μ'sと静の奇妙な物語   作:ままままま

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遅くなりました、3話目です。
ついにスタンドが出てきます。


甘美な香 ③

《静視点》

 

私を引っ張り出した女の子は穂乃果というらしい。

私たちはそのまま外に飛び出した。

そしてその子は言った。

 

「ごめんね。酷いことしちゃって。でも怒らないで、みんなあなたのこと嫌ったわけじゃないから。」

 

なんて人間ができてるのだろうか。日本人にはこんな人もいるのかと思った。

 

「それより、あなた透明人間になれるの⁉︎」

 

息つく間もなく穂乃果が問いかける。

 

「え、ま、まぁそうだけど…」

 

「すごいよ!ねえねえ、どんな風にするの?」

 

どうやら穂乃果はどんなことにも首を突っ込むような知りたがりの子らしい。

そんなことを考えている今も、彼女は興味津々で私を見つめている。

 

どうしよう、こういうのは苦手だ。

今までは周りから変な目で見られていたのでこういうことを言われるのには慣れていない。

このまま逃げ出してしまおうかと思っていたその時…

 

『prprprprprprprprpr』

 

私の電話の呼び出し音がなる。

手にとって出てみると。

 

「静!一体どこに行ってたんだ?電話にも出ないし、心配したんだぞ?」

 

広瀬さんだった。どうやら私を探していたらしい。

 

「ごめん、広瀬さん。ちょっと道に迷っちゃって…」

 

「なんだって?やれやれ…じゃあ、今から僕はUTX学園の前に行くから、そこまで来てくれ。でかい建物だからすぐにたどり着くだろう。」

 

「え、ちょっ、ちょっと待って…」

 

「じゃあね。」

 

ブツッといる音とともに電話が切れる。

UTXって、どこよ!聞いたことないわよ!

私が迷子になりやすいの知ってるでしょ⁈

とにかくこれからどうしよう…

そんなことを考えていると…

 

「ねぇ、もしかして道に迷ったの?」

 

「そ、そうだけど…」

 

「だったら、私が案内してあげる!」

 

「え?」

 

「ほらほらこっちだよ!」

 

「ちょ、まだ行くって決めたわけじゃ…って」

 

言葉を返す間も無く、私は穂乃果に再び引っ張られてしまった。

街の中をどんどん進んで行く。

こうしていると、幼い頃パパの手を引いて、あちこち走って回ったことを思い出す。

まあ、今は自分が引っ張られているのだが。

 

そうこうしているうちに、私達はとある商店街に入り込んだ。

 

「あれぇ?おかしいなぁ…近道のはずなのに…」

 

どうやら穂乃果は道を間違えたらしい。

あれだけ夢中で走ったのだ。間違えても仕方ないだろう。

 

しかしその時だった。

 

「ねぇ、なんか変な匂いしない…?」

 

と、穂乃果が問いかける。

確かに変な匂いがする。

まるで『ガス』の様な…

 

そこまで考えて私は驚いた。

まさか、どこかでガスが漏れているのではないかと。

確かにここは商店街の一角、店に並んで幾つかの食堂も見当たる。

しかし、外まで匂いがするとなるとよっぽどのガス漏れになる。一体どこからなのか…

 

注意深く周りをみると、近くの食堂から人が飛び出して来ていた。どうやらあの店から出てきていたらしい。

 

すると、何かあると気になる性格の穂乃果は、私の手を引いて、そこまで引っ張った。

 

「ちょっと、私早く帰りたいんだけど。」

 

「いいからいいから」

 

どうやら聞く耳は持たない様だ。

 

「何があったんだろ?」

 

「たぶん、ガス漏れね。」

 

冷静に対処して、早くその場を立ち去ろうとする。

すると、

 

「だ、だれかたすけて…」

 

店の中から助けを呼ぶ声がきこえた。

どうやらガスの匂いが苦手で体調を崩した人がいた様だ。

私は仕方なく助けようと中に入る。

 

「あ、危ないよ!」

 

