東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中) 作:タツマゲドン
霊夢がスペルカードを唱えると、霊夢が妖しい白い光と8つの陰陽玉を纏った。
8つの陰陽玉が恐るべき量の弾幕をマルクに向かって放出する。
「一気に勝負を付けるつもりか。面白い。」
マルクも恐るべき速さで地を駆け、体を捻り、弾幕を避けていく。
一方でアダムは、
(そうだ、今の内に......。)
唯一動かせる右手をフル活用して地面を掴んでは体を引きずり、何処かへとゆっくり向かって行っていた。
ちなみにこの事はマルクも霊夢も気付いていなかった。
空中で華麗な回転を見せながら弾幕を避けていくマルクへ更に弾幕を撃ち込む。
迫り来る弾幕を後方へ回転しながら避ける。
宙を舞う軌道上にある竹を確認し、竹を思い切り蹴る。
蹴りの反動で反対側、つまり霊夢側へ跳躍する。
霊夢へと跳び蹴りを繰り出すが、対する霊夢は全く動じていない。
跳び蹴りは霊夢の顔面にヒットしたが、ヒットした瞬間、何かが炸裂したかの様にマルクが弾き飛ばされた。
(成程、攻撃は効かないのか。なら効果が切れるまで待てば良いだけだ。)
難無く着地し、更に迫り来る弾幕を避けていく。
前後左右上下へ、マルクの動きには一分の無駄も無かった。
(全然当たらないわね......これでは無駄になってしまう......こうなったらもう全力で!)
マルクは陰陽玉から放たれる弾幕の量が増したのを確認した。
(チッ、厄介だ。)
無駄の無い動きのマルクだったが、遂に1発被弾する。
それをきっかけに、2発、3発と被弾する量が増していった。
(クソッ、こんな大した文明も持たない奴に、しかも女相手に手こずるとは......。)
(当たる様になったのは良いけど、これでは倒せない......。)
突然、マルクは自分の体に何か巻き付く感触を覚えた。
(これは、ロープか?何でこんな物が......)
それが何なのかを確認したと同時に後ろへ引っ張られる感触を感じた。
体が動かされない様に咄嗟に踏ん張るが、間違いだった。
振り向くと、自分を引っ張った、つまり自身に絡まったロープの先には、ロープを引っ張った反動で自分の方へ飛んで来たアダムの姿があった。
距離はあと10m。
マルクにとっては十分に避けられる距離だったが、後ろから隙を突かれた霊夢の弾幕を被弾し、回避行動が出来なかった。
そして、アダムの体当たりがマルクの腹に決まる。
二人とも体当たりによって吹き飛び、地面に倒れた。
「クソッタレ!体もロクに動かせないこんな奴に!」
「霊夢!」
「やあーーーーーっ!!!!!」
霊夢が残った力全てを込め、倒れて怯んだ状態のマルクへと全力の弾幕を放った。
「畜生!!!!!だが俺は絶対にお前を殺すぞ!!!!!」
それがマルクが最後に残した言葉だった。
マルクの身体は弾幕を受けて吹き飛び、地面に倒れた後、二度と動く事は無かった。
「......霊夢......逃げろと言った筈だ......。」
「馬鹿......あなたが死ぬかも知れなかったじゃない!」
「......でも......ありがとう......霊夢......本当に感謝する......。」
そう言い終えると、意識が遠のいていくのを感じ、最後に自分の名前を叫ぶ少女の声を聞きながら目を閉じた。
「ディック1号から信号が途絶えました。」
「何だと?!くそっ!」(やはり......アダム、お前なのか?)
「......今度はマルクも死んだ。」
「マジかよ。」
「境界「永夜四重結界」!」
「未来「高天原」!」
「「インペリシャブルシューティング」!」
ハモンド達と戦っている紫達にも限界が来ていた。
ロブが重機関銃から音速の3倍で、1秒間に150発のペースで放つ銃弾で迫り来る弾幕を迎撃し、
ハモンドが右手に握る1秒間に50発のペースで銃弾を吐き出すサブマシンガンと左手に握る1秒で4発のペースの追尾機能付きのグレネードランチャーで紫達を攻撃する。
「だが、心配はしなくて良い。あちらも限界らしい。まあ結構楽しめたから良しとしよう。」
「終わりと言っても殺すんじゃあ無いからな。」
そう言う二人の息はまるで乱れが無い。
(幻想郷の賢者ともあろう私がこんな人間に......。)
グチャッ!
