仮面ライダー龍騎 ~EPISODE Kanon~ 作:龍騎鯖威武
ここは別の世界。
少しだけ廃れかけた事務所「鳴海探偵事務所」で、一人の青年がコーヒーを飲みながら、思いに耽っている。
(ここ最近は、至る所に残されたガイアメモリの事件もようやく落ち着きつつある。ただ…俺の心は何処か落ちつかない。まるで、新たな危機を知らせているようだ…)
この青年は「左翔太郎」。爽やかな風が吹く街「風都」を「仮面ライダーW」として守り続けている、心優しいハードボイルド(?)である。
突如、事務所内にオーロラが現れる。
「士?」
その中から現れたのは士。かつて幾度か共に戦った、良き戦友である。ちなみに、以前は仮面ライダーの名であるW、ディケイドと呼び合っていたが、今は絆を深め、本当の名前で呼び合っている。
「翔太郎、依頼だ。フィリップ、竜と一緒に力を貸してくれ。別の世界で俺たちじゃ手に負えない戦いが起こっている」
ここはまた別の世界。
一人の奇抜な髪型の青年…正確には腕のみの怪人「アンク」が憑依している故に奇抜な髪形になっている「泉信吾」が一人の戦士「仮面ライダーオーズ」の戦いを見届けている。ここでは主人格であるアンクと呼ぼう。
「映司、これでいけ!」
アンクは3枚の灰色のメダルをオーズに投げて渡す。
「分かった!」
オーズタトバCは、オーズドライバーにメダルを差し替え、サイドバックルにあるオースキャナーでスキャンする。
<サイ ゴリラ ゾウ サゴーゾ…サゴーゾ!>
スキャンすると、オーズタトバCは、頭部にサイ、胸部と腕にゴリラ、脚部にゾウの力を兼ね備えた「仮面ライダーオーズサゴーゾコンボ」へとコンボチェンジする。
「うおおおおおおおおおぉ!」
ドゴオオオオオ!
雄叫びをあげながら、目の前の怪人「バッファローヤミー」に向けてゴリバゴーンを発射する。その威力は強烈で、バッファローヤミーは爆発した。
その中から出てきたセルメダル。それを拾い上げる者がいた。
「士…」
「ちっ、メダル泥棒の仲間か」
「手を貸してくれ、映司。お前に手を伸ばして欲しい世界がある」
「映司、余計なことには手を出すな!別の世界ってことは、儲かるメダルはゼロって事だ!」
拾い上げたのは士。突然の協力の依頼にアンクは憤慨する。
彼らは一度面識があった。と言うのも、竜也たちの居る世界の前に訪れた世界は、この世界である。
しかし、オーズサゴーゾCは協力的だ。
「いや、俺は戦うよ。もっと手は届きそうだし!」
そして、この物語の舞台となる世界に戻る。
「それで…この人たちが?」
光写真館の中に居る竜也たちの目線の先には、6人の青年がいた。
左翔太郎とその相棒であり、脳内に「地球の本棚」と呼ばれる地球の全ての記憶が入っている少年「フィリップ」。2人で仮面ライダーWへと変身する。そして戦友の一人「仮面ライダーアクセル」である「照井竜」。
「ここが龍騎の世界…興味深い、ゾクゾクするねぇ…」
「おいフィリップ、いつもの検索バカになるなよ。悪いな、竜也…だっけか?探偵の左翔太郎だ、こっちは相棒のフィリップ。ハードボイルドに何でも解決するぜ?」
「風都署警視、照井竜。仮面ライダーアクセルだ」
さらに仮面ライダーオーズである「火野映司」と、彼に力を貸しているアンク、さらに「仮面ライダーバース」である「後藤慎太郎」。
「君が竜也君だね。俺は火野映司、仮面ライダーオーズ。いっしょに頑張って戦おう!」
「仮面ライダーバース、後藤慎太郎だ。俺も世界を守るために協力する」
『Wの世界』と『オーズの世界』の仮面ライダーがここに集まった。
