東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中) 作:タツマゲドン
男が地面を蹴り、妖夢に接近する。
自分に向かって突き出されたパンチを避けたものの、次の瞬間電撃が妖夢を襲う。
続けて近くに居る橙を掴み妖夢へ投げ飛ばし、ぶつけた。
藍の放つ弾幕を電撃で呆気無く消し去り、藍へ跳び膝蹴りを喰らわし、そのまま踵落としで妖夢と橙が倒れている所に叩きつける。
そのまま倒れている3人に向かって降下キックを繰り出す。
紫が男に向かってレーザーを放ち、それを男が避ける為に体を捻り、結果、降下キックは決まらなかった。
男が着地した所へ幽々子が逃げ場が無い様にあらゆる方向から弾幕を放つ。
電撃が男の体表から周囲に向かって放たれ、弾幕を消滅させる。
紫が手元にスキマを開き、同時に男の周囲にもスキマが開く。
手元のスキマに弾幕を放ち、周囲のスキマに電撃を放つ。
弾幕と電撃がぶつかり、互いをかき消し合う。
「魂魄「幽明求聞持聡明の法」!」
短刀を持った妖夢が男の右側から、長刀を持った妖夢の姿をした半霊が左側から、斬り掛かる。
上手い具合に体を捻り、斬撃を躱す。
「方符「奇門遁甲」!」
「式弾「アルティメットブディスト」!」
前方から橙が、後方から藍が、弾幕を放ち、更に妖夢と半霊が次々と斬撃を繰り出す。
男が電撃を放って弾幕を打ち消し、僅かな隙を突いて妖夢と半霊を蹴り飛ばす。
男が藍と橙に向かって電撃を命中させるが、同時に妖夢と半霊が吹き飛ばされたまま剣を振り、弾幕を放つ。
更に放たれた弾幕を消そうと男が横に電撃を放つと同時に男の四方八方からスキマが開いた。
「隙あり!紫奥義「弾幕結界」!」
「これで決めるわ!「西行寺無余涅槃」!」
男が周囲に電撃を放つが、弾幕の量が多すぎて押されていく。
「奥義「西行春風斬」!」
「鬼神「飛翔毘沙門天」!」
「幻神「飯綱権現降臨」!」
残る3人も自身の最高の技を放つ。
男が全方向から迫る弾幕を捌き切れなくなり、大量の弾幕を受け、大爆発が起こる。
「やったかしら?」
紫が呟く。
次の瞬間、爆炎の中から何かが出て来た。
“それ”は速すぎて何なのかは認識出来なかったが、全身が黒く、人の形をしていた。
妖夢に接近し、ナックルを決めた。
藍に接近し、回し蹴りを決めた。
橙に接近し、肘打ちを決めた。
幽々子に接近し、ボディブローを決めた。
紫に接近し、膝蹴りを決めた。
5人は攻撃を受けて吹き飛ばされながら、それが何なのか認識した。
全身が真っ黒で筋肉質な大柄の男。
全身が真っ黒な伸縮スーツに包まれている様な外見だったが、服を着ている様な感じがしない。
漆黒の顔面は鼻、口、耳、髪は無く、バイザーの様な目だけが赤く光っている。
そして、先程紫達が戦っている男の姿は見当たらなかった。
「これは、一体......。」
「あの男が居ないわ。」
「変身したとでも言うの?」
『周囲に高エネリオン反応を確認 座標確定 計画を開始する』
黒い男の目線は戦っていた5人では無く、離れた所にある桜の巨木にあった。
「西行妖を見ている?!」
リョウが1秒間に100発のペースで放った銃弾は赤髪の男、マルバスの両手に握る剣でかき消される。
マルバスが剣を銃に取り換え、両方合わせて1秒間で80発のペースでリョウへ連射する。
跳び上がりながら銃弾を避け、体を捻り、跳び蹴りを繰り出す。
跳び蹴りに対し、剣を振り下ろす。
リョウが体を回転させ、剣を躱しながら跳び蹴りを回し蹴りに変える。
回し蹴りを腕で受け止め、リョウの足にもう一本の剣を振り下ろす。
もう一本の足を使ってマルバスを蹴り、反動で距離を取る。
剣を戻して銃を取り出し、落下中のリョウへ連射する。
対するリョウは銃に思念を込め、1秒で4発のペースで銃弾を放つ。
連射速度は遅いが高威力の銃弾に対し、体を捻って銃弾を躱す。
体を回転させている途中、マルバスはリョウが自分に手を向けている事を確認した。
リョウの掌からエネリオン塊が放出され、マルバスはそれを更に避けようとする。
しかし、対応が遅れたのか、エネリオン塊はマルバスの胸を掠めた。
エネリオン塊の当たった部分の服が燃え上がり、僅かな火傷痕と煤が残っていた。