その時、何かが肉を潰す様な音が聞こえた。
「......俺の背後をいつの間に......?!」
ハモンドの背後から腹にかけて誰かの腕が貫いていた。
その腕はハモンドへと熱エネルギーを送り込んでいく
肉の焼ける音がし始め、
「でやっ!!!!!」
それから数秒後、リョウの掛け声と共にハモンドの肉体は爆散した。
紫は藍から噂には聞いた事のあるアダムの方では無い方の外来人の姿を、
慧音と妹紅は茶髪で茶眼の親しい青年の姿を確認した。
「遅くなって悪いな。相当手こずって疲れたのでここまでは歩いて来たんだ。」
しかし、その場に居たリョウ以外の4人はリョウの話など耳に入っていなかった。
何せ目の前で人体が爆散したのだから。
(この外来人、柏リョウって言うらしいけど、こんな力、藍が調べきれなかったのか、それとも隠し切っていたのか......。)
(リョウの奴も、アダムと同様にこんなに強いのか......。)
(目の前でアイツが爆散したけど、私みたいに火を使っている訳では無いのか......?)
紫達3人の頭の中は驚愕と疑問に埋め尽くされ、
「「エクストラ」?!「灼熱」か!」
ロブは激しく動揺していた。
「まっ、そういう事。どうする?お前に勝ち目は無いぜ。」
だが、ロブは動揺しながらも冷静さを保っていた。
「やる事は決まっている......。」
【自爆コマンド認識 自爆しますか? 自爆容認を確認 自爆します】
「......皆、奴から離れろ!」
「え、え?」
3人は言われるがままにロブから全力で離れる。
「うおおおおお!!!!!」
次の瞬間、ロブが雄叫びを上げながら全身から激しい閃光が放たれたと思うと、すざましい爆発が起こった。
暫くして爆煙が晴れると、そこには爆発の痕が残るのみでロブの姿は確認出来なかった。
「今のは一体......自爆かしら?」
「その通りだ。秘密を隠す為にな。」
紫の疑問の答えはすぐに返って来た。
「あの、リョウ......一体こいつらは......」
「ああ、全て話すぜ。こいつらの事は勿論、俺の事や外界で起きている事全てを。何せこうなった以上お前達はそれを知るべきだからだ。」
慧音の質問を遮る様に言った。
「その前に、気絶している奴らを起こしたりしなければな。特にアダムには知ってもらう必要があるだろう。」
「ハモンド、ロブからの信号も途絶えました。これだけ準備を整えたというのに全滅とは一体何が......?」
「さあ、私にはさっぱり分からんよ。」(......これはアダムなのか?いや、そうに違いない。私には感じるぞ!)
「ところでディック中佐、ちょっと訊きたい事......というよりかは単なる思い込みなんですが、」
「何だ?ポール、言ってみろ。」
「中佐は何か隠し事をしていませんか?」
「......何故そう思う?」
「自分には分からない、とおっしゃられていましたが、声に緊張が走っている様だったので。」
ディック中佐は動揺を如何にか抑えきったが、ポールに対して気味悪さを覚えていた。
まるで自分の考えを掌握されているかの様に。
「......そりゃあこんな予想外の事が起きれば落ち着いては居られないからな......さて、次は更に戦力を増やす必要があるな。」
「ですね。Aランク以上が4人でもこの始末ですからね。しかも”あちら”の住民も我々を警戒しだすでしょう。ところで、「文化軍」に対する陽動の方は如何なりました?」
「まあ奴らの「侵入」を防いだだけで戦力を削るには至っていないが、「侵入」出来たのだから成功と言って良いだろう。もっとも、それからは失敗したのだがな。」
「「地球軍」は予測通り引きましたね。ですが、これが続けば......。」
「7年前に前線位置はこちらにとって有利になっているものの、戦力差を痛感させるな。他の前線の者達には悪いが、更に戦力を集める必要がある。」
「人口やエネルギーだけでなく、全体的な科学技術はあちらが上ですしね。救いは「我々」の人数はほぼ同じって事ぐらいでしょうか......。」
「更に今リョウから侵入者の撃退に成功したと聞いたが、今回の件で奴らが更に人員を送る事だろう。そちらも対処せねば......。」
今回は正直霊夢の活躍が書きたかったです