東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中) 作:タツマゲドン
「遅せぇぜ、ロブ。」
ハモンドの元へロブが到着した。
「良いだろ別に。というかお前一人でも行けるんじゃないか?」
「いや、文化だけが取り柄の連中だが、相当強い。正直2人相手でもキツイところだ。」
「確かに、俺達は基本的どんな戦闘でもいけるが、得意は奇襲であるからな。」
二人が銃を構える。
ハモンドが持っているのはショットガン型。
ロブが持っているのはスナイパーライフル型。
次の瞬間、二人の人差指が引き金を引いた。
ショットガンは1秒に5発、ライフルは1秒に25発のペースで銃弾を吐き出し続ける。
ショットガンの銃弾は発射時に20発に散らばり、ライフルの銃弾は真っ直ぐと音速の7倍の速度で放たれた。
霊夢達も対抗すべく、銃弾を躱しながら空中から弾幕を撃っていく。
「はあっ!」
「やあっ!」
霊夢はお札型の追尾弾幕を、紫は針の様に細くて弾速の速い弾幕をハモンドへ放った。
ハモンドは左手にショットガンを持ち、右手に剣を持った。
剣で弾幕を弾きながらショットガンを連射する。
「蘇生「ライジング......」
永琳がスペルカードを唱えようとするが、
(させるか。)
ロブが慣れた手つきで銃の側面にあるツマミを操作し、引き金を引く。
一発の銃弾が音速の10倍の速度で永琳の大腿部を貫通した。
「うぐっ!」
傷口から血が噴き出る。
ロブはすぐさま取り出した別のライフル型銃を構える。
「ハモンド、サングラス。」
「おうよ。」
二人がサングラスを装着した所で引き金を引く。
銃口からは一発の明るく輝く銃弾が発射された。
「......!伏せて!」
永琳の言葉通り霊夢と紫が地面に伏せ、永琳は目を腕で覆った。
次の瞬間、激しい閃光と衝撃音が辺り一帯を覆った。
目を伏せていた永琳は腹に強い衝撃を感じ、地面に仰向けに倒れた。
誰かが仰向けに倒れた自分の腰の部分に乗る。
閃光の効果が無害な程度に収まったのを瞼に映る光で確認し、目を開けた。
自分に乗っていたのはハモンドだった。
次の瞬間、拳の嵐が永琳の顔を襲った。
ハモンドは跳び上がり、永琳の腹に一発降下振り下ろしパンチを決めた。
「がっ!」
永琳が血を吐いた後、永琳は気絶した。
(不味いわね。これからどうする?)
(これでは勝ち目が無いわね......少なくともスペルカードを使おうとすれば発動する隙を確実に狙われてしまうし......。)
霊夢と紫が顔を見合わせる。
霊夢と紫が選んだ選択肢は、
霊夢達がハモンドに向かって集中させる様に弾幕を放った。
(集中砲火か......どうでも良い。)「ロブ、後は俺一人で十分だ。」
「そうかい。」(さっきは2対1でも厄介とか言っていたけどよ......まっ、良いか。)
左手に握るショットガンから放つ銃弾で弾幕を打ち消しながら、
右手に握る剣で虚空を振る。
剣を振った軌道に沿って衝撃波が生じ、それが弾幕を撒き込みながら霊夢達へと向かっていく。
霊夢達は衝撃波やショットガンの細かい散弾を避けつつハモンドへと弾幕を撃ち続ける。
(この状況ではスペルカード詠唱は阻害されない筈。)「境符「四重結界」!」
「霊符「夢想妙珠」!」
今度はスペルカードの詠唱に成功し、強力な弾幕を放つ事に成功した。
「面白れぇ!」
ハモンドはショットガンを仕舞い、背中からグレネードランチャー型の銃を取り出した。
右手に握った剣で弾幕を防ぎつつ、1秒に4発のペースでグレネードランチャー大の銃弾が放たれる。
弾速は音速の1倍と比較的遅かった。
しかし、銃弾は霊夢達の弾幕に衝突しても消滅せず、しかも霊夢達を追尾するという厄介な物だった。
更に剣からの衝撃波まで飛んで来る。
遂に霊夢に衝撃波が、紫に追尾弾が1発ずつ被弾する。
どちらも威力は相当に強く、どちらも被弾した相手を吹き飛ばした。
空中で体勢を立て直すが、再び弾幕の嵐が霊夢達を襲う。
「このっ!」
霊夢ががむしゃらに弾幕を放った。
追尾弾と高速弾の両方が混じっている。
「やべっ!」
ハモンドが慌てて避けていくが。
「結界「生と死の境界」!」
後ろから放たれた弾幕に対応できず、紫の弾幕を大量に被弾した。
吹き飛ばされたハモンドは吹き飛ぶ軌道上にある竹を十数本割り、地面に着地した。
「ヤロー、痛ぇなぁ。」
「手を貸してやるぞ、ハモンド。」
「フン、お前の助けなど要らん。」
「そう言うだろうと思ったが、悪いが俺も参戦してもらう。」
「何故だ?」
「如何やら2名のお客様のご到着だ。お前一人じゃあ4人におもてなしをするのは大変だろう。」
ロブが横を振り向き、ハモンドがその視線を辿る。
霊夢と紫もロブの視線を辿った。
100m先にこちらに向かって飛んで来る二人の人影を確認した。
「霊夢!紫!」
「来たぞ!」
一人は水色のロングヘアーで同じく水色を基調とした服を着た女性。
もう一人は銀髪のロングヘアーで赤と白を基調とした服を着た少女。
「慧音と......アンタは妹紅だったっけ?」
「何故此処へ来たの?」
紫の質問は少女の方、藤原妹紅が答えた。
「それがな、リョウって外来人知っているだろ?リョウに此処へ行けって言われてさ。」
