもなら上手く戦えるのだが、今回はそうもいかない。
真琴が離れてくれないのだ。
「真琴ちゃん、危ないから離れて!」
龍騎が必死に叫ぶが、真琴は首を振り、腕にしがみつく。おそらく、怖いのだろう。
仕方がない。目の前には、とんでもなく強大な力を持つ存在がいるのだから。
「どうすれば・・・!」
「おれにまかせろ!」
<ADVENT>
「シュウウウゥ!」
突如、バイザー音声が響き渡り、エビルダイバーが姿を現した。
ズガァ!
「グオアァ!?」
ベルデは対処できずに、エビルダイバーの体当たりを受けた。
そして、龍騎の後ろからライアが現れる。
「潤、けがは!?」
「なぁに、もうピンピンしてるさ」
ライアは龍騎の肩に手を置く。
「よくわからないけど、野暮用があるんだろ?早く行って来いよ」
正直、復帰したばかりのライアを放っておきたくはないが、今回ばかりは彼の言葉に甘えることにした。
「ごめん、潤。すぐ戻ってくる。それまで耐えててくれ!」
龍騎はそう言い残すと変身を解き、真琴を連れて、走り出した。
だが…
「ま、真琴ちゃん!?」
なんと、真琴は竜也の手を突然振り払い、どこかへ走り去った。
すぐさま、竜也も後を追う。
「さぁて、黄緑カメレオン。この仮面ライダーライア様が相手だぜ?」
「フン、ライダーの名前で名乗ることは共感できる。人間はみんなライダーだからなァ!」
名雪は、自分の家に帰りついた。
家には秋子と祐一がいる。
だが、その背後から2体のモンスターが迫っている。
後ろから聞こえる唸り声に振り向いて、ようやく気付く。
「きゃあっ!」
「やっぱり来たか!」
ドッ!
「グギィ!?」「ガァ!?」
突然、扉が勢いよく開かれ、祐一が飛び出し、アビスラッシャーとアビスハンマーに体当たりをお見舞いする。
「祐一!」
「はじめて見たときから、こいつは秋子さんを狙っていた。ちょっとドロドロした話だが、秋子さんを狙うとしたら、編集長の座を狙っている奴だ。そんな奴は一人しかいない。だろ、鎌田?」
祐一の言葉で、近くの塀の裏から、鎌田が現れる。
「よく気づきましたね。ですが、それでお終いです。病み上がりでは、私に勝つことは不可能。この場で私が、死刑を申し渡す!」
「名雪、下がってろ!」
祐一は名雪を離れた場所にやり、鎌田と同時にデッキを取り出す。
「「変身!」」
2人はナイトとアビスに変身する。
一方、竜也はあゆと合流した。
「竜也くん!ミツルさんのことで話したいことがあるんだよ!」
「えっ…」
あゆは、竜也と共にミツルと真琴を探しながら、ミツルから聞いたことを話した。
話を聞いているうちに、2人はミツルと真琴の思い出の場所、ものみの丘にたどり着いた。
「うぐぅ…本当は、しゃべるなって言われたんだけど…でも、そうしないと…」
「ありがとう、あゆ。ミツルはいろんな人から見捨てられたと思っている…おれに対する恨みはともかく、真琴ちゃんのことは、教えてあげないと…」
「やはり喋ったか…」
後ろからミツルが現れる。とっさにあゆは竜也の後ろに隠れる。
「きさま…お喋りが過ぎたな…。竜也、ここまで知られたら、もう後には引けない。ここで決着をつけるぞ!」
「おれや真琴ちゃんに復讐して、それからどうするんだよ?」
「なに…?」
竜也の言葉に首を傾げるミツル。
「復讐しようとしている間は良いかもしれない。でも、果たしてしまったら、ミツルはどうする?」
「…」
ミツルはそこではじめて気づいた。
復讐を糧にしている自分は、それが終わってしまえばどうなるのか?