実際に戦った姿を見たことはないのだが、かなり頼りになる雰囲気である。
潤も答える。
「別の世界から、わざわざありがとな。よろしく頼むぜ!」
あゆも驚きを隠せない。士にはこんなにも大勢の仲間がいたのか。
「すごいよ!これだけたくさんの人が一緒に戦ったら…」
「確かに…。これなら、オーディンに勝てるかも…」
竜也の仮定の言葉ですぐに乗り気になるサトル。
「なら、今すぐにでも行こう!あっちは3人で、こっちは16人だよ!」
「思い立ったらすぐ行動か。確かに今なら可能性はある」
「15人だ。翔太郎とフィリップは2人で1人の仮面ライダーだからな」
士が祐一とサトルに説明していることをよそに、ミツルは少し思いとどまる。
「待て、考えてみろ。確かにこっちは大勢いるが、敵の仮面ライダーは3人とも強敵。特にオーディンはおれ達7人を同時に圧倒した、それも何の苦も無くだ。16人で勝てる確証は無い」
「わたしもそう思う…」
「僕も同感だ」
ミツルに賛同するのは、舞と久瀬。潤、サトル、祐一は勝利の可能性があると感じている。
士たちも同様、映司や翔太郎たちは、敵を実際に見たことはないが、戦うつもりではある。残る竜也だが…。
「危険かもしれないけど、もしこれで勝てるなら…。真司さんが言ってた。可能性は、諦めた時点で不可能になる。おれは戦ってみる価値はあると思う」
竜也の考えで戦うことが決まった。
久瀬は佐祐理の方を向く。
「倉田さん、いってきます」
「はい、佐祐理達は信じて待ってます」
佐祐理は正直、心配なのだが、彼らに精一杯の笑顔で送っていきたかった。
サトルは名雪の手をとって真剣な表情で話す。
「なゆちゃん。僕、がんばるから待ってて」
「うん。ふぁいと、だよ」
名雪は両手をグッと握って、可愛らしくガッツポーズを取る。
ミツルは、真琴の頭を優しく撫で、少しだけ微笑む。
「真琴、あゆたちの言うことを聞いて、良い子で待ってろよ。帰ってきたら、また一緒に遊ぼうな」
「あ…う…」
真琴は頷く。彼女に出来る唯一の反応だ。
潤は、香里の肩に手を置く。
「香里!帰ってきたら、デートでもしないか?」
「いいわ。なら、ちゃんと元気に戻ってきなさいよ」
「北川さん、気をつけてくださいね…」
美坂姉妹は潤の無事を祈った。
竜也はあゆに少しだけ申し訳なさそうに言う。
「あゆ、心配させてることは分かってる。でも…」
「大丈夫。ボクは竜也くんの…ううん、ボクたちの家で待ってる」
「ありがとう。帰りにたい焼き買ってくるよ。楽しみにしててね」
彼らは、自分たちの大切な人たちにそれぞれ言葉を告げ、オーディンとの戦いに赴く。
「いってらっしゃい」
家主である栄次郎は、優しく彼らを見送った。
「おのれディケイド…!別の世界のライダーを呼ぶとは…」
オーロラの中で歯をギリギリと鳴らしながら憎らしそうに言う鳴滝。
「案ずるな、私が負けることは無い。こちらには3枚のサバイブがある」
オーディンがそういって見せ付けたものは、2枚の金色の翼が描かれたアドベントカード。左翼のカードには風、右翼には炎を思わせる背景がある。
それぞれ「SURVIVE ~烈火~」「SURVIVE ~疾風~」と呼ばれている。
残る1枚「SURVIVE ~無限~」は、既にオーディンが恒常的に使用しているため、この場には無い。
「だが烈火と疾風は君の複製したものだ。オリジナルと比べて出力は弱いのだろう?」
確かに、この2枚のサバイブはオーディンの複製。オリジナルのサバイブはこの2枚よりもさらに能力が高い。複製の能力が低いのは、オリジナルのデータが無いにもかかわらず、複製したことが原因だ。