「流石は「灼熱」だな。これ程の実力を持つ者は我々の中にもそうは居ない。」
「そう言うお前は誰だ?自分の名前を明かさないのは失礼だろう。」
「マルバスだ。」
「古臭い名前だな......偽名だろ?」
「それに近いが、詳しくは教えられない。」
「言っとくけど、俺も実はお前達に知られていない事があるんだぜ。どんな事かは教えられないがな。」
「ほう、面白い。」
すぐ近くではカイルとトレバー、金髪の男、アガレスと茶髪の男、ウァサゴの2組が戦っている。
トレバーとウァサゴは近距離から接近武器を駆使して戦い、カイルとアガレスは離れた所から援護射撃や相手の狙撃手を狙う。
トレバーの拳や蹴りとウァサゴの槍、カイルの放った銃弾とアガレスの放った銃弾が次々とぶつかり合う。
トレバーがウァサゴの腹へ蹴りを繰り出す。
ウァサゴが蹴りを槍の柄で受け止め、払いのけながらトレバーの顔面へ突きを繰り出す。
突きを籠手で軌道を逸らし、ウァサゴへ下段回し蹴りを繰り出す。
蹴りを跳び上がって避け、トレバーへ降下しながら突きを繰り出す。
トレバーが突きを後方に退いて避け、槍が地面に突き刺さる。
突き刺さった槍を中心にして体を横に回転させ、トレバーへ回転蹴りを繰り出す。
蹴りを籠手で受け止め、ウァサゴへカウンターのストレートを決めた。
吹き飛ばされたウァサゴは、そのような機能があるらしく槍を半分に分ける。
同時に後方からアガレスが1秒で50発のペースで銃弾を放っていく。
体を動かし、腕を前に掲げ、銃弾を躱し、防いでいく。
ウァサゴが半分に割った槍の片方をトレバーへ投げ飛ばし、自身もトレバーへ突進していく。
銃弾を避けながら飛んで来た槍を蹴りで弾き飛ばし、ウァサゴから突き出される斬撃も躱す。
弾き飛ばされた槍をもう片方の手に持ち、更にトレバーへ攻撃を繰り出す。
後方からはアガレスの援護射撃も襲ってくる為、トレバーには攻撃の余裕が無かった。
トレバーが後方に下がり、ウァサゴがそれを追い掛ける。
突然、トレバーが前に動いたと思ったらスライディングし、ウァサゴの股を潜り抜ける。
起き上がりながらウァサゴへ反転キックを決めた。
アガレスがトレバーへ照準を定め、引き金を引こうとするが、直前、自分へエネリオンの銃弾がヒットした。
それはアガレスが放つ銃弾100発分のエネルギーを持っている。
銃弾を喰らって吹き飛ばされながら、横方向からカイルが自分に銃口を向けていた。
空中で体勢を整え、銃口をカイルに向けたが、次の瞬間強い衝撃が自分を襲った。
トレバーが横からアガレスへ膝蹴りを決め、そのままアガレスへ連続蹴りを繰り出す。
最後の踵落としを決め、後方から迫って来たウァサゴの蹴りをガードする。
吹き飛んだトレバーが着地し、ウァサゴも蹴りの反動で後方へ着地する。
すると、ウァサゴの背中にエネリオンの銃弾が衝突し、爆発した。
カイルは接近しながら1秒間に50発のペースで銃弾を連射する。
対応が遅れたが、槍で次々と銃弾を防いでいく。
不意に背中に衝撃を感じ、怯む。
後ろではトレバーが駆け込みストレートを決め、そのままウァサゴへ連続パンチを繰り出す。
最後のストレートを決め、後方から飛んで来たアガレスの銃弾を次々と籠手や脛当てでブロックする。
アガレスの背中にカイルの放った銃弾がヒットし、再びアガレスは倒れる。
それを逃さず、トレバーはアガレスとの距離を詰め、腕に力を込めた。
トレバーの思念は装着した籠手に仕込まれている鋭い刃を展開させる。
刃は無防備なアガレスの心臓を貫いた。
動かなくなったアガレスを刃から抜く。
「アガレス!」
突然、マルバスが横から吹き飛ばされ、リョウがそこへ殴り掛かろうとする。
リョウの拳はウァサゴの腕に受け止められ、リョウの腹にマルバスの蹴りが決まる。
そのままリョウが吹き飛ばされ、着地する。
ウァサゴとマルバスはリョウ達3人に囲まれた。
「流石は「死神」だな。これ程呆気無くアガレスを殺すとは。」
「......。」
トレバーは何も答えず、2人を睨んでいた。
「......カイル、トレバー、後は俺一人で十分だ。他の奴らを助けに行ってやれ。」
リョウが何か考えたのかそう言った。
