東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中)   作:タツマゲドン

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しばし遅れを取りましたが今こそ巻き返しの時です



6 紅い悪魔再び

「今何て言ったのかしら......良く聞こえなかったわ......。」

 

 レミリアは目を見開いた形相でアダムを睨む。

 

 しかし、アダムはまるでその事を無視しているかの様に

 

「要するにお前のその戦闘技術では僕には勝てない。それにお前には致命的な弱点がある。」

 

 と言うのだった。

 

 レミリアは紅魔館の主だけあって、それに見合う程に自分に対してのプライドも持ち合わせている。

 

 今のアダムの台詞の様に、自分を馬鹿にしたり侮辱する様な言葉に対して非常に敏感で酷く怒りを感じる性格である。

 

「ふざけるな!!!!!」

 

 レミリアは己のプライドを捨て、アダムに飛び掛かり、顔面へストレートを繰り出した。

 

 アダムは何という事無いかの様な表情でそれを受け止める。

 

 というか実際に何という事無いのだが。

 

 レミリアは止まらず、怒涛の猛攻撃を繰り出した。

 

 アダムは後ろへ少しずつ下がりながら避けていく。

 

 アダムは後ろへと退いている内に、背中に壁の感触を感じた。

 

 レミリアもそれに気づき、勝利を確信したかの様にアダムへとストレートを送った。

 

 アダムは体ごと横へと避けた。

 

 レミリアのストレートはアダムがいた後ろの壁を突き破り、レミリアの肘から先が壁にめり込んだ。

 

 アダムは後ろから裏拳をクリーンヒットさせ、その勢いによってレミリアの肩から先が壁にめり込んだ。

 

 アダムは更に肘打ちを当て、その勢いによってレミリアは壁を突き抜けた。

 

「この野郎!!!!!」

 

 レミリアは起き上がると、怒りに身を任せて大量の弾幕を放った。

 

(よし、想定通りだ。これなら確実に勝てる。)

 

 アダムはまるで弾幕の軌道を予め知っているかの様に避けた。

 

 というか、実際に知っているのだが。

 

 レミリアの弾幕を良く見れば、全てがアダムに向かって変則も無くただ直進しているのが分かるだろう。

 

 これ程単純な攻撃は読まれ易い。

 

 これがアダムの狙いだった。

 

 アダムは避けながら右手に銃を握り、レミリアへと銃を連射した。

 

 一秒に50発。

 

 それが5秒間。

 

 銃弾の軌道が見えるならば、銃弾はレミリアには当たらない軌道である事が分かる筈だ。

 

 レミリアにはアダムが放った音速の5倍の速さを誇る銃弾が、冷静に判断すれば動きを捉えられる程の動体視力はある。

 

 しかし、冷静さを失ったレミリアにはその軌道を読む事が出来ない。

 

 結果、無駄な動きが増え、250発中100発が当たった。

 

 一方でアダムは今日立て続けに今回で5回目の戦闘であるにも関わらず、その冷静さは殆ど失っていない。

 

 アダムの言うレミリアの致命的な弱点とは、自分自身の侮辱に対して敏感な事と、更にその短気さである。

 

「神槍「スピア・ザ・グングニル」!私はもう貴方を許さない。串刺しにしてあげるわ!!!!!」

 

 レミリアの手には自身の身長の1.5倍程の長さの槍が握られていた。

 

 アダムはそれに対応すべく銃を仕舞い、代わりにナイフを握った。

 

 レミリアはアダムの心臓に向かって槍を突き出す。

 

 だが、それはその槍よりも遥かに短く弱そうなナイフによって軌道を変えられ、躱された。

 

 海の神が用いる神聖な槍がただのナイフに弾かれたのだ。

 

 レミリアは諦めず何度も槍を突き出すが、それがアダムに突き刺さる事は無い。

 

 アダムは難無く槍をナイフで払いのけていく。

 

 今度はアダムが攻撃を仕掛けた。

 

 ナイフは短いが、軽い分素早い動きが可能だ。

 

 一方で槍は長いが、重くて動きが遅くなる。

 

 結果、レミリアは防御だけで反撃が出来なかった。

 

 アダムのナイフが槍を握る手を引っ掻いた。

 

「うっ!」

 

 レミリアは痛みによって槍を手放す。

 

アダムは続けてナイフを急所以外のあらゆる箇所を切ったり突き刺したりした。

 

「う......ぐがあああああ!!!!!」

 

 レミリアは痛みに耐えられなくその場に倒れた。

 

「これで動く事は出来まい。」

 

「ふ、ふざけないで頂戴......私はまだ戦えるわ......。」

 

 アダムはレミリアに付けた傷を良く見た。すると傷は少しずつ塞がり、やがて傷は完全に無くなった。

 

「成程、再生能力が高い様だな。だが、その様子だと痛みまでは治せない様だ。」

 

 アダムの言う通り、レミリアはかなり息を切らしている上に痛みを我慢するように歯を食いしばっていた。

 

 アダムは躊躇無くレミリアに急接近し、腹に膝蹴りを喰らわせた。

 

「うっ......ぐはぁ!」

 

 レミリアの口から血が吐き出された。

 

 アダムはローキックを決め、レミリアを地面に倒し、拳を高く上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に亡くなられたのですね。あの外来人によって。」

 

「そうよ。私にも信じられないわ。」

 

「そもそも妹様にまともに戦える方なんてお嬢様だけですもんね。あのアダムさんって人どれ程の力を持っているのか......。」

 

「あの人私に首を斬り落とすぞ、って恐喝していましたし、本当に怖いです......。」

 

 上から順に咲夜、パチュリー、美鈴、小悪魔の台詞である。

 

 丁度アダムがレミリアと戦っている最中、パチュリー、咲夜、美鈴、小悪魔の4人はヴワル図書館にいた。

 

