仮面ライダー龍騎 ~EPISODE Kanon~ 作:龍騎鯖威武
辿り着いた先では、先程と同じように魔物からの攻撃を防ぐため、あゆたちを中心にして固まっているブライたちが居た。
「やっときたな!」「すまない龍崎君達!もう限界だ!」
「舞さん!魔物がどこか分かる!?」
「…ここ!でぇぇい!」
ザァン!
舞は持っていた剣を振りかざし、切り裂く。確かな手応えはあったのだが…。
「…逃がした」
倒すには至らなかったようだ。
その瞬間、とっさに舞が感じた気配。
「ミツル…!」「川澄…?」
ガキィン!
「ぐおぁ!?」「ミツルぅ!」
突如、衝撃を感じ、地面に倒れ伏したインペラー。真琴が必死に抱き起こす。
「ちっくしょぉ…!」
<SHOOT VENT>
「来い!」
ブライはガルドサンダーの翼を模した銃「ガルドショット」を装備し、魔物に反撃する機会を窺っている。
「避けてっ!魔物は…」
ズガァ!
「どああああぁ!?」「北川君!」「北川さん!」
舞がブライに警告するが、ガルドショットを叩き落し、懐に攻撃を与える魔物。当然、目視できないブライに避けることも防ぐことも出来なかった。
「みんなを…!」
王蛇との戦いのせいで身体が思うように動かない。何とか魔物と戦おうとするが、魔物のほうが動きは速い。
ガガガガガガガガガガァ!
「ぐわああああぁ!」「うわあああああぁ!」
「久瀬さん!大丈夫ですか!?」「サトちゃんっ!」
ゾルダやタイガも攻撃を受ける。
見えない魔物に対し、龍騎が思い切り叫ぶ。
「やめろぉ!みんなを傷つけ…ぐああぁっ!?」
そのとき、強烈な頭痛が襲う。
オレガ魔物ヲ…消ス!
「竜也くん…?」
「うああああぁっ!…みんな逃げて!まただ…また…おれが、おかしくなる…!」
龍騎が朦朧とする意識の中で、全員に警告するが…。
「おい竜也!おい!」
肩を掴みブライが揺する。
直後、龍騎の目を見て、ブライに強い悪寒が走る。
「ウゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!」
ドガアアアアァ!
「うおぉああああぁ!?」
龍騎は獣のように雄叫びをあげてブライを突き飛ばし、魔物が居るであろう場所へと走る。
「やめて竜也くん!」
あゆが必死に呼びかけるも、その声は届かない。
「グガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!」
ドガガガガガガガガガガ!
凄まじい勢いで、何もない空中を殴り続ける。しかし、間違いなく何かがぶつかっている音がしている。
舞はそれを見て、驚いた。
今まで自分の持つ剣以外、通用する攻撃など存在しなかったのに…
「効いてる…」
間違いなく、魔物が苦しんでいるのが分かった。
「ゴオオオォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!」
最後に大きく腕を振り上げ、地面に叩きつける。
「倒した…」
魔物の命を消し去った。しかし、龍騎の破壊衝動は止まらない。
「グウウウゥ!ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!」
ナイト達の方を向き、凄まじい勢いで襲ってきた。
「おいよせ、竜也!」
ドガアァ!
「ぐあああぁ!」
インペラーが止めようとするも、全く止まらない。
「落ち着くんだ龍崎君!」「目を覚まして!」
「ウガアアァ!」
ゾルダやタイガが押さえつける。しかし、暴走した龍騎の力はいつも以上に高まっている。2人を信じられない力で振り払い、壁に叩きつける。
「くそ…!香里、みんな、逃げるぞ!相沢、時間を稼いでくれ!」
龍騎の攻撃で周りの被害を危惧したブライは、佐祐理や香里達を安全な場所へと逃がした。
「止めるにはこいつか…!」
ナイトがデッキに手にかけたとき、竜也の言葉がよぎった。
むやみに力を誇示するのはダメだ!
「…っく!」
ズガアアアァ!
