おはようさんさん太陽サンサン。
皆さん元気でお過ごしでしょうか。
私はダメですね。
風邪気味です。
チェイス「・・・」
時刻は深夜、二人が寺子屋へ行った日の前日。
チェイス「(にとりは既に寝ているだろうか。)」
にとりが寝ているのは一階、チェイスは使っていなかった地下の部屋を使っている。長年倉庫と化していた部屋をにとりが大急ぎで掃除したのだ。
寝心地が悪い訳ではないが、チェイスは幻想郷に来てからなかなか眠りにつくことができなかった。毎晩自分について、幻想郷の事について考えてしまうからだ。
チェイス「(俺は何者なのか。もうここ数日で何度も考えた事だ。だが未だにまとまらない。)」
ただの人間、でないことは分かっている。あのロイミュード達のことを知っているうえ、武器まで所持していた。ロイミュードを「処刑」する武器を。
「正義のヒーローだったとか!」
文に言われた一言。そして頭に響いてきた「人間を守れ」の言葉。これが何を意味するのかは分からない。
チェイス「(正義のヒーロー・・か。だがそんな事はこの際関係ない。俺は俺を助けてくれたここの者達を守るだけだ。)」
チェイスの夜はいつも、この日の夜と同じく答えの出せない自分へ言い聞かれるように終わっていく。
にとり「チェイス!避けて!!」
チェイス「っ!」
ブレイクガンナーから発せられる奇妙なメロディが、その異質や重低音と共に辺りの木々を揺らす。だが、無情にも025の放った光弾がチェイスに迫る。これが直撃すればひとたまりもない。チェイスに残された道は無かった。
バッ!
にとり「武器を・・相手に向けた!?」
『Break UP』
再びブレイクガンナーから電子音が鳴り響くと同時に、チェイスは紫色の閃光に包まれた。
それと同時に光弾が弾け、爆風を巻き起こす。
ドォォォン!!!!
にとり「チェイス!・・うわっ!」
爆風は砂埃を巻き上げ、離れていたにとりの場所まで砂を運んだ。目を瞑り顔を背けるが、すぐに目線を戻す。
しかし
にとり「チ、チェイス・・そんな・・・」
砂埃の中からは反応が無い。
爆音が山に響き渡り、木々に止まっていた鳥たちは逃げるように空へと飛び上がる。
038「・・へっ。何だ、大した事ねぇな。もっと痛めつけてやろうと思ったのによ!」
025「所詮は人間。この程度か・・・ん?」
絶望するにとり、歓喜する038、冷静な025。3人はチェイスがやられた事で三者三様の表情を浮かべるが、聡明な025が誰よりも早くある事に気付く。
025「バカな・・・」
砂煙のにシルエットが映る。片膝をついたその人物はゆっくりと立ち上がる。
038「生きてやがるだと!?」
にとり「よかった・・チェイス!!・・・え・・」
誰しもが思った。
「この男、まだ力尽きていない。」
と、だが
025「何をした・・貴様。」
煙が徐々に晴れていく。
038「どうなってやがる・・!!」
中から現れた「物」が夕日に照らされる。
にとり「だ、誰・・・?」
紫と黒のボディに銀のメタリックパーツ、怪しく光る瞳。機械のスクラップを人の形に留めたかの様な異形の姿。手にはたった今やられたはずの男が持っていた武器。
にとり「チェイス・・なの?」
チェイス「・・・・」
にとりの声には安堵と不安の混じっている。それに対してロイミュード達は
038「見た目が変わったから何だってんだ!」
025「もう一度始末するのみだ。」
先ほどの出来事に違和感を感じながらもブレる事なく、チェイスに向かっていく。
チェイス「・・・」
にとり「く、来る!どうしたのチェイス!」
歩み寄ろうとした足を止め一歩退がるも、チェイスはその場から動こうともせず立ち尽くす。
025「やはり体力の限界か?再び眠って貰うぞ!」
チェイス「(・・・)」
二度目のピンチにも関わらず、チェイスはある事を考えていた。今までの自分とは異なる姿について。
チェイス「(覚えている。この姿はは・・)」
038「くらえ!!」
チェイス「(俺の〝力〟だ!)」
ガッ!
038「何!?」
振り下ろされた038の腕を片手で受け止めるチェイス。
チェイス「ハァ!!」
バキン!!
