東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中) 作:タツマゲドン
作品のイメージ的にボツ
あと日常編はここらで一旦終わりです
3日後。
「リョウ、この前は......どうも、悪かったな。」
「良いよ。別に気にするな。俺の方こそごめんよ。さて、それは無かった事にして......。」
「遂に出来たんだな。」
「いや、後は名前だけだ。イマイチ俺が名づけようとすると中二臭いネーミングになってしまうものでな、店の名前は募集中だ。」
リョウと慧音は、3日前天子によって全壊状態にされたリョウの家のあった場所についさっき出来たリョウの新築、の前に居た。
「ちなみに現在は材料や河童たちを総動員したおかげで財政難さ……まあ入ってけよ。というかお前コーヒー好きだっけ?」
「お茶派だが、たまには悪くないな。ところで以前みたいに服の仕立てとかはしないのか?」
「ん?ああ、以前より作成に時間かかるだろうが、オーダーメイドのみなら可能だ。」
「それはまた世話になりそうだな。それじゃあお邪魔しようか。」
「いらっしゃい。ちなみに今日だけは1人コーヒー2杯まで無料だぜ。」
そして、丁度良く、
「リョウ、来たぜー!」
「新築祝いって言うから来たわよ。」
「随分リフォームが早いな。」
魔理沙、霊夢、アダムも来た。
「噂をすれば嫁さんと一緒か?」
「......ったく飽きねえな。イタリアンの3倍も苦い奴を飲ませてやろうか?性能も3倍になるぞ。」
「丁重にお断りするぜ、ってか何の性能だよ。ところで、私達はちょっとお前に訊きたい事があって、それが目的で来たんだ。」
「まあ3人共まずは座れよ。慧音も座ったらどうだ?」
アダム達はテーブルに、慧音はカウンターに座った。
霊夢と魔理沙はアメリカンコーヒーを、慧音はカフェラテを、アダムはブラックコーヒーをそれぞれ1杯頼んだ。
「アダムって苦いの大丈夫なの?」
「砂糖もミルクも無い奴だろ?私には飲めないぜ。」
「ついでにそれ一番焙煎の度合いが高いイタリアンだ。」
「何故かは分からないが、濃い味の物は好きでな。」
「癖や性格って改めて凄いな。記憶を失っても残っているなんて。」
「人格や癖は周辺環境の影響はあるそうだが、腸内細菌の影響も強いらしい。腸は脳に次いで人体の中で毛細血管や神経が大量に張り巡っているからな。」
「腸が性格に?つくづくアダムの言う事は良く分からん......。」
「それよりも、このコーヒー美味しいわね。」
「そういや飲んでなかった。どれ......」
一口含み、味をしっかり確かめ、飲み込む。
「......苦みが無くて丁度良いな。酸味が強い様だけど。香りも甘くて良いな。」
「アメリカンだからな。苦みが少ないんだ。ちなみにこの豆はエメラルドマウンテンっていうバランスの良い品種さ。比較的苦みが少なく香りとコクがある。」
「豆は何処で仕入れているんだ?」
「それ以前に幻想郷の気候ではコーヒーは育たない筈だ。」
慧音の質問にアダムの質問が更に重なる。
「無縁塚は知ってるだろ?あそこにコーヒーの木が生えていてな。恐らく地熱によって温暖な気候が再現されているのだろう。」
無縁塚とは幻想郷内にある、所々に湯気や間欠泉が出ている荒野地帯の事だ。
「無縁塚を利用するとは......地獄からの怨霊とかでバチが当たったりしないだろうな......。」
「無縁塚っつっても直接そこにある訳じゃない、そこから数100m程度離れているが、地熱の影響は中々強い。」
話題が無いのか暫く沈黙が流れ、魔理沙はようやく要件を思い出した。
「そういやお前に訊きたい事があって来たんだった。」
「そういやそんな事言ってたな。」
「そうだ、僕からも質問がある。」
「私も良いかしら?」
アダムの声に続いて外から声が聞こえた。
「何かと思えば紫かい。とりあえず座れよ。」
「カプチーノ1つね。」
「......それじゃあ、良いか?」
紫が座ったのを確認した後、魔理沙は質問を始めた。
「まあ単なる興味なんだが、お前の居た世界では何が起こっているんだ?戦争だと聞いたが、詳しく知りたくてな。」
「オッケー、じゃあ、きっかけからだ。管理軍の奴らが結成したのは1世紀以上前と言われているが、その辺は詳しくは分からん。大きく動いたのは今から60、70年前ぐらいにニューヨークである一人の人間が突如暴れ出した。ニューヨークは半日で崩壊、犠牲者は400万人。その暴れた奴が最初に発見されたトランセンデンド・マンと言われている。そいつはアメリカ軍が総動員を挙げてやっと殺したらしい。その後、世界各地でトランセンデンド・マンが確認される様になった。世界各国はその強力さに恐れ、これに目を付けたのが管理軍の奴らさ。奴らは元々人類の完全支配が目的だったらしい。何せ機甲連隊やそれ以上に強力だからな。世界では駆除対象だった奴らを次々と捕獲し、戦闘に利用した。」
「ちょっと待てよ、強引に連れ去ってそいつに命令しても素直に言う事を聞かないと思うんだが。」
「命令を聞かせる様にしたんだ。脊髄にマイクロチップを埋め込み、それで制御している。」
「そうか、じゃあ僕の背中の傷も......リョウは無いのか?」
アダムが突然思い付いたように喋る。
「いや、俺は貧民街生まれだからな。財源の余裕が無い為か付けられていない。」
「それでは、何故僕はこうして操られていないんだ?」
