東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中)   作:タツマゲドン

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今回は覚えておくべきシーンが有ります


9 記憶

「悪いな、魔理沙。乗せてもらって。」

 

「別にいいぜ。乗りたければいつでも乗せてやるからさ。」

 

 アダム達3人は紅魔館の宴会の準備がある為、一旦神社に帰っている途中だった。

 

 ちなみに、アダムは空を飛べない為、魔理沙の箒に乗せてもらっている。

 

「しかし、何故霧が赤くなったのか、フランドールが暴走したのかは謎だな......。」

 

「まあ終わり良ければ全て良しだ。それにしてもお前、あんなに強いのに飛べないんだな。」

 

「僕には大量のエネルギーが有るが、エネルギーを活用するには媒体が必要らしい。格闘は”身体”という媒体が有るが、お前達みたいに銃を使わずに弾を撃つ事は出来ない。空を飛ぶにもある種の媒体が必要なのかも知れない。」

 

「ふーん。でもあたし達だって強力な弾幕を撃つにはスペルカードがいるし、あたしは箒が無いと空が飛べないぜ。」

 

「私も、祓いや封印には呪符や呪文が必要だし。でも私は何も無くても空を飛べるけどね。」

 

「それはお前の能力だからだろ。」

 

「いや、それ以前に空中戦というのは地上戦よりも欠点がある。例えば、地上戦は地面による攻撃のし辛い方向があるのに対し、空中戦は地面が無い為、どの方向からでも攻撃を仕掛けられる。それに、地面の摩擦が無い為、空を飛べるといっても空中では機動性が鈍る。また、地面を踏ん張る事が出来ない為、格闘で十分な威力が発揮出来ない......今まで反論を言っておいて何だが、空を飛べる事自体は便利なのは認めている。」

 

「うーん......天才の言う事はよく分からん......。」

 

「でも「弾幕ごっこ」じゃ格闘なんて基本的にないわよ。あの紅魔館の門番は格闘を使うし、メイドはナイフを投げて来るけどね。」

 

「ところで霊夢、「弾幕ごっこ」とは何だ?」

 

「そういえば説明していなかったわね。「弾幕ごっこ」というのは、幻想郷における決闘のシステムなの。決闘において死傷者が出ない為のシステムよ。また人間は妖怪に比べ、力が劣る。だから人妖問わず皆が公平な力を持つようにする為、また決闘において死傷者が出ない為に考え出されたの。」

 

「要するに殺さずに相手を無力化する事が目的という訳か。」

 

「......そ、そうじゃなくて......。説明を続けるけどその弾幕ごっこをするには自ら弾幕を放つかスペルカードを使うの。「スペルカードルール」と言って、お互いにスペルカードから放った弾幕をそれぞれで避け、弾幕をある程度受けるか、弾幕の美しさを認めると負け、というルールよ。」

 

「それであっても力の勝る妖怪が有利じゃないのか?それにあのフランドールは当たれば確実に死ぬ、という威力の弾幕を使っていたのだが。」

 

「妖怪は人間に比べて精神的な攻撃に弱いの。弾幕ごっこでは弾幕が強すぎて死傷者が出る事はたまにあるけど......あの吸血鬼は流石に例外よ。」

 

 すると、魔理沙が口を開いた。

 

「ところでアダム、さっきあたしの八卦炉を見て無駄があるって言っていたが、それは本当か?」

 

「本当だ。」

 

「マジかよ......。」

 

 魔理沙は自分の宝物に無駄が有る、と言われて平常を保てる訳が無く、息を呑んだ。

 

 霊夢もあの八卦炉の威力は良く知っているので、同じく驚いていた。

 

「......でもそれはまだまだ改良出来るって事だろ?どこをどうすればもっと強化出来るのか教えてくれないか?」

 

「そうだな...と言っても僕は出来る訳では無いが、二点ある。どちらも教えよう。まず、回路だ。回路の線の素材、細かな部品、等を取り換える事で出力は......少なくとも1割は上がる。」

 

「それは今度霖之助にでも頼むか。他に何があるんだ?」

 