右手をデッキからダークバイザーへと持ち替え、龍騎の攻撃を防ぐ。その目を見ていると強い寒気に襲われる。
近くで見た龍騎の姿を見て、あることに気付いた。
「…黒ずんでる」
所々、龍騎の鎧やスーツに血管の様な黒い模様が浮き出している。
それはデッキから走っているようだった。
「グゥオオオオオオオオォ…オグアァ!?…ぐぅあぁ…!」
龍騎の異常に戸惑っていると、龍騎は頭を抱えて苦しみだす。
その瞬間、黒い模様は一瞬で消え去った。
「がはっ…!祐一っ、みんなは!?」
意識を取り戻した龍騎はすぐさま変身を解き、ナイトに聞く。
「…なんともない」
そう言ったものの、近くには疲労困憊となったインペラー、タイガ、ゾルダが居る。
「また…攻撃したのか…」
「違う魔物だ!そうだよな!?」
インペラー達も相槌を打ち、反応する。
「あぁ…見えないから苦戦した」「うん…それに気配もないし…」「なんとか対策を…」
「おい、みんなは安全だ!竜也は…」
ブライが戻ってきたとき、竜也は状況を理解した。
「もういい!おれが攻撃した事くらい、この場の状況で分かるよ!」
竜也は、そのまま走り去った。
「とりあえず、今日は解散だ。態勢を整えて、また来るぞ」
変身を解いた祐一は、とりあえず帰る道を選び、他の者たちも、それに応じた。
竜也の家。
「竜也くん、開けてよ!」「あうー!引きこもりなんてダメよぅ!」「お願いです!出てきてください!」
あゆと真琴、心配になって来た栞がドアに向かって叫ぶが、返事はない。
そこにミツルがやって来て、3人の前に立った。
「3人とも、もうよせ…竜也は一人で考えている。そっとしておいてやれ」
「でも…!」
反論しようとするあゆに、ミツルは明日のことを伝える形で遮る。
「あゆ、真琴。明日はおれ達で食事を作る。準備のためにも早めに寝てくれ。美坂の妹にも手を貸して欲しいから、早めに準備を頼む」
「…わかりました。じゃあ、また明日来ますね」「じゃあ、ボクも…。真琴ちゃん…」「うん…」
3人はミツルの言葉に素直に従った。
「…竜也。気負いしすぎると、あゆ達も心配する。みんながおまえの事を考えてくれているんだ」
それだけ言って、ドアから離れていった。
「みんな…ありがとう…でもこれ以上、龍騎に変身したら…」
竜也は、部屋の机で龍騎のデッキを見つめていた。
自分が自分ではなくなり、大切な仲間を傷つけてしまう。意志を継ぐためのモノだと思っていたが、今は仲間を傷つける忌まわしい存在に思えた。
この状況を何とかする方法はただ一つ。
仮面ライダー龍騎の放棄。
「…真司さん、ごめんなさい」
そう言って、今まで肌身離さず持っていた龍騎のデッキを机の中に入れ、布団に潜った。
「祐一達に…託すしかない」
夢…。
夢を見ている…。
誰かを待っている夢…。
遠くに聞こえる雑踏の中で…
小さなベンチに座って…
たった一人で…
来るはずのない人を…
何時間も…
何日も…
そして…
何年も…。
また、あゆと待ち合わせの場所に来た。あゆと初めて出会ってからは毎日だった。
「あゆ…って、あれ?」
今日は周りに2人の男の子がいた。自分やあゆと同い年だろう。
「あゆの友達かな?」
そう思って、声をかけようとすると…。
「おまえ、気持ち悪いんだよ!」「女のくせに、ボクなんて言っちゃってさ!」
「もう、やめて…お願い…」
あゆは今にも泣き出しそうな表情で、懇願するように少年達に言う。
「なら、ボクって言うのやめろよ!」「この男女!」
次々に浴びせられる罵倒に、あゆは一筋涙を流した。
「はははは!こいつ泣いたよ!」
「おまえがそんなんだから、おまえのおかあさんも、死んだんだ!」
もしかしたら、あゆは自分で解決するかもしれないと思って見ていたが、さすがに我慢の限界だった。
自分の母親を失った悲しみをバカにするあの少年達が許せなかった。
それが、竜也を突き動かした。
「うわあああああああああああぁ!」
ドカッ!