「リョウが?でも何故?」
「それは異変が無事に終われば話すと言っていたぞ。今はとにかくコイツらを如何にかすれば良いんだろ?」
慧音が答えた。
「無事に、ね......。」
紫がそう呟いた。
竹林の別の場所では拳と拳、蹴りと蹴り、ナイフとナイフをぶつけ合う音が鳴り響いていた。
「アダム、貴様は「欠陥品」だ。俺には敵わない。」
「何故そう言える?」
「貴様は俺と同じ、だが俺と正反対でもある。俺がプラスであればお前はマイナスだ。」
「それは質問の答えにはなっていない。」
「本来ならば俺の方が優れている。それはそう決まっている。だが......」
「何故そう決まっているんだ?」
返事の代わりにナイフの突きが返って来る。
すかさず自分のナイフで受け止め、鍔競り合いに入る。
「貴様の所為だ!!!貴様の存在の所為で俺は認められない!!!全ての面において俺が優れている筈なのにだ!!!」
怒りに狂った声を上げ、同じく怒りに狂った目でアダムを睨む。
「だから俺は貴様が嫌いだ!!!!!殺してやる!!!!!」
「何故僕の存在によってそうなるのだ?」
質問の答えは返って来なかった。
「ウガアアアアアアアアアア!!!!!」
怒りに狂った声で叫び、アダムへと襲い掛かる。
拳の嵐を受け止め、蹴りの嵐を躱し、斬り裂きの嵐を避けていく。
しかし、反撃が出来ない程に余裕が無い。
後ろへ下がっていく内にアダムの背中に一本の柱らしき感触が伝わって来た。
マルクの中段回し蹴りをしゃがんで避ける。
回し蹴りは後ろの竹を砕いた。
隙を見せたマルクへとボディブローを決めた。
隙を逃さず、パンチ8発、斬り裂き4発、蹴り上げ2発、サマーソルトキック、跳び上がって降下振り下ろしナックル、着地して両足回し蹴り、アッパーカット、踵落とし、そして、斬り裂き。
吹き飛ばされたマルクは軌道上にある竹を砕き、背中から地面に着き、吹き飛ばす勢いは地面を削った。
「クズ野郎!!!!!」
何事も無かったかの様に起き上がり、再びアダムへと突進する。
次々と繰り出される攻撃を避けていくが、対応が間に合わなくなってくる。
マルクの膝蹴りがアダムの腹に決まった。
続けて4連蹴り、パンチ6発、斬り裂き4発、振り下ろしナックル、下段回し蹴り、掴んで1発殴り、投げ飛ばす。
宙を吹き飛ぶアダムを更に蹴り上げ、地面に着地し、前方へ跳び上がる。
軌道上にあった竹を蹴り、反動でアダムへ接近し、跳び蹴り、背中を掴んで空中からバックドロップを決めた。
着地し、距離を取る。
「......確かに戦闘能力は僕を上回っているらしいな......。」
マルクは先程の怒りに狂った目では無く、余裕に溢れた目で見る。
「......どうしたアダム、そんな程度か?ハハハハッ!お前は死ぬ、分かったか!」
「......怒り狂ったり、急に冷静になったり......変な奴だ。」
アダムは起き上がり、防御の構えを取る。
マルクがそれに飛び掛かり、それを確認したアダムも飛び掛かる。
互いの右手に握るナイフを相手に突き出す。
アダムのナイフはマルクの脇腹を掠り、マルクのナイフはアダムの胸を掠めた。
もし、掠りでは無く、しっかりと当たっていればアダムの方がダメージが多いだろう。
反対側に着地したアダムは腰に繋がったロープを引っ張り、ナイフに繋げる。
ナイフをマルクへと投げる。
対するマルクはというと、アダムの方を振り向き、迫り来るナイフを左手で掴んだ。
マルクがニヤリと笑った様に見えた。
マルクがアダムの投げたロープを勢い良く引っ張る。
アダムは不意の事態に対応できず、そのまま引っ張られる。
マルクが腰にあるロープを出し、ナイフに繋げる。
ナイフをアダムへ投げる。
対するアダムは引っ張られて正確な対応が出来ない。
咄嗟に体を捻るが、マルクの投げたナイフはアダムの左肩に突き刺さった。
自分の投げたナイフが更に引っ張られ、更に引き寄せられる。
マルクが2連蹴りを繰り出す。
1発目はナイフが突き刺さった肩に、2発目はアダムの腹に決まった。
ナイフが更に深く突き刺さり、そして後方へ吹き飛ばされる。
マルクが再び左手に握るアダムのロープを引っ張る。
再び引き寄せられ、今度は胸に両足蹴りを受け、吹き飛ぶ。
吹き飛んだのをまた引っ張り、引き寄せる。
繰り出される顔面へのストレートを体を捻って躱し、マルクの顔面へナックルを決めた。
マルクの左手にロープを握る握力が緩み、その瞬間に自分のロープを元に戻す。
バランスを整え直したマルクはアダムの肩に刺さっているナイフを引き抜き、距離を取る。
「......ハァ、ハァ......。」
「......チッ!......。」
アダムはリュック、銃、ナイフ、ロープ、つまり持ち物全てを外した。
左半身を前に出し、胸の前で腕を交差させ、右半身に体重を掛ける。
「......良いだろう。」
マルクも同じく持ち物全てを外す。
しかし、構えらしき構えは取らず、適度に力を抜いて立っているだけである。
「来いよ「出来損ない」、恐怖なんか捨ててさあ。知ってるぜ、お前が俺を恐れている事を。」
その時、アダムが僅かに動揺したのをマルクは見逃さなかった。
次の瞬間、二人の回し蹴りがぶつかり合った。