戦国†恋姫 〜感染者が降りてきました〜 作:アンラッキー松茸
転子の登場です!温かい目でどうぞ!
オス!おら東京さ行くだ。
違ったわ、仁だ。評定の場を出た後、俺とひよはどうやって城を建てようかを話し合うため町を歩いていた。
「お頭!久遠様にあんなこと言っちゃって、本当に大丈夫なんですか!?…はっ!お頭のことですから。きっと何か策があるんですね!流石お頭です!」
ちょっ、キラキラした目でこっち見ないでくれ。眩い。
「いやまぁ…そういう訳じゃないんだけどな。」
「へ?…じゃ、じゃああの・・・もしかして行き当たりばったりで受けてしまわれたんですか!?」
「そう言えるな。ハッハッハ。」
「ええぇーーーーーーー!!」
俺の言ったことに驚いて叫ぶひよ。あぅ、耳が…
「まぁ心配するな。策は無くても考えはある。そのためにはひよの助けが必要なんだ。」
「わ、私の助けですか…?」
「あぁ。…てなわけでさっそくだが質問するぞ。墨俣の地理に詳しい知り合い…いるか?」
「墨俣の地理に詳しい知り合い、ですか?…うーん。」
左人差し指を頭に当て考えるひよ。その後にひらめいた顔をしながら俺の方へ向く。
「一人いますよ。幼馴染なんですけど。」
「名前は?」
「蜂須賀小六正勝。通常は転子っていいます。今はどこにも仕えず、野武士を率いて尾張と美濃の小競り合いに横入りして
ほうほう。…史実通りですな。
「んじゃあその子に協力を要請してみようか。」
「えっ!?ころちゃんにですかっ!?」
「そうだ。野武士を率いてるということは、それだけ人数を抱えているということだろ?」
「それは・・・はい。支払うお金次第だと思いますけど…」
「傭兵を使うことになるが、今回はできるだけ織田の兵は使いたくはない。」
「え?織田の兵は使わないんですか?」
「今回に至っては…な。織田兵を使うと色々と面倒事が増える。なら
「
「簡単に言うと、久遠は美濃にスパイ…ではなく、忍者・・・・草を使って情報を集めているだろ?」
「はい。久遠様が結構な数の草を使ってるって聞いてます。」
「なら美濃方面も、こっちに草を放っていてもおかしくはない。…そう思わないか?」
「あ…言われてみればそうですね。」
「そして、その草の前で織田正規兵が出陣準備をする。・・・とどうなる思う?」
「目的を調べたうえで本国に報せがいって、きっと向こうも戦の準備を始めると思います。・・・なるほど。だから正規の兵を使わないんですね。」
「正解。目的を悟られ待ち構えられたらどの作戦でも失敗する。そこで頼りにするのが、蜂須賀率いる
俺の考えにひよは理解した後身体を
「うぅーーーーー…!お頭、凄いです!私そんな風に考えたことありませんでしたっ!!」
「ありがと。」
「あれ?…でもお頭。どうして私ところちゃんが知り合いだって言うの、知ってたんですか?」
「それについては、秘密ということで。」
「秘密…ですかぁ。」
「ははは…とりあえずひよ。まずは蜂須賀ちゃんの所に行ってみよう。」
「ふぇ!?…はっ、はい!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さぁ場所は変わって俺達は山の麓の村に来ている。
「此処に彼女(?)がいるのか?」
「はい。そうなんですけど…どこだろう?」
そう言って辺りを見るひよ。そしてある一点を見つめると急に駆け出した。ちょっ!速い!女の子にしては速くないかちみ!
