家庭教師ヒットマンREBORN! 夜の守護者   作:tomato88

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第10話

夏が終わり、秋がやってくる9月の後半。 並盛中では、本日、体育祭が行われることになっていた。

 

「姫ちゃん、お疲れ様です! 足早いんですね〜」

「そんなことないよ〜。 今日はたまたま身体が軽いだけだよ〜」

「あら、そうだったの。 私には手を抜いてるように見えたけど?」

「流石にそれはないですよ、ビアンキさん……」

 

1年の女子の午前の種目は全て終了したことで、姫はハルやビアンキのいる沢田家のシートがあるところにいた。 ハルと弁当を食べ比べしようということで、お昼も共にすることになっていた。

 

「それにしても、何か揉めてるのかな? もうお昼なのにツナ君たち遅くない?」

「あぁ、それなんだけどな。 なんでも、他の組の大将が何者かに襲われたらしいぞ」

「あぁ……」

 

リボーンのその言葉で姫は今の状況を察することができた。

 

「もう、リボーンさん、変なことしないでくださいね? 一応、ツナ君は風邪気味なんですから」

「わかってるぞ」

 

リボーンは一応、ツナに熱があることは知っていたが、知った上で今回の計画を実行していた。 元々、なんやかんやで元気なツナがこの計画を実行する決め手になったのはツナの知るところではない。

 

「ごめん! 遅くなった!」

「お疲れ様です! ツナさん!」

「お疲れ様」

「う、うん。 ありがとう、2人とも。 それよりも、リボーン! どうすんだよこれ!?」

 

ツナがリボーンに抗議している中、他の人たちはお弁当をシートの中央に広げ始めていた。

 

「これ、ハルちゃんが作ったの? 美味しそー!」

「姫ちゃんの方が凄いです! これとかどうやって作ったんですかー?」

「あ、これはねー」

 

姫とハルは弁当の中身について話し合い、奈々はランボの面倒を見ながら箸や取り皿を用意し、ビアンキは自分のリュックからゴソゴソと重箱を取り出そうとしていた。

 

「「いただきまーす!!」」

 

そして、女子2人の号令でお昼ごはんは始まった。

 

「あ、これ美味しい……」

「あ、それ、ハルが作ったんです! ツナさんに美味しいって言ってもらえてハルはハッピーです!」

「もぐもぐ、姫の料理はママンの料理と負けず劣らずだな」

「本当ですか!? ありがとうございます!」

「それよりもリボーン。 私の料理、食べてみない? 自信作なの」

「ガハハ〜! ランボさんが全部食べちゃうもんね!」

「あらあら、まだまだいっぱいあるから、そんなに急いで食べなくても大丈夫よ〜」

みんなでワイワイと騒ぎながら食べるお弁当。だが、数人にはある不満な点があった。 それは周りの視線。 先ほどの騒ぎの原因とされているツナに対する恨みの視線だ。

 

「さっきから何なんですか? あの人たち。 こっちのことをジロジロと見て」

「あんまりいい気はしないよね」

流石に我慢ならなかったのか、ハルが文句を言おうと思い、立ち上がろうとしたが姫がそれを止めた。

「ちょっと文句を言いに行くだけです!」

「大丈夫だよ。 ビアンキさんが何とかしてくれるから」

 

姫の言葉の通り、ビアンキはゴソゴソとリュックからあるものを取り出した。

 

「ほら、あなたたち、チョコ食べるかしら?」

 

ビアンキが取り出したのはチョコだった。 姫はこれからどういうことになるか容易に想像が出来たが、苦笑いしながら、それを止めるようなことはしなかった。 そして、そのまま昼休みは終わりを告げた。

 

▽▽▽

 

 

 

『審議の結果、AチームとB・C合同チームの対決となりました』

 

そのようなアナウンスがあったのはお昼の時間が終わり、競技が始まる少し前のことだった。

 

「結構、人数差があるねー」

「大丈夫だよ! ツナ君が大将だもん! 絶対勝ってくれるよ!」

「どうだか。 ダメツナが大将なんて不安しかないわよ」

姫は昼の後、京子と花に合流し、棒倒しを一緒に応援していた。

 

「あっちの大将は雲雀さんか〜」

「これは負けるでしょ、さすがに」

 

だが、花の予想とは逆にツナが死ぬ気弾を撃たれ、その死ぬ気の勢いでA組が少しずつ合同チームを押し始めていた。

 

「みんな〜! 頑張って〜!」

「もう少しだよ〜!」

 

そして、途中から騎馬で敵陣に突っ込んでいたツナたちがついに棒の近くまでたどり着いた。 だが。

 

「お兄ちゃん! こんなところで喧嘩しないで!!」

「始まっちゃった……」

 

騎馬でツナを支えていた獄寺と了平がちょっとしたことで言い争いの、殴り合いの喧嘩となってしまった。 やはり、山本1人じゃツナを支えきれず、バランスを崩し、騎馬は崩壊、ツナは地面へと体をつけてしまった。 もちろん。A組の負けだ。