「確かにそうだ。しかし、オリジナルは城戸真司が所持している。今、城戸真司がどうなっているか判っている筈だ。奇跡でも起こらない限り、今の龍騎と接触は出来ない。つまり、今の龍騎達にサバイブは使用できない。勝機はまだ此方にある」
仮面の奥で笑うオーディン。だが、その直後、笑みが消える。
実は、オーディンは契約モンスターである、不死鳥型モンスター「ゴルトフェニックス」の力を全く使わずに、もう1枚、サバイブを作っていた。彼はそれを「最後のサバイブ」と呼んでいる。
その力は、自らの持つ無限のサバイブとほぼ同等の力を持っていると、オーディンは推測している。
現在、そのカードは行方不明。
以前、オーディンが言っていた「不安要素」はこれなのだ。
もし、それが彼らの手に渡ったら…。
「龍騎達が行動を開始した。見せてやろう、無限のサバイブの力を…」
手がかりはなかったので、初めにオーディンと遭遇した採石場に足を運ぶ達也たち。
「いた…」
舞が指差す先には、オーディンが佇んでいる。両隣にはボスドラグーンと浅倉を従えていた。
「やはり、総当り戦か…」
「ハハハハ!こいつは最高だ!死ぬまで楽しもうぜ!?変身!」
「ヘン…シン…!」
浅倉とボスドラグーンはカードデッキを翳し、王蛇とリベレに変身を遂げる。
竜也たちもそれに続く。
<CYCLONE><JOKER><ACCEL>
「アンク、メダル!」
後藤は「バースドライバー」を装着、セルメダルを一枚リストバンドから外し、アンクは「オーズドライバー」を装着した映司に3枚のメダルを渡し、翔太郎とフィリップ、照井はガイアメモリとそれぞれ「ダブルドライバー」「アクセルドライバー」を装着し、変身準備に入る。
「変身!」
<KAMEN RIDE DECADE><KAMEN RIDE DIEND>
<CYCLONE JOKER><ACCEL>
<タカ トラ バッタ タ・ト・バ タトバ タ・ト・バ!>
この場にいるオーディンたちを除く、仮面ライダー全員が叫ぶと、竜也たちはデッキを装填し、龍騎、ナイト、ファム、ライア、ゾルダ、タイガ、インペラーに、士たちはディケイド、クウガMF、キバーラ、ディエンド、翔太郎とフィリップはベルトにガイアメモリを挿入し、士が変身した仮面ライダーWサイクロンジョーカー(以下WCJ)に変身する。その途端、フィリップの意識は無くなり倒れる。映司は同じく士が変身した仮面ライダーオーズタトバコンボへと変身(以下オーズタトバC)、後藤と変身の掛け声にかなりの溜めがあった照井は以前、大樹が呼び出した戦士と全く同じ、仮面ライダーアクセルと仮面ライダーバースに変身した。
15対3。
普通に考えれば、こちらが圧勝だが、果たして…。
「デェアアアアアアァ!」
真っ先に動き出したものは王蛇。ナイトとファムに襲い掛かる。
「浅倉…!お母さんの仇!」
「舞、気をつけろ!」
ファムは意気込んで、王蛇と真っ向からブランバイザーで攻撃する。ナイトもファムを気遣いながら戦う。
しかし、王蛇はナイトとファムの片足をすくって引き倒し、両足で押さえ込み
「ハハハハハハハハハ!」
ガッ!ガスッ!ガキィ!
「ぐぅっ!ぐあっ!」「あっ!くうっ!」
狂ったように笑いながら、王蛇はナイトとファムをサンドバックの如く殴り続ける。
その姿を仲間たちは黙っていない。すぐさまインペラーとタイガが援護に入る。
「たあああああぁ!」「せぇああああああぁ!」
ドガッ!ガゴォ!
