戦国†恋姫 〜感染者が降りてきました〜 作:アンラッキー松茸
今回はこんな話です。生暖かい目で見てください。
ではどうぞ!
墨俣一夜城から数日、屋敷にて久遠が俺にある提案を出してきた。
「今回の一戦で蜂須賀小六も加わり、貴様の部隊も拡大したようだな。して仁よ。貴様、長屋に住む気はないか?」
聞いたところ、自分の衆や部隊を持つ者は、暫く屋敷や長屋を宛てがわれるとのこと。今回の戦でころや蜂須賀衆も何名か加わったので、俺にも長屋をくれるそうだ。
「(これ以上久遠や帰蝶の家に厄介になるのも忍びないな。)そうだな。これ以上ここに厄介になるのもあれだしな…わかった。引っ越そう。」
「むっ…貴様は我らといるのが嫌なのか…?」
「いや別に嫌ではないが…このまま久遠と帰蝶の中を邪魔するのはな…」
「貴様だって我の夫であろうが…寂しければいつでも寄って良いのだぞ?」
お前が良くても帰蝶が嫌な顔するぞ。多分な。
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てなわけでいよいよ引越しの日。荷物を纏め、屋敷の入口に出た俺に、帰蝶と久遠も見送りに出てきた。
「…ねぇ、本当に一人で大丈夫なの?」
お?なんだぁ?心配してくれるのかぁ?大丈夫だぜ帰蝶。前の世界では1人暮らしをしてたから料理や掃除は得意だぜ。
ただ不安なのはここの家などかわ昔だってことぐらいか。火をおこすのもガスコンロや電気ではなくて薪を汲み、火打石や火打金などで火をおこす。普通なら、現代から来た俺ができるはずがない。帰蝶もそう思っているのだろう…だが慣れちまえばこっちのもんよ。」
「その慣れるまでが心配なんだけど…」
おうっ、口に出てた?
「まぁ最初は転子やひよに手伝ってもらうことになるだろうけど、最初だけさ。」
「だからじゃないの…ひよところにあまり迷惑かけんじゃないわよ。」
「まぁあの二人がいるなら問題はあるまい。」
「久遠…」
この2人。俺が生活力がない人間だと思っているのだろうか。まぁ確かに、それらしいことを見せてない。でも
「久遠様ー!お頭ー!」
「結菜様もこんにちは!」
「おぅ2人共、ご苦労さん。」
「いえいえ。お迎えに上がりました。お頭」
「うむ。二人共、苦労。」
「それにしてもすごい人数だな。そんなにいらなかったんじゃないか?」
ひよところの後ろを見てみると、上田隊の何人かが控えていた。
「え?…別に普通ですよ?」
「そうですよ。それで、お頭の荷物はどちらに?」
「・・・ん?」
「荷物ですよ荷物。服とかお布団とか…」
「その為に、隊の皆さんも一緒に来てくれたんですから。一気に運んじゃいますからどこに置いてあるか教えてください。」
「いや…ないよ?」
「・・・え?」
「…おっ、お着替えは?」
「お鍋や包丁は!?」
「…そこらへんは久遠の家のを借りてたし、食器や衣類などだって久遠のお父さんのをお借りしてたから…ね?帰蝶さん、久遠。」
「えぇ、家事は全部私がやってたから…」
「そういう訳だから、必要なものはそちらで揃えてやってくれ。」
「はぁ…承知いたしました。」
「あの…木下様、蜂須賀様?」
「我々は解散…ということでよろしいですか?」
「えっと…」
「そうだな。…皆、済まないな。折角来てくれたのに。」
「い、いえいえ…おーい!皆解散だ!解散!」
『へーい…』
上田隊の兵の声に無いのか…という感じの応えをし、ゾロゾロと戻っていく。
「そ…それじゃ、私たちも行きましょうか、お頭。」
「そうだな。いつまでもここに居るのもあれだし…じゃあ久遠に帰蝶さん、また。」
「うむ。またな」
「たまには顔を出しなさいよ」
こうして俺達は久遠の屋敷を後にした。
「…そうか。ころも
「はい!改めて、これからお世話になります!お頭!」
「こちらこそ。まぁなんだ、気楽に行こう。いつも肩肘張ってちゃ世話ないから。」
「はぁ…」
「それではお頭、これからどうします?」
「そうだな。生活に必要なものを一通り揃えたいところだが、まずは新居の方に行くとしよう。」
道順も覚える必要があるしな。その
「はーい!わっかりましたー!」
「承知しました!じゃあまずは長屋に案内しますね。」
「あぁ、よろしく頼む。」
「あっそうだ。お頭ー、お金はあるんですか?」
「一応久遠からこの間の墨俣一夜城築城の功績を認められて給金が出たからな。足りるだろう。」
「そうですか。…あっお頭、こっちですこっち。」
そう言いながら、ひよ子に道案内される俺ところ。人の往来が激しい本道じゃなく、そこから少し離れた裏道を行く。その道は何本かに枝分かれしていて、目印がないと迷いそうな道だった。これは確かにわかりにくいな。先にこちらを選んでよかった〜。(´д` ;)
「もうすぐですから、仁様。」
ひよに教わりながら、しばらくその道を歩いていると、一件の長屋が見e・・・・ん?