だが…。
「もう遅いんだよ…。ここまで復讐に囚われた今、この感情を捨ててしまえば…」
「あう…」
途中で喋ることをやめた。
目の前に、復讐の対象としつつも、逢いたいと望んだ人が現れたのだ。
「ま…こと…?」
あゆは、真琴を見るのは初めて。ミツルの話よりもずっと弱々しく、大人しかった。
「あの娘が、真琴ちゃん?」
「あうぅ…」
真琴はゆっくりだが、確実にミツルに近づく。
ミツルは、はっとして真琴を睨みつける
「やっと現れたな…!おれを忘れ、復讐鬼にさせた最後のきっかけ…おまえも復讐の対象だ!」
ミツルは真琴に向かって、走り寄る。
「もうやめろよミツル…」
竜也の悲しそうな言葉で、ミツルは止まる。
「真琴ちゃんに会いたかったんじゃないのか?大切な人なんだよ…?」
「黙れ!復讐がおれの糧だ!第一、そいつはおれのことを忘れたんだよ!」
ミツルは頭を抱えて叫ぶ。
「ミ…ツル…」
真琴の消え入りそうな言葉で、ミツルは目を見開く。
「真琴…!?」
彼女が、ミツルの名前をたどたどしいが呼んだ。もう覚えていないはずなのに…。
一歩ずつ近づいていく真琴。
「来るな!これ以上来ると…」
ミツルは怯えるようにデッキを翳す。
「変身っ!」
インペラーに姿を変え、両手を広げる。
「どうだ、見ろ!もう、おまえの知っている「ミツル」は死んだ!ここにいるのは、復讐に囚われた「仮面ライダーインペラー」だけ…!」
そんなことにも構わず、真琴はインペラーを抱きしめる。
「ミツ…ルぅ…」
「どうしてだ…!なぜ、今更!?」
「真琴ちゃんは、記憶を取り戻したけど、言葉が話せないんだ。それでも、ミツルの事だけは今でも想っている!だから力を振り絞って、ミツルって言葉だけは話してる…。真琴ちゃんが「がんばれ」しかつたえなかったのは、それしか伝えられなかったからだ!」
竜也の言葉を聞いているうちに、インペラーは変身を解いた。
「この娘がおれになんて言ったかわかるか?みつるたすけて…だって。言葉で言えないから…文字で書いて…」
「黙れ、うるさい、喋るな!ここで、真琴を受け入れてしまえば、おれは今までの自分を否定することになる!それは…おれ自身の放棄だああああああああぁ!」
ミツルは獣のように叫び、真琴と竜也に蹴りかかる。
「どうしてだぁっ!」
ドガァッ!
竜也はミツルを殴った。ミツルは地面に倒れる。
彼は、悪のライダー以外の人間には絶対に暴力を振るわない主義だ。それが、自分の大切な友人を殴った。
初めての事だった。
「竜也くん!?」
「竜也…」
「ここまで想ってる真琴ちゃんの気持ちを、どうして理解できないんだよ!?」
竜也は走り去った。
あゆは倒れているミツルに語りかける。
「黙ってろって言ってたのに、話してごめんね…。でも、真琴ちゃんも、竜也くんもミツルさんのことを信じてるって言ったよね?…ボク、何も言える立場じゃないけど、ミツルさんは、今でも優しい人だって思うよ…真琴ちゃんに復讐するって言ってたのに、その真琴ちゃんとの思い出の場所で、ずっと暮らしてたもん」
そう言って、あゆは竜也の後を追った。
取り残された2人。真琴は、ミツルのそばに寄り添う。
「ミツ…ル…」
「真琴…」
真琴は、近くの花を摘む。そして…。
「あう…」
花で作った冠をミツルの頭にかぶせる。
「…すまなかったな、真琴。竜也からの一撃と、おまえのおかげで、やっと目が覚めた」
ミツルは、真琴の頭をそっとなでる。真琴は嬉しそうに、そしてどこか恥ずかしそうにする。
「復讐なんて意味がなかった。おれの周りには、こんなにあたたかい人がいたのにな…。あいつにデカい借りができた。返してやらないとな」
ミツルは立ち上がる。
「来てくれ、真琴」
アビスとナイト。
アビスが圧倒的に勝っている。もともとアビスの能力が高いうえに、病み上がりのナイトでは戦うことは困難だ。
<STRIKE VENT>
「ハアァ!」
ザザァ!