「ウオォ!?」
地面を転がる王蛇はすぐさま立ち上がるが、ナイトたちを守るようにライアとゾルダが立ち塞がる。
「良いぜェ…。戦いは、こうでないとなァ!」
<SHOOT VENT><SWING VENT>
「相変わらず、戦いを楽しみにするなんて…」「絶対に止めてやる!」
ライアはエビルウイップを、ゾルダはギガランチャーを構え、攻撃を開始する。
ズダァン!
「クハハハハハハハ!」
やはり王蛇は、笑いながらギガランチャーの弾丸を避け続ける。
すぐさま、インペラーとタイガが攻撃に移るが、
<ADVENT>
「シャアアアアアアアァ!」
「うっ!?」「あぶない!」
ベノスネーカーを呼び出し、溶解液をインペラーたちに向かって吐き出させる。
とっさに避ける2人だが、
「ウォオラァ!」
ガッ!ドカッ!
「くっ…!」「うわぁっ!」
避ける拍子に出来た、一瞬の隙を突いて殴る。
その時、ライアが奇襲を仕掛ける。
「うおりゃああああぁ!」
<SWORD VENT>
「アァア!」
ドガァ!
「どあっ!?」
しかし、王蛇はべノサーベルを呼び出し、ライアの攻撃を避け、彼の鎧を切り裂く。
明らかに強くなっている…。
アドベントカードの使い方や戦闘技術が、今までの王蛇よりも数段、上回っていた。
「やれ」
「シャアアアアアアアァ!」
ベノスネーカーは、王蛇の指示を受け、ナイトとファムを長い身体で縛り上げる。
絞め落とすつもりだ。
ギチギチ…!
「うぁっ…!」「くうっ…!」
少しずつ、ナイトとファムの体力を奪っていく…。
「グウウウウウゥ…!」
<ADVENT>
リベレがドラグーンバイザーにベントインすると、オーロラが現れ、中から凄まじい数のシアゴースト、レイドラグーン、ハイドラグーンが現れる。
「アクセル。もう一度、力をあわせよう」「了解した」
<ENGINE STEAM>
アクセルはエンジンブレードにメモリを挿入し、超高温の蒸気を噴出させながらモンスターの群れに攻撃を開始する。
「ああああぁっ!」
<CUTTERWING DRILLARM>
一方のバースは、セルメダルを2枚挿入し、背部に「カッターウイング」右腕に「ドリルアーム」を装着する。
「はあっ!」
ザァン!ザァン!ズバァ!
カッターウイングを取り外してブーメランのように投げつつ、ドリルアームで遠隔操作し、モンスターたちを翻弄する。
ディエンド、クウガMF、キバーラも続く。
「年の功。経験豊富なおじさんに任せようかな」
<KAMEN RIDE GAOH>
<KAMEN RIDE ANOTHER AGITO>
ディエンドは生物的なフォルムの光と闇の戦士「アナザーアギト」と、体中にワニと牙の意匠を取り入れた時間を喰らう戦士「仮面ライダーガオウ」を呼び出す。
彼らはかなり年を重ねており、経験地は高い。
「俺は、唯一無二のアギトとなる…!」「いいぜ。全員、俺が喰ってやる」
両者、低い声で呟き、ガオウは腰の武装を組み立てた「ガオウガッシャー」を構え、アナザーアギトと共に、モンスター軍団に攻撃を仕掛けた。
「超変身!」
クウガMFは大勢を素早くいなせるクウガDFにフォームチェンジし、レイドラグーンの武器を奪い取り、ドラゴンロッドに変化させ、振り回しながら縦横無尽に攻撃する。
「はあぁっ!」
ザァン!