「電波で制御しているらしいが、一応結界みたいな遮る物があってもチップ自体のプログラムで制御可能と聞いた事があるが、こないだの奴らは操られてたしな。だとすれば壊れているのかもな。ちなみにそのチップを利用して人民支配にも使われている。埋め込まれた者の人格とかは残っているが、命令には逆らえない。」
「酷い世界ね。人間らしさを奪われて、まるで奴隷みたいに......。」
紫が呟く。
「以前言っただろう、奴らは非人道的だって。だからこうして俺達が反乱起こしているって訳だ。話が逸れたな。で、トランセンデンド・マンを利用した管理軍はあらゆる国家を潰し、30年で全ての国家をぶっ潰した。そして、奴らは1度は世界を完全に支配した。」
「そこで、お前達が立ち上がった、と。」
「都市部の奴らは皆チップを埋め込められているが、地方や貧民街では付けられてない奴も多い。俺達はそんな金の無い奴らが集まったのだが、そこは戦略さ。勢力を伸ばし如何にか奴らと渡り合えるくらいの戦力は持った。これを厄介に思った管理軍はユニバーシウムと幻想郷に目を付け、それから今に至る。ざっと説明すればこんなものだな。それじゃあ次はアダムの質問だ。」
「ああ、その管理軍はどうやって結界を破壊するのか疑問に思ってな。そもそも何故内部に侵入する必要があるのか。」
「悪いが俺達には詳しい事は分かってない。内部に侵入する事については手の中の爆竹と同じだ。爆竹を掌に載せて火を付けても火傷するだけ。握っていれば、ボン!そもそも外部から結界を破壊する手段が無いのかも知れんな。せいぜい乱す程度しか無理だし。」
「成程。あとトランセンデンド・マンは何故エネリオンが使えるのか。ついでにトランセンデンド・マンの防御機構について知りたい。自分や攻め込んできた敵の弱点は知っておいた方が良いからな。」
「良い質問ですね!って言いたいとこだが、難しい事訊くなあお前......今度お前と気の合いそうなカイルって奴を紹介してやるよ......まあ簡単に言えば俺達の脳の構造は非常に複雑で、その複雑な構造が俺達が使うTM専用武器のエネリオン変換回路と同じ働きになるって事らしい。防御機構……まあ自身の身体の表面をエネリオンのバリアーで覆っているだけだ。金属弾や切断武器は勿論、熱、電磁波、力学エネルギー、素粒子、放射線、音波、エネリオンと全ての攻撃に対応出来る。まあ人によってその耐久限度は変わるし、完全に防ぐ訳では無い。つまり許容オーバーならダメージを受ける。こんな適当な説明で悪いな。」
「いや、十分に参考になった。ありがとう。」
「どうも。さて、紫、質問は何だ?」
「そうね、貴方、「高橋オーク」という人物を知っているかしら?」
(......萃香の奴何で他人に話しちまうかな......せめて別の偽名言ってりゃ良かった......。)「高橋オーク......そういや俺達の世界で以前ニュースで話題になっていた奴だ。10年ぐらい前の殺人鬼だったか。もう死んだとか言われているが、もしやそいつが幻想入りしたってのか?」
(猟奇殺人犯?本当なら何か嫌な予感ね。でも萃香が接触したというのは何か月も前。それなら犠牲者が沢山出てもおかしくは無いし、現に萃香は殺されそうになったとか言ってないし、それでも犠牲者が居ないってのは......リョウが何か怪しいのだけど、藍に調べさせた限りではこれといった当てはまる様な事は無いし......まさか隠し切っている訳では……彼の性格からは考えられないわね......それとも......)
「どうした紫?」
リョウが紫の思考を遮り、沈黙を破った。
「何でも無いけど、何かしら?まあ答えてくれてありがと。」
(俺の正体に気付いた?いや、証拠が不十分で気付かれない筈だが。)「何も無いなら良いけどよぉ。しかし、客来ねぇなあ~......あのカラス野郎はこんな時に限って来ねぇとはどういうこった。」
「ま、まあ、コーヒー好きな奴って幻想郷にはあんまり居ないしな。」
「それとカラス野郎と呼ばないでもらいたいのですが。」
タイミング良く文が店内に入って来た。
「ホ、何時の間に!」
「何で私を嫌うんですか?」
「マスコミは世界で一番信用しちゃあいけない奴だからな。特に自らを清く正しいと名乗り、黒髪のショートヘアーで幻想郷最速と言われている鴉天狗はな。」
「......貴方の記事をデタラメに悪く書きますよ......。」
「わりい、俺実は健忘症でさっき何って言ったのか忘れちまったよ。」
「......ハアー......次は許しませんよ?まあ今回はちゃんとした取材なので貴方の店を良く書いておきますけど。」
「ホラ吹きマスコミに勝つ程嬉しい事は無いぜ。」
「何か言いましたか?」
「良く聞こえる様に補聴器でも付けた方が良いんじゃないのか?そうすりゃ誰かさんの悪口もはっきり聞こえるだろ?」
「......ハアー......。」
こうして文はリョウの冗談に煽られっぱなしだった。
「まあ折角だし飲んでけ。この季節だからアイスコーヒーを勧めるぜ。焙煎もアイスに丁度良いフレンチローストだしな。」
「ところで店の名前は?」
「ああ、そいつは俺が名付けようとするとどうしても中二になるから他の皆に決めさせようと思ったんだが、良い名前を思いついてな。一度しか言わんぞ。「ザイオン」だ。」
「どういった意味ですか?」
「ユダヤ教の言葉で楽園って意味だ。幻想郷にピッタリだろ?」
その後、ザイオンは大繁盛とまでは行かないが中々繁盛したらしい。
ジョージア、ボス、ネスカフェが好きです
ボスのレインボーマウンテンは最高
ちなみにエメマンはレギュラー派です