東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中)   作:タツマゲドン

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ようやく永夜異変です
これから段々東方じゃなくなってきます...


0 永夜異変
20 ディックシリーズ


 春雪異変から1週間後。

 

 地面を勢い良く拳で叩き、足で土を動かす。

 

 ナイフを取り出し、地面を斬り裂く様にナイフを捌く。

 

 銃を取り出し、地面に何十発、何百発と打ち込んでいく。

 

 拳のラッシュと銃弾の嵐が固い地面をほぐし、次々と出される蹴り技とナイフによる斬り裂きが地面をなだらかにする。

 

 ペースを少しずつ上げていく。

 

「こんなものか。」

 

「もう終わったのね。」

 

「あとは種撒きだな。」

 

 種はトウモロコシの1種類のみだ。

 

 トウモロコシの種を一掴みする。

 

 種を一粒ずつ投げていく。

 

 投げられた種は等間隔で地面に程良い深さに突き刺さる。

 

 十数分後、トウモロコシの種を撒き終えた。

 

「ふう、終わったか。」

 

「水やりはしなくていいの?」

 

「ここの地下に水脈があるからそれで大丈夫だ。この程度の作物の量であれば水脈が枯渇する事は無いだろう。」

 

「それと、何故トウモロコシ?」

 

「成長が早い上にある程度厳しい環境でも育つし、作物重量当たりに必要な水量が少ないという理由だ。」

 

「ふ~ん。でもどうして農業をする気になった訳?」

 

「安定的に収入を得る為だ。狩猟は安定性が低いからな。」

 

「それで、これからどうする?作業が早いと暇な時間も多くなるわね。」

 

「そう言えばこの前リョウに暇な時に来てくれ、と言われたな。どうする?行くか?」

 

「リョウも随分暇なのね。どうせ神社には誰も来ないし、行こう。」

 

 二人は里へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リョウ、居るか?」

 

 二人はリョウの経営している和洋服店に来ていた。

 

「何時でもいるぜ。よく来たな。コーヒーでも飲むか?」

 

 3人は店にある椅子に座り、雑談し始めた。

 

 そして、話題が変わる。

 

「ところでアダム、最近作った服があるんだが、着てみるか?」

 

「どんな服だ?」

 

 リョウが店の奥に行き、何かを取り出し、戻って来た。

 

「これだ。カッコいいだろ?」

 

 リョウが見せたのは何の特徴も無い黒いスーツと白いYシャツとサングラスだった。

 

「これは本来MIB職員しか着る事を許されない制服だ。」

 

「その、MIBって何?」

 

 霊夢が聞く。

 

「外の世界では千人を超える宇宙人が住んでいる。それも一般人には知られずに、だ。」

 

 アダムと霊夢は見入った様に聞いていた。

 

「その宇宙人が何かトラブルを起こした時、これを解決するのがメンインブラック、通称MIBだ。しかし、彼らの活躍を知る者彼ら自身以外には居ない。」

 

 リョウは普段とは違った真面目な顔で話していた。

 

「まさか僕の居た世界に宇宙人が存在していたとは......だが、リョウは何故それを知っているんだ?」

 

「外の世界って凄い......アダムの言う通り、知っている人は居ないんでしょ?」

 

 リョウが笑い顔で言った。

 

「ハハハハ、悪い、冗談だ。昔にそんな映画が作られていたんだよ。」

 

「何だ、冗談か......。」

 

「アンタを信じた私が馬鹿だったわ。」

 

「ちょ、霊夢、それどういう意味だ?」

 

「それ位分かりなさいよ。」

 

「アダム、俺ってそんな評判なのか?」

 

「分からん。それよりこのスーツ、スーツにしては動きやすいな。」

 

 アダムは何時の間にかリョウから渡されたスーツを着ていた。

 

「だろ?本来ならデザートイーグルを持たせるか、それともニューラライザーとスペースガンを持たせたい所だが......無いから仕方ない。代金はタダでいいぞ。」

 

「そう言えば毎回タダだな。」

 

「別にこの服は俺の趣味で作った物だ。それに幻想郷でこんな服を買う奴は居ないしな。」

 

 そこへ誰かが入って来た。

 

「ようリョウ、遊びに来たぜ。」

 

「リョウ、注文は出来ているか?」

 