 魔理沙は余程八卦炉を強くしたいのか、興味深く聞いていた。

 

「次に、プログラムだ。」

 

「プログラムって何だ?」

 

「例えば、使用者のエネルギーの変換比率を、熱を何%、光を何%という具合に設定する情報だ。これの改良で効率は、2割程度は上がるだろう。ただ、プログラムの設定はコンピューターが無いと設定できない。」

 

「なるほどな。でもお前の携帯端末みたいな奴もコンピューターだろ?」

 

「...多分あれでは大まかな設定は出来るだろうが、細かい部分は出来ない。でも出来る限りはやってみよう。」

 

「それはありがとな。そういやお前、忘れたことを結構思い出して来たんじゃないか?」

 

「思い出せたのは知識に関係する記憶であって、自分の事や過去、経験に関係する記憶では無い。前者は思い出し易いが、後者はきっかけが無ければ思い出せない。」

 

 すると今度は霊夢が声を掛けた。

 

「ねえ、そういえば腕は大丈夫?」

 

「ん?......そういえばもう治ったな。シャツはもう使えないし、リョウに新しいのを頼むか。」

 

 アダムは腕に括り付けられた棒とシャツを取り捨て、リュックからジャケットを取り出した。

 

「あなた本当に不思議よね。特徴は人間なのに妖怪以上の能力を持っているなんて......。」

 

 すると、霊夢はジャケットを着ている途中のアダムからある物を見つけた。

 

「あなた、背中に古い傷があるわよ。」

 

「本当か?どんな傷だ?」

 

「なんか、縫い合わせた痕みたいな、胸の真ん中で首の少し下あたりから縦に5寸くらいと、丁度首の後ろに1寸くらいの......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(此処は何処だろう......。)

 

 ある少年が何処かに居た。

 

 体が軽く感じる。

 

 何か温かい物が自身を包んでいる感覚がする。

 

 少年はゆっくりと目を開く。

 

 目に何らかの液体が流れ込んできた。

 

 液体で良く見えない目を凝らし、自分の体を見る。

 

 ぼんやりとしか見えないが、服は無い。

 

 ここから離れようと液体の中を泳ぎ始める。

 

 しかし、何かに遮られて進めない。

 

 前だけでなく後ろも、上下左右斜め全方向に進めない。

 

 少年は暫くするとようやく目が慣れてきた。

 

 よく見ると、自分がいた場所は直径1m、高さ2mのシリンダーの中だった。

 

 そして、自分のいるシリンダーの外にも、自分が入っているそれと同じ物が大量に規則正しい列で並んでおり、どれにも液体と誰か人が入っている。

 

 彼らは動いていなかった。

 

 すると、触覚を取り戻してきたのか、首の後ろに何かしらの違和感が出て来た。

 

 少年の目には何かのケーブルが映った。

 

 ケーブルは数本あって自分の首の後ろとシリンダーの上部にあるコネクターを結んでいた。

 

 少年は力を振り絞ってそれを抜こうとするが、ケーブルはまるで抜けない。

 

 すると、目の前に動く気配がした。

 

 二人の人間だ。

 

(助けてくれ!)

 

 思い切りガラスを叩く。

 

「彼がそうです。遂に成功ですな、ディック中佐。この時をどれ程待ったものか。しかも一番新しい「アンダーソン・シリーズ」が一番先とは。」

 

「まだだぞ、ポール。”生産”には成功したが”量産”段階までは進んでいない。」

 

「中佐、貴方はもっと気持ちを前向きに持つべきですよ。」

 

「完璧を目指すにはマイナス思考が一番だと私は考える。この前「独立軍」がロサンゼルスへ攻撃し、そのままノースアメリカの一部を持っていかれたのを忘れたんじゃ無いだろうな。完璧な準備で無いからああなるのだ。」

 

「分かっていますよ......その戦いにおいて”彼”が得られたのですがな。それより成功したのを確認したので早く手術を始めましょう。」

 

「ああ。しかし、”これ”の実力は確かだろうな。」

 