「…何これ?陣地か何かですかい?」
「あはは…。一応、歓迎ってことで…」
「私は止めたんですけど、目立つようにってひよが。」
「あーっころちゃんひどーい!」
まぁ気持ちは嬉しいよ。…お陰で着いたんだから。
そんなことを話していると、長屋の奥から
「仁様!お待ちしておりました。」
「これからよろしくお願いします。」
「おう、出迎えご苦労様。お世話になりまーす。」
「はっ!」
隊の皆に礼を言いつつ、俺たちは来た道を戻り、必要なものを買いに再び清洲の街に繰り出す。
「なんかごめんな。二度手間かけて…」
「いえいえ。気にしないでください。元々はころちゃんを案内する予定だったので。」
「私も、こっちに来てから足りないものがいくつかあったので…ちょうど良かったです。」
「そう言ってくれると助かる・・・そう言えば、あの長屋はいつの間に用意されたんだ?」
あの時、久遠は「長屋に住む気はないか?」っと言ってたが、もしかして墨俣城が完成する前から建築してたとかっ!?
「えっと、確かころちゃんがくる少し前だったと思います。私も、お頭の隊に入ってからあそこに移ったので。あっでも前の長屋もすぐ近くなので、この辺の地理には詳しいですよ。」
違ったわ。…アハッ♪
「そうか、それは頼もしいな。」
「えへへ。」
「?…ご機嫌だな、ひよ。」
「それはそうですよ!こうやって、お頭の部下としてちゃんと武士になって、ころちゃんとも一緒に働けるんですから!」
「私もやっと仕官できましたし。」
「これから皆で、沢山手柄を立てましょうね!」
「だな。…まぁ織田には勇将猛将が多いし、さして先鋒にはならないだろう…」
「まぁ、できたばかりの部隊ですし、人数も限られてきますもんね。」
「そういうこった。他にも出来ることはあるだろうが、まずは出来ることからコツコツとやっていけばいいさ。」
「そうですよね~。うぅでもやっぱり…手柄は欲しいですぅ。」
「手柄は良いけど…ひよ、頸なんて取れるの?」
「え?・・・あ…あぅぅ。」
頸と聞くや青ざめた顔になるひよ。聞いた話、ひよは今まで人の命を刈り取ったことがないらしく、以前仕えていた松下嘉平からは「あなたは武士には向いていない。故郷に帰りなさい。」と言われていたそうだ。
「…前線で戦うことが全てではないだろう。これからの戦いにおいては、武力も必要だがそれを楽にこなすための下準備が出来る部隊が必要になるはず。」
「下準備…ですか?」
「(コクッ)調略、補給、工作部隊…出来ることは山ほどある。そういうところで役に立てれば、久遠も認めてくれるはずだ。」
あぁ見えて褒めることを惜しまない人ですからね。うんうん。
「さすが仁様!そうですよね!首級を刎ねるだけが手柄って訳じゃないですよね!」
「ころはどうだ?」
「あはは…野武士って首級を取るのが仕事じゃなかったんで…私も正直あまり…」
「んもー!ころちゃんも人のこと言えないじゃない!」
「え、別に私が頸取るの得意なんて一言も言ってないでしょ?」
2人が喧嘩をしてしまった。人がいるからしないで欲しいんだが。
「あっ仁じゃねぇか。」
「仁君やっほー。」
そんななか、道の先から織田軍きっての三バk…ゲフンゲフンっ!三若がやってきた。
「仁君。今雛達に失礼なこと言いかけてなかったー?」
…毎度思ってることなんだが、you達はエスパーかい?
「いいや何も。それより何やってるんだ?こんなところで。」
「ちょっとお買い物なんです!」
「猿達も買い物か?」
名前を交換しても猿と呼ぶのを変えないんだな。
「はい!仁様ところちゃんが長屋に引っ越してきたので、足りないものを買いに…」
「あぁ、猿の長屋の方に上田隊の幟が山ほど立ってたのって、それか。」
「見てたのかおまいさんら…」
「あー、そう言えば仁君。久遠様に追い出されたんだっけ。かわいそー。」
「夫婦はあくまで表面上でだよ。だからそこまで居座るわけにはいかんと思ったからこうなったんだぞ?」
「そうなんですか?仁様可哀想…」
ちょっ犬子…そんな目で俺を見るな。照れるだろ?
