仮面ライダー龍騎 ~EPISODE Kanon~   作:龍騎鯖威武

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第8話 「目の前の現実」

ここは祐一たちの通う学校。

生徒会室で、生徒会役員達が集められた

「・・・最後に、ここ最近、正体不明の怪物が出没している。そこでしばらくの間、休校すると学校長から報告があった」

生徒会担当の先生は生徒会役員達に説明をする。

最近、モンスターの出没がこの街で頻繁に起こり始めた故に、生徒の身の安全を守るために学校長が判断したのだ。

「仕方ありませんね」

そう呟いたのは、生徒会長の「久瀬シュウイチ」。彼の親は学校と強いパイプを持っている。生徒会長とは言え、久瀬個人の意見は学校の行事、校則などに多少影響があるほどだ。

実を言うと学校長の判断も、久瀬の両親が彼の身を案じて一刻も早くと催促したのが始まりであった。それが無ければ、学校の対応は多少なりとも遅れていたであろう。

当の久瀬本人は、怪物の噂などまったく信用していない。目立ちたがりの捏造だと思い込んでいたが、親の判断には逆らえなかった。

「とりあえず、今回話した以上の事柄を各クラスの生徒に報告しておくこと。もっとも、最後の件は下校時に担任の先生方から連絡があるがな。以上だ」

 

放課後。

「学校が休みだぜ!」

集団下校(といっても5人だが)の中、飛び跳ねて喜ぶのは潤。つい先日、仮面ライダーライアに変身を果たした少年だ。彼が仮面ライダーになったことは、祐一たちをはじめ、竜也と関わりがあり、なお且つ竜也が仮面ライダー龍騎であることを知っている者たち全員が認知している。つまり、この場では名雪以外は全員知っている。

祐一と舞に関しても同じである(佐祐理は除く)。

「もうすぐ、考査があるって言うのに・・・」

そうこぼすのは香里。彼女は、ここから少し遠い位置にある有名な医療大学への入学を目指している。それ故に学校での授業が受けられないのは彼女にとって結構な痛手だ。

「お姉ちゃんはすごく頭が良いから、大丈夫だよ」

「栞の言うとおりだ。おまえの頭脳、少しは分けてくれよ」

「あ、わたしも欲しい~」

香里を賞賛する栞と、香里の学力をねたむ祐一。隣にいた名雪は祐一に便乗する。

この3人の成績は標準程度だが、潤に関しては赤点ギリギリ。

当の潤本人は、まったく気にしていないが。

ちなみにこの5人は大抵、帰りが一緒である(部活のある名雪は時々外れるが)。

5人は談笑しながら、帰り道を進んでいくと、見慣れた2人組みが道端をキョロキョロ見回している。

「竜也さん、あゆさん!」

「怪しい奴らだな」

「祐一、それは酷いよ・・・」

栞は竜也たちの下へと駆け寄る。ボソッと毒舌を吐く祐一。

彼は昨日の件があるので、誰にも聞こえないようにしていたが、すぐ隣にいた名雪は聞き逃さなかった。

祐一は地獄耳と言いたかったが、これ以上の面倒はお断りなので、言わないことにした。

 

