家庭教師ヒットマンREBORN! 夜の守護者 作:tomato88
今回、初三人称です。 読みにくかったらごめんなさい。
「おとーさん!! 早く起きてくれないと私が遅刻しちゃうんだけど!?」
「スマンスマン。 最近どうも寝つきが悪くてなぁ。 まだ年寄りじゃないっていう証拠かねぇ……」
「そんなこと言ってないで、早くご飯食べて! 後片付けすらまともに出来ないんだから!」
「お母さんが死んでから頼りっぱなしで悪いな」
「悪いっていう自覚があるなら少しは手伝ってよ!?」
この2人は並盛町に住む中学生、大空姫とその父親、大空信明だ。 母親は数年前にとある事故で他界している。 そこからは家族2人、協力し合い生きてきた。 まぁ、家事は全て姫がやっているのだが。
「お父さん、私、学校行くから食べ終わったら食器を洗面台に置いといて。 それ以外は何もしないでね!」
「わかってるよ。 ほら、さっさと行ってこい」
「うぅ〜! 行ってきます!!」
そう言って、姫は家を飛び出し、学校へと向かった。
▽▽▽
(なんか、やけにクラスが騒がしいけど、何かあったのかな?)
ここは並盛中学高1ーA組の教室。 姫が教室に入るといつも以上の騒がしさに疑問を抱いたのだ。 彼女は自分の机に鞄を置くと友人たちの元へと向かう。
「おはようっ、京子! 花!」
「おはよー! 姫ちゃん!」
「おはよ。 あんたは朝から元気ねぇ」
「へへ、今日はお弁当の卵焼きがうまくできたからね。 それでかな?」
「へぇ、それなら私にも少し頂戴ね。 そう言えば聞いた? 沢田のやつ、さっきパンツ一丁で京子に告白したのよ? よくやるわよねぇ」
「え? 沢田君が?」
「こ、告白なんかじゃないよ!?」
「あれのどこが告白じゃないよって言うのよ」
(なるほど。 これが騒がしさの原因か。 あの沢田君がこんなことをするってことは、ついに9代目が動き出したのかな?)
実は彼女の家は過去にボンゴレと深いつながりがあり、その経緯で様々な情報を手に入れることができていた。 それはもちろん、ボンゴレI世の子孫が並盛にいるということも知っていた。 沢田綱吉がボンゴレ10代目に選ばれたのはかなり急だったため、そのことを姫はまだ知らないでいたのだ。
「しかもよ? 姫。 それに怒った持田先輩が今日の放課後、沢田と勝負するんだって」
「し、勝負……?」
「なんでも『京子を泣かせたやつは俺がぶっ飛ばしてやる!』とか言ってるらしいわよ。 京子はただ沢田の格好が笑いのツボに入っただけなのにね」
「ちゃんと謝らないとっ!」
京子はそう意気込んでいる。 だがこの時、姫は自分のことを監視しているような視線に意識を持って行かれていた。
(誰……? どこから……?
……まぁ、害はなさそうだし別にいっか)
結局、その視線の答えがわからず、姫は意識を京子達の方へと戻していった。
▽▽▽
(この俺に気づくとはあいつは一体何者だ……?)
先ほどの視線の正体、 それはリボーンだった。 彼はツナと別れた後、ツナのクラスメイトがどういう人たちか確認するために少し離れた木の上からレオンを双眼鏡として覗いていた。
(あいつはうちのファミリーに必要な存在かもしれないな。 まぁ、他にもファミリー候補はいることだし、とりあえずは様子見だな)
リボーンはそう結論付け、監視を続けるのだった。
▽▽▽
時刻は放課後。 姫は京子と花とともに沢田綱吉と持田先輩が戦う予定の体育館に来ていた。
だが……
「沢田のやつ遅いわね…… 逃げたのかしら?」
沢田綱吉は体育館へと来ていなかった。 周りの生徒は沢田綱吉は逃げたのではないかと騒ぎ始めていた。
「そんなことないと思うよ? 沢田君はきっと来るって!」
「どうかしらねぇ。 姫はどう思う?」
「え? 私? んー、京子と一緒の意見かな? 来ると思うよ」
姫はこの時、今朝の視線の正体にだいたい当たりをつけていた。 それに、これが事実なら必ず沢田綱吉はやってくる、そういう確信も同時に持っていた。
その時、沢田綱吉は体育館へと到着する。
ルールを説明された後、試合は開始された。
「沢田のやつ、押されてるわね」
「沢田君! 頑張って!!」
「なんか、京子も随分と熱くなってるね」
「だって…… 同じクラスの人だから、やっぱり沢田君には勝ってほしいなって……」
「ふふっ! そうだねっ!」
この時、姫はリボーンが死ぬ気弾を沢田綱吉に撃ったのを確認していた。
(やっぱり…… 沢田君をボンゴレ10代目にするために送り込まれたのはアルコバレーノのリボーンだった……)
姫が自らの思考に沈んでいる間に試合は沢田綱吉の勝利で幕を閉じた。
▽▽▽
「ちゃおっス」
姫が学校から出てしばらく歩いたところでリボーンが声をかけてきた。 周りに人影は見当たらない。
「アルコバレーノのリボーン……」
「なんだ、俺のことを知っていたのか。 なら話は早いな」
「話って……?」
「うちのファミリーに入らないか? お前なら優秀なヒットマンになれるぞ」
リボーンはその時、見てしまった。 京子たちと話す時とは全く違う感情のない顔、そして、そこから見える黒い炎を。
(あの炎は一体なんだ? 大空姫はなにを抱えている……)
リボーンが考え込む前に姫は誘いの返事を言う。
「ごめんなさい。 今はまだ、ファミリーには入れない」
「今はまだ?」
「私にはまだ、やらなきゃいけないことがあるから。この2つのリングを使ってお母さんを殺したあの男を殺さなきゃいけない。 それが終わるまでは私は彼の影になっちゃいけないの」
彼女から見せられたのは2つのリング。 1つは桜の模様が入ったリング。 もう1つは……
「そのリングは……ボンゴレリングか?」
「そう。 これはボンゴレI世が引退した後に作られたと言われている大空と対になるもの、夜のリング」
▽▽▽
(夜のボンゴレリング…… そんなものがこの世に存在しているとはな)
時刻は夜。 ツナはもう寝ている。 先ほどママンが来たが後は何もない静かな夜だった。 そんな中、リボーンは1人、姫との会話を思い出していた。
(ボンゴレリングは俺たち、アルコバレーノと同じ属性の死ぬ気の炎を持っているはずなんだ…… 夜の炎なんて聞いたことねぇぞ……)
やはり、リボーンとしては1番気になるのは姫が持っていた夜のボンゴレリング。 それに付帯している炎の属性についてであった。
(調べてみる必要がありそうだな…… だけど、俺の直感は大空姫をファミリーに入れろと囁いてきやがる……
まずはツナのやつに接触してもらうしかねぇかもな)
リボーンはそこで姫について考えるのをやめた。
オリ主
大空姫(おおぞら ひめ)
今作の主人公。 並盛町に父親と2人で住んでいる。 家は昔、ボンゴレと何かしらのつながりがあった模様。 家事が得意。 特に料理はプロにちかいものがある。 京子と花と仲がいい。
所持リングは桜の模様が入っているリングと夜のボンゴレリング。
死ぬ気の炎は大空と夜。
見た目はメガネを掛けていて、黒くて長い髪に整った顔立ち。 大人しい雰囲気があり、図書室で本を借りていそうなイメージがある。