褒めてないからっ! by 誰か
えっ、褒めてない?そうか…哀れみのほうか。
「え?僕は久遠様に手を出して追い出されたって聞いたぞ?」
「そうなんですか、仁様!?」
「仁君サイテー…(ニヤニヤ)」
「仁様…」
皆して哀れみの目でこっち見るんじゃねぇ。というか雛の奴、口元だけニヤけてやがる。もしかして…
「和奏。それ聞いたのはどちらさんかな?」
「え?そりゃあ雛から…」
「やっぱり雛お前かぁあああああああああああっっ!!( # °᷄д°᷅)」
「わー!仁君が怒ったー!」
「ぶぅー、軽い冗談だったのni…プギュッ!」
「君の言う冗談は洒落にならんからやめなさい。」
「え?冗談だったの?」
雛の文句に俺は両手で頬を挟み変顔をつくらせから言うと犬子が首を傾げながら問いてきた。…君、信用しすぎでしょ・・・そういうところ可愛いけどさ。
「…とそうだ。和奏達にちと聞きたいことがあるんだけど。」
「なんだ?」
「話題の変え方が白々しいね。」
「ぎゃかましい。…んで、軍の手柄を立てるのに必要なのはなんだ?」
「「「首級。」」」
即答。そして3人共いっしょときました。武闘派の多い織田軍ならではだな。
その時ひよを見たがあぁやっぱり…というような顔をして落ち込んでいた。
「武士は戦で首級を挙げてこそですよ!」
「…まぁそうだよな。」
「当たり前だろ。なんで今更そんな事聞くんだ?」
「まぁ、雛はそう言うのめんどくさいけど…もっと楽で褒められる手柄がいいなー。」
「…手柄を立てるのに、苦も楽もないだろうに。じゃあ雛はどうやったら手柄を立てられると思うんだ?」
「んー。よくわかんないけど…久遠様や麦穂様に褒められればなんでもいいんじゃないかなー?」
「まぁ、お前らはこの間の墨俣の築城で手柄立ててるんだからいいじゃないか?首級は僕達に任せておけよ。」
「そうそう!」
「そうだな。んじゃ敵将の首級は三若や壬月さん達に任せるわ…今の所、
「任せとけ!」
「雛は任されたくないなぁ…」
「けど、仁様は何でこんなこと聞きたかったんです?」
「こんな当たり前のこと聞いて、変な奴だな」
「ちーと気になっただけだ。ありがとな。参考になった。」
「まぁなんでもいいや…それじゃ、そろそろ雛達は行くねー」
「仁様、またー!」
See you〜。
「・・・だそうだぞ?」
「やっぱり武士の一番の手柄は首級なんですね…」
「うーん…仕官するのも大変だったけど、この先はもっと大変そうだなぁ…」
「…確かにな。でもさっき言ったとおり、敵を倒すことだけが手柄って訳じゃない。それは和奏も言っていただろ?俺達はこの間の墨俣一夜城築城で一役買って、十分手柄をとったんだからさ。」
「でもあの時は…他にも沢山の人が戦ってくれていましたし…」
「これからはあの時以上の軍と戦うことにもなるんですよね…」
おう自信が無くなってきてる。なんとか元気付けなければ。
「そうだな。久遠が天下統一を目指す限り、敵を倒さなければならない。けど、ただ倒すだけが戦いってわけじゃない。その方法はこれから見つければいいんじゃないかと思っているんだが…」
「え……」
「とりあえず方針というか…俺達の軍の役割というか…俺達上田隊は前衛では戦わない。」
「えぇー!どういうことですか!」
「首級…狙わないんですか?」
「まぁな・・・俺が直々に前衛に出て道を作ることにはなるだろうが、基本的には作戦を実行しやすくする。搦め手の部隊をつくろうと思う。」
「あ…」
「だからさっき、和奏さんたちに首級を挙げるのは任せるって…?」
「そういうこった。織田軍は武闘派が多く、調略、計略に長けた部隊は少ない。強いて言えば、雛の滝川衆、麦穂さんの丹羽衆がいるが…麦穂さんは家老だからいざとなれば、前線にたって三若を率いることにもなるだろう。そして雛はもう2人の手綱を引く役目だからこっちも下手には動けない。だからこその俺達という訳だ。」
「なるほどー!それなら手柄も立て放題ですね!ううー!何だかこれなら首級を挙げなくても大丈夫な気がしてきた!やるぞー!」
転子「わ、私も頑張ります!」
おーし。これなら少しは自信につながるだろう。いい仕事したなぁ〜。
仕事かそれは? by 誰か
「仕事なのっ!いちいち突っかかってくるなっ!!」
「どうしたんですか?お頭。」
「空に向かって大声出して。」
「いや、なんでもない。…ところでひよ。失礼なこと聞くけど、君はいつから「猿」なんて呼ばれてるんだ?」
歴史上の秀吉は、猿回しの猿のように、ご機嫌取りがうまかったということからそう呼ばれていた説がある。だがひよから聞いた話では、最初に仕えていた時からもう猿と呼ばれていたようだ。なんでぇ?俺から見てもスッゲェ可愛いのに。
そう思っていると隣にいたころが両手で腹を抑え俯きながら震えていた。どうした?腹でも痛いのか?