「やっぱり。 こうなると思ってたわ」

「なんでこうなるかなぁ」

 

決着に納得いかず、乱闘騒ぎをしている男子にうんざりしながら、女子は各自の席に戻っていった。

 

「じゃあ、私たちも戻ろうか?」

 

姫がそう提案したことで、3人は自分たちの席へと戻ろうとしたのだが。

 

「え、あの! 待ってっ!?」

 

1番後ろにいた姫の叫びを聞いて京子と花が後ろを振り向いた時には、そこに姫の姿はなかった。

 

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「あの〜、どうして私はここに連れてこられたのでしょうか?」

「赤ん坊に頼まれたからだよ」

 

あの時、姫は雲雀の部下によって、屋上まで連れてこられていた。 屋上に着くやいなや、その場に置いてけぼりにされ、しばらくすると、屋上に雲雀が現れた。

 

「リポーンさんに?」

「そうだぞ。 オレが雲雀に頼んだんだ」

「わっ!? いつからそこにいたんですか!?」

 

気づいた時にはリボーンは姫の肩の上に乗っていた。 耳元で喋られた姫は突然のことで驚いていた。

 

「ついさっきからだぞ」

「気付かなかったです…… それよりも、どうして私をここに連れてこさせたんですか? それも雲雀さんまで呼んで」

「ツナたちから聞いてないか? これから雲雀と戦って実践練習をするんだぞ」

 

姫はそのことを聞いて、2週間ぐらい前に応接室で何かが爆発したというちょっとした事件があったということを思い出した。 姫はその日の午後にツナたちが授業に出なかったことから何か関係があるんじゃないかと考え、3人に聞いてみたが、何も教えてもらえなかった。

 

「そんなことしてたんですね」

「そうだぞ。 雲雀がやりたがってるようだから、早速始めるぞ」

 

そう言ってリボーンは姫の肩から降りて、端に移動した。

 

「始めていいのかい?」

「あ、ちょっと待ってください。 ポケットに引っかかってて取れなくて……」

「ふーん」

 

うんしょ、うんしょ、とポケットから取り出そうとする姫だったが、なかなか取れないでいた。 そして、その光景を黙って見ていたがいい加減しびれを切らした雲雀は。

 

「いくよ」

 

その一言とともに姫に向かって突撃してきた。

「あーもう! もう少し待ってくださいよ!!」

 

不意打ち気味にやられた攻撃だったが、動きが直線的だったために、姫は横に動くだけで雲雀の攻撃を避けることが出来た。

ーークスクス、どうするのかしら? 私がやってもいいわよぉ?

 

自分でやるから! あなたは出てこないで!

 

ーークスクス、連れないわねぇ。 なら、つまんないからさっさとやっちゃって。

 

続けてトンファーによる攻撃を続ける雲雀。 姫はその攻撃を紙一重でかわし続ける。

「君からはこないのかい?」

武器を取り出せたはずの姫が自分に攻撃をしてこないことに苛立ち始めた雲雀。 姫はその様子に少し迷った様子で言った。

 

「えーと、じゃあ、今度は私から行かせてもらいます!」

「そう」

 

返事を待たずして姫は雲雀に向かって突撃した。 姫が持っている武器は扇子。 だが、いつもの木と紙でできたものではなく、鉄でできたものだった。

 

「えいっ!」

 

ガンッ! ガンッ! と金属がぶつかり合う音が響き渡る。

 

「へぇ。 君はそれなりにできるようだね」

「そうですか。 でも、もう終わりです」

 

姫はそう言って最後にガンッ! と扇子をトンファーに叩きつけてから大きく後ろに後退した。

 

「なにを言ってるんだい? まだ、これからだよ」

「もう武器がないのにどうやって戦うって言うんですか?」

「……ッ!」

 

雲雀のトンファーが音も立てずにバラバラに崩れていく。 雲雀の手に残ったのはトンファーの持ち手部分だけだった。

 

「一体、なにをしたんだい?」

「私の扇子、雲雀さんのトンファーと一緒で色々と仕掛けがあるんですよ〜」

 

紙の部分から無数の小刀が飛び出している扇子を口元に持っていき、姫は上品に笑った。 それは、前回、雲雀が見たものとは全く違ったものだった。

 

「リボーンそん。 私、もう戻っていいですか?」

「あぁ、構わねーぞ」

「それじゃあ、リボーンさん、雲雀さん、お先に失礼します」

 

姫はその場で一礼してから屋上を出て行った。

 

「赤ん坊。 今日は楽しめたよ。 ありがとう」

「おう。 こっちも色々と収穫はあったからな。 あ互いさまだ」

「フッ。 じゃあ、僕も行くよ」

「あぁ、またなんかあったら頼むぞ」

 

リボーンの頼みに雲雀は手を振って答える。 そして、屋上に1人、残ったリボーンもしばらく何かを考えてからその場を後にした。

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