「お、栞ちゃん、それにみんなも」

「こんにちは!みんな、学校の帰り?」

「えぇ、そうです。お2人はもう帰っていたんですか?」

私服の2人の姿を見て栞はそう予測する。

しかし、竜也の返答は意外なものであった。

「え?おれは高校には通ってないよ?」

「そうなんですか?」

「どういうこと?」

「おれ、つい2日前にこの町に来たばっかりだし、おれには学費を払うお金なんてないし、両親もずっと前に死んじゃったからね」

栞と香里は聞いてはいけないことを聞いてしまったと思い、申し訳なさそうな表情になる。

「ごめんなさい、わたし知りませんでした・・・」

「わたしも、無神経だったわ・・・」

「そんな謝らないでよ。高校にいけないのは確かに少し残念だけど、この生活も楽しいよ?それに、みんなみたいな、すごく良い友達がこんなにたくさん出来たんだから」

「そうなんだ。嬉しいよ」

いつの間にか会話に参加していた名雪は竜也に微笑む。

祐一は一つ腑に落ちないことを聞いた。

「じゃあ、竜也って働いてんのか?」

「いや、龍騎になってモンスターを倒すごとに、日本の政府の人が生活費をくれるんだ」

「政府・・・大きく出たな」

唖然とする祐一。と、そのとき

「じゃあおれ達にはくれるのか?」

がめつい潤。

「あ~どうなのかな・・・あ、あゆ学校は?」

話をうまく逸らす竜也。そして、少し気になっていたことに話題を振る。

「ボクの学校は今日、お休みだよ」

「あゆの学校って、どこにあるんだ?」

「この街のはずれにある森の中にあるよ」

「そんなところに、学校なんてあったっけ?」

あゆは会話に参加しつつも、先程からずっと辺りを探し回っていたが、彼女の探し物は見つからないらしい。

その様子を見て、名雪は最初に気になっていたことを聞いた。

「そういえば、あゆちゃんたちって何してたの?」

「あゆの探し物。でも、当の本人がどんなものだったのか分かってないんだよ」

「なんだそりゃ。まあいい、おれ達も手伝おうか、あゆ?」

あきれる祐一。しかし、彼は彼なりの優しさを見せる。他の4人も協力的であった。

「ほんとに?ありがとう!」

 

商店街をあちこち探すが、結局見つからなかった。

「7人がかりでもダメか・・・」

「みんな、ごめんね・・・」

あゆは、力になってくれる他の人々に謝る。

夕暮れ時で、日が完全に沈みきるのはもうすぐであろう。

そのとき、

 

キィィン・・・キィィン・・・

 

竜也、祐一、潤がモンスターの反応を感じ取る。

その直後、蜘蛛型のモンスター「レスパイダー」と「ミスパイダー」が現れる。

「キイィ・・・・」

「みんな、モンスターだ!早く安全なとこへ!」

「わかったよ!」

竜也が叫ぶと同時に、あゆたちは近くの物陰に隠れ、仮面ライダーである祐一と潤は竜也と共にカードデッキを構える。

3人に白銀のベルトが装着される。

「「「変身!」」」

辺りに幾つもの眩い虚像が現れ、3人を包む。そうすると、龍騎、ナイト、ライア、3人の仮面ライダーが姿を現す。

始めてその姿を目撃した名雪は驚く。

「わ、祐一と北川くんと竜也くんが・・・」

「しゃあっ!」

龍騎は気合を入れて、レスパイダーに向かい、彼の掛け声と同時に、ナイトとライアはミスパイダーに攻撃をしかけた。

「はあっ!だあっ!でえっ!」

ガッ!ガキィ!ガスッ!

龍騎の猛攻の前に成すすべなく攻撃され続けるレスパイダー。

「相沢、武器借りていいか?」

「ったく、世話が焼ける・・・好きにしろ」

<SWORD VENT><COPY VENT>

感情の感じられない電子音声と共に、ナイトの手に「ウイングランサー」が現れ、そのウイングランサーから残像が現れ、ライアの手に渡ると、ナイトと同じウイングランサーが装備された。

コピーベントは対象とした仮面ライダーのアドベントカードを用いて呼び出した武器を複製して、自分の武器とする。仮面ライダーライアの特徴の一つである。

「たあっ!」「おらぁ!」

ザンッ!ズバァ!

2人のライダーは見事な連携でミスパイダーを追い詰める。

 

その様子を物陰で凝視する少年がいた。

「なんだ・・・あれは・・・?」

久瀬シュウイチである。彼は、学校の帰り道で複数の異形と遭遇したのだ。

彼は、最近話題の謎の怪物と騎士の噂を全く信じていなかった。いわゆる捏造と思い込んでいた。しかし、今もにわかに信じがたいが、目の前で起こることを受け入れるしかなかった。

 

「どぉりゃあ!」

ガッ!

龍騎はレスパイダーを勢いよく蹴る。

<STRIKE VENT>

「ガアアアアアァ!」

ベントインの音声を合図に、龍騎の右腕にドラグクローが装備され、空からドラグレッダーが飛来する。

「はああああぁ・・・・だあっ!」

ゴオオオオォ!ズガアァ!

ドラグクローとドラグレッダーの口からドラグブレスが吐き出される、ドラグクローファイアーの発動でレスパイダーは跡形も無く爆発した。

「せいっ!」「りゃあぁ!」

ザアッ!ドガアアン!