キバーラもキバーラサーベルを華麗に構え、迫ってくる相手をひらりとかわしながら、確実に一撃を決めていく。
リベレは、遠くからチャンスを覗うように、その様子を見ている。
残るは、龍騎、ディケイド、WCJ、オーズタトバC。
オーディンに立ち向かうつもりだ。
「4人で私に敵うか?」
「勝てる!みんなの力と気持ちを信じているから!」
オーディンの質問に強く返す龍騎。
城戸真司から龍騎を受け継いで、この街に来るまでは、たった一人で戦い続けていた。
だが、今はたくさんの仲間が一緒に戦ってくれる。傷つけたくないという気持ちもあるが、それ以上に仲間がいることは何よりも心強い。だからこそ信じている。
勝てると。
「お前が、この街を泣かせる諸悪の根源か。たとえ風都じゃなくても、街を泣かせる奴は容赦しねぇ…!」
WCJの翔太郎側の意識はオーディンに強い対抗心を燃やす。彼は自分の生まれ育った街風都を守り続けている。だからか、この街も風都のように守りたいという気持ちが強くなっている。フィリップ側の意識も同様だ。
「あなたがこの世界をどうしたいかなんて、俺は分からない。でも、竜也君の話を聞く限り、あなたが正しいとは思えない。だから、止める」
オーズタトバCも拳を握り締め、オーディンと改めて向き合う。
「アンク、タジャドルでいこう!」
「まったく…。なくすなよ」
遠くで見ていたアンクはオーズタトバCに促され、渋々、赤いメダルを2枚渡す。
「エクストリームで勝負だ。ディケイド」
「あぁ」
WCJのフィリップ側の意思を聞き入れたディケイドは、オーロラを呼び出す。
その中から、鳥の形をしたガイアメモリ「エクストリームメモリ」が現れ、意識を失っていたフィリップの肉体をデータ化し、吸収する。
これは、彼の肉体はデータで構築されていることにより、分解、再構築が可能である身体だからだ。
<タカ クジャク コンドル タージャードルー!>
<XTREME>
オーズタトバCは頭部にタカ、胸部と腕部にクジャク、脚部にコンドルの力を備えた「仮面ライダーオーズタジャドルコンボ」へとコンボチェンジする(以下オーズタジャドルC)。その後、WCJはエクストリームメモリを手にし、ダブルドライバーに挿入し、展開する。Wの姿は中央部分が「クリスタルサーバー」に覆われた「仮面ライダーWサイクロンジョーカーエクストリーム」に強化する(以下WCJX)。
「良いだろう、教えてやる。圧倒的な力でな」
オーディンの語気が強まる。おそらく、今までよりも力を発揮するつもりだ。
左手を翳すと、黄金の光に包まれ、大型の杖型召還機「ゴルトバイザー」が現れる。
アドベントカードを引き、ベントインを行う。
<<SWORD VENT>>
他のライダーよりも、エコーの効いた電子音声が流れると、オーディンは金色の羽に包まれ、両手にゴルトフェニックスの翼の一部を模した、黄金の双剣「ゴルトセイバー」が現れる。
「プリズムビッカー!」
<SWORD VENT><PRISM><KAMEN RIDE BLADE>
龍騎はドラグセイバーを呼び出し、ディケイドは別世界の仮面ライダー「仮面ライダーブレイド」とそっくりな「仮面ライダーディケイドブレイド」に変身する(以下Dブレイド) 。
WCJXは盾と剣が一体化したメモリの力を引き出す武器「プリズムビッカー」をクリスタルサーバーから取り出し、プリズムメモリを挿入、剣の部分「プリズムソード」を引き抜き、戦闘態勢に入る。
オーズタジャドルCもメダルの力を引き出す装備「タジャスピナー」と「メダジャリバー」を構える。タジャスピナーは炎を射出する能力があり、攻撃面にも優れているのだ。
「はああああああああぁ!」
ゴゴゴゴゴォ!