 入って来たのは10代半ばの金髪のロングヘアーの少女と、水色のロングヘアーと同じく水色を基調とした服を着た女性だった。

 

 アダムは二人を知っている、というか親しい。

 

 女性の方は上白沢慧音という半人半妖だ。

 

 慧音についてはアダムは買い出し等で度々会う事が多いのだ。

 

「魔理沙、お前も暇だなぁ。慧音、注文は終わったぜ。」

 

「よう、霊夢、アダム。というかアダム、その服一体何だ?」

 

「あれっ、霊夢とアダムじゃないか。お前達も来ていたのか。ところでアダム、その服は一体......。」

 

「さっきリョウに貰った。中々良いぞ。」

 

「リョウ、お前いつも変な服を作っているよな。」

 

「へ、変か?カッコいいだろ。なあ慧音。」

 

「私も別に格好良いとは思わないぞ。」

 

「......。」

 

 リョウは完全に沈黙した。

 

「ところでアダム。」

 

 慧音が言った。

 

「何だ?」

 

「この前霊夢に怒鳴っていたが、どうかしたのか?」

 

「そういや霊夢からあのとき気分が優れないとか聞いたぞ。」

 

「......結局話していなかったな......折角だしこの場で話そう。」

 

 アダムはため息をつき、4人に話した。

 

「最近嫌な夢を見る。自分がガラスシリンダーの中に居て、そこから外へ連れ出され、背中に妙な機械を入れられる夢だ。」

 

「それって、背中のあの古傷?」

 

「恐らくそれかもしれんな。そしてもう一つ、自分が何かから逃げていて、ガラスシリンダーに入ったもう一人の自分が居た夢だ。」

 

「......シリンダーにもう一人自分が入っていた......まさか......。」

 

「リョウ、どうしたんだ?」

 

 慧音がリョウの独り言に気付いていたらしい。

 

「ん?何でも無い。」

 

「一体僕は誰なのか......いつもそう思うよ。」

 

「大丈夫よ、きっと分かるわ。」

 

「だと良いが......。」

 

「もう少し楽天的に考えようぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ディック中佐、予定より早く”完成”しました。」

 

「ほう、「ディックシリーズ」が遂に出来たか。それで、精神制御はどうだ?」

 

「それが......。」

 

 ポールが黙り込むと共に自分の携帯端末の画面を見せた。

 

 画面には手術室の様な所で暴れ回る少年の姿が映っていた。

 

 身長170cm位、深い赤の目と赤がかった黒髪が特徴的だった。

 

『放せ、ゴミ共!貴様らの命令など聞くものか!』

 

 少年を抑え込もうとするロボット達が次々に壊されていく。

 

 すると、大柄な男が一人、部屋に入って来た。

 

『何だ貴様!』

 

『こちらの命令に従え。さもなくば貴様は”不良品”として処分する。』

 

『俺を”物”扱いするな!!!!!』

 

 少年が男に殴り掛かるが、男は呆気無く少年のパンチを受け止めた。

 

 次の瞬間、少年にボディブローが決まった。

 

 少年はそのまま倒れた。

 

「と、こんな感じです。どうします?」

 

「あと3か月弱はある。それまでに精神制御はある程度出来るだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アダム達はそれぞれ帰り、リョウは自宅のディスプレイに向かっていた。

 

『今回は何だ?』

 

「以前話したアダムって奴の事に関係あるんだが、「管理軍」のクローンや人体蘇生に関する研究を調べて欲しい。」

 

『良いけど、何故だ?』

 

「アイツが変な夢を見るらしくて。それが、自分や他の自分がガラスシリンダーに入っている夢を見るそうだ。」

 

『それはとても奇妙だな。それがひょっとしたら「管理軍」の極秘計画に繋がる可能性が有るという事か。調べておくよ。』

 

「そういう事。俺からはこれだけだ。ロウ、お前からは何か無いか?」

 

『そうだな、奴らが「エネリオン」や「インフォーミオン」の操作技術が上がってきている。最近では結界の外部どころか内部も分かるレーダーが完成したらしい。』

 

「そうか......もう暫く俺は一人で頑張る事になるか......超過労働手当を貰いたいぜ......。」

 

『エネルギーも金も労働力も何もかも不足しているんだ。悪いけど手当は......。』

 

「......クソッ!まあ「管理軍」とやり合った結果だからな.....。」

 

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