「ころちゃーーーーーん!」
「あれ?ひよ子!?うわー、久しぶりー!」
「えへへ、久しぶりだね!調子はどう?風邪とか引いてない?」
「大丈夫大丈夫。健康そのもの!なんだけどねぇ…」
「ほぇ?元気ないね。どうしたの?」
「最近稼ぎが少なくて・・・はぁ。織田も斎藤も、もっと派手に戦してくれればいいのに…」
「あははは・・・」
「で、ひよは今何してるの?」
「今は清洲の織田上総介様にお仕えしてるの。昔、言ってた夢…武士になって功を立てて、おっかあ達を養うって夢が、少しだけ実現できたんだよ!」
「そうなの!?すごいじゃん!」
「へへ~♪」
「ところで、そちらの方は同僚さん?」
「違うよ!あのね、こちらは私のお頭で、織田上総介様の旦那様なんだよ!」
「・・・・・えぇーーーーーーーーーーっ!!?」
そこで蜂須賀が目にした者とはっ!?…いや、俺なんだけどね。2度目の叫びにまた耳が変になりそうになった。しかし大きいね。イッ○Qの宮○より大きい気がするよ。
すると
「し、しかし…!」
「確かに、旦那になってはいるが、それはあくまで仮だ。婚約もしていないし、式も上げてはいない。・・・一応ひよの上司というわけで認識してくれると助かる。」
「は、はぁ・・・」
「えへへ。お頭はね、強くてかっこよくて、すっごく優しい方なんだよ!」
「優しいというか…変わってる人にしか思えないんだけど…」
「そんなことないよ!すごく、すごーくお優しくて。それでね、すっごい尊い人なんだよ!」
「尊い?…あ、もしかして田楽狭間に現れた!?」
「うんっ!えへへ~♪」
なんでひよが嬉しがる?それほど嬉しがるものなのか?
「だってだって、何だか嬉しいじゃないですか。お頭のこと、知ってる人がいるって!」
「田楽狭間で織田に勝利をもたらすため、天が織田に贈ったと言われる田楽狭間の天人・・・・・ご無礼致しました!私、この辺りを仕切っている、蜂須賀小六転子正勝と申します!天より降り立ち、一切衆生を救い給う阿弥陀様の化身と言われる御身のご尊顔を拝し奉ること、卑賎の身でありながら恐悦至極…!」
「いや、俺ただの人間だから!いや…見た目以上に歳は行ってるけど…別に気兼ねしなくても構わないからね!」
「しかし…!」
また跪いてしまった。こりゃあ体制を崩そうとはしないな。…ひよ、なんとかしてくれこのままだと話が進まない。
「ええと、あのね、ころちゃん。仁様はすごい人なんだけど、身分とか気にしないお優しい人なんだよ!だからころちゃん。仁様のお優しさを有り難く頂戴しないと、それこそ逆に失礼になっちゃうよ?」
「そ、そういうものなの?」
「そういうものなの。俺もひよも、勿論君だって同じ人間。会話をするなら常に対等の立場で会話をしたいと俺は常々考えている。それに俺自身、肩肘張って話すのは好きじゃない。だから君も、緊張せずに接してくれたら有難い。」
「えぇと・・・」
…うん。俺の言ったことに戸惑っている様子。駄目だろうか?
「…本当に宜しいので?」
「あぁ是非そうしてくれ。」
「あっ…その!し、承知しました!」
「おぅ、ありがとな。」
「…はぁ~。やっぱり変な方ですね。私なんかにそんな気軽にお礼をお言いになるなんて。」
「変じゃないよ!お優しい方なんだよ!」
「はいはい。じゃあそういうことにしとくわ。…それでひよ。今日は一体?」
やれやれ、やっと本題に入れる。
「ここからは、俺が説明しよう。今回君に会いに来たのは他でもない。実は野武士の棟梁である君にある依頼をしに来たんだ。」
「は、はい!依頼…ですか?」
「(コクッ)近々、墨俣に城を築くことになったので、君達にはその手伝いをしてほしいいんだ。」
依頼を聞いて、“墨俣築城”に反応したのだろう…転子の瞳が鋭くなり顔が引き締まる。
「…なるほど。野武士を纏めている私の力が必要。そういうことですね。」
「理解が早い。それで返答wo…」
「お待ちを。ここで立ち話をするような案件ではありません。詳しい話は私の長屋の中で致しましょう。荒ら屋ではございますが、どうぞ中へ。」
え?…あぁ確かにこんな太陽の下で話すような案件ではないよな。俺達は転子に促され、彼女の家に入ることにした。