「うわぁ!?」「なんだ、おまえ!?」
少年の1人を蹴飛ばし、あゆを守るように立ち塞がる竜也。
「いくらなんでも酷い!あゆがボクって言うなら、それで良いだろ!それに、お母さんがいなくなって悲しくて仕方ないのに…それもバカにするなんて、僕は許さない!」
「なんだ、おまえもボクか!」「出しゃばるなよ!」
2人は、竜也に襲いかかった。
「くそぉ…なんだよこいつ!」「もう行こうぜ!…うぅ…あゆのせいで、メチャクチャだ!」
少年達は、半べそをかきながら、走り去っていった。
一方の竜也は…。
「竜也くん!大丈夫!?」
地面にうずくまっていた。
いくら気持ちが強くても、もともとケンカはあまり強くない竜也。2対1では追い払うのがやっとだった。
実際、竜也のほうが多く傷つけられた。我慢勝ちと言ったところだろう。
「くぅっ…!うぅぁ…!」
「痛いの!?どこ!?」
少しだけ、立ち上がった竜也の目には…。
「…ごめん…ね…」
大粒の涙が流れていた。
「あいつ…ら…やっつけ…られなかっ…た…」
しゃくりあげ、涙を拭いながら言う。
「ううん、ありがと…ボクを守ってくれて…」
あゆは、竜也を抱きしめた。自分を守ってくれた事が嬉しかった表れだが、それは竜也にとって慰めにしか聞こえなかった。
「勝てなきゃ…ダメだ!じゃない…と…あいつら、また来る…!」
「ボク…あの子達にも負けないから…!だから…」
そう言っていたあゆの手に、あの2人から必死に守りぬいた「竜也くんへ」と書いたプレゼントがあった事に気づいたのは、そのときだった。
「それを…守ろうとして…?」
「うん…。ボクの作ったクッキー…壊したくなくて…」
「…ありがとう、あゆ」
あゆがそっと渡したプレゼントを受け取り、そこからクッキーを一枚取り出し、かじってみる。
「おいしい?」「…」
…正直、苦くてキツかったが、それ以上に自分に贈り物をくれたという事が勝っていた。
「…うんっ…おいしいよ!」
そして、夜は明けてゆく…。
オーロラの中、浅倉は怒りが頂点に達していた。
今まで、楽しみを提供してくれていたオーディンに対しても掴みかかった。
「オーディン!オマエ、いつまでオレの遊びの邪魔をするんだよ!?」
しかし、怒りが頂点に達していたのは浅倉だけではない。
「黙れ!」
ドガァ!
「グオオオォ!」
浅倉を殴り飛ばし、胸倉をつかんで持ち上げる。
「良く聞け!私は貴様を消すことなど造作もないのだ!」
それだけ言うと手を離し、1枚のアドベントカードを渡した。
それは…。
「何だ?」
「複製した疾風のサバイブだ。貴様に最後のチャンスをやる。ナイトからオリジナルの疾風のサバイブを奪い、7人全員を抹殺するのだ。それが出来なければ…貴様を消す!」
「面白い…!やってやるぜ!」
朝の9時ごろ、潤は香里と栞と共に、竜也の家に来た。
しかし出迎えたのは、あゆと真琴。
「よっ!」「2人も連れて来ちゃいました」「あゆちゃん、龍崎君居る?」
「あ、潤くんに香里さん、栞ちゃん!…それが竜也くん、あれから全然部屋から出てこなくて…」
「ごはんも食べてないの…。あたしもミツルも心配よぅ…」
「ごめん、みんな。心配かけたね」
「え…?」
突然の声に後ろを振り返ると、竜也が立っていた。
「さ、朝飯作るよ。みんなも、どう?」
そう言って、さっさと台所へ向かっていった。
全員で食事を作って、広くない食卓に7人が寄り添い合い、朝食を取っていた。
「竜也さん、本当にもう平気なんですか?」
「うん、これからは暴走しないよ」
少しだけ微笑んで、栞に返した。
「どうしてそう言い切れるのかしら?なにか打開策でも見つかったの?」
香里の質問に、おかずを飲み込んで、自分の見つけた答えを言った。
「仮面ライダー龍騎にならなければ良いんだよ」
その言葉で辺りの空気が、一瞬、止まった
「モンスターの事はミツルや潤達も居るから大丈夫だと思うし」
潤は突然、立ち上がり、竜也に怒鳴る。