「うわあああぁ!」
アビスクローから飛び出す、アビスマッシュの前に為す術もなく倒れるナイト。
「祐一!」
名雪がナイトを抱き起す。
「終わりです」
<FINAL VENT>
アビスの契約モンスターが合体して、アビソドンが現れる。
アビソドンの作り出した津波に乗り「アビスダイブ」の準備に入る。
広範囲の攻撃故に、今のナイトと名雪では回避することは困難…いや、不可能だろう。
しかし、
<FREEZE VENT>
「何!?」
バイザー音声と共に、アビソドンの動きが止まる。津波も消え去り、アビスは地面に叩き付けられる。
「なゆちゃん、祐一君、大丈夫!?」
現れたのはタイガだ。
「サトちゃん!」「虎水!?」
タイガは、アビスを見据えながら、名雪とナイトに語りかける。
「僕にとって、英雄なんて本当はどうでも良かったんだ!なゆちゃんに好きになってもらいたかったんだ!だから、みんなから好かれるような、英雄になろうとした。なゆちゃんが望むなら、僕は英雄を捨てる。本当に大切なのは、なゆちゃんだから!」
「サトちゃん…!」
今のタイガの仮面の奥にある瞳には、確かな光が宿っていた。
「おのれェ…タイガアァ!」
アビスは雄叫びをあげ、タイガに襲い掛かる。
<STRIKE VENT>
「はああぁ!」
タイガは、巨大な爪型の武器「デストクロー」を両腕に装備する。
アビスの攻撃をデストクローの手甲部分で防ぎ、渾身の力を込め、爪の部分で切り裂く。
「でぇやあああぁ!」
ズバァ!
「グワアアアアァ!」
さすがに強力な一撃であった。アビスはもんどりうって転がる。
<FINAL VENT>
「ガルルルルルルゥ!」
タイガがデストクローを捨て去り、ベントインすると同時に、虎型モンスターの「デストワイルダー」が現れる。
「うおおおおあああぁ…!」
タイガの両腕から冷気があふれ出す。
「グルルゥ!」
ザァッ!
「グオォ!」
デストワイルダーは自慢の爪でアビスを切り裂く。
「でぇああああああぁ!」
ドガアアアアァ!
グロッキーになったアビスに、冷気を込めた拳を突き出した。
タイガの必殺技「クリスタルブレイク」である。
小規模の爆発の後、変身が解け、気を失った鎌田と、アビスのカードデッキがあった。
「なゆちゃん、今までごめんね。もう大丈夫だから」
名雪はタイガを強く抱きしめた。
「わたしも、ごめんなさい…。サトちゃんを傷つけちゃって…」
泣いてはいるが、精一杯笑いかけている名雪を、タイガは優しく抱き返す。
「もういいよ。祐一君、なゆちゃんをお願い。僕にはもう一つやらなきゃいけないことがあるから」
竜也はあらかじめ龍騎に変身し、あゆと共にライアとベルデのいる場所にたどり着く。
「潤、遅くなった!」「潤くん、無事!?」
「セーフだぜ、竜也。ベルデは強力だ…いや、大したことないな。今日はおれとおまえでダブルライダーだからな!」
ライアは、冗談交じりに言う。
「ダブルライダーか…。良い響きだ!」
龍騎はすぐに共感し、ライアと共にベルデを見据える。
「ならば、こちらもダブルライダーと行こうか?」
「ウオォォ!」
ベルデが手を振り上げると、突如、王蛇が奇襲をかけてきた。
「うわっ!?」「あぶねっ!」
「何をやっている…。オレも仲間に入れろォ!」
王蛇は戦える喜びに打ち震えながら、龍騎とライアに殴りかかる。
「こいつが王蛇か!?」
「あぁ、気を付けて。こいつは今までの、どのライダーよりも強い!」
説明している隙に、ベルデはアドベントカードをベントインする。
<COPY VENT>
ベルデは龍騎に姿を変えた(以下、C龍騎)。
「うお、どうなってんだ!?」
「龍騎の力、使わせてもらおうか!」
C龍騎は、ライアに殴りかかる。能力はオリジナルの龍騎とほぼ互角。
それにベルデの力が上乗せしているため、さらに強力である。
ガスッ!
