星くずうぃっち☆メルルVS魔女っ娘ミラクるん♪VSNEWヒロインみくる   作:数取団乱闘生

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- 京介の苦悩 -

桐乃より大会参加を言い渡された京介だったが、京介自身はメルルに対する知識は人並み程度。

当然その状態で桐乃が出場させる筈もなかった。

「はぁ……ホントもう毎日が地獄だぜ……」

「あら私はてっきり毎日妹といちゃいちゃしているのだと思っていたわ」

京介は桐乃がいない間に愚痴を聞いてもらおうと、これまた桐乃の友達なのだが誘っていた。

一人はゴスロリの格好をした女の子黒猫。もう一人は高身長でステレオタイプなヲタクの格好をした沙織。

「お前なぁ、俺たちをどんな目で見てんだよ。エロゲーの主人公じゃねぇぞ俺は」

「ウェディングドレスまで着せてキスしてた男がどのツラ下げて言っているのかしら」

「お前それ言うなよ!」

若干蔑むような目で黒猫に見られている気がした京介だった。

「まぁまぁお二人とも。それできりりん氏のスパルタ授業とはどのようなものなのでしょう」

「あぁ…思い出したくない」

 

「アンタ何回言ったらわかんのよ!この子の名前はブリジットちゃんじゃないから!それはコスプレしてた子でしょうが!」

メルルのことが全然覚えられない京介に対して桐乃はイライラしていた。

「ホントにメルルのアニメ全話見たんでしょうね」

「俺だってニートじゃねーんだからそこまで暇じゃないぞ?1日2日で全話見られるわけないだろ」

「寝る時間削ってでも見なさいよ!」

桐乃の前では京介のいかなる言い訳も通用しなかった。

「逆にお前は見たってのか?」

「あったりまえでしょ!こっちだって溜まってるエロゲー我慢してメルルの情報を改めて全部叩き込んでんだからアンタも努力しなさいよ!」

「言いたい放題言いやがって…」

ここで俺は何の興味もない大会なんだから降りてやる!と言うのは簡単であり間違ってはいない。

妹の為にわざわざ出てやってるのにこんな態度をとられるのは理不尽だからである。

しかしそこは世界一のシスコン高坂京介。そんなことを言う筈もない。

「大会はまだもうちょっと先だろ?そんなに急ぐことねーだろ」

「じゃあ聞くけど、2日もあって大して見てない奴が何で一夜漬け出来ると思ってんの?それに自分がさほど興味のないアニメの情報なんて1日でそんなに入らないと思うけど?」

「そ、それは……」

ここは桐乃が正しかった。テスト前の一夜漬けとは違う。京介はメルルを覚えようとはしつつも、心の何処かでは桐乃に頼っている。メルルヲタクの桐乃がいれば大丈夫だと思っているのだ。

だからおそらく一夜漬けをしようとも途中で投げ出してしまうかもしれない。

「じゃあ1話から見ていくから」

「はぁ⁉︎ お前今何時だと思ってんだ!1時だぞ!」

「仕方ないでしょ。みんな寝た後じゃないとずっとアニメなんか観れるわけないじゃん」

「ほ、本気かよ……」

結局そこから桐乃と京介はメルルを5時間見続けたのだった。

 

「もう無理だ…このままじゃメルルノイローゼになりそうだぜ俺……」

京介はテーブルに突っ伏してため息をついた。

「情けないわね。可愛い妹の為なのに」

「黒猫、お前最近俺に冷たくないか?」

「そうかしら。いつも通りだと思うのだけれど」

「そうか?」

京介は黒猫にずっと引かれている感じがしていた。

「それで?あなたは私たちにあの女を注意でもして欲しいのかしら」

「いや、まぁそういうわけじゃないんだが……このスケジュールで大会までやられたら確実に俺はノイローゼになるなって思って……」

「でもきりりん氏はどうしてもそこの大会で優勝したんでござろう?」

「そうなんだよ…だからあんまり言い出せなくてだな……」

あまりにもハッキリしない態度の京介に黒猫からため息が漏れた。

「あなたは何?あの女の執事か奴隷なの?」

「そんなわけないだろ、兄貴だよ」

「だったらむしろ立場はあなたの方が上でなければならない筈よ。それなのに今のあなたはあの女に良いようにこき使われる奴隷にしか見えないわ」

「そこまで言うか⁉︎」

でも黒猫の言っていることは間違っていなかった。いくら世界一のシスコンといってもノイローゼになるまで妹のワガママに付き合う義理はあるのか。

「でも…」

散々罵った後で黒猫が口を開く。

「それでも相手の頼みの断れないし投げ出さない…それがあなたですものね。私はそれで良いと思うわ」

普通ならどっちなんだよとツッコミたいところだが京介は何か感銘を受けていた。

「分かったぜ黒猫!俺はやるよ!ノイローゼになろうがなるまいが桐乃に腹立とうが、必ず大会で優勝してみせる!桐乃の夢と俺の苦悩を無駄にしない為に!」

カフェでいきなり立ち上がり堂々とデカイ声を出した京介。本人は全く気付いていないが、黒猫と沙織は恥ずかしくて仕方なかった。

そして京介もそんな二人の姿を見て、ようやく自分の過ちに気付いたのか黙って座った。

「と、とりあえずこの店は出ようか……話はまた後でってことで」

「そうね……早く出ましょう」

三人はコーヒーを急いで飲んでそそくさと店を出た。

 

「今日はすまなかったな二人とも」

「まったく…ホントあなたたち兄妹は世話がやけるわね」

「悪かったな」

 

第2話完。

 

 

またお会いしましょう

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