「あ、ころちゃん。なんで笑ってるの!」
「いや…だってさ…」
「?」
「実はですね。ひよがちっちゃい頃…」
「あーっ!ちょっと、ころちゃん!?」
「あはは。言っていいですか?仁様。」
「いいよ、言って。」
「ちょっと仁様っ!?」
「ちっちゃい頃はですね。気が付いたらその辺木に登ってアケビや桃を食べたり、木の上でお昼寝してたりしてて…」
あ。…なるほど、合点がいった。
「いやーーーっ!それ以上言っちゃ駄目ェ!言っちゃ駄目だからねころちゃんっ!!」
「仁様のご命令だしなー。どうしよっかなー。」
「続けて。」
「ちょっ!?」
「あと、ちっちゃい子の面倒見るときでも、子供を抱きかかえたままそのへん走り回ってて…だからさ、そういうすばしっこい所が、久遠様にも猿みたいだって思われてたんじゃないの?」
「ころちゃんひどーい!」
「あ、そうだ。隣村の悪ガキと合戦をした時なんか、木に登ってまだ青い柿の実を投げつけたりして…あれはどう見てもさるかに合戦だったよねー。」
「そういうころちゃんだって…あの合戦の時には牛の糞を…」
「ちょっと!だからってその話までする!?」
「ふふん。お返しだよーだ!仁様も聞きたいですよね?」
「お好きなように…」
「仁様ぁーーーーーーー!!」
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その後、暴露大会は白熱していき、日が傾くまで続いた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「はぁ…はぁ…」
「ひよ…この話は、もうなかったことに…」
「うん…そうしよう…キリがないや…」
“キリがない”ということはまだあるということか。ま終わったからそれはそれでいいけどね。…いいんだが・・・
「2人とも。気づかなかったと思うが、日入りになってるぞ?」
「「あっ・・・・」」
「…まぁいいさ、今日はどこかで食べて帰ろう。買い物の続きはまた明日だ。」
「はい。だったらその辺もご案内しますね!」
「頼むわ。・・・あ。」
歩きながら大事なことを思い出した俺に2人は振り返る。
「どうしました?仁様。」
「いや、そう言えば俺、2人に給料ってあげてなかったよな…っと思いまして。」
「あっ…」
「そうでしたね。」
一応久遠からは給料の銭と米をもらってはいるが、それは俺一人が使うものではなく、その中から差し引いて隊の者に分ける。それがひよやころ達の給料になるんだよな。
え?忘れてたろって?…ちっ、違うぞっ!記憶の奥底に
それを忘れてたというのでは? by 誰か
「気がついてよかった…もしそのままだったら路頭に迷わせることになってたわ…」
「あはは…そうですね。私たちも気付いてもらえてよかったです。」
「当面は、私とひよで知行地の管理は出来ると思います。余裕ができれば、信頼できる役人を雇って任せてもいいでしょうけど…」
「その辺りは任せるわ。俺じゃ…どういうことに使えばいいかはだいたいわかるけど、そのへんはちと不慣れでな・・・一度、麦穂さん辺りに相談しないとダメだな。」
「その方がいいかも知れませんね。」
そんな話をしていたら一件の食堂に足が止まった。
「あ、仁様。このお店です!【一発屋】!」
…食堂なのに違和感がある名だな。まそれは置いといて。
「おーし。今日はここで食べるとしよう。」
「そうだ仁様!仁様の小さい頃の話も聞かせてください!」
「あっそれ私も聞きたいです!」
うぇえいっ!?俺の小せえ頃の話!?ん~・・・・・
「どうしました?仁様。」
「いや、正直な話。今話してもいいものかと…」
「えぇ…気になりますぅ!」
「ひよの言う通りですよ!それに墨俣でのあの腕もお話し下さいっ!」
ブフォッ!ウイルスも話せと申すかっ!?
「わかった。わかったから早く入ろうや。」
「「はーい!」」
そんな2人の元気いっぱいの返事を聞き、俺はひよオススメの一発屋の引戸を開け入った。
ウイルス系少なくね?…と思った方。
安心してください。中盤あたりから多く出てくると思います!待ってて下さい!