「がはっ!」
「潤!」
「龍騎ィ!」
ライアの身を案じた龍騎だが、間髪入れずに王蛇が襲い掛かる。
「くそっ、王蛇!おとなしく、刑務所に戻れ!」
「戻るかよ、あんな最高にイラつく場所にはなぁ!」
<SWORD VENT><SWORD VENT>
王蛇がベノサーベルを呼び出すと、龍騎もドラグセイバーを呼び出す。
「オオォラァ!」「はあぁっ!」
ガキィン!ガァン!
2人は巧みに武器を操り、ほぼ互角と言っていいほどの戦況だった。
しかし
<STRIKE VENT>
「なに!?」
「ウラァ!」
ドガッ!
「ぐあああぁ!」
王蛇はメタルホーンを呼び出して、龍騎の腹部に攻撃を仕掛けた。
突然のこと故に、龍騎は対応ができなかった。
「それは…ガイのメタルホーン…!?」
「あぁ、メタルゲラスの力を使ってるんだよ。いいぜ、イライラがすっかり消えた…」
王蛇は首を捻る。
絶体絶命…。
C龍騎とライアでは実力の差が大きく、王蛇は2体の契約モンスターがいる。いくら龍騎でも能力に差が出てしまう。
王蛇は2枚のアドベントカードを引く。それはベノスネーカーのファイナルベントと、メタルゲラスのファイナルベントだ。それを龍騎に見せつける。
「2枚あるぜ。どっちが好みだ?」
「こんなところで…負けられないのに…!」
王蛇は鼻で笑い、ベノスネーカーのファイナルベントをベノバイザーに挿入しようとする。
そのとき、
「「変身っ!」」
どこからか、声が聞こえ、龍騎達は辺りを見回す。
「せぇあぁ!」「たあぁ!」
ドゴッ!ガスッ!
そして、現れたインペラーが王蛇に蹴りをかまし、タイガがベルデを殴り飛ばす。
インペラーは真琴を抱きかかえている。
「チィ…!」「貴様等…!」
「ミツル、サトル!」「おまえら…!」「来てくれたんだね!」
インペラーは龍騎に手を貸す。
「立て。おまえに借りを返さなきゃならない」「僕達も、みんなと一緒に戦う!」
「わかってくれたんだ…!」「へっ、焦らせやがって…。待ちくたびれたよ!」
龍騎はインペラーの手を借りて立ち上がる。タイガも、ライアが立ち上がることを手伝う。
そして、真琴はインペラーから降りる
「見てろよ真琴。これがおれなりのケジメだ!ここで、本当の意味で過去と決別する!」
「オォ…。うまそうな獲物がわんさか出てきたぜ!」
王蛇は新たな敵の出現にも、さらに歓喜の声を上げ、龍騎とインペラーに襲い掛かる。
「ミツル、いくよ!」「おまえが仕切るな!」
インペラーは拒絶しながらも、龍騎と共に王蛇に立ち向かう。
が…。
またしても、銀色のオーロラが現れ、王蛇を包み込む。
「おい、もっと遊ばせろ!」
王蛇はオーロラの中で訴えかけるが、その意思を無視し、オーロラは王蛇と共に消え去る。
「また逃げた…!」
悔しそうに地団太を踏む龍騎。
そして、インペラーは。
「おい、そこのピンクライダー」
「なっ!?おれはライアだ!」
ムキになるライアを軽くあしらうインペラー。
「どっちでも良い。ここはおれとサトルにやらせろ。いいな、竜也?」
「ったく…わかったよ」「…頼む!」
ライアはぶつぶつ言いながらも、龍騎と共に下がる。
C龍騎の前にタイガとインペラーが立つ。
「サトル、英雄を捨てるつもりか?」「ミツル君こそ、復讐はいいの?」
2人は皮肉を言い合いながらも、仮面の中で軽く笑い、共に構えを取る。
「図に乗るなァ!」
C龍騎は怒りの叫びをあげ、タイガとインペラーに走り寄る。
「確かに龍騎だが…竜也の龍騎には足元にも及ばんな。てぇあぁ!」
ガスッ!