「清洲織田の殿様が、墨俣の地に城を築こうとしているという噂は、予てより耳にしておりました。それに先日、家老である佐久間様の部隊が、築城に失敗して敗走を余儀なくされた、との情報も得ています。」
「ふわー。さすが野武士の棟梁だね、ころちゃん…」
「情報が私の稼ぎの源だしね。それで、ええと…」
「上田隊組頭、上田 仁…とは言っても俺とひよしか居ない部隊だけどね。好きに呼んで。」
「それで仁様。私達野武士の力が必要とのことですが…美濃衆と戦をするのですか?」
「さっき言った通り。今回は戦ではなく、墨俣に城を建てる手助けをして欲しいと思っている。まずは俺の考えた策を聞いてもらえるか?」
「わかりました。聞きましょう。で、その作戦といのは?」
「ひよ。持ってきた地図を出してくれないか?」
「はい!」
地図を広げて、俺は指で位置を指し示しながら、建城予定の場所を説明する。
「この長良川の本流と、細い川が交差しているこの位置に築城予定地にしようと思っている。で、この築城の際肝心になってくるのがこの川。」
「長良川ですね。」
「うん。佐久間さんの部隊が敗走したことに際し詳しく聞いたところ、築城の準備をする間もままならず、敵の襲撃を受け、敗走を
「そこで、俺達は予め城の部品を長良川上流である程度組み立てておいて、そこから筏で一気に長良川を下る。夜の闇に紛れてな。」
「後は一気に川を下って墨俣に上陸したと同時に、予め用意してあった部品を手早く組み立てる。組み立てる際、敵の襲撃も勿論予想される。なので、まずは防御柵を建て、堀を掘って美濃勢の襲撃に備える。後は順序よく組み立ててもらえれば良い。迎撃には俺も参加するしそこは心配いらないと思う。説明は以上。」
「なるほど!お頭すごいです!」
「うん。こんな築城の仕方、初めてみるけど、これだったら何とかなるかも…」
「いや、無理にとは言わない。けど俺達には人員が無くてな…できれば強力してくれると助かる。」
「準備と報酬、その両方で結構な銭が必要になりますが、その辺りは?」
「織田三郎曰く。美濃攻略は織田家の悲願。それが成功するならその辺は惜しまないだろう。おそらく君の言い値は飲んでくれるはず。」
「ふむ…分かりました。仕事の危険度から考えればある程度、値は張ってしまうのは仕方ありませんが、そこはご理解いただきたく…」
「あぁ。」
これは、帰ったら久遠に後で説得しなくてはいかんな。
「では私はすぐに仲間たちに渡りをつけます。」
「了解。資材と資金はこちらが用意しよう。人数を集めるのにどれくらい必要なんだ?」
「そうですね…大体七日ほど頂ければ十分かと。」
「資材の準備も同じくらいの日数があれば大丈夫ですね。じゃあ七日後に決行、ですか?」
「いや、人数と材料を集めたとしても、いきなり決行するのは愚策中の愚策。材料をある程度加工して、組み立てる順序を確認しつつ、部隊編成や動かし方の訓練が必要だ。それに、運搬する資材も敵に感づかれないように隠しておく必要もあるから最低でも・・・もう七日、二週間後になるか。」
どこに敵の目があるかわからないからね。感付かれたら一貫の終わりだ。尾張でやるのは…いや駄目だな。間者の目があるかも知れない。
なら美濃周辺…それも駄目か。地図を見る限り長良川の上流の森に隠しておくのもありかと考えたんだが、雨の水などを吸ってしまえば木材が腐る可能性もある。
ならどこに隠す?…それは彼女、蜂須賀ちゃんが纏めているこの村しかない。
「妥当な判断です…こんなことを言うのもなんですけど、切れ者ですね仁様は。」
「まぁ今回は、原因も大体予測は出来ていたから。その上で最善の策を考えただけさ。」
「もうそんなこと言って!お頭はすごいんです!すごいんですったら!」
「落ち着ついてひよ。まぁ策をあげたところで…これからは蜂須賀。君と君が率いる者達の協力に掛かっている。報酬は弾むが…まぁよろしく頼む。」
「了解しました。被災ながらご期待に応えられるよう、全力を尽くしましょう」
「頼む。ひよ、君は蜂須賀と連携を取り、段取りを整えてくれ。」
「はい!」
拒否されるものと覚悟はしていたんだが、快く引き受けてもらえてホッとした。その後は大まかなことを打ち合わせ、俺とひよは清洲へ戻るのだった。