「でもリョウ、君1人で大丈夫なのかい?2対1では流石に負けるんじゃないか?」
「まあ、俺にはある秘策があるのでな。」
「......カイル、俺はリョウを信じる......。」
トレバーがリョウに言われた通りに何処かへと走り去って行った。
「......じゃあ任せたよ、リョウ。」
「ああ。」
カイルもトレバー同様に走り去って行った。
「貴様一人?舐めやがって。」
「いくら貴様が「エクストラ」とはいえ、我々2人の相手は辛いんじゃないのか?」
「まあな、これでアイツらも居なくなったし、本気を出せる。」
「ほう、それは面白そうだな。」
「がっかりさせないでくれよ。」
『レックス、あの早苗という少女だが、ひょっとするとお前に匹敵する程のエネリオン量があるかも知れん。』
「それは本当か?ならばそいつは殺すな。捕獲だ。分かったか。」
『了解、リーダーさんよ。全く簡単に言いやがるぜ。』
「愚痴は上官に聞こえない所で言え。」
『ヘイヘイ、まあ出来るならやってみるぜ。んじゃ。』
通信が切れ、レックスは「目的物」を追うのを再開した。
「レーダーはと......結構近いな。」
レーダーは自分から前方数百m先を示していた。
圧縮空気を後方に吹かせ、反動で自分が前へ進む。
数秒後、自身から逃げる様に飛んでいる赤髪の少女を発見し、前に立ち塞がる。
「ふえっ?!」
「「爆弾」を渡せ、さもなくばお前は死ぬ。」
「パチュリー様の命令です。絶対に渡しません!」
「まあ良い。」
レックスは小悪魔に手を突きだし、引き戻す。
小悪魔の背後から突風が吹き付け、手に持っていた袋を手放してしまう。
袋は風に流されてレックスの手に渡った。
「本来は殺さなくて済む事だ。お前達だって無駄に死体を出したくないだろ?」
レックスはその場から飛び去ろうとした、が、
「通さないわよ!」
レミリアが前に、
「まだまだこれから本気で行くよ!」
フランが後ろに立ち塞がった。
「小悪魔、貴方は戻りなさい、パチェは重傷、美鈴は気絶、咲夜は何らかの病気にかかっているみたいよ。」
「わ、分かりました。」
小悪魔が紅魔館の方へと飛んで行き、レックスは「爆弾」と呼ぶ物の入った袋をリュックに入れた。
そして、スカーレット姉妹はレックスへと飛び掛かった。
「こっちだ。」
早苗は視界の右端に、文は視界の左端に、サムの姿を見つけた。
「風神「二百十日」!」
「奇跡「客星の明るすぎる夜」!」
互いの視界にあるサムへ弾幕が飛んで行く。
しかし、弾幕はサムに当たる寸前に消えた。
「攻撃が効かない?!」
「一体どうやって?!」
「それは俺の能力が分かれば分かる。俺は意地悪だから教えてやらないがな。」
二人の疑問にサムが答えると、早苗は視界の右端に、文は視界の左端に、自分に向かって弾幕が飛んで来るのを見つけた。
「これは......。」
「文さんの弾幕?」
「その通り。」
サムの言った解答をよそに弾幕を避ける。
「でも何でこんな事が......。」
突然、文の頭上にサムが現れ、文に踵落としを決めた。
続けて腹に連続でパンチを打ち込み、蹴り飛ばす。
更に蹴り上げ、吹き飛んだ文へ上空から肘打ちを決める。
地面に叩きつけられた文は次の瞬間膝蹴りを喰らい、気絶した。
「呆気無いなあ。では後は捕獲だけか。」
「捕獲?私に何をするつもりですか?!」
「東風谷早苗、お前は自分を知らない。どうだ、俺達と共に世界を変えてみないか。戦争は完全に撤廃され、あらゆる社会問題や環境問題は解決される。」
「貴方達地球管理組織のして来た事は見た事があります。あんな、人間らしさの奪われた世界のどこが良いんですか?!」
「これだから低知能共は......まあ従ってもらうぞ。」
サムが早苗の背後に現れ、早苗へと手刀を繰り出そうとする。
その様子をカイルは1000m先から見ていた。
照準をサムに向け、両手に持つ銃の引き金を引く。
音速の10倍で1秒に25発。
カイルが引き金を引いてから0.2秒後、サムは自分に向かってエネリオンの銃弾が放たれているのを確認した。
慌てて早苗から離れ、避けようとするが数発被弾する。
しかし、銃弾は早苗には当たっていない。
「光学迷彩をしていたというのにこれ程正確に狙撃するとは......「サテライト」か!面白い!」