「本気で言ってるのかよ!真司さんから受け継がれた意志を、簡単に捨てるのかよ!?」
「ちょっと、北川君…」
香里が潤をなだめようとするが、それを遮るように竜也が言う。
「本気。あのまま戦い続けて、みんなを傷つけたら元も子もないし、真司さんは本当に信用できる人にデッキを託せって言ってた。おれは、今の自分自身を信用できないから。でも、みんなのサポートくらいは…」
「見損なった」
竜也の言葉を聞いたミツルは、呆れるように溜息をついた。
「もっと芯の強い奴かと思ったが、現実逃避か。おれが信じた龍崎竜也は、そんな弱い奴だったとはな。食欲も失せた。仕事に行く」
「ミツルぅ…」
そう吐き捨て、自分の皿を片付けた後、カバンを持って外に出て行った。
心なしか、真琴にはピロが心配そうに見つめていたように見えた。
「…竜也さん…」
「ミツルに悪いことしたな…あとで謝らないと」
これまで竜也は、ずっと無表情だった。
その日の夜。
校舎に一人で姿を現したものがいた。
「佐祐理にも…なにか…」
冷たい廊下で、辺りを見回す。ここでしか魔物は現れていない。
親友として、舞の役に立ちたい。
その気持ちに従い、なにか手がかりを掴もうとして此処に来た。
「…倉田佐祐理だな?」
突如、声をかけられたかと思うと、そこから光があふれ出す。
光の向こうには、幾度と無く竜也達の前に立ち塞がった、最強の仮面ライダーが居る。
「貴方は…オーディン…!?」
「魔物の真実を知りたいのだろう?…だが、それは不可能だ」
その言葉の後に、魔物が佐祐理に襲い掛かった。
「舞っ!魔物の気配がするって本当か!?」「かなり強い気配…!」
そう言って、祐一と舞が学校に走ってきた。
必死に校舎内を駆け巡る2人…。
「…っ!?」
「遅かったな、川澄舞、相沢祐一」
待ち構えていたかのように、オーディンがオーロラを使って現れた。
2人掛かりでは、全く歯が立たない相手。ここは上手く回避する道を探るつもりだったのだが…。
「早く向かったらどうだ?…オマエ達の大切な友の命が消えかかっているぞ」
「な…!?」
意外にもオーディンは道を開けた。2人は進む事に躊躇していたが…。
「行くぞ、舞!」「…うん」
2人はオーディンの横を走り去っていった。
「魔物。言うなれば川澄舞の…。真実に気付き、今の現状を見返し、絶望するが良い。その状況ならば、サバイブを奪う事も出来るはず…」
2人を見送ったオーディンは、校舎の窓から月を見上げる。
「…龍崎竜也が力を放棄した。彼の負の感情は高まりつつある。オマエも動き出すはず…」
オーディンは、この数日で様々な調査、確認を行ない、全てを理解した。魔物の事も、竜也が暴走する意味も、あゆの真実も…。
「そうだろう?」
廊下を走る祐一達は、途中であるものを見つけた。
「あれ…」
それは、曲がり角に軽く付着していた血。
舞は、おそるおそるその先を見る…。
「っ!?」
その光景を見た舞は床に倒れ、身体を震わせている。
「舞…?」
祐一も、その光景を見るために近づいた。
「そんな…!」
そこにいたのは…。
おびただしい出血を続ける、意識を失った佐祐理だった。
祐一は一瞬、何を見ているか理解できなかった。しかし、気を取り直し、舞に呼びかける。
「…舞!何してるんだ!運ぶぞ!」
「オォ…来て見ればなんだ、仲間割れか?」
近くにオーロラが現れ、浅倉が笑みを浮かべて近づいてきた。
「…ということは、魔物なんだね」「後を付けてみれば、こんな事になってるとはな!」
唐突に、タイガとインペラーも現れる。舞と祐一をつけてきたようだ。
「斉藤、虎水。相手できるか…?」
「…わかった。サトル行くぞ!」「僕達は、負けないよ!」
2人が構えを取る。
「オマエ等が相手か…」
祐一は佐祐理を抱きかかえ、病院まで運んでいった。その後ろを、まるで生気が抜けたような舞が着いていった。
「まぁ、手慣らしには楽しめそうな相手だ」