ミスパイダーもまた、ナイトとライアの攻撃の前に爆散した。この程度のモンスターはファイナルベントなどの強力な技を使用せずとも、一定のダメージを与えれば倒すことが出来るのだ。

戦いが終わり、3人は変身を解除し、身を潜めている友人達の元へと向かおうとする。

と、そこへ

 

「相沢君、北川君・・・君達は・・・」

「う・・・厄介な奴に見つかったな」

久瀬が、竜也たちの前に現れる。

それを見た祐一はばつが悪そうに呟く。

「祐一の友達ですか?」

「いや、僕は彼らが通う学校の生徒会長の久瀬シュウイチだ。君は・・・うちの学校の生徒ではないね」

「祐一の学校の生徒会長さんですか・・・。おれは、龍崎竜也です。高校は通ってませんけど、よろしくお願いします!」

竜也はあくまでも友好的に接するが、

「君達を見過ごすわけにはいかないな。今でも信じられないが、あんな化け物と戦っているとは・・・。うちの学校に危害を加えるつもりじゃないだろうな」

用心深い久瀬。彼の意外な態度に竜也は少し困った顔になる。

「そんなつもりはないですよ!おれはその危害を加えるヤツらから、みんなを守りたいだけで・・・」

「どうかな。君は何を根拠に戦っているのかも分からない。そんなやつが信用できるか?」

「そんな・・・」

「おうおう、生徒会長!さっきから聞いてりゃ、滅茶苦茶だな!」

割り込んできたのは潤。祐一も竜也の弁解を始める。

「こいつは、どんなことがあっても人を守ろうとしている。相当な覚悟を持って仮面ライダーになっている。出会って間もないやつだが、おれ達はこいつを信じているぞ!だから、おれ達も仮面ライダーになったんだ!」

「ふん、仮面ライダーだかなんだか知らないが、それが、危害を加えない者だという証拠はどこにもないだろう?君達だって、うちの生徒だとしてもいつおかしくなるか・・・」

「おまえっ!」

血が昇った祐一は久瀬に掴みかかる。

と、そこへ・・・

 

「お久しぶりですね、龍崎竜也君。2代目の仮面ライダー龍騎」

そこには、一人の戦士がいた。

金属感のあるオレンジを基調とし、蟹のレリーフがついたカードデッキをベルトに装着した戦士。そう、彼は・・・

「仮面ライダーシザース・・・!」

竜也の仮面ライダーという言葉に祐一は困惑し、潤は新たな仲間の登場と信じ、大いに喜ぶ。

「おい、おれ達以外にも仮面ライダーがいたのか・・・?」

「あんたも仮面ライダーか。おれ達も仮面ライダーだ。まぁ仲良くやってく・・・」

潤は握手を求め、右手を差し出すが・・・

「待って、潤!」

ガッ!

「ぐあっ!」

竜也の静止は間に合わず、潤はシザースに右腕で殴られた。

突然の事態に、潤は思わず倒れ、転がる。

「おい、北川!おまえ、何のつもりだ!?」

「貴方達も仮面ライダーなのですか。ならば話は早い。死んで頂きます」

「おい竜也、あいつは一体・・・」

「あれは、真司さんを狙って戦ってた仮面ライダー・・・」

「真司?誰だそいつは・・・」

「後にして。おれも、仮面ライダーと対峙するのは初めてだ・・・ここは何とか切り抜けないと・・・」

久瀬はさまざまな常識を越えた出来事に驚愕の連続。

「一体、何が起こっているんだ・・・?」

 

 

 

続く・・・

 

 

 

 

次回!

 

おれ以前に龍騎に変身していた人だよ

 

癖になるんですよ。そして頂点を極めたくなる・・・

 

     これを・・・!

 

待って!それは・・・

 

     父さん、あんたの言いなりになるのはもう御免だ!

 

 

 

第9話 「深緑の銃戦士」

 

 

 

 






キャスト

龍崎竜也=仮面ライダー龍騎

月宮あゆ

相沢祐一=仮面ライダーナイト
水瀬名雪

北川潤=仮面ライダーライア
美坂香里
美坂栞

久瀬シュウイチ

高校教師

黒いコートの男=仮面ライダーシザース
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