穂乃果はびっくりしていたが、私は無視をした。

今ここで私に何かあっても、私を心配する人はいないだろう。

広瀬さんは自分勝手だし、パパは私の言い分も聞かずに日本に行かせようとしたし。

そもそも、日本にだって行きたくて来たわけじゃない。

どうせパパも広瀬さんも私の事を邪魔者ぐらいにしか考えてないのだ。

今の私に居場所なんてないのだ…

 

中にいた人の肩をとり、外に出ようとする。

その時だった。

 

ふと私が見た所に、人型の何かがいる。

人型と言っても、体には無数の穴が開いており、そこからなにか、煙の様なものが出ているのが見える。

 

「まさか、『スタンド』?」

 

日本でも出くわすとは思っていなかった。

しかし、目的は何なのか。本体はどこなのか。

この場にいる人は、肩をかけているこの人と、外にいる穂乃果と先に逃げたした数名ぐらいしかいないが、近くにはいないのだろうか。

だとしたら遠隔操作型のスタンドなのか。

「とにかくこの場を離れないと!」

そう思った私は肩をかけている人を連れて外に飛び出した。

その人が何かお礼を言っている様だが相手にしない。

何か面倒ごとに巻き込まれる前に、ここを立ち去らなければ。

ちょっとした人ごみの中、穂乃果を探す。

 

「穂乃果ー?穂乃果ー?」

 

名前を呼ぶが返事がない。

すると遠くで、穂乃果が誰かと路地裏に入り込むのが見えた。

 

「まさか、穂乃果を狙ったスタンド使い⁉︎」

 

そう思った私は穂乃果の後を追いかけていった。

 

 

《穂乃果視点》

 

あの子は困った人を放って置けない人らしい。

今も、ガスが充満してるであろう店内に入っていった。

「あの子は偉いなぁ…」と思う。

 

それにしてもあの子、絵里ちゃんにそっくりだった。

まぁ、性格は絵里ちゃんとはまた一つ違うし、髪色は日本人の様な綺麗な黒髪だけど。

 

そういえば、迷子になったと言っていたがここの近くに住んでいる人ではないのだろうか。

だとしたら、せっかくだし、ここのことについて、色々教えてあげるのもいいかもしれない。

「友達になりたいなぁ…」と思っていた。

 

しかしその時だった。

突然背後から声が聞こえた。

 

 

 

「見つけたぞ高坂。昨日の事を覚えているか?」

 

 

 

それは、昨日確かに聞こえた、『あの声』だった。

 

「だ、誰⁉︎」

 

恐怖で声がすくむ。

周りの人に聞こえない様な小さな声で、でも私には聞こえる様にはっきりと、そいつは話し出した。

 

「覚えてないのか?昨日あっただろう。いや、『それより前』だったかな?」

 

「俺の名前は、徳本。徳元源太。同じ中学だったじゃないか?」

 

徳元源太。

その名前は確かに覚えていた。

私が中学生だった頃、一度同じクラスになったのだ。

しかし、久しぶりにあった徳元君は以前とかなり雰囲気が変わっていた。

背が高いが痩せていて、おとなしい性格だったので、

「ヒョロ本」などと囃し立てられていじめられていたが、以前の徳元君とは別人の様ながっしりとした体つきだ。

鍛えたりでもしたのだろうか。

そんな事を考えていると、彼は私に話しかけ出した。

 

「ここじゃ話すのもなんだからあっちに行こうか。」

 

そういうと、彼は私の腕を引き、近くの路地裏に入った。

心なしか引っ張る腕の力が強い気がする。

 

「こんなとこで何を話すの?」

 

私がそう聞くと、彼はこう話した。

 

「俺はまだ、あの日のことを忘れていない。」

 

「あの日、お前は、いじめられていた俺を助けてくれたじゃないか。あれで俺は、始めて恋というものを知った。」

 

「それからしばらく、お前はこんな俺にとても優しくしてくれた。嬉しかった。そして、俺の思いは抑えきれなくなった…」

 