「オリジナルよりは劣りますが、スピード、知覚処理は素晴らしいものですよ。早く始めましょうよ。」

 

「目的に近づけるといいがな。」

 

 二人の人間は少年の助けなど何も無かったかの様に何処かへ去っていった。

 

 すると、今度は少年の目に自分へ接近して来る別の二人の人影を察知した。

 

 その二人は体全体が異様なほどに白く、しかし顔面だけは真っ黒で、目や鼻、口等の顔のパーツが確認できない。

 

 よく見ると、服らしき服すら着ていない。

 

 体の関節部分は黒く、足音は金属の様な響きを放っていた。

 

 慣れてきた目を凝らすと人間では無い事が分かった。

 

 この二人はロボットだった。

 

 ロボットたちはシリンダーの外側にあるパネルを操作し始めた。

 

 シリンダー中の液体の水位が下がり始めたかと思うと、液体は無くなり、少年を繋ぐケーブルが外れた。

 

 それと同時に少年は自分の体を自分で動かせなくなった。

 

 少年を囲んでいたガラスは上へと開いた。

 

 ロボット達は少年を担ぎ、何処かへと移動していった。

 

 移動時間は実際にはほんの数分にも満たなかったが、少年にとっては数時間に感じた。

 

 少年は何処かの白い台の上に俯せに乗せられた。

 

 手足や首、胴体は何かに括り付けられ、動けない。

 

 少年は首を動かし、辺りを見回した。

 

 部屋の片隅に一つだけドアが付いているだけの10畳程の部屋だ。

 

 壁や床、天井は真っ白で、天井に照明が一つだけあるだけだ。

 

 突然、ドアが開き、一体のロボットが入って来た。

 

 ロボットはトレーを持っている。

 

 トレーには手術道具らしき物が入っていた。

 

「......!」

 

 声が出なかった。

 

 ロボットはメスを手に取り、何の躊躇いも無く少年の背中を15cm程裂いた。

 

「......!!!!!」

 

 叫ぼうにも声が出ない。

 

 ロボットは少年の背骨に沿って長さ10cm程の装置を入れ、血管、神経等へと装置の回路を繋ぐ。

 

 時間は10分にも満たなかっただろう。

 

 ロボットは背中を縫い合わせ、次に首の後ろに3cm程メスを入れた。

 

「......ろ......めろ......止めろ!」

 

 少年はようやく声を出せる様になったが、ロボットはその命令を効かず、黙々と作業を続ける。

 

 ロボットは長さ2cm程の電子回路を背骨に沿って入れ、脊髄に回路を繋ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アダム!しっかりして!!!」

 

「......はっ?」

 

 突然アダムは拍子が抜けた様な声を上げながら人間らしい動きを取り戻した。

 

「よかった......お前今まで同じ体勢のままずっと動かなかったんだぜ。」

 

「一体どうしたのよ。」

 

「......いや、ただ頭が痛いだけだ。」

 

「そうか?少なくともそんな風には見えなかったんだが。」

 

「少し休めば如何にかなる程度だから心配するな。」

 

「それならいいんだけど......。」

 

 三人は神社へ向けて再び飛び始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所は外界の地域名アジア-コウフという地域のとある研究施設に移る。

 

「ドニーさん、ちょっと話が。」

 

「どうした、ロウ。」

 

「結界に異常がある様なんです。リョウに言われて気付いたんですが、どうやらテレポートや現地の異変によって結界が乱れているんですよ。」

 

「そうか......リョウには悪いかもしれんが、暫く一人で頑張ってもらうしか無いな。我々も「管理軍」の行動を出来るだけ抑えねば。それで、アイツは他に何と言っていた?ちょっとした事でも良い。」

 

「そういえば結界の乱れによって異変が異常になり、それが更に結界を乱す、とか言っていました。」

 

「そうだ。「スペースマシン」を利用して結界を安定化出来るか試してみよう。」

 




回想シーンや幻想郷外で起こっている事は本編以上に覚えておきましょう

一旦永夜抄が終わった辺りで設定集だします
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