東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中)   作:タツマゲドン

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タイトル:とあるアメコミ映画の台詞より


35 じゃあいっそ、飛行機無しで飛べば?

 真夜中、リョウは自室でパソコンを操作していた。

 

「やっぱ昔の物だから効率悪いだろうな。向こうに帰ったらカイルに改造頼んでみるか。でも、動作には問題無い。」

 

 コンピューターと飛行マシーンを繋ぐコードを抜き、窓を開け、飛行マシーンを付ける。

 

「これならアイアンマン同様に衝撃波攻撃も出来る筈。」

 

 右手を広げ、全開の窓に向ける。

 

 飛行マシーンのバックパック部でリョウから吸収されたエネリオンが変換され、掌の発射装置に送る。

 

 この部分から外部から吸収した圧縮空気を勢い良く発射し、飛行や衝撃波発生を行う。(もう片手、両足、バックパック底部分、腰部分にも同様の装置が付いており、これらをバランス良く使って飛行する。)

 

 ドゴーン!

 

 掌の発射装置から圧縮空気が音速を超えて発射された。

 

 リョウの右方が反動で後退する。

 

 衝撃波は直撃しなかった筈のガラスをも割り、衝撃波による轟音は里中を覆った。

 

「うおっ!すげえ反動だな。直撃しなかったガラスが割れたって事は方向性が足りないのか。なら空気量を減らし、圧力を高め、発射口を狭くすりゃあ......。」

 

「リョウ、今の音何だ?」

 

 慧音の声が下から聞こえた。

 

「え?......ああ、リア充を爆発させた音だ。心配しなくていい。」

 

「余計におかしいだろそれ......。」

 

「アイアンマン作ってたんだ。今の轟音はその副産物だ。」

 

「何だそれ?まあ周りに迷惑を掛けるなよ。」

 

「俺を何歳だと思ってる。あと2年で30だぞ。」

 

「少なくとも私は1000年生きているぞ。私にとってはお前など子供みたいなもんだ。」

 

「年齢などどうでも良い。フォースの前には無意味じゃ。」

 

「じゃ?というかフォースって何だ?」

 

「まあ、こないだ説明したエネリオンと同じ様なもんだ。ところで俺は早く作業を再開したいんだが。」

 

「それじゃあ、迷惑掛けないようにな。」

 

「これ以上俺が何か言うとめんどくさくなるからノーコメだ。」

 

 再び椅子に座り、作業を再開する。

 

「問題はこの限られた性能にソフトがしっくり合うか......また霖之助のとこ行って部品集めようかな......今はハードの限界を試すだけだ。」

 

 暫くキーボード操作が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は絶対にお前を殺すぞ!!!!!」

 

 憎しみと怒りに満ちた顔が叫びながら少年を睨んでいた。

 

 しかし、その顔は光弾の嵐を受け、叫び声と共に消えていった。

 

 次の瞬間、少年の目の前2m位には天井があった。

 

 もう何度も見てきた、1年近く経つ内、毎日欠かさず見た天井だ。

 

「......何かを感じる。理論では説明出来ない何かを......マルク、お前は何だ。そしてアダム、僕は何だ......。」

 

(知っている筈だ。)

 

 頭の中で声がした様な気がした。

 

 その声は、アダム自身の声にも聞こえたが、マルクの声にも聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は絶対にお前を殺すぞ!!!!!」

 

 少年はそう叫びながら憎しみと怒りに満ちた顔でもう一人そこにいる少年を睨む。

 

 しかし、少年は光弾の嵐を受け、叫び声と共に自身が消えていくのを感じた。

 

 次の瞬間、少年の体を液体が包んでいる感覚が来た。

 

 温度は37℃位、目を開けた途端に流れ込んできた。

 

 咳き込みながら自分が何処に居るかを確認する。

 

 直径1m、高さ2mのガラスシリンダー。

 

 自分の首の後ろにはケーブルが繋がっている。

 

 そして、シリンダーの外にも同じようなシリンダーが等間隔で並んでいる。

 

(アダム......俺は絶対にお前を殺すぞ!!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ディックシリーズ」が1体”成功”しました。」

 

「そうか。精神に異常がある可能性が高いから同じ様に精神制御を忘れるな。」

 

「勿論です。それと中佐、次はどういった計画にしますか?」

 

「倍の人員を送ろう。半数は精鋭部隊、更に「破壊神」と「コントローラー」も送る予定だ。」

 

「「ブライアン」と「イヴ」ですか……そこまでするという事は余程向こうに戦力があるか、向こうの奴らが我々の計画を知ったのか......。」

 

「後者だな。反乱軍にそんな戦力があればこちらも危うい戦闘ばかりだ。早く進めたい所だが、またしても「インヴァイジョン」に時間が掛かる......。」

 

「上層部も相当いらついている様です。進みたいように進みませんね。」

 

「本来ならユニバーシウム・マイン計画が無くとも我々が勝つが、それをするのはその方が”早く”戦争を終わらせられるからだ。」

 

「あと、永久機関実現の為でもありますね。そうすれば人類には永遠の平和が訪れますよ。環境問題や社会問題、無くなると良いですね。」

 

「あらゆる環境問題や社会問題も解決、か......。」(それよりも本当は私の計画も解決せねば......幸せな日々を取り戻す為に。)

 

「どうかしましたか?」

 

 ディック中佐は背筋が一瞬震えた感覚を覚えた。

 

「......何でも無い。」

 

「でも今確実に動揺しましたよね。どうかしましたか?」

 

 ポールは何時も抑揚の無い、感情の籠った所が全く無い為、同じ言葉を繰り返されると彼に慣れているディック中佐でさえ気味悪く思う。

 

「たまたま昔の事を思い出したまでだ。気にしなくて良い。」

 

「そうですか......。」

 

 またしてもポールは平坦な声で答えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日。

 

 ドゴーン!