インペラーは嘲笑し、C龍騎の攻撃を避け、上段蹴りを決める。
その拍子に、コピーベントの効力がきれた。
「おのれェ…!」
「人のマネごとをしてるようなら、僕とミツル君には勝てないよ?」
「舐めるな!」
「グウウウゥ!」
ベルデの言葉で、シアゴーストたちが現れる。その数は相当だ。
とっさに構える龍騎とライアだが
「おれたちにやらせろと言った筈だ!」
<FINAL VENT>
「ギギィ!」「ギィィ!」
インペラーがベントインする。すると、辺りからガゼール系のモンスターが大量に現れる。
全てのシアゴーストは、ガゼールたちによって行く手を阻まれる。それでも、ガゼール達は数に余裕がある。
「はあああああぁ…せいっ!」
インペラーは合気道のような構えを取り、ベルデに向かってキックの体勢をとる。
「ギイイイイィ!」
ガッ!ガキィ!ガスッ!
「グフッ!ゴアァ!グゥア!」
残ったガゼール達はベルデに向かって、持っている武器や腕に着いている刃で攻撃しながら、駆け抜ける。
そして、最後にインペラーが龍騎と同じ様な、ライダーキックの体勢を取る。
「ああああああぁっ!てぇあぁ!」
ドガァ!
「グアアアアアアアァ!」
インペラーの必殺技「ドライブディバイダー」が炸裂し、ベルデは変身が解けた。
爆発が起こらなかったのは、インペラーがパワーを最小限に抑えたからだ。
残りのライダーたちも変身を解く。
「こいつ、高見沢グループの社長さんじゃないか!」
高見沢のことを兼ねてより知っていた潤は、かなり驚いた。
「とりあえず、こいつを運んでくれないかな。あゆとサトルもお願い」
竜也は2人に頼む。おそらく、ミツル達と話がしたいのだろう。
「はいはい」「わかった」「うん、ボクたちにまかせて」
2人はそれが分かったのだろう。素直に応じる。
あゆたちが離れた後、程無くして美汐が現れた。
「あうぅ…」
真琴はゆっくりと歩み寄るが、美汐はそれを手で制する。
「ミツルさんに、真琴の思いは届きました。わたしの役目は終わりです」
「美汐ちゃん…」
「真琴には、誰よりも大切にしてくれる人が帰ってきてくれました。今は、その人にたくさん甘えてくださいね。でも、これでお別れではありません。困った時はいつでも助けにきます。真琴はわたしの友達ですから。ミツルさん、真琴をよろしくお願いしますね」
「…わかった」
美汐はほんの少しだけ笑うと、歩き去って行った。
「あ…」
真琴は追いかけようとするが、ミツルが真琴の腕をつかむ。
「行くな真琴。もうどこにも行くな…」
「ミ…ツル…」
真琴はミツルの顔を見ると、ミツルに抱き着いた。
「竜也、感謝する。おれもおまえと共に戦おう。これ位しないと、この借りは返せそうもないしな」
ミツルは、竜也に向かって笑いかける。
久しぶりの笑顔だった。
続く…。
次回!
…2人ものライダーが消えたか
竜也、わたし達を鍛えさせて…
じゃあ、真司さんから学んだことを教えるね
あいつは…!
我が名はオーディン。13番目の仮面ライダー…!
第21話「金色の不死鳥」
キャスト
龍崎竜也=仮面ライダー龍騎
月宮あゆ
相沢祐一=仮面ライダーナイト
北川潤=仮面ライダーライア
水瀬名雪
沢渡真琴
天野美汐
虎水サトル=仮面ライダータイガ
斉藤ミツル=仮面ライダーインペラー
高見沢イツキ=仮面ライダーベルデ
鎌田マサト=仮面ライダーアビス
浅倉タカシ=仮面ライダー王蛇