 そして、4人は一人の静かに仰向けに横たわっている少女を円形に囲んでいた。

 

 少女の顔には白い布が一枚掛けられており、左胸にナイフで刺された跡があった。

 

 少女の名はフランドール・スカーレット。言うまでもないが、先ほどアダムが殺した少女だ。

 

「お嬢様が知ると一体どんな顔をされるか......。」

 

「咲夜、レミィは今最上階でアダム達と戦っているはずよ。戦いが終わり次第ここに来るように言って来て。」

 

「はい、分かりました......。」

 

 咲夜は早速レミリアの元へ行こうとした。

 

 だが、咲夜は何か妙な気配を感じた。

 

 辺りを見回す。だがそれらしき物は見つからない。

 

「咲夜、どうかしたの?」

 

「い、いえ。何か変な気配を感じたので......。」

 

「ん?あれ?」

 

 美鈴が何か呟いた。

 

「美鈴?」

 

「今、死体が、動きませんでした?」

 

 四人はフランの死体を観察した。

 

 そして、右の人差指がピクッと動いた。

 

 パチュリーが呼吸と心拍を確かめる。

 

 始めはどちらも弱々しかったものの、段々と強くなっていった。

 

「......生きている。生きているわ!」

 

 四人共嬉しそうな声を上げた。

 

「でも、全然起き上がる気配がありませんよ?どうしてでしょうか?」

 

 小悪魔の疑問を聞き、パチュリーが再び呼吸と心拍を確かめた。

 

「......妙だわ。心拍と呼吸が更に激しくなっていく。でも目を開ける気配がまるでないわね。」

 

 パチュリーの言う通り、フランは瞼どころか横隔膜と心臓以外の運動器官は全く動いていない。

 

 また、先程まであった左胸の傷は何時の間にか消えていた。

 

 突然、何の前触れも無くフランの両目がパッチリと勢い良く開いた。

 

「妹様!大丈夫ですか?!」

 

 咲夜が嬉しそうに言った。

 

 だが、フランからは返事が無い。

 

「妹様?」

 

「......ウググ......。」

 

 フランからはまるで獣の様な返事が返って来た。

 

 声だけでなく目つきや姿勢もそれと似ている様な気がするのは咲夜の思い違いでは無かった。

 

「グガアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

 フランは途轍もない雄叫びと共に周囲の四人を吹き飛ばした。

 

 そして、フランは高く飛び上がったと思うとそのまま天井を突き抜けて行った。

 

「......どうなさいますか?」

 

「そうね、私はおろか咲夜やレミィでも、そして紅魔館の皆で一緒に戦ったとしても無理かしら。」

 

「そんな......。」

 

 四人はフランが突き抜けた天井を見つめながらただその場に立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アダムはレミリアに止めの一撃をと腕を高々と上げていた。

 

 レミリアには最早防御するという事など無駄だと悟っていた。

 

 突然、アダムは後ろを振り向いた。

 

 その直後、アダムの視線の先の床から何か突き抜けたと思うと、一人の少女がそこから姿を現した。

 

(何故だ?確かに僕が殺した筈だ。いや、脳にダメージを与ええなかったのが間違いだったか......。)

 

「グ......グギャア!」

 

 フランは以前の声と比べて想像も付かない様な声を上げた。

 

 どちらかと言えば声では無く鳴き声なのだが。

 

「......フ、フラン?まさか......。」

 

 レミリアが弱々しく言う。

 

「お前、確かアダムに殺されたんじゃあ......。」

 

 離れた所から見守る魔理沙も疑問に思ったらしい。

 

「ウガアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」

 

 フランがアダムへと爪と歯を立てながら襲い掛かって来た。

 

(学習しない奴だな、また正面から競り合いか。だが、奴からはまるで理性を感じられない......。)

 

 アダムは正面からフランの両腕を掴み、押し止める。

 

 だが、力ではフランの方が勝っており、現にアダムは少しずつ押されていっている。

 

 この点は先程の地下での戦闘と変わりは無い。だが

 

(確実に以前よりも力が増している。一体どうなっているんだ。)

 

 アダムはフランを押すのを止めた。

 

 フランは外から力が加えられない事によって急ブレーキを掛けるが慣性の法則には逆らえず、前へと飛び出した。

 

 アダムは、フランの足を掴み、ジャイアントスイングを決め、投げ飛ばした。

 

 フランは壁に激突し倒れたもののすぐに立ち上がると、目の前にはナイフを構えたアダムが自分を斬ろうとしている最中だった。

 

 ところが、フランは避けようとせず、腕にナイフを受けた。

 

 アダムのナイフは超音波並の振動を起こしている高周波ブレードだが、そのナイフはフランの腕を斬り裂けなかった。

 

(何だと?以前は効いた筈だ。)

 

 フランはアダムの顔面にストレートを喰らわせた。

 

 アダムはそのまま吹き飛ばされ、その勢いによって窓を突き破り、そのまま外に飛ばされて行った。

 

 フランの腕にはナイフによる切り傷は無く、ただナイフが突き立てられた部分が赤く腫れていただけだった。

 

 その腕の腫れもすぐに無くなった。

 

 フランはまたアダムを襲おうと窓の外へと飛び出していった。

 

「......。」

 

「魔理沙、アダムが危ないわ。私たちも行くわよ!」

 

「ええ?!私は御免だ。私はアイツに殺されかけたんだぞ!」

 

「なら私だけでも行くわ。」

 

 霊夢はそのままフランの後を追って行った。

 

「ちょっ、待てよ。全く、しょうがないな......。」

 

 魔理沙も仕方なく霊夢の後を追って行った。

 




ね、巻き返したでしょ?(どんな方法かとは言ってない)
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