 

 リョウの右方が後退し、代わりに空気の塊が音速を超えて、掌から開かれた窓に向かって射出される。

 

 今度は離れた窓を割る事は無かった。

 

「よしっ!ハードの調整も、ソフトの調整も終わった!ってこんな時間か!小腹......それどころじゃねえな。」

 

 机に置かれているチョコバーを手に取り、勢い良くかぶりつく。

 

「僕、満足!......本当は一本満足じゃねえけどな。もう朝食無しで飛行テストするか。」

 

 丁度タイミング良く、(?)

 

「リョウ、居るかー?」

 

 1階から親しい人物の声が聞こえた。

 

「よう魔理沙。折角だから2階まで上がって来い。丁度良い所に来たな。」

 

 魔理沙は階段を上がり、物珍しい目で”それ”を見た。

 

「お?何だそれ?そういやさっきお前ん家から爆発音が聞こえた気がするけど。」

 

「丁度これの事だ。飛行マシーンだ。爆音は衝撃波発生装置のテストだ。で、今からこれの飛行テストをやろうかと思ってた所だ。」

 

「ふーん。そういやお前さ、あとアダムも、何であんなに強いのに空飛べないんだ?」

 

「強い=何でも出来る、って訳では無いぞ。人間に元々空を飛ぶ羽みたいな機関が備わっている訳無いだろ?いくら人間を超えた人間と云えども人間の形をしているからな。まあ霊夢とかは何も無くて飛べるがその辺は分からん。まあ要するに人類は進化の段階に空を飛ぶ事を選ばなかった、って言えば良いかな?」

 

「......良く分からん......ところで、その飛行マシーンとやらのテストをするんだろ?私もその所を見て良いか?」

 

「いいぜ。しっかりついて来いよ。」

 

「負けないぜ。」

 

 リョウ達は外へ出た。

 

(まずは、浮く事からだ。浮け!)

 

 飛行マシーンの掌、足の裏、腰、バックパック底部に付いた発射部からジェット噴射が吹き始め、リョウの体が1m浮いた。

 

(飛べ!)

 

 リョウの直感を読み取った飛行マシーンはリョウのエネリオンを吸収し、空気塊を地面に向けて発射し、全速力で真上に飛び上がった。

 

「は、速っ!おーい!待ってくれよ!」

 

 魔理沙も遅れて飛び出す。

 

(と、飛ばし過ぎたか......ブレーキ!)

 

 リョウが両腕を進行方向へ突き出し、足の裏、腰、バックパック底部からの噴出が止まり、掌からの噴出が一気に増した。

 

(そろそろ......よし、高度そのまま。)

 

 全ての噴射口がバランス良く噴射され、リョウの体は人間の里遥か上空で留まった。

 

「おーい待てよ!速いなお前!」

 

 魔理沙も遅れて来て、リョウと同じ高度に留まる。

 

「しかしすげぇ......自分でも驚いたぜ。音速を突破するとは。」

 

「で、どうするんだ。もっと飛ぶか?」

 

「勿論だ。もっと慣れたいし、最高速を試したいし。」

 

「何なら全力で競争しようぜ。よーいどん!」

 

 魔理沙が先に飛び出す。

 

「クソッ、負けるか!」

 

 ジェット気流を一気に噴出し、加速する。

 

 魔理沙の方が離れており、しかも距離は離れていく。

 

 しかし、距離が離れるペースは次第に緩やかになっていき、やがて距離は縮んでいく。

 

(加速はこっちが上か。なら最高速はどうだ!)

 

 距離を縮めていき、魔理沙と横に並んだ。

 

「まだまだ!箒に負けるかー!」

 

「こっちこそ!ヘンテコな機械に負けるかー!」

 

 結果、リョウが魔理沙を抜き、距離を突き放していく。

 

「俺の何かよ!はじけてまざれ!!!!!」

 

 リョウの意志とエネリオンは空気を吸収し、高温高圧にした空気を噴出させる。

 

 ドゴーン!

 

 衝撃波が発生し、数秒後、リョウの姿は雲の中に消えた。

 

「は、速すぎだろ......。」

 

 魔理沙はリョウの跳び込んだ雲を前に止まった。

 

 対してリョウは視界が悪くなった雲の中でも尚、飛び続ける。

 

「きょほほーい!......ちょっと飛ばし過ぎたな......。」

 

 後ろの魔理沙が居るであろう方向を見る。

 

 その為、前方に少女が居る事など気付かなかった。

 

「......ん?うわー!危なーい!!!!!」

 

「......は?うおっ!あぶね!」

 

 リョウが前方を向き、慌ててブレーキを掛け、横へ方向転換する。

 

 如何にかぶつからずに済んだ。

 

 そのまま垂直飛行を続けていたが、何か床らしき感触がした。

 

 ジェット噴出を切り、着地する。

 

「あんた誰よ?!」

 

 先程の少女から怒りの籠った質問が出された。

 




リョウはオリキャラの中では恐らくこの作品唯一のギャグ要員かも知れない(それも最後まで)

ちなみにアメコミではブレイドが一番好きです
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