4人は一斉にオーディンに向かって駆ける。オーズタジャドルCは走り寄りながらタジャスピナーから炎を連射する。
しかし、その炎はオーディンに当たることは無かった。
姿が消えたのだ。
「消えた!?」
「みなさん、オーディンは瞬間移動をします。気をつ…」
「オマエだろう?」
ズザアアアア!
「がはあぁっ!」
突如、オーディンは龍騎の目の前に現れ、ゴルトセイバーで切り裂く。
龍騎の鎧は一瞬にして砕け、体中から火花が散っている。
「竜也!」「竜也君!?」
DブレイドとオーズタジャドルCは龍騎に駆け寄り、オーディンから庇うように立ち塞がる。
しかし、そこにはすでにオーディンはいない。
「ハアァッ!」
ゴオオオオオオオォ!
「うわあああああああぁ!」「ぐああああああぁ!」
オーズタジャドルCとDブレイドが凄まじい衝撃を感じ、吹き飛ばされる。
吹き飛ばされた力の方向を見ると、ゴルトセイバーを振り下ろしたオーディンがいる。先程の衝撃波は、ゴルトセイバーの斬撃の余波なのだ。
余波だけでも、これほどの威力。
残ったWCJXの翔太郎側の意識は、フィリップ側の意識に問いかける。
「フィリップ、敵の弱点を検索できるか!?」
「不可能だ!僕の脳内の本棚は『Wの世界』の事だけだ。『龍騎の世界』は何一つ検索できない!」
「くそっ!」
WCJXは本来、クリスタルサーバーを介して地球という膨大なデータベースにフィリップの意識が侵入し、相手の弱点を探ることが出来るが、それは『Wの世界』限定の話。
オーディンは『Wの世界』の住人ではなく、ましてやこの世界の住人でもない。
弱点の検索など不可能なのだ。
「話をしている余裕があるとはな」
WCJXがハッとして前を見ると、すでにオーディンが目の前。
ガキィ!ドガアアアアァ!
「うおあああああぁ!」
とっさに盾にあたる「ビッカーシールド」で防ぐが、なんとオーディンのゴルトセイバーはビッカーシールドを、まるで紙を破るように破壊した。
その衝撃で、WCJXは吹き飛ばされ、近くの岩に激突する。
「中核に当たるライダーが、4人掛かりでこの程度か。笑わせる」
オーディンは、地面に倒れ伏す4人を嘲笑すると、片腕を振り上げる。
すると、金色の羽が大量に降ってくる。
しかし…
ズザザザザザザ!
「うあああああああああぁ!」「きゃああああああぁ!」
「ぐおおおああああぁ!」「くああああああぁ!」
標的は龍騎達ではない。リベレや王蛇と戦っているナイト達だった。
その様子を、仮面の奥では絶望の表情で見つめる龍騎。
おれのせいだ…。
おれが、戦ってみようなんて言ったから…。
苦痛に耐えながら必死に立ち上がろうとする仲間たち。中には、変身が解けた者や完全に意識を失った者もいる。先ほどの猛攻でアナザーアギトとガオウも消滅してしまった。
「消えろォ…」
ベノスネーカーのファイナルベントをべノバイザーにベントインしようとするが、
「待て」
突如、オーディンが止める。彼は変身が解けた竜也を見ている。
舌打ちするが、渋々下がる王蛇。
「龍崎竜也、聞きたいことがある。城戸真司からサバイブのカードを受け取ったのか?」
竜也はふと気がついた。
サバイブの存在は烈火のサバイブと疾風サバイブの存在を知っている。たった一度だが、城戸真司が実際に使用したところも見た。
そのカードを使用した龍騎の名は…。
「仮面ライダー龍騎サバイブ」
仮面ライダー龍騎の最終形態。その名の通り「生き残る」ための力を限りなく引き出した姿だ。
城戸真司によると、疾風のサバイブはナイトが使用することによって、最終形態である「仮面ライダーナイトサバイブ」になると聞いた。
だが、竜也は城戸真司からサバイブのカードを受け取った記憶は無い。
「烈火や疾風のサバイブは持っていない…」
「違う、最後のサバイブだ」
オーディンの言葉に疑問を持つ。サバイブのカードは2枚だけではなかったのか?