坦々と、思い出話を語る徳元君。

そんな話に記憶を呼び戻していると、いきなり彼の話し方が変わった。

 

「しかし!抑えきれない思いを胸に語った愛のメッセージは見事に砕け散った‼︎」

 

「俺は思ったよ、『こいつも俺の事を嫌うんだな…』ってなあっ‼︎心の中では、『キモチワルイ』とか、思ってたんだろ⁉︎」

 

「その時俺は心に決めたよ、いつか絶対にお前に復讐してやるってなあ‼︎」

 

「何かやばい」そんな事を思った時には遅かった。

怒りに満ちた表情を見せる彼から逃げようとしたが、どうしたことか、体を押さえつけられて動けない。

叫ぼうとしたが、口を手の様な何かが塞ぐ。

「何かがここにいる」そんなことを思っていると、急に気持ちが楽になってきた。

 

「ふふふ…どうだい高坂、いい気持ちだろ?」

 

「いい気持ち?」確かにどこからか、いい匂いがする。

 

「今、『イランイラン』の香を出している。この匂いは嗅ぐとちょっとした幸福感に満たされ、リラックスすることができるんだ。まぁ、俺のはそんな生易しいものではないがな。」

 

「そうなんだ。確かにきもちいいかも…」

彼が何か言っているが頭に入ってこない。

幸せな気持ちが胸いっぱいに広がってくる。

あれ?さっきまで何しようとしてたんだっけ?

もう、どうでもいいや…

今はただ、この幸せに身を任せたい…………

その時だった。

 

 

 

 

「穂乃果ぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎」

 

 

大きな声とともに女の子が現れて、彼を殴り飛ばした。

だれだっけ、あの子…確か、控え室で…

そこまで考えたとき、ハッとした。

そして、今自分の置かれていた状況を思い出す。

 

「ぐ…誰だお前はぁぁっ‼︎」

 

彼が頭を押さえて苦しんでいる。

どうやらかなり効いたのだろう。

 

「早くこっちに!」

 

そういうと、その子は私の手を引いて路地裏から逃げるように走り、あっという間に商店街まで戻ってきてしまった。

 

「ま、まって!」

 

突然のことで頭の整理が追いつかない私は、女の子に尋ねる。

 

「い、今のは一体…?」

 

「わからないかもしれないけど大丈夫。きっとあなたを守ってみせるから。」

 

女の子はそういうと、私の向いている向きとは反対を見た。

そこにはさっき頭を殴られた徳元君がいた。

そして何か叫ぶ。

 

「お前も高坂の友達かぁ‼︎だったら同じ目に遭ってもらうぜ‼︎」

 

 

 

「『スウィート・アンド・ダーティ・スメル』‼︎」

 

すると、女の子は

 

「残念だったわね。何もスタンドはあなただけが持ってるものじゃないのよ!『アクトン・ベイビー』‼︎」

 

と言って透明になり始める。

控え室にで見せた能力の事だろうか。

 

 

それよりも私が気になって仕方ないのは徳元君の横にでてきた「奇妙な人の形をしたの何か」の事だった。

さっきまではいなかったのに今ははっきり見えるが、原因はよくわからない。

どうやら女の子には見えているらしい。

「スタンド」って言うのかな?

気になった私は女の子に尋ねた。

すると…

 

 

「あなた、あのスタンドが見えるの⁉︎」

 

どうやら私は大変な事に首を突っ込んでしまったようだ…

 

 




スタンドについて説明します。

スタンド紹介①
「スウィート・アンド・ダーティ・スメル」
破壊力 B 持続力 A
射程 B 精密動作性 D
スピードD 成長性 C

能力は、様々な匂いを発生させること。
匂いの効果は強く、相手にその匂いの元があるかのように思い込ませる事ができる。イランイランはアロマでよく使われていて、幸せな気持ちにする効果がある。

あと、徳元君の鼻の良さは生まれつきという事で…
次回は本格的なスタンドバトルにするつもりです。
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