東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中) 作:タツマゲドン
「やあ!」
男が自分へ刀を2本持った少女が切り掛かってくるのを確認した。
妖夢が2本の剣を同時に振りかぶる。
男は躱す素振りも見せず、両手をそれぞれの刀の軌道上に翳した。
2本の刀はどちらも男の腕を捉えた、が、斬れなかった。
男が頭突き、4連回し蹴り、ナックルを決め、吹き飛ばし、追い打ちを掛けようと追いかける。
妖夢は空中で体勢を整え、男の攻撃に備える。
男の拳と妖夢の2本の刀が空中でぶつかり合う。
しかし、男の力が圧倒的に強く、妖夢がそのまま押し飛ばされた。
男の拳には切り傷どころか腫れた痕跡すら無かった。
吹き飛ばされた妖夢はなんとか着地して体勢を整える。
男が更なる追い打ちを掛けるべく妖夢を襲う。
妖夢が正面から繰り出された男のストレートを体ごと右に避け、左の刀で胴を狙う。
男は自分の腹に向かって繰り出される刀を左腕で受け止める。
妖夢はそのまま右の刀で足を狙う。
男が僅かに跳び上がり、足元への攻撃を避ける。
そのまま両足蹴りを妖夢へ決めた。
不意に男が前へと吹き飛んだ。
男が後ろを見るとアダムが両足蹴りを決めた直後の体勢だった。
二人とも体勢を立て直し、正面からぶつかり合う。
男の止まらぬ連続攻撃に対してアダムは一度も攻撃出来ていない。
妖夢が背後から男へと駆け込み突きを繰り出した。
それに対して男が体を逸らしながら回し蹴りを繰り出す。
妖夢の突きは男に受け止められるが、男の蹴りは妖夢を吹き飛ばした。
アダムが隙を突いて男に下段回し蹴りを決め、地面に倒した。
そのまま踵落としを決めた。
踵落としはクリーンヒットしたものの男には大したダメージは無かった。
男がそのままアダムの足を掴み、地面へ倒す。
そして男の振り下ろしパンチがアダムに直撃した。
続けてもう一撃放つ。
アダムはギリギリの所で体を転がせて避け、男へ中段両足蹴りを当てた。
続けて妖夢が後ろから2本の刀で男の背中を裂いた。
背中に大きな切り傷が出来ていたが、致命傷には程遠い。
男が妖夢を掴み、妖夢をアダムへとぶつけた。
アダムはそのまま吹き飛んで地面に倒れると、妖夢が自分へ向けて投げ飛ばされたのを確認した。
それをどうにか避け、迫り来る男の攻撃に備えた。
男のストレートをしゃがんで避け、男へ肘打ちを掛ける。
男が肘打ちを受け止め、アダムへミドルキックを繰り出す。
アダムが蹴りを受け止め、男へローキックを繰り出す。
ローキックは男の足に当たったが、倒れなかった。
男がアダムを蹴り上げた。
アッパー、2連上段蹴り、サマーソルトキック、両腕ナックルで地面に叩きつける。
跳び上がって繰り出される降下パンチを当たる寸前の所でどうにか避け、距離を取る。
「やあああああ!!!!!」
妖夢が背後から男へと斬り掛かる。
しかし、敢え無く躱され、男から拳のラッシュを浴びせられた。
止めのボディブローが妖夢の腹にクリーンヒットし、そのまま妖夢が倒れる。
男はもう一発蹴り飛ばし、妖夢が気絶したのを確認すると今度はアダムの方を向いた。
「......う、う~ん......。」
幽々子が石畳の地面から体を起こしながら言う。
「......ええと......確かあの子に西行妖を切られて......それを止めようとして......あの子に負けちゃったんだっけ......。」
ドゴッ!