「その様子だと知らないようだな。サバイブのカードは「烈火」「疾風」そして私が恒常的に使用している「無限」のオリジナル、私の作り出した「烈火」「疾風」の複製が2枚。そして、行方不明である最後の1枚。計6枚が存在している。内、複製した烈火と疾風は私の手元にある。…だが、オマエ達はどうやら所持していないらしいな。城戸真司から聞いていないところから、おそらく城戸真司も所持していない」
オーディンの言葉が真実とすると、彼は少なくともサバイブのカードを3枚持っている。
城戸真司がオリジナルの疾風と烈火を持っていたので、5枚の持ち主は判明した。
だが、最後の一枚…。
これに関しては、これが初耳だ。城戸真司からでさえ、教えてもらっていない。
「この世界のどこかにある。これが分かっただけでも十分な収穫だ。覚えておけ、オマエたちがサバイブを所持していない限り、私に勝ち目はない」
オーディンはオーロラを呼び出し、王蛇、リベレと共に消えていった。
「最後のサバイブ…」
竜也が考えていると…。
<BEAST><VIOLENCE>
音のする方向を見ると、オーロラがあり、そこから2本のガイアメモリが飛び出し、倒れていたシアゴースト2体に一本ずつ侵入する。
すると、シアゴーストは別の姿になった。
野獣の記憶を封じ込めた「ビーストドーパント」と暴力の記憶を封じ込めた「バイオレンスドーパント」だ。彼らはいずれも『Wの世界』の怪人。
そして、さらに別のオーロラから2体の怪人が現れる。
「サメヤミー」と「リクガメヤミー」だ。彼らは『オーズの世界』の怪人。
「ディケイド!お前がこの世界に残り続ければ、続けざまに怪人を送り込むぞ!」
オーロラから声が聞こえる。おそらく鳴滝。
激痛の走る身体を何とか動かし、元に戻ったディケイドとWCJX、オーズタジャドルCが立ち上がる。
「さっきは、あの偉そうな奴に見せ場を取られたが…今度はそうはいかないぜ?」
「いくぜ、フィリップ…!」
「あぁ、翔太郎。ゾクゾクするねぇ…」
「ここで負けられない。もっと、手は届くから…!」
3人の仮面ライダーは、不屈の意志で戦う…。
続く…
次回!
俺たちがいると、お前たちに負担をかける…
こいつは絶対に、大切な人、誰よりも尊敬する人の願いを守る!
最後のサバイブが、勝利の鍵…
キサマ…ハ?
通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!
第27話「世界の破壊者」
全てを破壊し、全てを繋げ…!
キャスト
龍崎竜也=仮面ライダー龍騎
月宮あゆ
相沢祐一=仮面ライダーナイト
川澄舞=仮面ライダーファム
北川潤=仮面ライダーライア
美坂香里
美坂栞
久瀬シュウイチ=仮面ライダーゾルダ
倉田佐祐理
水瀬名雪
沢渡真琴
虎水サトル=仮面ライダータイガ
斉藤ミツル=仮面ライダーインペラー
門矢士=仮面ライダーディケイド
火野映司=仮面ライダーオーズ
左翔太郎&フィリップ=仮面ライダーW
光夏海=仮面ライダーキバーラ
小野寺ユウスケ=仮面ライダークウガ
海東大樹=仮面ライダーディエンド
仮面ライダーガオウ
アナザーアギト
アンク/泉信吾
後藤慎太郎=仮面ライダーバース
照井竜=仮面ライダーアクセル
ボスドラグーン=仮面ライダーリベレ
浅倉タカシ=仮面ライダー王蛇
鳴滝
光栄次郎
仮面ライダーオーディン