038「グゥ!」
腹にパンチを入れられ、後ろに転がる038。しかし直ぐに立ち上がる。
038「て、てめぇ!」
再びチェイスへ向う。今度は025と同時に。
チェイス「無駄だ。」
二体同時の攻撃を受け、躱し、さらには反撃までを繰り出す。
025「どうなっている・・まるで別人だ。」
無駄の無い動きで戦い続けるその姿は、戦闘マシーンそのものだった。
にとり「あれは本当にチェイス・・?」
動きが鈍くなってきたところで、チェイスは二体から距離を取る。
チェイス「トドメだ。」
一言呟くと、ブレイクガンナーの銃口を押し込む。
『Gun』
電子音が銃に切り替わった事を知らせる。
ジャキッ
025「くっ・・!」
ブレイクガンナーの照準を二体に合わせるも、とっさに躱す025。
ドン!!ドンドンドン!!
次々と放たれる紫の光弾は、一発も外れる事無く038に命中する。
038「ぐっ!グァ!!・・うがッ!」
迷いなく引き金を引いていくチェイス。光弾は一発当たるごとに038の肉体を削っていき、十数発打ち込んだところでチェイスは手を止めた。
038「ググ・・・こ、この俺が・・こんなところで・・・グァァァァ!!!!」
ドォォォォン!!!!
038が両膝から崩れ落ちると同時に、その体は激しく爆散した。さらに爆発から「038」の数字を模した物体が浮かび上がり、粉々に砕けた。
にとり「やっつけた・・?」
025「・・そう簡単にはやられん!!」
025がチェイスに指先を向けると同時にチェイスも銃口を向ける。
ドン!!
両方の光弾が同タイミングで放たれ、衝突する。それにより再び砂煙が巻き上がり、視界が奪われる。
『Break』
すぐさまブレイクガンナーを打撃モードに切り替える。すると
025「そこだ!!」
チェイスの死角から現れた025が飛びかかる。
ガシッ!!
025「!?」
チェイス「二度も同じ手は通じない。」
後ろ向きに攻撃を受け止め、そのままブレイクガンナーを横から振り抜く。
チェイス「フン!!」
バキィン!!
025「ぐぁぁ!」
横腹にクリーンヒットした事で大きく吹き飛ぶ。
チェイスは体勢を大きく崩した025を立て続けに殴り続ける。
025「(や、やられるッ!!)」
強烈な打撃を受け続けた025は038と同様にボロボロの姿となっていて、辺りには025の物であろう機械の部品が散らばっている。
チェイス「これで終わりだ!!」
ブレイクガンナーが怪しく光り、チェイスの瞳もオレンジに発光する。
チェイス「ハァァァァァ!!」
渾身の力を込め、ブレイクガンナーを下から振り上げる。
ズガァァァン!
025「うぐァァァ!!!」
たすき掛けに切り裂かれた025は、衝撃で後方に大きく仰け反り、倒れた。
にとり「強い・・・二体とも倒しちゃった・・」
にとりの声はチェイスには届いていない。ただじっと025を見つめる。
025「ハァ・・ハァ・・・俺もここまでか・・だが、思い出した・・・」
チェイス「・・・?」
振り絞る声で言葉をつなぐ025。その体は今にも限界を迎えると言わんばかりにショートし、バチバチッと電気が音を立てている。
025「その姿・・見たことがあった・・・ロイミュードの番人・・そして・・・『死神』・・」
チェイス「何・・・!?」
仮面の奥で目を見開くチェイス。
025「先に地獄で待ってる・・・ぜ・・。」
チェイス「待て!!貴様・・」
チェイスが掴みかかろうとしたその瞬間
ドォォォォン!!!
チェイス「くっ!」
にとり「うわっ!」
025の体が爆散し、038と同様に「025」の数字をが浮かび上がり、弾けた。
チェイス「死神だと・・一体・・・」
森は戦いが始まる前と同様の静けさを取り戻しており、今までの争いが嘘だったかのように静まり返っていた。
チェイス「・・うぉぉぉぉ!!!」
やるせなさと再び霧に包まれた自分の記憶に苛立ち、地面を殴りつける。
チェイス「俺は・・何者なんだ・・・」
わずかに残されたロイミュード達のパーツが、惨めに頭を抱えた異形の者を反射させていた。
やーーーーーーっと変身した。
ここまで長かった・・それでは皆さん、また会う日まで。
アデュー。
エグゼイド、盛り上がってきたね。
頑張れM。