幽々子が何かしらの鈍い音を聞き、音のした方向を見る。
妖夢が正体不明の男に殴られて倒れている最中だった。
「妖夢っ!」
他に離れた所で倒れているメイド服を着た女性の姿も見受けられた。
男は更に妖夢を蹴飛ばし、今度は後ろにいた少年の方を向いた。
少年は体中がボロボロでとても戦えそうにない様な状態だった。
「「反魂蝶-八分咲-」!」
幽々子から放たれた大量の反魂蝶が男を目掛けて飛んで行った。
不意に男が跳び上がった。
アダムが辺りを見回してみると、いつの間にか起き上がった幽々子が男へと反魂蝶を放っているのが見えた。
男は見事な身のこなしで避けていく。
アダムが跳び上がり、男へ跳び蹴りを繰り出した。
男は蹴りがヒットする寸前で受け止め、大量の反魂蝶へ向けて投げ飛ばした。
「しまった!」
「危ない!」
幽々子が咄嗟に反魂蝶へアダムを避ける命令をした。
奇跡的にアダムに反魂蝶が当たる事は無かった。
反魂蝶は次々と男を襲っていくが、当たる事は無い。
すると、アダムが近くに転がっていた妖夢の短刀を見つけ、拾い上げる。
アダムは反魂蝶と共に男へと跳び上がった。
突き出される刀と拳が交錯する。
アダムはどうにかダメージは無かった様で、そのまま反対側に着地する。
対する男には手の甲に切り傷が出来ていた。
男に出来た一瞬の隙を逃さず、反魂蝶が男へと向かっていく。
男は咄嗟に腕や脚を使ってガードを試みたが、本来の反魂蝶は戦闘が目的の技では無い。
反魂蝶は触れた者を殺す為の技であり、それには反魂蝶を触れさせるだけで良い。
男が地面へ足を着き、頭を抱えて、のたうち回る。
「ウゴアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」
男の口から初めて出された言葉は、苦痛に耐える獣の様な叫びだった。
【異常信号感知 処理に多少時間が掛かります】
アダムが幽々子の方へ歩み寄って言った。
「幽々子、あの桜が吸収しているエネルギーを操る事は出来るか?」
「え?......ええ、あの西行妖を操る事によって出来るわ。一体どうするの?」
「その莫大なエネルギーを利用して奴に止めを刺す事が出来る。他に方法らしき方法が無いんだ。」
「分かったわ、やってみる。そういえば貴方、名前は?」
「ありがとう。僕はアダム・アンダーソンだ。」
【異常信号中和完了】
男が頭を抱えていた手を退け、アダム達の方を向いた。
「復活が早かったか......あの状態では避けられてしまうだろう。」
「貴方といい、あの男といい、私の能力が効かないなんて......何だか怖いわ......。」
(奴と同じ共通点......僕は確か......。)
「どうしたの?アダム君。」
アダムの思考が幽々子によって遮られた。
「いや、何でもない。」
そして、辺りを見回してみる。
自分のナイフ、ロープ、銃、そして魔理沙の箒が目に入った。
「幽々子、僕が合図したらあの桜からエネルギーを奴に向けて発射するんだ。」
アダムはそう言うと男との距離10mの所まで歩き、立ち止まった。
男もその場に立ち止まっている。
アダムと男が同時に互いの方向へと駆け込んだ。
互いに跳び蹴りを出し合う。
男との距離が1mになった所でアダムが地面に着地し、男の跳び蹴りを避け、反対側へ抜ける。
そこにあった自分の銃とナイフとロープを取り、男目掛けて銃を連射する。
男は発射時に僅かに出る余剰光に反応し、銃弾を避けていく。
男へ駆け込みながら左手で銃を撃ち、右手でナイフを投げた。
男はナイフを手刀で体の外側へと軌道を逸らした。
ナイフの柄の底の部分はロープが繋がっていた。
アダムがロープを波打たせる。
ロープが男の体を捉え、男に巻き付く。
ロープを手元に引き寄せながら銃を連射する。
男は動けないが為、全発ヒットしてしまう。
そして、アダムの蹴り飛ばしが決まった。
男の体にはまだロープが巻き付いていた。
アダムがジャイアントスイングで男を上空へと投げ飛ばす。
直後、アダムが魔理沙の箒を取り、エネルギーを箒に込め、男へと投げ飛ばした。
投げ飛ばされた男は箒を掴む。
アダムが男目掛けて跳び上がった。
男はアダムへ回転蹴りを繰り出したが、避けられた。
回転蹴りを掻いくぐって避け、箒と男を掴む。
箒へ再びエネルギーを込める。
男と共に上空へ舞う。
男はアダムを離そうともがいていたが、背中のアダムには大したダメージは与えられず、更にアダムが背中からナイフを突き刺し、もがく力が減少する。
アダムが箒を持ったまま男と共に降下を始めた。
自由落下と箒の加速による速度は少なくとも音速の2倍は超えていただろう。
男は今でももがき続けているがその努力が報われる事は遂に無かった。
アダムが地面に着く瞬間に男を離し、自分だけが方向転換し、地面すれすれの所を飛んだ。
男は成す術も無く頭から地面に落下し、クレーターを作り上げた。
「今だ。」
幽々子が西行妖を操り、西行妖に蓄えられた春度を一点に集中し、男へと放出した。
男は起き上がろうとするが、その前に西行妖の蓄積したエネルギーを正面からまともに受けた。
男は膨大な熱エネルギーによって一瞬で気化した
妖々夢はまだまだ続くぜよ