FINAL FANTASY usual tale of summoner   作:夜想曲

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またやらかしてしまいました。ラムウお爺ちゃんが孫可愛がりするようになったらトゥルーエンド。


召喚師になる前のこと01

ここは大陸エルドガルドの中心部、エルドガルド王国からやや南西に位置するミストの国。その北部にあたるミストレイク地方での物語が、今日も始まらない。

 

ふぁいなるふぁんたじぃ 〜召喚師の日常物語〜

 

布団である。手を出してはいけない。

心地よい朝陽はカーテンで堰き止められ、ぬくぬくとした羽毛布団と簡易ベッドの狭間にて少女は惰眠を貪る。

カチャカチャリとしかしそこに間男、いや間女が現れる。合鍵を使ってドアを開けた女は少女とフートンの蜜月を確認次第、陽光を部屋に招き入れる。

少女はそれでも掛け布団を顔の上まで引き上げて必死の抵抗を見せる。だが、ああ無情。女は窓まで開けるではないか。澱んで生暖かい部屋の空気が、澄んだ冷たい朝の空気の侵入を許してしまう。

当然少女は再び布団の中に潜り込むが、非情なる女は大きく息を吸い込むと最後の砦に手をかける。

 

「おっきろぉぉぉーーー!!!」

「はぅにやぁぁぁあああ!??」

 

部屋の中に残る最後の温もりは、少女の親友たる彼女(シャリナ・デュオベルク)の手によって無残にも散ってしまったのであった。

 

※tips001:ミストレイク地方の朝は寒い。けれど夜に暖房をつけたままだと窒息の危険があるため、寝る前に換気をしてから戸締りをして、分厚い寝具に包まって寝るのが一般的。

 

「ぅー、ひどいよシャリナ〜」

「なぁに言ってんのさ。アンタが『何されてもいいから絶対に起こしてね』って言ったからわざわざ起こしに来たんじゃないか」

「だからってー、ダイナミックすぎんよー」

「昨日『ん?今されてもいいって言ったよね?』って言ったよ、私。変なことしなかっただけマシだと思いねぇ」

それもそうだ。何せ今日は…あ。

 

「お弁当作ってない!!どーしよ、急がなきゃなのに〜!!」

「その寝癖頭で行く気?」

「帽子で隠すもん!」

 

着替えつつもいろいろ準備、寝癖を直す時間も惜しい。今日は年に一度だけ、成長しきった精霊石(クリスタル)が余剰を吐き出す日。つまり、若者がクリスタルを手に出来る日なのだから。

 

「適当なモノをパンに挟むだけなら着替えてる間にやっとくよ?」

「ありがとう愛してるっ!」

「よーしエステラの嫌いなギサールの漬物(ピクルス)を添えてやろう」

「何で!?」

 

わたわたしつつ、準備完了。着替え完了、杖よし、ポーチよし、お弁当よし、髪形は×(ダメ)。だけど帽子があるのでセーフ。

「それじゃ、行ってきまーす!」

「帰るまで酒盛りしとくよー」

「帰ったらウォータ打ち込むからね!?」

 

※tips002:ギサールのピクルス。ちょおくさい。私はお酒は飲めないけど、酒豪の人達からすると「この臭みがまた酒に合う」らしい。そもそもギサール菜はチョコボの餌じゃなかったっけ…?

 

急いで出たのには当然理由がある。精霊石(クリスタル)の大結晶があるのが、近くの聖堂だからだ。

この時期になると毎回外部から多くの人がクリスタルのかけらを授かりにやってくる。でも近隣住民では、その人の流れに割り込むことはできないくらいにぎゅうぎゅうなのだ。

だからこうして早起きして(起こされてる?はて、なんのことやら)聖堂に向かわなきゃ、まともに儀式を見ることすらも許されないのだ。地元が有利なわけではない。学校近くに住んでいると遅刻しやすいのと同じ原理である。

 

「よーし、一番乗り!」

「残念三番目だ」

「二番目は私だ」

むむ、いつもの二人だ。

 

右側のいけすかないイケメンはクーディト・ウルヴァン。生来のスキルは狩人で、肉屋の息子の癖に竜を狩りたいとか言ってる野蛮人。

左側の冷たい美人はマイユール・ウルヴァン…じゃなかった、マイユール・アステリア。銀髪で目が青く一見クールな性格なのに、生来のスキルは炎特化の赤魔導士。細剣に炎を纏わせてばったばったと敵を倒したり、クーの狩った獲物を炎付加魔法剣ナイフで剝ぎ取ったりする。

「この優等生リア充コンビめ。十分に才能があるのにさらにクリスタル様からも才能をせしめるつもりか!」

「いーや、俺は空クリスタルに自分のスキルを詰め込もうかとおこぼれ待ち。欲しいのはマイのスキルだもんなー?」

「ええ、やっぱり氷属性(ブリザド)も欲しいし。欲を言えば(ウォータ)(エアロ)があると食事には困らないわよね」

「だめだこいつら完全に完成してる上に完全に閉じてる」

 

クーが狩人として野草山菜を摘みつつ肉を狩りまーす。マイが水を出して洗い、ナイフで剥ぎ取り、火で焼いて風で保存食にも加工しまーす。保冷もばっちしでーす。

「もうおまえら二人でどっかの山に篭ってしまえ!そして末長くお幸せに!」

「エリも来る?水要員で」

「行かないよ!」

 

まだ大人達が起きて来ない大聖堂に、私のボケとツッコミが虚しく響き渡った。

 

※tips003:精霊石大結晶。通称クリスタル様。地殻深くのマナを大地の表面に還元したり、地表深くのマナを大地の奥底に返したりしながら成長する、生きた鉱物。たまに魔力の籠ったクリスタルのかけらを吐き出す。この欠片には生来のスキルとは別のスキルを得られる可能性(システム)が秘められており、これを目当てに王都からでさえもわんさかと人がやってくる。

※tips004:ちなみにこのシステムを「ジョブチェンジシステム」という。王都では白魔法使いのジョブクリスタルを大量に溜め込み、非常時に非戦闘要員全員に貸与することで未曾有の大危機に立ち向かう際の保険としている。

 

今更だけど私の名前はエリステル・マリノーラ。現在は青魔法使いで得意属性は(ウォータ)(エアロ)

ここには、召喚師になるために来た。

 

→とぅびぃこんてにう?




◇マイユール・アステリア(武器:細剣・短剣)
黒魔法:ファイア・ファイラ・サンダー・アンチ
白魔法:ケアル・ディア・プロテス

◇クーディト・ウルヴァン(武器:弓・剣)
戦技:ストライク
弓技:脚を狙う・急所を狙う・素早く狙う

◇エリステル・マリノーラ(武器:杖)
青魔法:エアロ・エアロラ・ウォータ・ウォタラ
調教:ボールスライム

◇シャリナ・デュオベルク(武器:戦斧)
戦技:ストライク・ウォークライ・反撃
剣技:打ち払い
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