1 / 1
プロローグ
過去に存在した人物のコピー。
それが私。
生まれてから幾年か過ぎたある日、そう告げられた。
しかしそう言われても実感は無かった。
オリジナル、つまり自分のベースとなった人物を調べもした。
大層立派な経歴だ。
一時一国の支配者にもなった。
益々実感が湧かない。
自分の姿を鏡に映してみる。
そこに映る性別は女。
何度見ても。
オリジナルの事を調べる。
性別は男。
何度見ても。
男性として生まれたからこそのあの英雄では?
女性として生まれた私にあの英雄になれるのか?
もしかしたら周りは冗談を言っているのでは無いか。
私は何度も確認した。
しかし帰ってくる言葉は、
間違いなく―――――――だ、と。
性別の差などなんら意味など無い。
だからお前は――――――として人々を導く指導者となりなさい、と。
そのうち私は悩むのを辞めた。
悩んだところで自分でどうしようも無いのだ。
そう生まれたのであればそう生きることにしよう。
普通ならもっと悩むべきかもしれないが、意外と割り切ってみたらすっきりした。
『じっくり考えろ。
しかし、行動する時が来たなら、考えるのをやめて、進め』
それから私は色々と学んだ。
これを知りたいと言えばすぐに学べる環境にあったからだ。
彼に一歩でもなれるように。
私は彼のやってきたことを色々学んだ。
彼として生きられますようにと願って。
どうか英雄として生きられますようにと願って。
私は現代に蘇った英雄の一人。
フランスを支配し、ヨーロッパの大半を勢力下に置いた実力者。
私の名前はナポレオン・ボナパルト。
真剣で私の辞書に不可能は無い!