「手慣らしだと…?」「あんまり、僕達を舐めないほうが良い!」
意味深な発言をした浅倉はデッキを構える。
「変身!」
王蛇に姿を変え、いつものように首を捻る。
「アァ…。フン…」
鼻で笑い、1枚のアドベントカードを引く。
「そんな…あいつが…!?」「バカな…!オーディンから…!?」
そこに吹き荒れる風。
「SURVIVE~疾風~」だった。
「ハハハ!良いぜェ!」
べノバイザーが形状変化し、牙召機甲「べノバイザーツバイ」になり、そこにサバイブをベントインする。
<<SURVIVE>>
ナイトSのように辺りの風が王蛇を包み、その姿はさらに凶悪さを増した姿になった。
ベノスネーカーの身体をさらに近づけたような鎧、べノバイザーツバイから生える舌を模したムチ。サバイブを使った、王蛇最強の形態。
「仮面ライダー王蛇サバイブ」
病院に辿り着いた祐一達。佐祐理は治療室に運ばれている。
そこに久瀬が走ってきた。
「…君のせいなんだろ!?」「おい、久瀬先輩っ!」
久瀬は舞の肩を掴み、凄まじい剣幕で怒鳴りつけた。彼は佐祐理が重傷を負ったという事実のせいで、冷静に考えられなくなった。
「君がモンスターやライダー以上に訳の分からない怪物と戦っていたから、こんな事になったんだろう!?いままで、君は間違ってない、必死になってると思って、我慢してきたが、もう限界だっ!」
「わたしの…せい…!」「おい、舞っ!」
久瀬を振り払い、舞は病院から出て行った。それを追う祐一。
「くそっ…彼女を責めて何になる…!?」
2人が去った後、少し落ち着いた久瀬は、自分の行いを後悔した。
その後、祐一は舞に追いつき、舞をなんとか励まそうとしていた。
「舞…。久瀬先輩の事は気にするな。佐祐理さんもそんな事、思ってない」
「くっ…!」「舞っ!?」
舞は自分の持っていた剣を振りかざし、周りのものを破壊して回った。
凄まじい力だった。怒りで力を増すこともあるといった竜也の言葉が、なんとなく理解できた。
ザァン!ドガァ!
「はああぁ!やああぁ!うあああああああぁ!」
「やめろ、舞!」
祐一は舞の暴挙を止めるべく、羽交い絞めにした。
「わたしのせいで…また佐祐理は傷ついたっ!」
「違う、おれのせいだ!他の奴に本当のことをもっと早く伝えればよかった!」
「また…またわたしだけ、こうして、のうのうと傷つかずにいる…周りの人を傷つけて…それなのに、わたしだけぇ!!」
「落ち着け、舞!」
舞の剣の先には…
舞自身の首があった。
それを見た瞬間、祐一はゾッとした。
バシッ!
「バカやろォ!!」
すぐさま、剣を弾き飛ばし、舞の顔を上げさせ、目を合わせる。
彼女は顔を真っ赤にして泣いていた。
「自分自身を傷つけて、それで何になる!全てを失うだけだぞ!?…失いたいのか?おれや佐祐理さん、みんなとつくって来た思い出を!?」
再び、彼女の顔を持ち直して聞く。
「答えろ、舞!」
しゃくりあげながら、舞はかすれた声で答えた。
「失いたく…ない…」
「学校に戻るぞ。今夜中にケリをつけるんだ!自分を責めるのは、それからだ!」
手を離すと、舞は再びうつむいた。
「いいな、舞!?」
彼女の肩を持って、強く揺さぶる。
「…祐一の…言うとおりに…する…」
舞がそう答えると、祐一は彼女を強く抱きしめた…。
続く…。
次回!
オモイダシテ…
これで…おわり…
竜也くんが戦えないなら、ボクが戦う!
さぁ…死ぬまで楽しもうぜ…!祭りの始まりだ!
影か…
第39話「少女の檻」
キャスト
龍崎竜也=仮面ライダー龍騎
月宮あゆ
相沢祐一=仮面ライダーナイト
川澄舞=仮面ライダーファム
北川潤=仮面ライダーブライ
美坂香里
美坂栞
久瀬シュウイチ=仮面ライダーゾルダ
倉田佐祐理
水瀬名雪
沢渡真琴
虎水サトル=仮面ライダータイガ
斉藤ミツル=仮面ライダーインペラー
あゆをいじめた少年達
医師
浅倉タカシ=仮面ライダー王蛇
仮面ライダーオーディン